第5話 全裸の身体まで晒して

「急がないと。あと30分くらいしたら、校舎内の見回りが始まるよ。それまでに終わらせないと」

吉村の目が、教室の前面へと。黒板の上に掛けられた丸い時計に向けられる。
そして、男女の行為に及ぶところを準備しようというのか。
手近にあった机を手早く寄せ集め、縦長なテーブルのように並べた。

「この上でするのね」

そんな光景を優子の瞳が見つめていた。
同時に、彼女の片手が背中へと回される。

「んん……」

沸き起こっては消え去る恥じらいの心に、優子の喉がかすかに応えた。
瞬間、胸を絞めつける布地の感触が消失し、乳白色なふくらみが惜しげもなくこぼれた。

「Bカップ、バストは79センチ」

「嫌、恥ずかしい」

しっかりと鑑賞されていた。
当てずっぽうのはずなのに、優子にしか知らない数字を言い当てられる。

「パンティも早く」

「わかってる……急かさないで」

露わにされた乳房を、優子は隠すこともままならない。
両手の指が腰のサイドに這わされる。
いつもの普段着のままの女の子の下着に、指先が潜りこんでいく。

(こんなことなら、もっとお洒落なのを穿いてくれば良かったな)

今さらになって、ちょっぴり後悔していた。
まさかその場で行為に移ることになるなんて。

今朝、自宅を出た時には思いもしなかった展開を噛みしめながら、洗いざらしの無地なショーツが、スルリスルリと引き下ろされていく。
腰骨に引っかけられたウエストのゴムが、なめらかなヒップの盛り上がりをこすった。
腰を大きく前屈みにさせながら、両手に掴ませたソレは尚も下り続け、太腿の肌をくすぐるように撫で、挙句には彼女の足首に絡みついていた。

「こんなの……恥ずかしい……」

自分は今、全裸になったのだ。
今日も一日、クラスメイトと授業を受けた教室の中で、一糸まとわない肢体を晒してしまったのだ。

「脱ぎたてのホカホカのパンティ、僕がもらってあげてもいいけど?」

「ダメ、それだけは……お願い……」

「冗談だよ。そのパンティの内側には、優子のアソコの匂いや、アソコの汚れとかも沁みついているからね。おまけに今日は体育の授業もあったから、いろんなのがベットリと付いていたりして。そういうのを人に見せられるわけないよね」

吉村の目が、片方の手のひらの中で小さく丸められた布切れに注がれていた。
17才の少女が見せる素っ裸な身体よりも、その彼女が丸一日近く身に着けていた乙女のランジェリーの方へと。

「まさか、エッチなお汁で濡れてるってことは……ないよね?」

「そんな……いやらしい言い方って……それに……知りません」

「ふーん。まあ、信じてあげる。それよりも早くこっちに来なよ」

吉村が手招きをしていた。
己のズボンのベルトを緩め、さっさとソレを脱ぎ去ると、その下に穿かした男物の下着もあっけなく脱がせた。

「キャッ?!」

「なにもびっくりすることはないだろう。男の股間には誰だって絶対にぶら下がっているものなんだからさ。オチ〇チン……ふふっ」

「あ、あぁ……」

それは見事なまでに勃起していた。
上半身には詰襟の学生服を着たまま、むき出しにさせた股のつけ根からはにょっきりと、真上を向く勢いで肉棒がいきり立っていた。

(これが隼人君の……? 男の人の……とっても大きくて、怖い……)

父親のモノなら、おぼろげな記憶の中で見たことはある。
幼かった頃に興味本位で覗いた同学年のモノも。

「よいしょっと」

全身を固めて石像と化した優子をよそに、吉村は即席でこしらえたベッドの上へと這い上がる。
仰向けに寝そべると、いつの間にかき集めていたのだろう。
優子が脱ぎ落した上下の制服を一つに丸め、己の頭の下へと枕代わりに敷いた。

「さあ、優子」

「吉村君……」

呼ばれて、優子の身体は引き寄せられていく。
フラフラとまるで夢遊病者のような足取りで、吉村が寝そべる元へと辿り着く。

「そこに椅子があるだろう。それを踏み台にして昇ってきなよ」

優子は机の上でお膝をしていた。
少々不安定ながらも大きさだけは余裕のある机のベッドの上で、ただその裸身を固めていた。

「なにをしているのさ。立ち上がって僕を跨ぎなよ。遠慮なんかしなくていいからさ」

吉村が催促する。
垂直に立たせた男根を見よがしに揺すらせもする。

「わかりました」

背中を丸め、中途半端に腰を屈めたまま、優子はどうにか足を立たせた。

下から吉村の目が見上げている。
視線が交わるのを防ぐかのように、優子は顔をそらせながらも片足を持ち上げた。
言われるがままに吉村の下半身を跨いだ。

「ふふっ、丸見えだよ。優子のオマ〇コ」

「ひっ、そんな言い方……やだ、恥ずかしい」

普通の女の子なら、口にするのも憚れる単語である。
そんな女性器の隠語を吉村が口にした途端、優子の両足は崩れ落ちるほどブルブルと震えた。

男の視線が容赦なく注がれる乙女の亀裂。
それをどうにかして隠そうと、身悶えするように腰が身悶えている。
ピンと張り詰めた乳房までもが、プルンプルンと小刻みに跳ねた。




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作者とっきーさっきーさんのHP

羞恥と自己犠牲をテーマにした健気な少女たちの作品の数々。
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