官能小説『美人上司 結花 28歳』(13)

著作 優




第13話 裸エプロン

あのハメ撮り映像が上野に見せられるかもしれないという恐怖心が日増しに強くなっていく。
上野とのハメ撮り映像を私に見せた時何の躊躇もしなかった。
むしろ男の戦利品を自慢する様な仕草さえ垣間見えた。
戦利品としての価値は上野より私の方がはるかに上だ。
今村はこの戦利品を自慢したくてウズウズしているはずだ。
しかも外には漏らさないが内には漏らすかもと豪語しているのだ。
屁理屈だが夫と上野に見せられる心配は常にあるのだ。
それにこの戦利品の値打ちを考えた時自分の見栄の為に外に漏らす可能性だってあるのだ。
万一今村が自慢たらしく鮮魚売り場の店長に見せたとしたらあっという間に全社中に拡散するだろう。
もうこれ以上日数を置くわけにはいかない。
覚悟を決めて今村にラインする。
「判った。もう一度だけ君の望みを叶えます。だから君もあの映像をきっちり消去して下さいね。明日仕事が終わた後君のマンションを訪ねます。夫には女友達の家に泊まるって言ってあります。」
「『もう一度だけ』『君の望みを叶える』だって。『抱いてください。』『肉体関係を継続して下さい。』だろうが。そんなに勿体つけるなら来てくれなくていいよ。今は女にゃ不自由していないんだ。明日は陽葵のマンションにお泊りだから家にはいないよ。」
悔しくて歯ぎしり噛んだが銃を持った相手に素手で立ち向かうに等しい挑戦をする勇気はなかった。
それにもう夫には明日の外泊の事は報告済みだ。
「明日抱いて下さい。上野でなく私と一夜を共にして下さい。お願いします。」
「いいだろう。そこまで頼まれたら断れないな。久しぶりに熟した人妻を抱くのも楽しいかもな。」
「何時ごろ帰ってくるの?晩ご飯の食材買ってから行くわ。」
「『何時にお帰りですか?』『夕食のお世話させて頂いてもいいですか?』だろ。」
何度も言い直しをさせられて訪問を約束する。
「じゃ、明日、陽葵をなだめる為にミナミで少し飲んでから帰るよ。帰宅時間は午後10時だな。来るとき食材と一緒にエプロンも持ってくるだろう?裸エプロンで俺を迎えてくれないかな。マンションの鍵は昼間休憩室で渡すよ。陽葵に見つからない様に素早くね。そうそう判っていると思うけど裸エプロンって下着は禁止だからね。」

