第17話   埋め尽くす肉棒


「どうした四巡? お主の大切な奥方が悲鳴をあげておるぞ。助けに行かなくてよいのか? ふふっ、それとも返り討ちに会うのが怖いとでも? 悔しいよのぉ。満月でなければ、もう少しは我らに刃向かえたものを。まあ悔しついでに、愛する妻の嬌声をお主にも聞かせてしんぜようぞ。ぐががががぁっ」

鬼がお父さんを笑った。
金魚の糞みたいにお伴の鬼たちも笑った。

それでもお父さんは耐えている。
哀しみや苦痛、あらゆる感情を消し去って、彫像みたいに立ち尽くしている。

「はあはあ、ひぃっ、ひぐぅっ……苦しい……」

そんなお父さんを挑発するのが役目のように、頭のない鬼がお母さんにひどいことをしている。
頭もないくせに、腰を密着させたまま棍棒みたいな両腕でお母さんの両足を持ち上げた。
180度に押し拡げたまま肩近くまで押し上げていく。
胸が圧迫されて、ひざ裏の腱も限界まで引っ張られて、その姿で神楽の腕みたいな肉の棒がお母さんのお腹を貫いている。

「ふぐぅぅ……くぅぅぅっ、はあ、はぁ……膣(なか)がきついぃっ」

苦しそうなお母さんの声。
閉じたまぶたがプルプル震えて、心と身体の両方から襲いかかる苦痛に必死に耐えている。

ズズッ……ズズズズッ……ズリュゥゥッ……

「あぐっ、ああぁっ……う、動かないでぇっ! きつい、きついのぉっ!」

鬼が腰を前後にゆすった。
何度も何度も突き上げては引いてを繰り返す。
いくつもの瘤に覆われた肉棒が割れ目を引き裂くように沈んでは、過敏なヒダを引き伸ばしていく。

そのたびに、手形で真っ赤に染まるおっぱいが揺れた。
お母さんの頭が左右にも上下にも振らされる。

「ぁぁああんッ、いやぁッ……ゆるしてぇ……膣がぁ裂けるぅぅ……んんんぐぅぅッ……」

「よい眺めじゃ。子を産み落とした女でも、あ奴のマラはちときついと見える。ほら、もっと鳴いてみよ。そのマラをして歓喜の声をあげてみよ」

牛頭の鬼、阿傍の気を惹こうと、2体の腕が揺れる乳房を揉み始めた。
下から突き上げるリズムに合わせて、鬼らしくない繊細な手付き。
その指先が半円のメロンのような膨らみを刺激して、乳首を指の腹で転がしている。

じゅぶっじゅぶっ、じゅじゅじゅ……じゅぶぅぅっ……

「あひぃっ……ひぃっ! 奥に当たってぇぇ……はうぅぅぅっ、乳首いやぁっ。くぅぅッッ!」

上からも下からも刺激されて、哀しい声なのに鼻に抜けるモノが紛れ込んでくる。
ガンガン打ち込まれるたびに、恥ずかしい水の音が結合部から聞こえた。

「ぐふふふっ、さあ鳴け。涼風の巫女よぉ、獣のように快楽の声をあげるのじゃ。四巡に浅ましい女の本能を見せつけるのじゃ。モノども遠慮はいらん。やれい! この女に鬼の精を絞り出してもらえ」

羅刹の号令に、鬼たちが歓喜の声をあげた。
涎を垂らした肉棒の群れが、競うように襲いかかってくる。
空を飛んで、地面を這って、わたしはお母さんにしがみ付いているのに……
その空気の身体も貫かれて、無数の肉の凶器がまとわりついてくる。

「ひッ、ひうぅッ……むぅぅぐぅぅぅっっ!」

噛み締めていた唇がこじ開けられる。
張り合うように2本の棒が突き立てられる。
乳房を感じさせることに専念していた腕が投げ棄てられ、ここでも硬直した肉棒たちが、柔らかいふたつの肉を奪い合い容赦なく沈み込ませてきた。
肌という肌、隙間という隙間、挟間という狭間。
擦りつけられて勝手にしごかれて、お母さんの身体中が無数の肉棒に犯されている。
性欲の捌け口として玩具にされている。

「いいぞぉ、もっと犯れぇぃ。女の肢体を盛りの付いたマラで埋め尽くすのじゃ。涼風の巫女を快楽漬けにするのじゃぁっ!」

じゅちゃッ、じゅちゅッ、じゅちゃッ、じゅちゅッ、じゅちゃッ……
ぐちゅぐちゅぐちゅ……むにゅむにゅむにゅむにゅぅっ……

「うくぅッッ、ぐうぅッッ! ぷはぁっ、はあはあ……むぐむぐむぅぅぅっっっ!」

お母さんは首を無理やり振って、追いすがる肉棒を引き剥がした。
その瞬間を利用して、水面に顔を出した魚のように息継ぎを繰り返している。
それでもまた、肉棒の待つ水面下へと引きずりこまれていく。
肉片のような身体の群れに覆い尽くされていく。

そうしている間も、巨大な肉棒がお母さんのあそこを責め続けた。
肉と肉がぶつかり合う音。骨と骨が軋む音。
見えないスピードでゴツゴツした腰が前後して、噴水みたいに恥ずかしいお汁が飛び散っていく。

(この女ぁ、本気で感じていやがる。ま○こ汁でぐしょぐしょじゃねえか)
(おう、俺たちのマラに掛れば未通女でもいちころよ)
(おらぁ、早く吐き出せ。次が混んでるんだぜ)

おこぼれに与れない鬼たちが、お母さんの両腕をがっちりと押さえ付けていた。
その細い手首が、気持ちいいモノに抵抗するように反り返る。
地面が抉れて爪を傷付けながらも、ブリッジする。

お母さん、もういいよ。もう我慢しないで。
でないと、死んじゃう。お母さん、ホントに死んじゃうよ。

わずかに覗くウエストがクネクネと揺れた。
折り曲げられた腰のはるか先で、つま先が宙を彷徨っている。

それが何なのか? 神楽にもわかるよ。
わたしだって女だから。それにオマセだから。
ベッドの中でこっそり自分のあそこを弄ったりするもん。
その時だって頭が真っ白になって、何も考えられなくなるもん。
ただエッチって気持だけになるもん。

「んんぶっ、ぷはぁっ、イヤぁっ、ふぅぅぅんんっ、んぐぅっ……げほっげほっ」

「ぐふふふっ、そろそろじゃ。ものどもぉっ、準備はよいなぁっ? 一斉に精を放ち、涼風の巫女を快楽の獄へと落とし、我らの人型(ひとがた)とするのじゃ」


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