官能小説『美人上司 結花 28歳』(14)

著作 優




第14話 カップルスワップ

「結花ワインを用意してくれないか。」
大急ぎでワインを取り出しチーズを切る。
「本当に雅美さんが来るとは思わなかったな。嬉しいです。二人の出会いに乾杯。」
「おいおい、二人だけで乾杯するなよ。じゃ俺たちも松井主任の裸エプロンに乾杯。」
「嫌らしい目で見ないで。これはなんの集まりなの?」
「あれっ松井主任には話してないの?」
「うん。結花が断る筈ないから話してないんだ。」
「じゃ、俺から話すね。先日地下売り場の店長会議があってさ、終わった後ミナミに繰り出したんだ。酒がまわってくると当然のように下ネタになるよね。
地下で誰が一番いい女か?で盛り上がったんだ。地下売り場では雅美って言う声が多かったんだ。この今村君も雅美を押していたんだよ。次はデパート全体じゃ誰だろうね?という話になった訳だよ。全員一致で松井結花に瞬間決定さ。それだけ皆が松井主任の美貌に憧れていたって訳さ。言っとくけどこの店長会議で今村君をはじめとした若いのは3人だけだから中年の厭らしいメガネにかなったって事だよ。酒がまわるにつれてつい雅美を落としたことを自慢してしまったんだよな。そしたらこの今村君がとんでもない事を言いだしたんだ。『みんなが憧れている松井結花やっちゃったよ。』って。店長連中誰も信じなかったけれど俺は信じたんだ。それから店を出て二人だけで飲み始めたんだ。証拠として俺は雅美の全裸写真を見せたよ。彼はバスローブ姿で頬寄せ合っている二人を見せてくれたんだ。『交換しないか』って俺が持ちかけて今村君も『雅美と交換だったらOKだよ。』て話がまとまったって事なんだ。」
「なんて破廉恥なの。雅美さんはそれでいいの?」
「私まだ35歳よ。なのに亭主はポンコツ。鮮魚売り場の川上さんが初めて私を絶頂させてくれたの。それからは川上さんとダブル不倫の関係が続いたわ。そしたらだんだん良くなるのよ。本来が淫乱だったのでしょうね。それにもし今村君の方がよかったらそのまま関係を続けてもいいんだって。彼、私を奪うためにに全力を尽くすって言ってくれたわ。楽しみだわ。」
「そうさ。結花も川上さんの方がよかったら俺おとなしく手を引くよ。結花達は寝室を使いなさい。さぁすぐにベッドメイキングしなさい。」
「ウヒョー松井主任後ろから見ると凄い尻がモロ見えだよ。体位は後背位で決定だ。今村君お先に頂くね。後で泣いたって彼女返さないよ。」
二人は寝室へ消える。
「雅美さん僕達はちょっと飲まない?やる前に教えて欲しい事もあるからね。」
「25歳の若さで凄い余裕ね。普通ならガッツいてくる年齢よ。」
「雅美さんはハードなセックスとねちっこいのとではどっちが好き。」
「そうね。川上さんでねっちこいのは堪能したから今村君からは若さに任せたハードなのを味わってみたいかな?」
一方寝室に入った結花は川上を睨みつけていた。
「誰がお前なんかと。」
すでにエプロンは剥ぎ取られながらも憎く憎くしい言葉を口にする。
川上は服を脱ぎながらベッドの結花のヌードを楽しむ。
「その松井主任の高飛車な態度が堪らないよ。ハメてからもその態度でいられるかな?」
「誰がお前なんかと。」
再びこの言葉を口にする。
「俺はもう雅美を差し出しているんだ。松井主任がさせないとなるとそれは契約違反だ。俺を憎みながらも性交しなければならないんだよ。俺は松井主任を逝かせる為に全知全能を傾けるつもりだ。俺自信あるんだ。楽しみだよ。」
拒否すれば不倫が夫にバレる。
全裸になった川上が結花の前で仁王立ちになる。
男の意志を知ったが顔を横向きにし拒否する。
今村には劣るが夫を遥かにしのぐ巨根だ。
「誰がお前なんかと。」
憎悪の目で睨みつけながらまたもやこの言葉を口にする。
川上は大声で隣室に声を掛ける。
「今村君。雅美に手を触れるな。スワップは中止だ。」
寝室を覗いた今村は瞬時に状況を把握する。
「結花さん。僕を困らせないでね。僕のメンツを潰さないでよ。」
その優しい物言いが切れた後の凄惨さを想像させる。
しぶしぶ川上のものに手を添える。
「そうそう早く舐めてよ。しゃぶってくわえるんだ。手抜きしたら中止だからね。」
咥えたまま上目遣い睨みつける。
「いいね。人を小ばかにしたその憎悪の目が実にいい。命令だ。玉々をしゃぶれ。」
「厭らしい人。中年のスケベ心全開じゃないの。」
「お~気持ちエエ~上手じゃないか。旦那にだいぶん仕込まれたようだな。いや旦那じゃ無理か。仕込んだ相手は今村君だな。」
手を伸ばして結花の乳首を揉み込む。
乳首の転がし方は今村より巧みだ。
嫌で嫌で仕方ないのに反応し始める乳首に愕然とする。
(何で、この状況で快感を感じるのよ?ああ~駄目よ。起っちゃ駄目よ。)
「おっ、硬くなってきたぞ。これは楽しくなってきた。もうフェラは止めてもいいよ。」
全裸の男女は抱き合うだけで気持ちが昂るのを知った。