「今村君お帰りなさい。ご飯の用意は出来てますよ。それともお風呂を先になさいますか?」
「凄い。結花凄いよ。ちょっと向こうを向いてみて。うぉー巨尻丸出しじゃん。俺もう勃ってきちゃった。」
食事と入浴を済ませバスロ―ブ1枚でソファーに腰かける。
焼酎のロックを舐めながらハメ撮り映像を鑑賞する。
結花は恥ずかしそうに浴室へ逃げる。
「風呂上りも裸エプロン継続だからね。着衣もバスローブも禁止だよ。」
その間に脱いだ着衣も下着もビニール袋に詰めクローゼットの上へ投げ上げる。
シャワーを済ませた結花にビールを抜いてやる。
「俺も1杯だけビール飲むわ。今夜の二人に乾杯。」
「まだこんなの見てるの。もう止めてよ。私恥ずかしいわ。」
「恥ずかしいのがいいんだよ。ほれ見てよこのグラインド。それにこの逝った時の表情。何回見ても勃起ものだよ。」
「こんなの毎晩見てるの?嫌らしい人。」
「夜だけじゃないよ。仕事中も凛とした結花を見た後トイレでこの映像見てそのギャップを楽しむんだ。トイレでオナる事もあるんだよ。」
「あー嫌だ。嫌だ。こんなの撮らせたのが間違いだったわ。」
エプロンの首筋から男の手が侵入する。
防御不能の裸エプロンだと思い知る。
簡単に乳首迄手が届く。
「うぉ〜もう勃ってるじゃん。しかもコリコリだ。もうその気になってるの?下はどうかな?」
今度は下からだ。
エプロンの前を持ち上げる様に手が入ってくる。
エプロンの上から押さえつける様にして阻止するが男の力には敵わない。
濡れた指先を舐めながら囁く。
「そんなにあのハメ撮り動画の事が心配か?陽葵は俺を信じて何の心配もしてないよ。」
「あの子と私は違うわ。あの子は君の彼女だし私は君の上司で人妻なの。他人に自慢するなら私の方が値打ちあるでしょ?」
「まあな。来週から休みのシフトは君に合わせるから毎週朝からここに来て僕の妻になるんだ。勿論裸エプロンでだよ。」
「駄目よ。こんなこと続けていたらきっと夫にバレてしまうわ。お願いだからもう私を開放してよ。」
「開放するってあの動画消してもう会わないって事?」
「今まで通り仕事上の関係は切れないけど以前の関係に戻りましょ。」
「聞いてりゃ結花、手前勝手な事を言うじゃないか。この関係は無理強いしたもんじゃないよ。結花も望んだからだろう。俺が前のめりになったのを見てから引くのは女狐と同じだよ。」
「確かにそうね。私どうかしてたのよ。お願いだからもう私に構わないで。君には上野がいるじゃないの。」
「勿論若いピチピチした陽葵の肉体もいいけど程よく熟した結花の女体も捨てがたいんだなぁ。」
「そんな。私は肉欲に溺れてきた訳じゃありません。ただ口車に乗せられて撮らせてしまったあの映像を消して欲しいだけなんです。その相談が出来ないのならもう帰ります。あれっ、私の服は?」
笑いながらクローゼットの上を指さす。
「私を帰さない積りね。そんなことして楽しいの?私は絶対に貴方の思い通りにはならないわ。」
「さぁどうかな?」
スマホを手に取る。
「もしもし、陽葵。俺。今から俺のマンションに遊びに来いよ。うんうん、じゃ待ってる。」
「ちょっ、ちょっ、ちょっと待ってよ。こんな格好であの子に会わせるつもり?だっ駄目よ。」
「判ったろ?松井主任が俺を誘ってるの見たらあいつ俺を取られない為に何をするか楽しみなんだ。あいつの映像見ただろ。玉しゃぶりにアヌス舐め。それ以上となると何をしてくれるのかなぁ?」
「わかった。言う通りするから上野は駄目。すぐに止めて。」
「陽葵が俺にした事してくれるんだな?」
「それは・・・・・それは・・・・・」
「あいつ電車に乗っちまったら電話出ねえからな。もう駅に向かってるんじゃないかな?」
「します。します。するからすぐに上野止めて。」
「駄目だ。玉しゃぶりが先だ。早くしないとあいつ電車に乗ってしまうぞ。」
やむを得なかった。
早くしないとあの子が駅に着いてしまう。
バスローブの股間に顔を突っ込む。
「お~気持ちエエ~『もしもし、陽葵、急に出かける用事が出来ちゃって。今日は中止だ。』これで陽葵は来ないよ。さぁエプロン外してベッドへ行くよ。」
「上野と同じことしたのだからあれ消してくれるよね?」
「何を言ってるんだ。約束は陽葵を来させない事だよ。ビデオの消去なんて約束してないよ。」
「私今日来たのはあれを消してもらう為なの。どうしてあんな物撮らせたのか不思議だわ。君の言う通り裸エプロンで上野と同じことをしたのだから消してくれてもいいんじゃないの?」
「あれは盗撮したものじゃない。二人が納得して撮ったものだよ。一番最初のバスローブ姿で頬寄せ合って笑顔のピースサインを見ればわかるよね?それを今さら『どうしてあんな物』と言われるのは心外だよ。」
「うん。そんなシーンもあったかしらね。」
「これだよ。」上半身だけアップにしたキャプ画を見せる。
二人が頬寄せ合って笑顔で写っている。
共にバスローブ姿だからこの後の進展も予測できる一枚だ。
「そんなもの見せないでよ。わかったわ。そのスマホの画像もあの動画も消してくれるなら何でもするわ。」
「実はこの写真人に見せてしまったんだ。動画は見せない約束だったけどこれは静止画だからいいと思ったんだ。別に肌を見せているわけじゃないしハメているシーンじゃないから問題ないよね。」
「なんてことするのよ。誰が見ても不倫してるって判るじゃないの。で誰に見せたのよ?私の知ってる人?」
「さっき何でもするって言ったよね。そう言うと思ってその人ここに招待してるんだ。もう直ぐ来ると思うよ。」
「たっ、大変だわ。すぐに服を返して。この格好じゃ会えないわ。」
キッチンから椅子を持って来る。
「何を勝手な事してる。椅子を元に戻すんだ。その格好がいいんだよ。俺は結花という戦利品を自慢したいんだ。グダグダ言ってるとそのエプロンも取り上げるぞ。」
その迫力に押されて椅子を元の位置に戻す。
ピンポーン。来たっ。
結花は奥の寝室に逃げ込もうとする。
「ここにいろ。このソファ―でお迎えしろ。」
そう言い残して玄関へ向かう。
入って来たのは鮮魚売り場のチーフ川上氏と地下売り場ナンバーワン美熟女と言われた酒売り場のパートさんだ。
ソファーに腰かけるや否やチーフが口を開く。
「やぁ、松井主任久しぶりです。そのファッション凄く似合ってますよ。」
顔を真っ赤にして睨みつける。
「初めまして。酒売り場の雅美と言います。」
「やぁ初めまして。和菓子売り場の今村です。今日は楽しみましょう。」



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イラスト提供:みんちりえ様





















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