時代SM連載小説
『牢獄の美姉弟』
~捕われの志乃と菊乃助の屈辱の日々~
作者:縄吉及びShyrock(リレー小説)





第33話「有明行灯がともる部屋」

 辰蔵はふと進十朗の行動に疑念を抱いたていた。
 もしかしたら進十朗の真の目的は直訴状の阻止ではなく、志乃を私物化することにあるのではないか。
 直訴状捜索の一件について父親の黒崎大善から一任されていることを良いことに、志乃への想いを成就させようとしているのではないかと思われた。
 仮にそれが事実だとしても、笹川一家の一員である辰蔵からとやかく言える筋合いではなかった。
 とにかくここでは進十朗の命令が絶対なのだ。

 辰蔵がお松に指示をした。

「この薬をお嬢さんの股座にたっぷりと塗ってやりな」
「はい、ようございますよ」

 お松は容器の蓋を開け、人差し指にたっぷりと軟膏を乗せると、志乃の股間へと塗り始めた。

「うっ……何を塗っているのですか……」
「ふん、薬だよ。捕らわれの身でこんな高い薬を塗ってもらえるだけでも進十朗様に感謝しなきゃね」

 お松は不愛想に答えながら花弁をこじ開け軟膏を塗りこめる。

「んんっ……うっ……」

 進十朗は辰蔵たちにささやいた。

「薬を塗り終わったら縛って隣の部屋に転がしておけ。よいな」
「へい」
「で、小僧はいかがなさいます?」
「屋敷内の牢屋に放り込んでおけ。おお、それから、二人には水と食事を与えてやれ。死なせては元も子もないからのう」
「はい、承知しました」
「で、私どもはいかがいたしやしょう?」
「気が利かぬやつらじゃのう。人払いいたせ。ぐふふふふふ……」

☯☯☯

 お米に付き添われ後手に縛られたまま小用を足す志乃。
 相当な時間我慢していたのだろう、厠で跨るやいなや大量の小水を放出した。
 小用を済ませた後、懐紙での始末をお米に任せるのは屈辱だがただ耐えるしかなかった。
 用を済ませた後、長い廊下を重い足取りで歩く志乃は、ふと菊之助の安否が気になった。

「弟は……弟の菊之助は無事でしょうか?」
「心配いらないよ。別の場所で元気にしているよ」
「そうですか……ありがとうございます……」

 お米に連れてこられたのは十畳程度の調度品もないガランとした殺風景な部屋だった。
 三方が壁に囲まれ一方向だけが襖になっている。
 部屋の中央には夫婦用の布団が敷かれ、枕元には有明行灯が置かれており、どこか淫靡な雰囲気が漂っている。
 湯文字だけが許されている志乃だが、今度は両足だけを縛られて布団に横倒しにされた。おそらく逃走防止が目的だろう。
 すぐさま湯文字をまくられ、再び薬を塗布させる。

「いやです……さきほど塗ったではないですか……」
「おとなしくおしよ、お嬢さんが小便を垂らしたからもう一度塗らなきゃならないんだよ。あんまり手古摺らせると顔を張るよ」
「……」

「さあ、これでいいだろう。もうすぐ進十朗様がお越しになると思うけど素直になるんだよ。お嬢さんにとってそれが身のためだよ、いいね」
「……」
「あ、それから、ここに水と食事を置いとくよ。昨日から何も食べてないんだろう? 少しはおなかに入れておかないとくたばっちまうよ」

 お米は吐き捨てるようにつぶやくと部屋を出て行ってしまった。
 ガランとしてr調度品一つもない殺伐とした部屋に、すでに敷かれた布団と志乃……
 まもなく志乃の身に何が起きようとしているのか、性に疎い志乃であってもそれは火を見るより明らかであった。

 お米が残していった盆の上には、にぎり飯一個と香の物二切れが乗った皿と水の入った湯呑があった。
 志乃は昨日から何も食べておらず腹と背中がくっつきそうなくらいの空腹だった。
 憎き相手が与えてくれた食事など食してなるものかと、初めのうちは我慢していた志乃であったが、このままでは敵に殺される前に餓死してしまうと思い改め、悔しさを滲ませながらも握り飯を口にする志乃であった。
 食事を終えるとふたたびお米がやってきて両足に加え、両腕を後手に縛ってしまった。

「ご飯も食べ終わったし手を縛られたって困りはしないだろう? お嬢さんに逃げられると私たちがお仕置きを受けるのでね。悪く思わないでおくれよ」

☯☯☯

 お米が立ち去ってから小半時ほど経った頃、軟膏の薬効があらわれてきたようで破瓜の痛みはかなり薄らいでいた。
 ところがその一方で、火照るような妙な感覚が志乃の下半身を襲っていた。
 どういうわけか秘所が燃えるように熱いのだ。

「あっ……ああっ……どうしたの?……はぁはぁはぁ……」

 呼吸が乱れている。

「お、おかしい……あそこが……あそこが、ひどく疼いてしまう……」

 火照りだしてきた秘所は、いつしか激しい掻痒感に見舞われていた。
 その感覚にじんじんとした淫熱が混ざり合い、秘所一帯がとんでもないことになっている。
 子宮にも淫靡な焔が生まれ、その焔が急速に膨張しはじめていることを志乃は感じとった。
 志乃は両手を縛られて何もできないもどかしさから強く唇を噛み締めた。
 しかし、もうこのままじっと耐えることは不可能といえる。
 不自由な太腿を擦り合わせてみた。
 擦り合わせることにより、なんとか刺激を欲している秘所をごまかそうとしたが、その仕草は凄まじい疼きをさらに増幅させていくだけだった。

「はぁはぁはぁ……あっ、あっ……んっ……んくっ……」



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