第7話  ボディーチェック



       12月 21日 金曜日 午後3時   二宮 佐緒梨


「あっ! もうこんな時間……いけない!」

壁に掛けてある時計が午後3時を指している。

わたしは、テーブルに突っ伏していた身体を起こすと、頭の重みでしびれた両手を振った。
そして、引き戸1枚で隔たれている四畳半の部屋へと慌てて向かった。

急がないとお義母さんが帰ってきちゃう。
それまでに今日の日課を片付けないと……!

ここは、ふた間しかない部屋のうち、お義母さんとわたしが寝室に使っている部屋。
わたしは、隣の6畳間を遮断するように襖を閉めると窓のカーテンも引いた。
そして、指を急かせて制服を脱いでいく。

真っ赤なスカーフを解いて、紺色のブレザーの上着を頭から抜き取った。
続けて、スカートを足元に落とした。

ブラジャーとパンツだけの姿になって、部屋の隅っこに置いてある鏡台に顔を向ける。
向けながら、両手を背中に回してブラジャーを外した。
目の下でプルンプルンっておっぱいが揺れるのを確認しながら、腰のサイドに両腕を添える。
ちょっとだけ溜息を吐いて、もう一回、閉じられた襖に目をやって……
パンツをひと息に下ろしていく。
スルスルって肌を滑らせながら、輪っかみたいになった佐緒梨のパンツを足首から抜き取った。

あっという間に裸になったわたし。
まだ明るいのに……
今からシャワーを浴びるわけでも湯船に浸かるわけでもないのに……

「ふーぅ。さっさと済ませよう……」

わたしは、鏡の前で『気を付け』のポーズをとる。
背筋を正して、ぴんと伸ばした指先を腰の横に押し当てて、ひざ小僧を揃えて、ほんの少しお肉の気になる太ももを隙間なく閉じ合わせて……
佐緒梨の視線を上から下へと移動させる。

バスト78のおっぱいに、『まだまだこれからだよ』ってエールを送って、くびれたウエストと縦長の可愛いおへそに、うんうんってうなづいて、そこから10㎝下った処でストップさせる。
目を凝らしてじっと見つめる。

中学1年生の頃から生え始めた割には、ハイレグ水着でも未処理で充分なアンダーヘアー。
太ももから股の付け根を利用しての『Y』の字。
その中心を縦に走る、幼女のような肉の切れ込み。

全体をさっと見て、個別のパーツをチェックして、つぶやいた。
「うん、正面は異常なし」って……

その後も、横向きになって顔だけ鏡に向けて、後ろ向きにお尻と背中を映しながら上体を反らせて、やっぱり顔だけ鏡に向けて……
足先からお尻のお肉も背中も横顔まで、念入りにチェックするの。
両手をお尻に回して、尻たぶを持ち上げながら割れ目をしっかりひらいて、赤いお肉や、すぼまった佐緒梨の汚い穴までじっと見つめるの。

もう慣れっこだけど、慣れっこになったつもりだけど、やっぱり恥ずかしい。
佐緒梨って女の子なのに、こんなポーズを鏡の前でするなんて惨めすぎる。

でも、もっともっと点検しないと……

わたしは、鏡の前でお尻を床にひっつけると、折り曲げたひざを抱えるようにしながら左右にひらいた。
無防備に晒される佐緒梨のあそこを鏡に映し出した。

心臓が壊れそうなくらいバクバクと鳴いている。
真っ直ぐ見ているはずなのに肩が震えて、わたしの両目も手振れ防止にして欲しいくらい。

『M』の字の中心で、縦長の楕円形にぷっくり膨らんだ佐緒梨の大陰唇。
わたしの肌は雪のように真っ白なのに、そこだけはなんとなく黒ずんでいて、石鹸で擦ったって一緒。
他の女の子も気にしているのかな?
そんなの絶対に聞くわけにはいかないけど……

そして、楕円形のお肉の中心で舌先のように割れ目から飛び出している佐緒梨の小陰唇。
ここもよく点検しないと……

わたしは、両手の人差し指と中指を使って縦に走る亀裂をひらいていった。
ピンク色のヒダの中まで、その奥にある膣の入り口、ついでに盛り上がった肉の突起、クリトリスまで……

顔を背けたくなるのを我慢して、粘膜の色から形状まで全部、変化がないか観察していくの。

この身体は、佐緒梨の大切な商売道具だから……
お客様に失礼があったらいけないから……

あの日、お義母さんに命じられて始めたわたしの日課。
その日から欠かすことなく毎日自分の身体を観察している。
男の人を悦ばせるために……
満足させてお金をもらうために……

「後は、ここよね」

わたしは低くつぶやくと、人差し指と中指を口に含んだ。
舌を使って念入りに唾液をまぶすと、2本揃えて膣の中へと沈めていく。

「あああんっ、ふぅッ……んんんっ……」

背中を走るいやらしい感覚。
呼吸を調節しながら、あそこが期待しないようにそぉっと……

指を奥まで挿入したら、デリケートな壁に指の腹を押し当てる。
手前に引きながら、赤ちゃんの通り道に異常がないか? 点検する。

感じちゃだめ、佐緒梨! これはお仕事をする準備なの。
今夜もまた、お客様のおじさんにいっぱいエッチなことをされるんだから、それまで気持ちいいは我慢しないと……

狭い通り道が段々広くなって、でも入り口付近の感じるポイントをちょっとだけご褒美よって、擦ってあげて……

「ああぁぁっ、気持ちいいぃぃっ……はんんうぅぅ……」

あーぁ。エッチな声、上げちゃった。


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