時代SM連載小説
『牢獄の美姉弟』
~捕われの志乃と菊乃助の屈辱の日々~
作者:縄吉及びShyrock(リレー小説)




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縄吉 作



第29話「井桁竹竿人の字縛り」

 まもなく志乃は戸板から解放されると、お松とお米に導かれ風呂場に向かった。
 全裸で逃走することはないとの算段で、入浴時に限り縄が許された。
 志乃を中央にお松たちが前後からそそくさと志乃の身体を洗う。
 とりわけ秘所を念入りに洗おうとするお松。
 志乃が腰をよじって避けようとすると、容赦なくお米が尻をつねった。

「いたい」
「つねられるのが嫌だったら私たちに余計な手間をかけさせないことだね」

 湯船に浸かることもなくあわただしく風呂場をあとにした。
 入れ替わりに背中を小突かれ菊之助が風呂場へとせかされた。
 二人の入浴が終わると薄い襦袢を羽織らされたあと、厳重に目隠しと猿轡をされ荒縄で後ろ手に縛られた。

「さあ、準備ができたぞ。今からいい所に連れて行ってやるからな。姉弟いっしょだ、安心しな」
「んぐっ……うぐぐっ……!」「うううっ……」

 辰蔵たちに追い立てられ駕籠に乗せられた。
 視覚を奪われたうえに声も出せない。
 駕籠はいったいどこに向かうのだろうか。志乃たちに不安が襲う。
 志乃たちを乗せた駕籠は付き添いの辰蔵、お松、お米、そして子分二人とともに、夜明け前に家老黒崎大善の屋敷に到着した。

☯☯☯

 志乃たちが連れ込まれたのは黒崎大善屋敷の奥にある離れであった。
 蠟燭の灯りが襦袢姿の志乃と褌姿の菊之助を映し出す。
 子分に突き飛ばされた二人は畳に倒れこむ。
 
「うっ……うぐうぐっ!」
「手荒なことをするでない」

 声を発したのは進十朗であった。
 今回の直訴状事件に関して父親の大善から一任されている。
 
「辰蔵。二人を縛り付けるのじゃ」
「へい!」

 進十朗の指示を受けた辰蔵たちはすぐに志乃たちの緊縛に取り掛かった。
 あらかじめ井桁に組まれた竹竿に志乃を大の字型に縛り付け、その向かい側の柱に菊之助を後手縛りした。

「ここは屋敷奥の離れじゃ。おぬしたちが叫ぼうが喚こうがどこにも声は届かぬわ。辰蔵、二人の目と口の戒めを外してやれ」

 お松とお米がまめまめしく動きまわり、すぐに目隠しと猿轡が取り外された。

「進十朗様、お願いです! 菊之助だけは、菊之助だけは助けてやってください!」
「姉上、それはなりませぬ! 姉上には手を出すな! 拷問するなら私だけにしろ!」

「ふふふふ、実に麗しき姉弟愛だがここでは通用せぬわ。どうだ? 素直に直訴状の場所を白状すれば二人とも助けてやってもよいのだぞ」

 菊之助が叫びだした。

「 嘘じゃ! 絶対に嘘じゃ! 姉上、こやつの口車に乗ってはなりませぬぞ!」

 辰蔵が舌打ちをする。

「年端もいかねえくせに口だけは達者な小僧だぜ。おい! あまりつべこべぬかしやがると姉さんが痛い目にあうぜ。それが嫌なら静かにしてな!」
「……」
「辰蔵、まだ少年ではないか、そんなに叱ってやるな。それより志乃、もう一度聞く。直訴状はどこに隠したのじゃ。素直に所在を白状すればおまえたちだけではなくお父上も助けてやるぞ」
「父上は無事ですか!?」
「安心するがよい。城内の牢獄でまだ生きておるわ。まあ、おまえの返事次第でこの後どうなるか分からぬがな」
「ひ、卑劣な……」
「さあ、吐け。直訴状はどこに隠した?」
「言いません。たとえ殺されても言いません」
「おまえの強情さには呆れるのう」

 進十朗は井桁の竹竿に人の字型に縛られている志乃の襦袢をむしり取った。

「あっ、やめてください!」

 進十朗の目前に珠のように美しい裸体が現れた。
 唯一志乃の身体を覆っているものは男物の赤褌だけだ。

「きれいな肌をしとるのう」

 じろじろと舐め回すような視線を志乃にはわせる進十朗。

「ん? 女の肌着は湯文字と確か相場が決まっておったのう? 姉弟そろって赤褌とは笑止千万じゃ。がははははは~」

 侮辱の言葉を浴びせられてもうつむいてじっと堪える志乃。
 そんな志乃にさらに追い打ちをかける。
 進十朗が赤褌を剥ぎとってしまったのだ。

「やめてください! せめて布の一枚だけはお許しください!」

 下腹部の毛は一本残らず剃り落とされていて、青白い丘に深い縦筋がくっきりと溝を作っている。
 大の字型に緊縛されているため、縦筋の内部の肉色までがちらりと覗いている。
 進十朗は縦筋に指を這わせた。

「ぐふふ、どれ?」
「いやっ……」
「姉上に妙なことをするな!」

 開脚姿勢で縛られているため、おぞましい指から逃れることができない志乃。
 腰をよじってみるが微動だにしない。

「なかなか濡れてこぬわ。わしも嫌われたものじゃ。ふふふ」

 進十朗は自嘲の笑みを浮かべた。
 そのときお松が一歩進み出た。

「女の身体が分かるのは女の私かもしれません。もしよかったら私が濡らして差し上げましょうか?」
「これお松、進十朗様に失礼じゃねえか」
「いや、辰蔵、よいよい。ここはお松に任せよう」
「で、お松が濡らしたあとは、進十朗様が志乃としっぽり……というわけですね?」

 辰蔵がたずねると、意味ありげに進十朗がニヤリと笑った。

「いいや、違う」
「えっ? 進十朗様はせっかくの生娘なのに食わねえんですかい?」 
「ふふふふふ、志乃を最初に食すのは、弟の菊之助じゃ」
「な、な、なんと!」

 驚くべき進十朗の発言に、辰蔵たちは腰を抜かしそうになった。
 辰蔵たち以上に驚いたのが、志乃と名指しをされた菊之助であった。
 
「冗談はやめてください!」
「姉上となにをしろと言うのか!?」



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