口中への侵入を阻止された男の舌がゆっくりと下降し始め硬くなってきたものを口に含む。
「ああ~嫌。止めなさい。ああ~止めて。」
そしてついに発情の印を男の顔面に晒す。
「お~松井主任えらそうなこと言いながら乳首ビンビンじゃないか。」
「嘘よ。そんな筈ないでしょ。」
「いやいや、俺の舌に反応して完全にしこっているよ。」
宣言した通り全知全能を傾け持っているすべてのテクを勃起乳首にぶっつける。
激しい呼吸音に紛れている甘い吐息を見逃さない。
川上の指はもう一つの発情の証しを調べに行く。
「ウヒョー凄い事になってる。」
指による音で結花は否定する言葉が無意味なのを知る。
カサにかかって川上が攻める。
「松井主任。これってハメて欲しいからでしょう?愛液って性交の潤滑液だから挿入の準備だよね?」
何も言い返せなかった。
ただ感じやすい自分の肉体を呪った。
「じゃ松井主任バックからハメさせて貰います。尻を向けて下さい。」
「嫌よ。誰がお前なんかと。」
「そうですよね。僕なんかがヤレる相手じゃないのは判っています。諦めて帰ります。」
脱いだ物を拾い集める。
仕方なく川上に尻を差し出す。
「えっいいんですか?感激です。」
「いいから早くして早く終わって。」
本心だった。
逃げられないのなら嫌な事は早く終わらせてしまおうという考えだ。
なのに川上はそこに吸い付く。
「やめなさい。そんなことは許しません。」
金切り声を上げるが川上も歴戦の強者、巧みなクンニで結花を攻める。
拒否の言葉が徐々に小さくなり快感が湧き始める。
やがて荒い呼吸に鼻声が混じり始める。
数分後
「いや、やめて。」
この言葉で川上はその時が近いのを知る。
クンニで逝かされたくはないはずなのは判っている。
「止めろ。」と言う言葉はそれを避ける為に出た言葉である事を見抜いた。
川上はニヤリと笑いながら指を差し込む。
クンニを川上の得意技手マンに切り替えたのだ。
実は雅美もこの手法で潮を吹かされて落とされたのだ。
「あぁ〜」さすがに潮を吹くことはなかったが完璧に逝かされる。
「うゎー凄いよ。松井主任凄いよ。なんだかんだ言いながら指で逝くほど淫乱なんだ。楽しみだよ。」
と言いながら一気に根元まで打ち込む。
がピストンはしない。
「う~気持ちエエ~」
高嶺の花だった松井主任にハメた精神的満足に粘膜の接触から感じる体温がきもちいい。
この最高に気持ちいい時間を出来るだけ長く味わいたいのだ。
だから動き出した腰の動きも超が付くほど遅いものだ。
これは女の速く終わらせようという考えに反する。
攻めるのは男であって女は受け身であることを思い知る。
このスローピストンに反応し少しづつ体温が上がっていくのを感じ始める。
女の意志に反して女体はくねり始める。
気持いいんだ。
(駄目。このままじゃこの男の思い通りになってしまうわ。こんな下司な男に落とされる事を考えると身の毛もよだつわ。)
「上手ね。私も気持ちよくなってきたわ。お願い騎乗位させて。」
死んだふりをして一気に逆転させるつもりだ。
後背位では主導権は男にあるが騎乗位となると主導権は女に移る。
「えっ、えっ、気持ちよくなってきたから俺にまたがりたいって。本当かよ?」
先程のスローピストンが嘘のような激しいグラインドが始まる。
結花は必死になって川上の射精を誘う。
その為演技で快感を訴える。
「あぁ〜もう駄目〜一緒に、一緒に〜あぁ〜」
騎乗位になる前にコンドームは被せてある。
一緒に逝く振りをして自分だけは逝かずに済ませるつもりだ。
しかし演技で悶えれば本当に快感を誘発してしまう事を知る。
腰を振りながらつい気持ちのいい場所に押し当ててしまう。
逝った。二人同時だ。
結花の計算違いはここから始まる。
何とこの男萎えることなくコンドームを外しピストンを始めたのだ。
夫の場合は射精して終わりだし今村の場合も数分間の賢者タイムが必要だ。
一旦気を抜いた結花は男の攻撃をもろに受ける事になり気持ち良さを連続して与えられる。
何度も逝かされ最後は同時に果てる。
「「えっえっえっ今中に出さなかった?」
「ごめん。あんまり気持良かったので我慢出来なかった。」
と言った後も萎えることなくピストンは続く。
もはや無防備の結花は逝かされ続け川上から抜かずの3発をかまされる。
川上は嬉しそうに結花を抱き唇を合わせる。
最初の時の嫌悪感は消え素直にキスを受ける。
その時隣室から雅美の歓喜の泣き声が聞こえる。
身だしなみを整えリビングに移動する。
「今村君よかったよー。そっちはどうだった?」
「僕の方も良かったですよ。雅美さんよく調教されていますね。」
「それじゃ近いうちにもう一度だな。」
二人は帰って行った。
「結花はどうだったの?」
「良かったけれどあの人、陰湿なのよ。しつこいしねちっこいの。雅美さんはそれが良かったのだろうけど私はいや。」
「あの二人今からラブホへ行くって言ってたな。異常だよ。」

