第1話 高額バイト
学生の今村は実家からの送金だけでは足らずネットで見つけた高額バイトを申し込んだ。
それはルフィらが主導していた詐欺グループなどでは無くて場末の私立探偵社だ。
主な仕事は浮気調査。
尾行者の人数は多い程バレないに決まっている。
住宅街では主婦が、繁華街ではカップルが、そして文教地区では学生がいいのだ。
それに車による追尾も乗用車だけでなくトラックやバン、軽四、バイクなど車種が変わる方がバレにくい。
だからバイトは何人いてもいいのだ。
最終目的は浮気の現場写真だ。
依頼者から借りた鍵であっても入室しカメラを仕掛けるのは違法だ。
それ故の高額バイトだが今村は大学卒業までの4年間この仕事を続ける。
正規の探偵は5人だけて後は新米やバイトパートたちだ。
2年目からはベテラン探偵の補佐役として尾行術やハイテク機器の知識をたたき込まれる。
3年目に入ると屈強の5人の仲間入りし6人体制となりバイトを使う立場になる。
最初に与えられた仕事は人妻の浮気調査で依頼主はその夫だ。
今村は最初の面会からそのご主人に立会い聞き取りにも参加する。
「妻は息子の家庭教師と浮気しているんです。」
「なぜそう思うのですか?」
「妻のスマホを見て判ったのです。」
「でもその内容が問題なのです。『昨夜は楽しかったわ。』くらいの文言じゃ浮気の証明にはなりませんよ。」
「判っています。恋愛じゃ駄目だが不貞は証明になりますよね。『昨日のラブホの近くには友人の自宅があるの。次からはホテルを変えてね。』と妻は返信しているのです。」
「それなら私たちが調査しなくても浮気の証拠になりますよ。知り合いの弁護士さんを紹介しましょうか?」
「それが気が動転してしまって証拠のメールを残してないのです。先日再度覗いてみましたがそのメールはすでに消去されていました。だから不倫は確実なんですけど証拠がないのです。」
「判りました。相手が判っているので調査は早く終わると思います。」
「お願いします。妻は山本明菜38歳。男は大学3回生本郷光一です。」
翌日からこの二人をマークした。
男の方には今村の後輩三田村とフリーターの二人が付き、女の方には今村とパートの人妻璃々子が付いた。
凛々子は涼しげな顔立ちにその見事な肉体は着衣の上からも見て取れるほどだ。
要するにいい女32歳だ。
その夜のミーティングに遅れて帰って来た三田村組から衝撃的な報告があった。
尾行したところ人妻らしき女と密会しラブホに入るところまで撮影できたらしい。
「ほう。それじゃこの調査は今日で終わりだな。写真は鮮明で女の顔も識別出来るんだろうな?」
「勿論ですよ。先輩に言われて会社の一眼レフと望遠レンズ持って行ってよかったですよ。」笑顔でカメラを差しだす。
本郷が自宅を出る写真から始まって行動が次々と写されている。
密会したレストランでの写真は男は正面からだが女は後ろ姿でこれは証拠にならない。
そして問題のラブホに入る写真は横顔だがはっきりと女の人相が読み取れる。
「違う。この女じゃない。」
「えっ、どういう事ですか?」
「この本郷って学生、二股不倫をしているんだ。この女は調査依頼者の奥さん山本明菜さんじゃないって事だよ。」
「見たところ相当な美人だがどう見たってアラフォーだろ。彼の彼女という事はないだろう。」
「確かにそうです。上品な40がらみの美熟女に見えましたし彼も敬語で喋っていました。」
「じゃ、明日からまた張り込みだな。今度この女が現れた時は女の正体を突き止めてくれ。」
その2日後だ。
盛装したターゲットが家を出た。
今村と凛々子が付かず離れず尾行を始める。
夕闇迫る公園で待っていたのは不倫相手の学生だ。
ほかにも複数のカップルがベンチを占領している。
今村もベンチの一つに凛々子と密着して腰かける。
薄暗くて顔までは見えないが抱き合ってキスする様子はビデオカメラに収まっている筈だ。
しばらくしてターゲットは今村の前を通り公園から出ていく。
顔を見られない為に凛々子に口づける。
一瞬抵抗仕掛けたがハッと気づき抱きつく。
演技のキスのはずなのに今村は舌を差し込んだのだ。
ターゲットが通過した後もディープキスが続く。
ターゲットが交差点を折れた瞬間公園から飛び出す。
見失わない距離を置いて追尾する。
これでラブホへ入るところを撮って終了だ。
しかし二人はシティホテルに入った。
これは証拠にはならない。
バーで飲んだだけだとかレストランで食事しただけとかの言い訳が通ってしまうからだ。
実際二人はレストランで食事を取り始めた。
