第3話
「さぁ、お口に合うかどうかわからないけど」 社長が二つのコーヒーを用意してくれ、ひとつをわたしに差し出してくれた。わたしのカップにはコーヒーカップと受け皿にミルクと砂糖が添えられているが、社長は大きなマグカップだけで、砂糖、ミルクはいれていないようだ。 「コーヒーは嫌い?」 「いぇ、そんなことありません。そんなに詳しくないですけど、コーヒーは毎朝必ず飲んでいるんですよ」 「はは、僕と一緒だね」 「でも、わたしはインスタントがほとんどですけど」 「はは、僕もそうだよ……さぁ、飲んで」 コーヒーは嫌いではない、むしろ好きな方だ。社長にも言ったとおり詳しくはないけど、最初の一口だけは、ブラックで飲むことにしている。その方が豆本来の味が楽しめる。 とはいっても、二杯目からはミルクだけはいれるんだけど。 いつものように、コーヒーを一口飲んだ。 「美味しいです。やっぱり、本物は違いますね。いつも社長は御自分でお入れになるんですか」 「うん、そうだよ。うちはお茶くみといえたものがないから、喉が渇いたときは其々が自分で用意するんだよ。あっ、そうそう、ドリンクのある場所、後で教えるね」 「はい、お願いします」 「ところで、コーヒーの歴史は知っているかい?」 「いえ、わかりません」 「聞きたい?」 「ええ、せびお願いします」 社長がコーヒーのうんちくを語りだした。 身振り手振りを交えて熱心に話す社長にうっとりとしてしまう。やはり、恋をしてしまったのか? ダメ! まだ相手のことを知らないし、なによりも、会社のトップである。いっかいの平社員、いえ、見習社員がそんな思いを持ってはいけない。 それに、まだわからないが、年齢からして、きっと、社長は家庭を持っているだろう。結婚指輪を嵌めていなけど、そういう男性もたくさんいることは前の職場から知っている。 ダメッ、ダメだよッ、立場を考え……な……えっ、なんだか、だるく……。 急に身体から力が抜けていくような感覚が襲ってきた。背中がソファに沈み込んでいくのがわかる。このままではソファから落ちていきそうだ。手で身体を支えなければ、と脳が命令するが、身体が動いてくれない。 眠い、瞼が重たくなってきた。 しゃ、ちょう、わらって……。 ※ 「うっ、ううんっ……あっ」 瞳を開けると、目の前に血管を浮き上がらせて反り返っている巨大な肉の塊があった。「あっ、いやっ」 初めて味わった快感の余韻に浸る夢心地の気分から一気に社長に犯されているという生々しい現実へと引き戻される。 「菜々美ちゃんって、感度いいんだね。まさか、失神しちゃうとは、驚いたよ」 そうだ、マッサージ器で恐怖さえ感じてしまうほど湧き上がる快楽に昇天してしまったのだ。強烈な快感が全身を駆け巡り、頭の中が真っ白になって……死を感じた……それからは全く覚えていない。 「やだっ、わたし……」 強引にされたとはいえ、狂ったように悶えてしまった自分を思い出し、忽ち頬が熱くなった。 「そんなに恥ずかしがることなんてないさ、誰もがセックスでは恥ずかしいことをするんだから。さぁ、今度は菜々美ちゃんが僕を感じさせてくれ」 社長がペニスを掴み、その先端を向けてきた。唇にペニスの先端が触れ反射的に顔を背けると、ヌルッとしたもので頬が濡れたのを感じた。 「おい、おい。あんなにびちょびちょにおま○こ濡らして、失神するほど感じたくせに、僕のものは満足させてくれないのかい?」 社長が頬をペニスでピタピタと叩いてきた。 「や、そんなこと、い!」 力強い男の手が側頭部を掴み、強引に正面を向かされた。膝を立てて胸の上でまたがっている社長が再びペニスの先端を唇に押し付けてきた。ペニスから逃げようと、頭を振ろうとするが、今度は力強い男の手が思うようにさせてくれない。 「舐めなさい、舐めるんだよっ! しゃぶれっ! しゃぶってくれ! おらっ、おらっ!」 「うっ、うぅぅっ」 固く結んだ唇をこじ開けようと硬いもので勢いよく突いてくる。 「舐めろっ! 舐めるんだよ!」 「うっ、ううっ、や、やめ、むっ、むぐぅっ」 唇が潰れてしまうのではないかと思うほどの強烈なペニスの押し付けが苦しくて、たまらず声をあげようとした時、巨大な先端が口の中に滑り込んできた。 「いいか、噛むんじゃないぞ!」 力強い社長の言葉が耳に入ったと思ったら、社長は腰を振りはじめた。口の中いっぱいに満たされたペニスが前後する。男が口を膣の代わりに使う行為は知っていたが、まさか、自分がこんな経験をするなんて思いもよらなかった。もちろん、口でしてあげたことはあるけど、それも彼にせがまれて仕方なくやっていただけ。ちょっとだけ、舌で舐めて唇で含んでそれでおしまい。彼はもっとして欲しいというけれど、わたしは断固として拒否してきた。だって、おしっこがでるところを舐めるなんて、不潔だと思っていたから。 でも、今は変だ……怖いけど、口をあそこの変わりに使われていることに興奮しているの。 もしかしたら、心の奥でこうされることを望んでいたのかもしれない。 そんなことをふと思った時、社長のものが深いところまではいってきた。喉奥をふさがれる息苦しさにたまらず涙が出てしまう。 BACK/NEXT |