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第13話 性奴隷の身だしなみ 「ねえ、おじさん? ちょっとねえってば……わたしの話聞いてる?」 「あ、ああ……うん、聞こえてる」 卓造は夢うつつな目をしたまま、千佳に相槌を打った。 「ふぅ~、ちょっと刺激が強すぎたかな。でもこのくらいして見せないと、あの男からおじさんを守れないし」 そんなダラシナイ中年男を相手に、千佳は大げさに溜息を吐いてみせる。 愚痴っぽい、独り言も呟いてみせる。 「だったらさ、おじさん。ちょっと確認して欲しいんだけど。その……スカートの下からアレ……見えてないよね?」 限りなく無人に近い屋上フロアーで、千佳は卓造の前に踊り出て立ち塞がっていた。 突然現れた感のある少女の姿に、さすがの卓造も足を止めた。 「み、見えるって……アレのことかい?」 「そうよ、バイブのこと」 卓造に『アレ』と言わせたモノを、千佳は事も無げに『バイブ』と言い直していた。 そしてぎこちない足取りのまま、クルリクルリと2回転する。 ダークネイビーのセーラー服から、純白のテニスウェアに着替えた千佳の肢体を、卓造の目が追い掛けている。 その視線は少女の腰回りに貼り付き、遠心力に従って薄い円盤のように拡がったヒダスコートに向けられる。 ピチピチとした太股の付け根まで覗かせたその奥で、スリットの恥肉を貫く筒状の物体と、キュートなヒップを割り拡げるもう一本の卑猥な玩具。 それをはっきりと目撃した卓造は、深く頷いていた。 「う~ん、やっぱり歩く時は慎重にってことだよね。それで、今はどうかな?」 遠心力が消えても、スコートの丈は太股の半ばまでしかガードしていない。 辛うじてヴァギナに挿入されたバイブは隠しているが、アナルに突き刺さるバイブはグリップが長めに造られている。 まるで尻尾のように飛び出して、スコートの裾を持ち上げ気味にしている。 卓造は微妙な表情を作った。 それを見た千佳が、げんなりといった顔付きを一瞬だけ覗かせた。 「ファイト、千佳」 そして、こっそりと自分にだけエールを送るのが、卓造の耳にも届いていた。 それと一緒に顔の筋肉を引き締めると、エレベーターへと向かう。 「おじさん。1階に着いたら、よろしくだからね」 けっして千佳は振り返らなかった。 場違いなテニスウェア姿のまま、手ぶらな両手でガッツポーズを作ると、到着したエレベーターに乗り込んでいく。 撮影OFFにしたビデオカメラと、千佳の代わりにスクールバッグを持たされた卓造が、急いでその後に続いた。 教科書の類ではない。 それ以外のモノで異様に膨らんだそのバッグの重さに、複雑な感情を抱きながら。 (本当は死にたいくらい恥ずかしいんだろうな。男の俺でもこんな格好をさせられたら……?) 卓造は軽く想像しただけで、おぞましい自分の姿に身震いした。 滑らかな下降を続けるエレベーターの床が、微かにだが揺れる。 「うふふ、今おじさんったら、ブルブルってしたでしょ? ホント、気が小さいんだから」 「あ、いや……俺はそんな……それよりも千佳ちゃん、本気でその格好のまま……?」 卓造のまぶたに浮かんだのは、全裸のままスクールバッグを開ける千佳の姿だった。 そのバッグの中を興味本位に覗いた卓造は声を失った。 学生という立場上必要な教科書とノートを脇に追いやって、主役のように収まっていたのは大人の玩具だったのである。 それも大量に。 大小様々な大きさのバイブから、ビー玉のような丸い球体が数珠つなぎになったアナル用バイブ。 更には本来の使い方から逸脱した電動マッサージ機まで。 千佳は卓造の目が注がれているのを知っても、特段嫌がる素振りは見せなかった。 どうせ和也に命じられてのものだろうが、諦めの表情を浮かべたままスクールバッグの中を掻き回し、手頃なサイズのバイブとアナルバイブを選び出していた。 卓造の勃起したペニスと同レベルだろうか? 千佳はそのバイブを口に咥えると、丹念に舐め回していた。 まるでフェラチオをするように舌を鳴らして唾液を塗すと、濡れた先端を股間に宛がい一気に挿入させる。 さすがにその時ばかりは、整った顔立ちを歪めて軽く呻いてみせたが、膣奥にまで突き入れると何でもない表情をしてみせた。 そしてアナルバイブも同様の手順で、お尻の穴に埋めたのだった。 「そうよ、わたしはいつも本気。半年前にあの男にレイプされて、それからずっとエッチなことをされ続けてきたから。死にたいって思ったことも一度や二度じゃないよ。でもね、千佳って負けず嫌いなの。あんな男に屈して負けたくなんかないの。だから、いつかきっとわたしは……ね、おじさんだって、棺桶に片足突っ込んでるみたいなものでしょ? だったら、千佳に協力しなさいよね。うふふ♪」 エレベーターが1階のフロアに到着する寸前。卓造は赤裸々な千佳の想いを聞いた気がした。 その上で、おぼろげだった自分自身への覚悟もようやく固まった。 エレベーターの扉が開き、喧騒の世界が二人を包んだ。 卓造は手にしていたスクールバッグを千佳に押し付けると、悠然とした態度で歩き始める。 テニスウェアの美少女と、ヨレヨレサラリーマンのコンビを見せびらかせるように。 前頁/次頁 |
作者とっきーさっきーさんのHP 羞恥と自己犠牲をテーマにした健気な少女たちの作品の数々。 投稿小説も多数あり。 『羞恥の風』 |