第11話 上野陽葵20歳結花の部下
数カ月がたった。
夫は課長に昇進し緊張から解放される。
同時に精力も元に戻りベッドを共にする。
結花も数カ月のレスが続いていたので嬉々として受け入れる。
これが悪かった。
激しい連続絶頂を知った女体を満足させる事など出来る訳がない。
いら立ちが増し今村の素晴らしさを再確認されるだけだ。
約束通り何の連絡もしてこない男を恨み始める。
そんな時部下の上野陽葵から相談を受ける。
上野陽葵20歳で洋品雑貨売り場の部下だ。
高校教師の彼と秋には結婚すると聞いている。
前回相談に乗った時に公務員との交際を強く勧めた覚えがある。
居酒屋の個室に入り相談を受ける。
「どうしたの?もしかして婚約者に嫌われてしまったとかじゃないでしょうね?」
「私たち婚約解消したんです。勿論お相手や家族の方も了承済みの円満解決なんですけど。」
「そうなんだ。理由は聞かないけど大変な経験をしたわね。」
「でも新しい彼が支えてくれるから乗り越える事が出来ました。」
「もう新しい彼が出来たの?」
「実は婚約解消の原因は彼なんです。彼の素晴らしさに触れて元カレの魅力が半減してしまったんです。」
「で、相談ってその事?」
「ええ。彼とは愛し合っていますが結婚する意志はない様なのです。松井主任ならどうされるか知りたくて。」
「それはお相手の彼次第だわね。誠実な方なら籍は入れなくても幸せになれると思うわ。逆に貴女の身体だけが目当てだったり恋愛ごっこを楽しむ様な男ならNGね。どんな方?」
「彼は25歳の販売員で私の事猛烈に愛してくれます。主任もご存知だと思いますがうちの地下で働く今村新君です。」
「えっ、えっ?今村君?どうして?」
「実はみんなが言う恥ずかしい噂の事が気になって飲みに行ったのが最初でした。」
「ああ、確かそんな事で貴女をナンパしようとしていたわね。」
「そうなの。あの数日後気になって私から誘ったの。」
「で、その恥かしい噂なんてなかったのでしょ?上野を誘いたくて適当な事を言ったんでしょ?」
「いえ、その噂って言うのは『彼がセックス下手で私が不満に思っている。』なんだけどその通りなのよ。」
「何故そんな噂が流れたのかしら?誰かに喋った?」
「そんな、彼の恥ずかしい事他人に喋る訳ないでしょ。」
「あなた地下の鮮魚売り場のおじさんと話したことある?」
「ええ、彼が私のマンションで食事する日、お魚が好きなので鮮魚売り場の店長さんに相談した事があります。色んな魚の栄養素とその効能を教えて頂いたわ。脳が冴えない時、目が疲れている時、疲労が溜まっている時、精力が足りない時、食欲がない時などにそれを改善する食材を教えて頂いたわ。」
「それであなたは何を選んだの?」
「はい。牡蠣とウナギです。」
「判った。噂の元はそれよ。牡蠣もウナギも精を付ける食材だからよ。」
「そうね。その後も何回か魚買いに行ったけどいつも牡蠣かウナギだったわ。それでそんな噂が生まれたのね。判ってスッキリしたわ。」
「それでどうして今村君と付き合う事になったの?」
「今村君と飲むの楽しくってつい飲み過ぎちゃったのよ。もう一軒行くよってミナミのカウンタバーへ行ったの。」
「それでどうしたの?」
「そのカウンターバーでキスを断り切れなくて上手にボディタッチもされて私発情させれたの思うの。その後ラブホに入る彼の後ろをついて行ってしまったの。私どうかしてたのだわ。」
「カウンターバーじゃ他人の目もあるし愛撫なんて出来ないでしょ?」
とぼけて尋ねる。
結花自身も危うく落とされそうになった記憶がよみがえる。
「それが個室の様になっているの。気が付いたら密室になってたわ。最初は手を握られただけだったの。でもその手を恋人繋ぎにしたり指の間を愛撫したり本当に上手に愛撫するのよ。そうしながらいつの間にか唇を奪われていたわ。」
「そうなの。今村君にそんな才能があるなんて信じられないわ。」
「それだけじゃないの。今度はキスしながらいつのまにかワンピースのファスナーが下ろされブラのフックも外されていたのよ。私ディープキスに夢中で全然気付かなかった。本当に上手よ。」
「へぇーそうなの。仕事中の彼って鈍臭く見えるけどやる時にはやるタイプの子なのかしら。」
「きっとそうよ。その後の乳首の愛撫で私逝きそうになるくらい感じさせられたわ。彼の唇に吸い込まれ舌を絡ませられた時にはその快感に耐え切れず甘い泣き声を出してしまったの。恥ずかしかったわ。もっと恥ずかしかったのは股間に伸びてきた手に気付かず発情の証を悟られた時だわ。その後ラブホに入る彼に付いていっちゃったて訳なの。」
「なんて子なの。初デートでラブホに誘うなんて。上野もガードが甘すぎよ。」
「でも後悔していません。彼から色んな事教えられたわ。生まれて初めてセックスで逝ったの。
元彼の時も快感はあったからそれを絶頂だと思っていたのね。その気持ちよさは比べものにならないほどだったの。しかも彼ったら私を気持ち良くさせるため自分の快感は捨ててかかったのよ。射精しないの。元彼はすぐに射精して終わったけれど今村さんは何度も何度も逝かせてくれたの。
聞いてみたら『陽葵が気持ち良くなってくれるなら僕は射精我慢するよ。そうすれば何度でも絶頂あげれるからね。』って言うの。元彼との愛情の違いを感じたわ。」
「男はレイプしてでも射精の気持ちよさを味わいたい動物だからそこは合格ね。あとは彼が真剣かどうかね。どう思うの?」
「それがわからないから主任に相談したのよ。」