第3話  少女に導かれるままに……


翌日、俺は30分早めて午前7時にいつもの歩道橋に着いていた。

「これ食べてよ。朝食まだなんだろう?」

「いやぁ、すまないねぇ」

俺はいつものように千円札を3枚と、いつもとは違いコンビニで買った菓子パンを重蔵さんに手渡した。
自分もパサついたパン生地を口に頬張りながら撮影の準備を始める。

朝飯くらい食べてくれば良かったかな?
昨日は珍しく妻との会話が弾んだ。
お互い仏頂面を通している夕食時に、なんでも『俺の顔に覇気がみなぎっている』とか、『引き締まって見える』とか。
訳のわからないことを呟きはじめて、気を良くした俺もついつい昔話に花を咲かせて……

いや、いかん。いかん。
今はあの少女に。もう一度あの女の子に……

昨日会えたのは、確か午前9時半頃。
だがあの子だって学生だ。普段の登校時間はもっと早いはず。
8時から8時半の間。おそらくこのあたりだろう。
まあ、用心してこの時間から張り込んでいれば、きっと目にするはず。この歩道橋を使う限り。

そして……思った通りだ。来た!

世の中に悩み事なんて存在しない。
そんな天使のような表情で俺の方へと歩道橋に近づいてくる。

「午前7時40分……か」

思っていたより早いな。やはり早めから準備をしていた甲斐があったというもの。

「さあお嬢さん。今朝はどんなパンティーを穿いて登校しているんだい?」

鉄の階段を上る軽やかな靴音。
だが俺の心臓のステップは軽くなんてない、死の舞いを踊るように高鳴っている。

そこだッ! カシャッ!

親指がボタンを押す。
小さくなる靴音をじっと待つこと1分あまり……

「おぉっ、白か……」

濃紺のスカート生地に浮き上がる、清楚な白いパンティー。
そのくせ、少し背伸びしたような小さめの生地がお尻の下肉を半分ほど露出させている。

「ふふ、いいじゃないか」

沸き起こる達成感に俺は後片付けを始めた。
彼女のパンティーを見たあとでは、どんな美女の下半身も色褪せてしまう。

「へえ~。旦那ぁ、今日は店じまいですかい?」

重蔵さんが愉快そうに声を掛けてくる。
俺はその声に曖昧に頷くと歩道橋を後にした。



週一だった歩道橋通いが今では連日の行事になっている。
もちろんあの少女に会うのが目的だったが、不思議なもので、あの日以来遅刻はなくなった。
お目当ての少女の朝が早いこともあるが、彼女のパンティーを拝んだ後はさっさと会社へと向かう。
それが習慣になりつつあった。

それにしても、全く飽きさせない子だな。
まるで俺の趣向を知っているかのように、日替わりでパンティーの色を変えてくれる。
ストライプの縞パンに始まり、白・水色・黄色。
昨日なんかは、両サイドが蝶結びされた紐パンで登場してくれたし。
今朝はどんなパンティーを穿いて現われてくれるのか、俺のスケベ心がそんな彼女を今か今かと待ち構えるようになっている。

よし、今だ。

今朝もまた、俺は機械的な作業のように目ぼしい女性を見付けては撮影を続けていた。
だが、成熟した女の香を放つOLのパンティーも、熟し始めたばかりの女子大生のパンティーも、今の俺にとっては心を揺り動かされる存在ではなかった。

ふっ、この女。清純そうな顔をして、透け透けのTバックを穿いていやがる。
こういう女に騙される男も悲惨なもんだな。

そう毒づきながら、次のターゲットを探して視線を走らせる。
あの子が登校するのを待ちながら。

そろそろじゃないか?
腕時計に目を落とした。
午前7時40分。そろそろだ。もうすぐ顔を見せるはず……?

来た! まるでスキップするような軽い足取りで近づいてくる。
俺は左目でスマホを確認しながら、右目の端に少女の姿を捉えていた。
どんどん大きくなる彼女。
と、その時、目線がぶつかった。可憐な瞳が笑い掛けたように感じた。

ドクッドクッ! 

俺はこの少女を知っている? いや、わからない。思い出せない。

霧が立ち込める頭を振った俺は、慌てて国道側に顔を向ける。
だが彼女はそんなこと気にする素振りも見せずに、軽快に階段を上り始めている。
そして撮影ポイントに近づき液晶画面を凝視する。

暗い天井に帯のように広がる光の空間。
そこを勢いよく右足が乗り越え、無防備なスカートの中が大写しにされる。
よじれるように拡げた太ももと、付け根に貼り付くピンクのパンティー。

よし、今日もいただきだ。

俺はボタンを押した。
1秒もない一瞬の光景をスマホに焼き付けながら、永遠の残る記憶をその目に記録していく。

そう、1秒を焼き付かせたはずだった。
でも、長い? 今日の1秒はやけに長く感じた。
それまての階段を上るペースとは違う、あきらかにゆっくりとしたペースで自分のスカートの中をさらけ出していた。

いったい、どういう気なんだ。
わざと? それとも単なる偶然?

遠ざかる靴音を聞きながら、俺はスマホに写る少女の下半身を眺めていた。
まるで下から覗く俺にサービスするような大股びらき。
付け根に喰い込み、恥ずかしい縦じわを残すピンク色のパンティー。

「あっ、行かないと……俺は会社へ行く準備を始めた」


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