官能小説『美人上司 結花 28歳』(12)

著作 優




第12話 見返り

思った通り結花からラインが入る。
「上野の事で話したい事があるの。」
「判りました。ミナミのカウンターバーで会いましょう。」
「あそこは駄目よ。一番安全なのは自宅しかないわね。いつ来れますか?」
「結花さんと再会できるなら僕はいつでもOKです。もう会えないって諦めていましたから嬉しいです。」
「言っておくけど変な事する為じゃないからね。上野の大切な将来の事を話し合いたいの。あの子私の部下だけれど妹のように思っているの。」
「変な事って何だよ。セックスの事言ってるんだったら心配無用だよ。20歳のピッチピチの彼女が出来たのに28歳の人妻に手出しする訳ないじゃん。」
「嫌な事言うわね。でもそれで安心したわ。私は今週は水曜日が休みなの。合わせられる?」
「じゃ、水曜日セックス抜きで会いましょう。」

「あらましは上野から聞いたわ。君は上野の事愛しているの?」
「勿論ですよ。でも彼女が僕を思う気持ちと比べたら負けているかもしれません。あの子が僕を思う気持ちは恐ろしく感じる時もある位です。」
「本当に本気なのね?もし肉体が目的だったり遊び半分の気持ちなら別れて貰います。」
「ハハハ、もし松井主任が分かれろと言ったって彼女は僕が呼び出したら必ず来ると思うよ。」
「へぇー凄い自信ね。その自信の根拠を教えて呉れる。」
「このDVDを見ればわかるよ。俺ちょっと恥ずかしいから近くで珈琲でも飲んでくるよ。」
DVDをプレーヤーに差し込んで玄関へ向かう。
凄い映像だ。明らかに上野が今村の要求に屈したハメ撮りだ。
あの今村の怒張が上野の陰部に出入りする様子がはっきりと見て取れる。
上野の歓喜の泣き声が延々と続く。
騎乗位の腰振りは明らかに結花より上手だ。
若い子は奔放だわと思いながらも今村の怒張が自分自身に刺さっていた時の事を思いじんわりと濡れ始める。
熟女顔負けの妖艶な逝き顔をカメラに晒す。
丁度見終わった時を見計らって今村が帰ってくる。
「ね、凄いだろ。俺にメロメロなのが判るだろう。フェラの時、金玉くわえてくれたの見てくれた?」
「こんな映像私に見せてもいいの?誰にも見せないって私の時は言ってくれたけど上野にも約束したんじゃないの。」
「見せないとは言ってないよ。拡散はしないって約束だよ。松井主任から拡散されることはないからね。」
「そんなの詭弁だわ。私とのハメ撮りは誰にも見せない約束だったわね。」
「いや、外部には漏らさないって約束だよ。」
「同じゃないの。」
「同じじゃないよ。外部には漏らさないけど内部には漏らすかもしれないって事だよ。」
「内部って何よ。」
「松井主任にとって内部の人ってのはまずはご主人、その次に実家の人達、それに妹のように思っている上野陽葵も入るかな?」
「結花に陽葵のハメ撮り見せたんだから陽葵に結花のハメ撮り見せてイーブンだと思うよ。」
「そっそんな事絶対に許しませんよ。もう私のは消しなさい。」
「嫌だよ。結花の牝丸出しの動画消せるわけないだろう。もし見られるとしたら旦那と陽葵のどっちがいい?」
「どちらも嫌よ。」
スマホのボタンを押す。
「あぁ~逝くぅ~逝くぅ~」上野の歓喜の泣き声が聞える。
続けて「お~気持いい~あぁ逝っく~あぁぁぁ~」結花の絶頂の泣き声だ。
「映像で見た感じでは同じハメ撮りだが結花の快感の方が大きい気がするな。」
「いやらしい。そんな物スマホに落して持ち歩いているのね。最低だわ。」
「いや。落ち込んだ時にこれを見るとバイタリティが復活するんだ。俺にとっては大切なカンフル剤さ。」
「もし携帯どこかに忘れたり紛失したりしたらどうする積りよ。」
「そうなんだ。先日もスマホ忘れちゃって焦ったよ。デスクに置いたまま昼食に出かけてしまったんだ。地下の従業員なら誰でも見れる状態だから食後のお茶も飲まずに大急ぎでデスクの戻ったよ。百貨店の中で紛失したら松井主任も上野さんも顔を晒しているから大変な事になるとこだったよ。」
