官能小説『隣人 改』
しょうた&リレー小説参加者の皆様

※第1話~第2話はしょうたさんの直筆により、
第3話以降はリレー小説の皆様の合作によります
編集はしょうたさんです



第34話

 だが、興奮が醒めないからといってこのまま家に戻るわけにはいかない。もし、戻っ たら、冷静に考える時間ができる。冷静になってしまったら、今のような行動はきっと 起こさないだろう。
 よし、いくぞ。
 ついにインターホーンのボタンを押した。

  「はぁ~い」
 可愛らしい声がスピーカーから聞こえた。
「すみませ~ん。隣の吉川ですが」
「お隣の……ちょっと、お待ちください。今、行きますね」
 プツリという音がスピーカーから聞こえた。緊張から自分の声のトーンがいつもと違 うのがわかったが、みどりは何の疑いもなくドアを開けてくれるらしい。
 いくら隣人とはいえ不用心ではないか、と思ったが、考えすぎかもしれないことに直 ぐ気づいた。
 なにしろ、顔を知らないわけではないし、まして、昨日、三人で食事した仲だ。普通 ならば、不安を感じることはないだろう。
 間もなくドアが開かれ、みどりが顔をだした。
「どうしたんですか?」
「実は、昨日のことなんですが……」
「あっ、もしかして、口止めに来たんですか? そんなに心配しなくても、いいですよ 。絶対に奥様に話したりしませんから」
「いえ、それもあるんですが、実は他にもお願いが……」
「え、お願いって?」
「はぁ、昨日、お手伝いって言ってたじゃないですか」
「え、えぇ」
 みどりの表情から戸惑いが伺える。
「それでですね。ちょと、ここではなんですから、中でお話ししましょう」
 そう言いながら、自らドアを開き、押し売りのセールスマンのように強引に家の中に はいりこんだ。
 ドアが締まった玄関で、美しい若妻の全身に素早く視線を動かした。
 スカイブルーのTシャツに太股の付け根まで見えそうなブルージーンズのショートパ ンツといった初夏を思わせるような薄着だ。
 実際、今日は最高気温が二十五度を超えると天気予報でいっていたし、ここはみどり の住まいなので、おかしな格好ではない。
 ただ、肌にピッタリと張り付いているТシャツにホットパンツというのは男にとって 目の毒だ。否が応でも目がいってしまう。
 そのうえ、素晴らしいことに気づいてしまった。
 なんと、Tシャツの二つの膨らみの先端に小さな突起が浮かんでいるのを見てしまっ たのだ。
 つまり、目の前で戸惑いながら佇んでいるみどりはブラジャーをつけていないのだ。
 普通なら、訪問者が男であれば待たせてでもブラをつけるに違いない。しかし、彼女 はつけていない。
 彼女は昨日のことを忘れていない。昨日のつづきを期待してるんだ。
 ズボンの下に隠された凶器が更に膨らみを増した。股間に視線を送れば、間違いなく 勃起していることに気づくだろう。
「ど、どうしたんですか? 吉川さん、怖い顔して……えっ、う、うそぉ」
 案の定、股間が盛り上がっていることにみどりは気づいたようだ。みどりは大きな瞳 を股間に向けたまま、両手で唇を隠した。
 ここまで来たら、俺が来た意味を察したことだろう。後はみどりが戸惑っているうち に突き進むしかない。
「ちょっと、あがってもいいかな?」
「……えっ」
 はっ、としたように俺に目を合わせるみどりに考える隙を与える間もなく、サンダル を脱ぎ、素足のまま玄関マットにあがりみどりに近づいた。
 みどりはジリッジリッとすり足で後ろに下がっていく。
「おっ、奥さん。昨日のこと覚えていますよね」
「えっ、昨日のことって」
「忘れたなんて言わせないよ。何か手伝うことがあったら何でも言って下さいねと言っ たよね」
「……えっ、ええっ、覚えてますけど」
「それに、僕を誘惑したことも覚えているよね」
「え、そ、な、どういうことですか? 誘惑って……意味がわかりませんけど」
 首をかしげ何かを思い出そうとしているみどりの反応に言葉が詰まってしまう。




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