第17話  極太ペニスバンドで繋がる姉妹愛


「おいおい! あんな太っといの、ホントに入るのかよ?」
「弥生ちゃんのオマ○コ、壊れちまうぞ」

ステージの下まで摺り寄っていたお客さんの間からも、期待半分以上の驚きの声が漏れる。
そして数少ない心配症の声を打ち消すように、今川が軽快な声で説明する。

「皆様、ご心配には及びません。このディルドは直径60ミリの硬質ゴムで出来ておりますが、弥生嬢のオマ○コは何ら問題ありません。確かに調教を始めた頃は、極太なディルドに泣かされておりましたが、今はこの通り気持ちいい声で鳴いております」

「はぁ~い、心配をかけたようでごめんなさい。弥生はこのディルド君でないと、オマ○コが感じないんです。だって変態ですから」

「なぁーんだ。心配して損しちゃったな」
「ホントホント。性処理接待している娘なんだし、オマ○コなんてガバガバで当たり前だよな」
「そうそう、自分で変態なんていうスキモノだからな。ははははっ」

今川の説明を間に受けた顔をして、お客さんが笑った。
弥生さんが微かに覗かせた哀しい笑顔を、みんな無視して自分達の性欲のために盛り上がっている。

嘘よ! そんなの弥生さんの本心じゃないのに。
弥生さんの内股が震えているのを見れば気付くはずなのに。

卑怯なわたしは、声も立てずに叫んでいた。
孝太の手を痛いほど握り締めているのに、何も出来ずに照明の当てられたステージに視線を送り続けていた。

「ほら見てごらん。弥生のオマ○コにディルドが埋まって……ふふふ」

わたしは漂う香水の匂いも忘れていた。
SM女王の存在を忘れていた。
お義母さんだけじゃない。手を繋いでいるのに孝太のことも忘れかけていた。

男達に向けて、半オクターブ声音を高めた弥生さんが「ディルドを挿入しますね」って。
丸い筒型を握る指と指が全然届いていないのに、それを股の間に移動させて。
ステージの下でお客さん達が小競り合いしながら見上げているのに、ヒザをくの字に曲げてガニ股の姿勢を取って、恥ずかしい割れ目のお肉を全部晒して。
両手の指で固定したお化けディルドを持ち上げていく。
即席の笑顔を維持できなくて、天井を仰ぎ見てごまかしながら、膣の中へと一気に挿入させる。

「あぁっ! はあぁぁっっ! み、見てぇっ……弥生のオマ○コにぃ、ディルドがぁ……はいってぇ……ふあぁぁっっ」

もうとっくに入れ終わっているのに、弥生さんの声が鼓膜にひっついて離れてくれない。
いくら赤ちゃんが産まれてくる穴だからって、勝手に拡張したらいけないのに、その瞬間、お客さんの間から拍手が起こって、それもオマケみたいに耳にひっついて。

「お客様、皐月の未熟なオマ○コも見てください」

ステージの上では弥生さんに代わって、皐月さんが腰を屈めていた。
両手をヒザに押し当てて高々とお尻を掲げて、足の裏を滑らせるようにして股を開いてみせている。
そして薄らと傷痕の残るヒップを晒したまま、身体の向きを変える。
右のお客さんにも左のお客さんにも、恥ずかしい処を観賞してもらえるようにサービスを繰り返している。

「皐月、もう……いいわ」

そんな皐月さんの痴態に、弥生さんがストップをかけた。
決してお客さんには届かない優しい声で囁くと、足を引きずるぎこちない歩様のまま皐月さんに近付いていく。

まるで男の人みたい。
胸の膨らんだ女の人の身体なのに、弥生さんの下腹部だけは男性そのものだった。
お義母さんはあれで標準なんて笑って言ってたけど、本当にそうなの?
初めて見た孝太のよりも遥かに大きなオチ○チンの模型が、天井を向いてそそり立っているから。

「皐月……好きよ……」

「弥生お姉ちゃん……わたしも……」

その言葉の往復が合図だった。
馬跳びの姿勢を保つ皐月さんの背後に、弥生さんが移動する。
両腕を伸ばして皐月さんのウエストをガッシリと掴むと、生やしたてのオチ○チンで彼女の割れ目を探った。

「……んんっ、はあぁぁぁ」

揺れるだけで身体の芯まで響くのよね。
弥生さんがくぐもった声を吐いた。
そのまま皮のベルトが喰い込んだお尻をぐっと前に押し出すと、今度は皐月さんが呻くように押し殺した声を漏らした。

「あはぁっ……入って……くるぅ……オマ○コにぃ、お姉ちゃんのオチ○チンがぁっ!」

まるでお腹の中のモノが押し出されるように、皐月さんの背中が上向きに反った。
膣の奥にまでオチ○チンが挿入されたことを示すように、腰を密着させた弥生さんも上半身を仰け反らせていた。

「んはぁっ! 皐月のオマ○コぉ、感じるぅ……私もぉ、いいぃっ!」

弥生さんが叫んで、皐月さんも負けないくらい大きな声で叫んで。
姉妹だからきっと仲はいいと思う。
両手で持ちきれないほどのたっぷりとした愛情だって有ると思う。
でも、わたしは違うと思う。
こんな繋がり。こんなセックス。
彼女達だって全然望んでなんかいないと思う。

「いいぞぉっ! ほら、ピストンやれぇっ!」
「弥生ちゃーん。オマ○コにオチ○チン挿したままだと、セックスは終わらないよぉっ!」
「早く、妹の皐月ちゃんを犯してみせてよぉっ!」

そうよ。心ない野次が、彼女達を追い詰めているんだ。
スーツを着て立派な格好をしただけのどうしようもない人達が、こんな哀しいショーを誕生させてるんだ。
隣で薄笑いを浮かべている悪魔達を利用して。



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