第5話
そう思った時、スマートフォンの着信音が鳴り響いた。着うたからその発信源がわたしのスマートフォンで、送信者が彼からだとわかった。だけど、今は彼のことを考えたくない。脳裏に浮かんだ彼の顔を打ち消すように顔を左右に振った。 「電話、鳴っているよ……」 社長が腰の動きをピタリと止めた。 「め、メールですから……」 「彼しからなんだろう?」 「ち、違います。彼なんていません」 「ふぅぅん、だったら、見る必要はないな」 メールのメロディが止まり、社長が仰向けに横たわるわたしを引き起こし、口づけをしてきた。互いの唇を密着させ舌を絡ませ合う激しい接吻を交わす。脳裏から取り去ることのできなかった彼の顔が完全に消えた。キスも上手……。全身から力が抜けていく、蕩けてしまいそう。 「可愛いよ、菜々美」 「あんっ」 社長の腿にのかっり向かい合ったままの体位で社長が下から突き上げてくる。正常位とは違った肉の感触が膣内に伝わるのを感じていると、社長がそのまま背後に寝転んだ。 「あぁぁぁぁっ」 深いところにペニスが突き刺さり、その強い刺激に、たまらず、のけぞってしまいペニスがプルンっと膣から抜け出した。 「いやぁぁんっ」 「自分でいれてごらん」 ペニスを求めて、身体を起こし、仰向けに寝そべる社長にまたがり、わたしの愛液にまみれたペニスを掴んでゆっくりと慎重に腰を落としていく。 先端が中に入った。さらに腰を落とすと膣の奥まで社長のペニスがあたってくる。 「あぁぁ、す、すごいっ」 「いれるだけで、いいのか?」 ゆっくりと腰を振り始めた。 「あぁぁ……ダメぇっ」 深いところから得られる快感の刺激に強さにたまらず腰を使うのを止めてしまう。 「どうした?」 「ダッ、ダメです。感じすぎちゃって、動け、アンッ!」 社長の強い突き上げに再び倒れ込んだ。だけど、今度はのけぞったわけではない、社長に重なるよう倒れたので、ペニスは抜けていない。 ズンッ、ズンッと社長が強く突いてくる。深いところに肉の先があたるたびに、声がでてしまう。気持ち良すぎて、涎が出てしまう。快感の大波がうねりをあげている。おもちゃで悪戯されたときのような感覚がやってきた。い、いっちゃいそう。 と思ったとき、ふたたび、携帯電話が鳴り、社長の突き上げが止まった。 さっきの着うたと違う歌が鳴り響いている。彼からの電話に、消え去った彼の顔が再び頭に浮かんでくる。邪魔しないでと心の中で思った。 「メールか?」 「ち、違います」 「出なくていいのか?」 「いいんです」 「そうか、だったら」 「あっ」 社長が起き上り、わたしの身体を持ち上げて、膣からペニスを抜いた。そして、テーブルの上にわたしの衣類と並んで置かれている着信音の鳴り続けるスマートフォンを手に持ち、電源を切った。 「出なくていいのならば、オフにしてしまえばいい。これで邪魔はされない」 社長が伸ばしてきた手を掴み、わたしも立ち上がった。 「後ろを向いてごらん」 言われるがまま、社長に背を向けた。 「そこに手をついて」 ソファに両手をついた。自然とおしりを突き出す姿勢になってしまう。次に社長が何をしてくるのか、わかっている。バックから責めてくるつもりだ。 社長の手が腰をつかんだ。ペニスが膣にはいってくる。 「あぁぁっ! すごいっ!」 正常位とも女性上位とも違う刺激が膣の中に伝わってくる。 「いくぞっ!」 社長がかけ声をあげて、激しく突いてきた。肉と肉がぶつかりあう音と共にピチャピチャといういやらしい音が耳に入り込む。 激しい抽送が繰り返される中、時折、膣の最も奥を抉るようにペニスが蠢く。 「はぁ、はぁ、はぁ、菜々美のおま○こは最高だよ」 「はぁぁん、いやぁぁん」 躰を折り曲げ、耳元で囁く社長のいやらしい言葉が全身に震えを走らす。 「菜々美、菜々美、菜々美のおま○こ気持ちいい」 「あぁぁぁぁっ、すっ、すごいっ!」 躰を起こした社長が激しく貫いてくる。躰を支えているのが辛くなり、そのまま前のめりに崩れおちた。 「あぁ、気持ちいい、菜々美のおま○こ気持ちいいっ」 「あぁぁぁ、いいっ、ダッ、ダメッ、ダメェ~」 凄まじい快感が次々と容赦なく襲ってくる。死んじゃうッ~、さっきの感じが急速に湧き上がてきた。 「うぅ、い、いきそうだ。中、中に出してもいいか!」 えっ! ウソ? 快感に満たされているなか、本能が妊娠への危険を知らせてくれる。 「な、中はダメッ、あぁっ、ダメですぅ」 「わかった、じゃぁ、外に、外に出すぞっ」 社長の腰の動きがより激しさを増してきたた。太いものが膣壁の全てを擦ってくる。長いものの先っぽが子宮口をズンズンと突いてくる。下半身から伝わる快感が津波の如く押し寄せてくる。 「あぁぁっ、いいっ、気持ちいいっ! あっ、あぁぁっ、ひゃっ、い、いっ、いぃぃっ!」 「うぅぅっ、いっ、いくっ、いくぞっ!」 社長の声が耳に入り、膣の穴からペニスがスポンッと抜け、熱いものがおしりにかかっていると、うっすらとした意識の中でわかったのが、最後だった。痺れるような快感が広がり、全身に震えが走り、頭の中の何かがはじけ飛び、意識が薄れていった。 BACK/NEXT |