今村たちも少し離れたテーブルを取りビデオを回し続ける。
「凛々子さん、彼等はこのホテルに部屋を取っている筈です。私は二人が同じ部屋に入るところを撮らねばなりません。食事が終わり次第1階に降りてロビーで待機してて下さい。電話します。」
今村は二人と同じエレベーターに乗った。
面が割れるが仕方ない事だ。
12階で降り後をついて行く。部屋に入る二人を胸ポケットのペン型カメラで撮った後さらに奥の部屋へ行く素振りで通り過ぎる。
「凛々子さん12階の部屋を取ってすぐに来てください。」
「今村君。1208号室よ。」
重なり合うようにして入室。
部屋を取ったのには訳があった。
不貞の証明には同じ部屋で3時間以上同衾する事が必要だ。
必然的に凛々子とホテルの部屋で3時間以上を過ごす事になる。
1回生でまだ新米の頃、4人で尾行した事があった。
リーダーと今村とフリーターともう一人は今村も憧れていた絶世の美熟女だ。
何でこんな綺麗な人が探偵なんかするのかと首を傾げてしまうほど素晴らしい女性だった。
ターゲットは今日と同じようにシティホテルに入った。
同じフロアーに部屋を取った後今村とフリーターは帰社させられた。
2回生になってそのリーダ-の片腕に指名された時、その時の事をそっと聞いてみた。
「役得。役得。」リーダーは笑いながら答えた。
「ホテルの密室で二人っきりというシチュエーションが女の貞節を狂わせるんだ。
キスしただけで乳首はビンビン、あそこはヌルヌル。自ら全裸になってくれるんだよ。」
だから今回のメンバーを選ぶ時、他の任務に就いていた凛々子を強引に引き抜いたのだ。
キャリアウーマンに見える様にグレーのツーピースでスカートは膝上までのタイトだ。
白のブラウスにコンサバショートボブがよく似合う。
ピッタリのタイトスカートは下半身の豊満さを隠せない。
二人でベッドに腰かけ話しかける。
「さっきは公園でキスしてしまってすみませんでした。」
「いいのよ。これもお仕事の一環だしその為の高給なんだから。」
「いえ、僕は演技でキスした訳じゃありません。周りに刺激されて堪らなかったのです。
それに相手は憧れていた凛々子さんだから我慢出来なかったのです。」
「そうだよね。舌まで入れてきたものね。」
「凛々子さんも舌を返してくれたのには驚きました。それにあの時興奮してたでしょ?」
「まさか、10歳も若い男の子に本気になるわけないでしょ。」
「そうかな?」
ベッドの上に押し倒して唇を奪う。
思った通り彼女も舌を絡めてくる。
ディープキスを十分堪能した後舌は首筋に移動し唇に戻ってくる。
次は耳たぶの後ろに吸い付き彼女の反応を楽しむ。
この時今村はまだ20歳だ。
童貞を失ったのは18歳の時だから女の経験は2年に満たない。
なのにこれほど余裕があるのは例の先輩調査官の言葉だ。
「今村、いい事教えてやろう。俺はこの状況になって同伴調査官15人に迫ったんだが堕とせなかった女はゼロだ。考えてみろ。女をラブホに引っ張り込むのには苦労するだろ?だが部屋に入ってしまえばどうだ?抵抗はしてもそれは演技の域は出ないだろう。女も諦めてくれる筈だよね。」
「先輩。でもラブホはセックスする為の場所だし、嫌々でも部屋に入ったのは自分の意志だから諦めるんじゃないですか?」
「だろう。俺も最初はそう思っていた。じゃ俺の成功率100%はどう説明する?100%だって2/2や3/3じゃねーからな。15/15だよ。それに見ての通り俺はイケメンじゃないしどちらかと言えばキモい男だよ。」
「そうですね。脂ぎった40過ぎのおっさんにしたら奇跡としか言いようがないですね。」
「おいおい、なんて事言うんだ(笑)。俺が思うには女はホテルの密室に二人きっりていう状況で頭が一杯になって他の事を考える余裕がないんだと思う。
この状況って今からセックスするって状況と同じだから身体がそう反応するんだって10人目の彼女が言ってたな。そう聞いてから後の5人はチェックを入れながらやったんだ。」
「へぇーどうやって調べたんですか?」
「11人目の時に部屋に入ってすぐシャワーをすすめてみたんだ。そしたらなんと彼女浴室に向かったんだよ。」
「嘘でしょ?そんなこと有り得るんですか?もしかして男日照りのあばずれ女?」
「いや、れっきとした元女医だよ。医療ミスで夫婦とも医師免許を剥奪されて開業医を止めざるを得なかったって言ってたな。後で聞いた事なんだけど俺が二人目の男だそうだよ。それに失業してから夫の物が役立たずになって半年くらいレスだった事もあってそれは強烈な性交だったね。普段のインテリ彼女からは想像できない淫乱さだったよ。」