翌日の仕事場で人の動きが変わる。
今村が休憩の為持ち場を離れる。
それを追うように雅美もバックヤードへ向かう。
川上が鮮魚売り場からそれを見る。
直ぐに自分も休憩タイムに入リたいのだが魚を捌けるん者がいない。
雅美は缶コーヒ2つを持って今村の隣に腰掛ける。
アフタ―5の約束をした後に川上が現れる。
「雅美。仕事終わりに飲みに行かないか?社員出口で待ってるよ。」
「今日は駄目だわ。旦那と食事の約束があるの。」
断られたのは初めてだ。
この冷え切った夫婦が夕食を共にするはずが無い。
今村の顔を見る。
今村は視線を合わさず職場へ戻って行く。
寝取られたことを悟った川上は2階の売り場で松井主任の姿を探す。
5階の外商部で部長と面談中の結花に上野からLINEが入る。
「今鮮魚売り場のおじさんが来て『松井主任はどこ?』って探しているようなの。どうしましょうか?」
「今日は戻って来ないと言って帰らせて。」
と文面を送りながら川上の陰湿な顔を思い出す。
一方、川上の方も必死だ。
雅美を寝取られたたのは間違いない。
松井主任を寝取り返さなければ勘定が合わないのだ。
というより25歳の若造に出し抜かれる事が許せないのだ。
ついに川上が自宅に現れる。
家のロックは開けない。
川上は大声で話しかけてドアをノックする。
結花が近所を気にしてくれたらドアが開くはずだ。
しかしキッパリと
「会う気はありません。お帰りください。」
「僕はもう一度松井さんを抱きたくてきました。冷たくしないでよ。」
ご近所に聞こえる様な大声だ。
結花にとっては2回目の脅迫だ。
ここで甘い顔をするのが良くないと判っているからもう会話をも打ち切る。
思えば今村に鍛えられ図太くなったものだ。
川上も上品な松井主任ゆえ簡単に脅迫に屈服すると思い違いをしたのだ。
この虚無感に耐え切れず雅美を口説く。
一番やってはいけない行動だと知りながらの愚行だ。
断られ罵られ負け犬は帰って行くしかなかった。
とち狂った川上は再度松井主任を口説く。
勿論脅迫だが川上は本気だった。
もし屈服しなければ本当に旦那にチクるつもりだ。
その迫力に押され一瞬たじろいだがあの厭らしい川上に抱かれる事は耐えきれないと思いなおす。
「旦那に言うのなら言いなさいよ。思い通りにはならないわ。」

その夜夫から話があった。
「会社の方へデパートの川上さんって方が来て色んなことを話して帰ったよ。」
(なんて下劣な奴だ。不倫する資格もない人だわ。でも何でこの人こんなに落ち着いてるの?怒り狂ってもいい出来事なのに。)
「実は僕も君を喜ばせる為に元カノの多香子と一悶着あったんだ。」



前頁/次頁



イラスト提供:みんちりえ様





















表紙

投稿官能小説(4)

トップページ
inserted by FC2 system