「恐ろしい事しないで。上野は恋人だからいいけど私は人妻よ。私のだけでも消すのよ。」
「やだよ。毎晩これを見たら熟睡出来るんだ。」
「毎日見てるの?嫌らしい人。軽蔑するわ。」
「その嫌らしいハメ撮り撮影に協力してくれたのは誰だっけ?ちょっと待ってね。」
スマホを操作して映像を流す。
粘液の音と肉のぶつかり合う音が聞こえる。
チラッと覗くと結花の騎乗位杭打ちピストンの場面だ。
(嫌らしい。こんな映像撮らせたのが間違いだったわ。なんとしても消させなければならないわ。)
「ネッお願いだからそれ消してよ。君には上野がいるんだからそんなものもう必要ないでしょ?」
消せと命令していたのが懇願に変わった。
「盗撮映像は約束通り消去したよ。でもこれは消す約束なんかしてないよ。」
「じゃ改めてその約束してよ。」
「やだよ。盗撮映像の消去には見返りがあったけど今回の御願いは僕に何のメリットもないよ。」
「見返りって?」
「あれもう忘れたの。消去の条件にハメ撮りさせたんじゃなかった?」
「盗撮映像消して貰ってもハメ撮り映像残しちゃ何の意味もないのにね。私、君にハメられたのよ。」
「ハメさして貰ったのは認めるけどだました覚えはないよ。」
「じゃ、なぜ私が何の意味もないそんな約束するのよ?」
「知らないよ。旦那とはレスが続いていた時だから俺のバズーカ砲が忘れられなかったんじゃないかな。」
「馬鹿にしないで。私は貞節な人妻よ。そんな淫乱な女と一緒にしないで。」
「貞節な人妻が職場の後輩とおマンコするかなぁ?それと淫乱なのはあのハメ撮り動画を見れば一目瞭然だよ。」
「判ったわ。認めるから私のその淫乱な動画を消去してって頼んでいるんでしょ。」
「見返りは?」
「・・・・・・・消去してくれるなら上野との交際を阻止しないわ。」
「だから~結花が止めろって言ったって陽葵は俺から離れられないよ。それは見返りにはならないよ。」
「じゃ、私にどうせよって言うの?」
「何もしてくれなくていいよ。毎晩あれを見ながら一杯飲む楽しみがあるからね。」
「それが嫌だからお願いしてるんでしょ。」
「見返りは?」
「私の事虐めて楽しんでるのね。ひどい人。じゃどんな見返りをすればいいのよ?」
「だから~俺は今のままでいいんだ。消去もしないし見返りもいらないんだよ。上野の事の相談も済んだしもう帰るよ。」
ソファーから立ち上がる。
「ちょっと待ちなさい。もう一つの相談はまだ終わらせる訳にはいかないわ。座りなさい。」
「それが人にものを頼む態度か?『ちょっと待って下さい。もう少し相談に乗って下さい。座って下さい。』だろうが」
「怒らないで。私が悪かったわ。お願いします。もう少し相談に乗って下さい。」
「俺は今でも結花が好きだ。最初からその態度で懇願されたらその相談も解決しただろうに。」
「その気持ち嬉しいわ。ありがとう。もし私が最初から従順だったらどんな形で解決したのかしら?」
「俺の要望に応えてこの動画を消去するって結果になっただろうね。」
「じゃもう一度改めてお願いするわ。その見返り条件おっしゃって下さい。」
「ハメ撮りの時約束した②項目目の『私たちの関係もこれで最後にする。』というのを外す事だよ。」
「それって肉体関係を続けろって事じゃないの。駄目よ。」
「それ以外にあのハメ撮り映像を消去する術はないと思え。よーく考えるんだな。」
言い残して帰って行った。



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イラスト提供:みんちりえ様





















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