「それは彼女が飢えていたからたまたまうまくいっただけじゃないですか?」
「うん。それもあるかな?でも15/15だよ。たまたまがそう何度もある訳ないからね。」
「確かにそうですね。最初先輩の言った通りかもしれないですね。」
「15人目の女を堕とした時点でそれは確信に変わったね。今村もこれからそういうチャンスに恵まれたら自信を持って挑むんだな。」
そう言って次の仕事の時、先日採用されたばかりの女子大4回生の女の子とコンビを組ませてくれたのだ。
女の子と言っても今村より2歳年上で今村からは大人の女に見えた。
上品な大人メイクの上、成熟した肉体は30女の色香を発散している。今村タイプのいい女だ。
運よくホテルの部屋で二人きりになる。
疑心暗鬼でこわごわ抱いてキスしてみる。
なんと彼女は抱き返しキスに応じる。
シャツを脱がせブラを外す。
彼女の乳首はこれ以上ない程勃起しているではないか。
武者ぶりつく。
恥かしげもなく甘い声を上げる。
20歳になったばかりの今村の我慢の限界は超えていた。
スカートを脱がせショーツをむしり取る。
淫液があふれ内ももを濡らしている。
夢中でハメ、いきなりの高速ピストンに女も反応し腰がうごめく。
歓喜の泣き声を出した後男のザーメンを腹に受ける。
そこで今村は肉体関係の出来た二人は一瞬にして親密な男女関係になり得る事を学ぶ。
今までは恋愛感情の末に親密な二人になれると信じていた。
今日の相手は昨日知り合って会話もした事がない相手なのだ。
しかも今村なんぞにはとても手の届かない可愛い女子大生だ。
普段なら高嶺の花だと諦めて声も掛けられないほどのいい女だ。
それが今二人とも全裸で抱き合い恋人のように話している。
そこで先輩調査員の言葉を試してみる。
この部屋で二人っきりになった時点でその気になっていたそうだ。
賢者タイムが終わるまでの間、生い立ちを話始める。
九州の小さな会社の社長令嬢で今年に入って倒産したらしい。
仕送りが途絶えてしまい退学して故郷へ帰るつもりだったが後1年で卒業出来るのが勿体なく感じ始める。
キャバクラに勤めている友人から「稼ぐ子は凄く稼ぐが普通の子は苦労の連続よ。」って聞いた。
授業料と生活費の為には風俗しかないのかと思ったがその勇気は出なかった。
そんな時、探偵社の調査員の求人情報を見る。
高給ゆえ多少のリスクはあるだろうが目を瞑ることにした。
風俗で働くよりはマシだと判断したのだ。
賢者タイムが終わり2回戦が始まる。
この部屋に入った時からその気になっている女を相手に愛撫する余裕が生まれる。
逆に女は痴態を晒した相手に身構える必要はない。
経験の浅い今村の愛撫にも敏感に反応する。
男は前戯を途中で止め今度は後ろからハメる。
女は尻を振ってヨガる。
瞬殺ともいえる絶頂だ。
何て敏感な子なんだろうと思いながら一度射精した男は耐える。
2度逝かせた後、尻に噴射する。
3回戦にも2度逝かせ少しセックスに自信が生まれる。
若いだけに回数はこなしているが自慢するほどの性技ではない。
それはその半年後、相棒になった人妻との行為で思い知らされる。
35歳結婚12年目の谷崎洋子でセックスの経験は豊富だ。
これも後で聞いた事だが旦那一人では満足できず2人のセフレがいたそうだ。
その内の一人が「性の達人」だと彼女が認めるほどの男だったらしい。
だったというのは彼が他の女の元へ行ってしまったからだ。
今村はそんな欲求不満の女性さえ満足させる事が出来なかった。
彼女が逝く前に射精してしまうのだ。
2回射精した後、継続時間が伸び我慢に我慢を重ねてやっと一度だけ絶頂させる。
面目は保ったけれど自信は霧散する。
「落ち込まなくてもいいわよ。一応私を逝かせたのだから立派なものよ。逝かせてくれない夫よりはるかにいいわ。それに君の硬さとサイズはあの『性の達人』より上だわ。どう?私今フリーだからセフレになってみる?鍛えてあげるわ。」
そんな経緯があってこの人妻と女子大生とは今でも仕事を離れたプライベートで付き合っている。
人妻から学んだことを女子大生相手に実践してみる。
そんな事を繰り返しているうちに必然的に腕を上げていく。
今村の怒張はこの経験豊かな人妻が褒めるほどの逸品だ。
それに性技の腕が備われば鬼に金棒だろう。
今では教える立場だったこの人妻洋子を対等のセフレとして可愛がっている。
女子大生も卒業してからも故郷に帰らず就職して今村の近くで生活している。
女の経験は2年に満たないが毎日のように続く性交の濃度はけた違いだと言える。