
第50話「恥虐のこぶ縄渡り(1)」
「準備ができたよ」
富成が、『二階の寝室で準備ができた』と殿井に伝えてきた。
おそらく『罰』という名目の猥褻な仕置きが待っているのだろう。
(次は何をされるのかしら……)
暗澹たる表情を隠しきれないありさ。
衣葡もまた不安におののき顔が引き攣っている。
おおいようもない絶望感が暗い夕闇のように、彼女たちの胸にしずみこむ。
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背中を押されありさたちが寝室に入ると、ベッドが部屋の端に移動し中央には広いスペースが設けられていた。
殿井たちはいったい何を企んでいるのだろうか。
「このパンツに穿き替えて」
「……?」
富成がありさと衣葡にショーツを穿き替えるよう指示をした。
よく見るとショーツは洗濯して干してあったありさの下着ではないか。
「これって私のパンツじゃないの? どうして穿き替えるの?」
「そのパンツをよく見て」
ショーツを拡げてみると、あろうことかクロッチに楕円形の穴があいていた。
富成がわざと鋏であけたのだろう。出来の悪いオープンショーツと言ったところだろうか。
「ひどい、私のパンツを……こんなの穿けないわ」
「穿くのが嫌なら穿かなくていい。その代わりパンツなしで過ごすことになるがいいんだな」
衣葡が、あきらめて穿こうとありさを促した。
裸よりもましだと思ったのだろう。
ありさが白で衣葡が水色の穴のあいたショーツを、悔しそうに穿くふたり。
わざわざ穴があいたショーツをふたりに穿かせる目的はいったい何だろうか。
その理由はまもなく明らかになる。
ふたりはショーツ一枚着けただけの恥ずかしい姿になり、ロープで後ろ手に縛られた。
不安による緊張で身を震わせる。
富成が壁際に行き、長いロープを引っ張って来た。
その長いロープは反対側の壁のフックに繋がれて、ピンと張りつめた。
それを見たありさの呼吸が早くなった。
ありさの腰のあたりの高さでわずかな弛みもなく真横にピンと張っているロープには、三十センチ置きに親指二本ほどの太さで結び目が作られて並んでいた。
富成がありさの背後から両肩を押して一方の壁際に連れて行った。
手招きされて衣葡も後につづいた。
ありさが壁際に着くと、富成が一旦ロープを下ろしありさをまたがせると、そのままそこに立たされた。
富成がロープを再び上に引き上げ、ありさの股間に位置にぴったり合わせるように高さを調節した。
ロープがありさの性器の割れ目にきつく食い込んだところで壁際のフックにロープがきっちりと結び付けられた。
崎野が片手ダンベルを二個持ってにやりと笑った。
「物色していたらこんな物を見つけたよ。フィットネス用に使うつもりだったろうけど、悪いな」
崎野は、ありさの左右の足首をそれぞれロープで縛り足枷代わりにダンベルを取り付けた。
一つが二キログラムと決して重い代物ではないが、足首に取り付けられるとさすがに堪える。
何とか足を前に出すことはできるが、重量のせいで歩幅は小さく制限される。
「やめろ! ありさは奴隷じゃないんだぞ!」
「うぜえなあ! 静かにしろ!」
殿井が、俊介を蹴り飛ばし、またもや猿轡を噛ませてしまった。
崎野がありさの横に寄り添い、ロープに当たっている股間に指を伸ばして、割れ目を指でほぐそうとした。
ありさの花唇を広げてロープが深く食い込むようにする。
崎野が嬉しそうにつぶやいた。
「なんと、もう濡れてるじゃん。そんなに期待をしていたの、奥様?」
崎野がありさの股間から手を放し、その指先にキラキラと光る透明の液体がねっとりと尾を引いている。
崎野が衣葡の手を引いて、ありさのそこを覗き込ませた。
「ほら見ろよ。あんたの友達のありさ奥様、もうしっかりと濡れちゃってるんだけど。衣葡さんにもこの後の責め、手伝ってもらうから楽しみにね~。はははは~、手伝いするより、自分がエロいことをしてほしそうじゃん?」
「そんなこと思ってないわ」
乳房丸出しで後ろ手に縛られ、惨めな穴あきショーツを穿かされ、股間にロープを食い込まされて直立しているありさの姿は、男女問わず見る者をゾクゾクとさせる効果があった。
殿井が一見バドミントンのラケットのような形の物を手にし、ありさの頬を撫でながらつぶやいた。
「おい、ありさ、別荘を物色してたらこんな物が出てきたんだよ。これなんだか分かるか?」
「……」
「どうも籐でできた布団たたきらしいんだけどな、鞭の代わりにできそうなので持ってきたってわけさ」
鞭と聞いて、ありさは表情が一変した。
「ありさよ、今からこのロープをまたいで進んでもらうんだけどな、勝手に止まったらどうなるか、言わなくてももう分かっているよな。マンコが擦れて、淫らに喘ぐ姿を旦那さんや他の皆さんにたっぷり見せてやるんだぞ」
崎野が洗面器に入ったローションをひとすくいして、花裂に擦りつけた。
ひんやりとした感触が敏感な箇所を刺激する。
「滑りをよくしてやるからな」
崎野がローションを塗り終えると、殿井がありさの背後に回り背中をトンと押すと同時に命じた。
「さあ、前に進め」