第10話 鑑賞
バスローブ姿の二人が頬を寄せ合って微笑むシーンからスタートする。
愛し合っている男女が「今からセックスを楽しみます。」と言っているように見える。
ベッドの上に立ち上がった二人がバスローブを脱ぎ捨て全裸で抱き合い唇を合わせる。
豊満な尻がはっきりと見て取れる。
「恥かしい。私、この大きなお尻大嫌いなの。見ないで。」
「いやいや。すべての男が憧れる最高の尻だよ。この尻を見て後ろからハメたいって思ったのは俺だけじゃ無いと思うよ。」
「いやらしい人。そんな目で私の事見ていたのね。」
「勿論だよ。後ろから差し込んで腰を振る自分をいつも夢想してた。着衣の上からでもそれくらいの破壊力を持つ尻だよ。」
「君は異常だわ。妄想が過ぎるわよ。」
「でもその思いが叶ってそれが妄想でなくなった時、全身で反応する女体が信じられなかったよ。」
「私が反応なんてする訳ないでしょう。」
「まぁ見ていれば判るよ。今だって胸もあそこも手で隠しているけど俺の手が下半身に伸びた時指の侵入を助けているじゃないか。」
「嘘よ。私そんな事する女じゃないわ。」
「じゃ、なぜ股を開いているの?ほれ見てごらんよ。指に反応してるじゃない。」
「あぁやめて。止めて。ビデオ止めて。」
「駄目だよ。これからがいいんだよ。」
指からの快感に耐えきれず崩れ落ちる。
四つん這いになってフェラが続く。
「しかしこうして映像で見ると本当にいい身体してるよな。それに可愛いい尻穴に比べてビラビラはデカいなぁ。さすが高性能カメラだ。はっきりと捉えているよ。」
「ああ言わないで。私夢中でカメラの事忘れてたわ。お願いだから消して。」
「消せる訳ないよ。このシーンだってまだ序の口だよ。だってこれからハメるんだし松井主任の鬼逝きも写ってるんだよ。」
そして正常位。
表情は見えないがその甘ったるい声から逝く寸前にいる事が判る。
そして後背位に移行してもその甘ったるい声が続く。
髪の毛を掴みグィッと顔を上げる。
眉を八の字した呆けた表情が映し出される。
そしてついに女として最も恥ずかしいお願いがその口から漏れる。
ゴロンと上向きに寝た男に覆い被さる。
男の怒張を掴み自らハメていきなりの杭打ちピストンが始まる。
「ねっ、凄いだろ。完全にカメラの事も忘れてるよね。」
「ああいやらしい。私こんなの記憶にないわ。消すのよ。すぐに消しなさい。」
「駄目だよ。さっきも言っただろ。消せる訳ないよ。これは盗撮じゃないんだ。二人の愛のあかしなんだ。憧れの結花を2年がかりで堕とした成果なんだ。」
「2年がかりって初めて会った時から人妻の私を狙ってたの?」
「ああ、最高にいい女に出会えたと思ってた。」
「私バカね。君の事真面目な好青年だと思ってたわ。」
「そうさ。普段の俺は羊のように小心で臆病な男だよ。でもいい女を落とす時は狐のように狡猾で虎のように獰猛になれるんだ。」
「じゃ職場でのあのオドオドとして失敗を繰り返す君も演技だったって言うの?」
「勿論さ。和菓子の販売ってそんなに難しい仕事じゃないよ。松井主任のいる時だけチョンボしちゃうんだ。慰めて欲しくってね。」
「そんな事も知らないでこの駄目な子なんとかしてあげようと思ってた私バカみたいだわ。」
「そして今その駄目な子の肉体的な面倒までみてくれているんだ。最高だよ。」
「騙されたわ。それはそうと地下のおじさんたちに変なこと言って無いでしょうね?」
「言ってないよ。でも俺が松井主任に惚れているのは見透かされているから色々と聞かれるんだ。『どうだい?松井主任に告ってみたら?』とか茶化される事もあるよ。」
「絶対に喋っちゃ駄目よ。約束したんだから。」
「そんな約束してないよ。約束はハメ撮り動画を外に出さない事と結花とのエッチは今日で最後にする事の2点だけだった筈だよ。」
「と言う事は喋るつもりね。そんな事絶対に許さないわよ。」
「約束した訳じゃないけど俺が結花の嫌がる事をする訳ないだろう。それよりビデオはこれから佳境に入るから見ながらやるよ。」
バスローブを乱暴に剥ぎ取り押さえ込む。
そんな男の攻撃に素直に股を開いてしまう自分がいる事に驚愕しながらも男女の関係へと流れていく。
ググッと押し込んだ後いきなりの高速ピストンが始まる。
(うっ大きい、さらに大きくなってる。)
ピストンはシリンダーにぴったり密着し女は潤滑液を吹き出す。
坂道を登り切った機関車のように力強くそしてだんだん早くなっていく。
先程迄の微妙で繊細な性交が強引で乱暴な性交にシフトしたのがわかる。
剣術の達人が日本刀を捨て青龍刀に持ち替えた様なものだ。
兜もろともに叩き割るような性交だ。
女は一気に頂点に達し歓喜の涙声と共に膣を震わせる。
が、ピストンは止まらない。
男は女を無視し己の頂点に向かい、ただ突き進む。
この荒々しい腰を叩き付けるようなピストンに何度も絶頂を繰り返し「ああ〜もう〜」とうめいた所で抜去し女の顔面でしごく。
大量の白濁液が噴射されやっと男の淫欲が収まる。
お掃除フェラを教えた後、射精の気持ち良さを訴え感謝の気持ちを伝える。
この激しい性交と連続絶頂の快感が結花の脳にインプットされる。
今村が帰った後も怠惰な余韻に浸る。
(あーセックスってなんて良いものなんだろう。28歳の今までやってきたセックスは全て偽物だったのだわ。)