官能小説『美人上司 結花 28歳』(15)

著作 優




第15話 好事魔多し

夫婦はお互い二度と過ちを繰り返さないと約束して和解する。
1年後、今村は上野陽葵と結婚し三田村を誘って探偵社を立ち上げる。
結花から得た200万円が役に立ったのは言うまでもない。
川上は居づらくなって本社勤務に転属した。
結花は外商に移り新しくできた外国人対応部署の係長となり毎日充実した日々を送っている。
そして今村から別れを切り出されあの忌まわしい映像の全てを消去した事も聞いた。
少し寂しい気持ちにはなったが夫婦生活をやり直すには必須条件をクリアした事になる。
身体の変調が気になって受診したところお目出度だと告げられる。
諦めかけていた赤ちゃんを授かったのだ。
そんな幸せの絶頂にいる時、地下のパート女性が現れる。雅美だ。
「松井係長。お久しぶりです。実は今日お財布忘れちゃって1万円だけ貸してくれないかしら。」
「えっ、なぜ私なの?売り場にお友達もいらっしゃるでしょ?」
雅美は黙ってスマホの画面を見せる。
今村のマンションにあった大型テレビが映っている。
そのテレビの画面を見て驚く。
「今村君がシャワーに行った時ダビングする間がなかったのでこっそり写メしたの。よく撮れているでしょ。」
「私を脅す気?」
「返す気のない金を貸せと言うんだから脅迫だと言われても仕方ないわね。」と笑う。
「私はそんな脅しに乗らないわ。その事はもう主人も知っている事なのよ。」
「その様ね。川上から聞いたわ。でも私はご主人にチクったりはしないわ。ただこの画像デパート中に拡散するだけだわ。」
無言で1万円札1枚を渡す。
その1万円が10万円になり100万円になると知りながらも渡さざるを得ない・・・



つづく

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イラスト提供:みんちりえ様





















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