(第36話)



早乙女衣葡




第36話「淫獣たちの狂宴(2)」

 衣葡が小声ながら、しかしはっきりとした口調で男たちに釘を刺した。

「私が15分以内にイクことができたら、本当に24時間以内にこの別荘から出て行ってくれるのですね?」
「おお、出て行くとも。嘘じゃねえぜ」

 こんな卑劣な男たちの約束など信用できないが、全員の命運がかかっているので、伸るか反るか指示に従うしか道はないと衣葡は思った。
 だけど親友ありさの夫と肉体関係を結び彼女を傷つけるぐらいなら、いっそのこと男たちに犯される方がよほどましだとも思った。

(でも、ありさたちを助けるためなんだから……)

 そう自分に言い聞かせる衣葡の苦しい胸中。

 おもむろに富成が俊介の口のガムテープを外した。
 俊介が大きく吐息をする。

「頼む、縄を解いてくれないか。絶対に抵抗しないから」

 殿井がにやりと笑う。

「縛られままだと女を抱けないというのか? 解いてやってもいいが、少しでも抵抗するそぶりを見せると、奥さんの命を保証しないぜ」

 ありさの横にいる崎野が、ナイフの腹でありさの乳房をペタペタと叩いた。

「分かっている。抵抗をしないから妻に手を出さないでくれ」

⌂⌂⌂⌂⌂

「はじめろ」

 三人の男たち、ありさ、そして悠太が熟視する中、俊介と衣葡によるセックスショーの幕が切って落とされた。
 最初に仕掛けたのは衣葡だった。
 軽く会釈すると、迷うことなく俊介に近づいた。

「ありさちゃんには悪いけど、私は今からあなたとセックスをします。時間が限られているので、俊介さんも遠慮しないで私を抱いてください。これはありさちゃんたちを救うためにするんです」

 それは俊介への言葉だったが、実は衣葡自身への心の鎮静のためだったのかもしれない。

「分かった……」

 俊介の返事が終わるか終わらないうちに、いきなり衣葡が口づけをした。

「おお! いいじゃねえか!」
「秘書さん、積極的じゃね?」

 いちいち野次を飛ばすうっとうしい男たち。
 ありさと悠太は無言でじっと+見つめている。

 衣葡は積極的だ。強引に舌をねじ込み、唾液を混ぜ合わせる音を響かせる。
 唇が離れ、ふたりの間に銀色の糸が引いている。

 衣葡が俊介の耳元でささやく。

「俊介さん、もっと積極的になって……」
「ごめん」

 思い立ったかのように、俊介の指が衣葡の乳房を鷲掴みにした。 
 指の腹で乳首をこね回す。

「あぁっ……」

 喉からかすかな声を漏らす衣葡。
 右手が俊介の股間へと伸び、バスタオルの上から、すでに硬くなっている肉柱を撫でる。
 バスタオルを外し、直に俊介の熱くなっている肉柱を握る。
 すでにカウパー腺液が滲んでいる。
 図らずも、ありさの濡れ場を幾度か目の当たりにして、男の機能が無意識のうちに反応したのだろう。
 亀頭を指先でいじられ、思わず声を出してしまいそうになった。

「んぷっ……」

 衣葡は屈むと、かぷっと肉柱の先端を咥えこんだ。
 いやらしい音を立てながら、俊介の硬くて太い肉柱を舐め、しゃぶる。
 そして、口を開けてモノを含む。
 苦しげに眉をしかめる衣葡の表情に視線を送る俊介。

「あっ……、うう、そ、そこは……」
「んっ……んっ……んっぷ……、んっ……んっ……んんっ……」

 衣葡は俊介の肉柱を咥えたまま、俊介をベッドに押し倒し、股間に顔をうずめた。
 
 またしても殿井たちの雑音が聴こえてくる。

 衣葡は肉柱を喉の奥まで咥えこむと、苦しそうな表情を浮かべながら、俊介の顔を上目遣いで見つめている。
 日頃、職場では見せたことない、淫靡な表情だ。
 思わずドキッとしてしまう俊介。
 ふとありさの視線を意識する。

「んんっ……俊介さん……もう挿れて……」

 衣葡はそうささやくと、フェラチオを止めた。
 仰向けになっている俊介にまたがり、熱くそそり立つ肉柱を、自身の割れ目に擦り付ける。
 信じられないほど衣葡は濡れている。
 俊介は舌を巻いて驚いた。

(全然愛撫していないのに……)

 どんどんと愛液が溢れてきて、俊介の肉柱を濡らす。
 衣葡は騎乗位で挿入するつもりらしい。しかも、彼らの指示とはいえ、コンドームなしで。

 完全に衣葡がリードしている。俊介はされるがままだ。

「それじゃいいわね……」

 右手を自身の愛液で濡らし、俊介の肉柱を扱く。
 そして衣葡はゆっくりと腰を下ろした。
 ローションを使っているようなぬるぬるとした感触。
 衣葡の肉柱を扱いていた手がぴたりと止まる。

 ありさは固唾を呑んで、ふたりの様子を見守っている。
 殿井たちも沈黙して、様子をうかがっている。
 
 緊張の一瞬……

「あっ……ううっ……」
「あはっ……」

 我慢しても、声は洩れてしまう。
 衣葡の中に、俊介のモノが入ってしまった。
 熱い肉襞が俊介のモノに絡みつき、たまらない快感を与える。

「ううっ……うううっ……」

 無意識で思わず、うなり声を洩らしてしまった俊介。
 だけどそれ以上の言葉は懸命に堪えた。
 衆目にさらされていなければ、とんでもなく卑猥な言葉を発していたことだろう。



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野々宮ありさ













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