時代SM連載小説
『牢獄の美姉弟』
~捕われの志乃と菊乃助の屈辱の日々~
作者:縄吉及びShyrock(リレー小説)





第26話「くすぐり責め」

 筆を手にまだかまだかと合図を待つ男たち。
 そんな中進十朗だけが腕組みをしてほくそ笑んでいる。
 辰蔵が筆を渡そうとしてそっと尋ねてみると、

「俺はいらない。志乃が笑い転げるか、泣き叫ぶか、楽しみでならぬわ」
「高みの見物ってことですかい。もっぱら今夜進十朗様はお嬢さんを寝屋に呼んでしっぽりと……ってことでしょうが」
「ふふふ、さすが辰蔵、勘が鋭いな、そのとおりじゃ」
「へへへ、やっぱり。ってことはその前に何としても志乃に白状させねえとなりませんな」
「そのとおりじゃ。万一直訴状が江戸表に届くと一大事じゃからのう」
「ごもっともで。では今から筆を使ってくすぐり責めにかかります。お米、始めろ」
「はい、皆さん、お嬢さんをとことんくすぐってやってくださいな。ただし『女陰』だけは触れちゃいけませんよ。いいですね」
「ほいきた!」「さあどこをくすぐってやるかな?」「あっしは足の裏にするか」

 志乃は今、全裸で戸板に仰向けになった状態で大の字に緊縛されている。
 しかもわずかに生えていた陰毛は一本残らず剃りおとされ、亀裂や陰核までも好奇の目にさらされている。
 不安におののく志乃。その表情はこわばり引きつっている。
 拷問は覚悟していたが、筆責めなどという得体のしれない責めには戸惑うばかりであった。
 志乃の周囲をお米、お松、そして大勢の男たちが取り囲む。
 それぞれ手には筆を持ち身構えている。
 決して特別なものではなく、文字を書くときに使う普通の筆だ。
 筆の穂先は約一寸から二寸あり、イタチ毛でできた少し硬いものだ。水分を含むと柔らかくなる特質がある。

「皆さん、かかっておやりなさい」

 お米の合図で周囲から一斉に筆が伸びる。

「や、やめてください!」

 周囲の筆先を見た志乃は懸命に拒むが、男達が聞くはずもない。
 お米とお松、そして五人の子分が、志乃の脇の下、乳房、へその周りなどをくすぐり始めた。

「きゃっ!? んふぐぅうぅっ……っぐぐぐぐひひひっ…………いや……やめて…くださいっ……!きゃっ、あははははははは~~~~~!」

 突如襲いかかった猛烈なくすぐったさに、志乃は緊縛されて不自由な身体を揺らしながら笑い悶える。
 お米が薄笑いを浮かべながら嫌味を言う。

「まだ始めたばかりだというのにこんなに笑っちゃってさ……これが続くとどうなっちゃうのかね……?」
「試しに俺が足裏をくすぐってみるよ」

 そうつぶやくと子分の一人がくすぐりだした。

「こちょこちょこちょこちょ」
「ひい! やめてっ! ん、あっ……あははっ! ちょ、やめ、あっ、あはっあひぃぃぃ~~~っ! はははははははは~~~!やめっ! やめてください! はははははははははは~~~!」
「どうだ?お嬢さんよ、くすぐったいか? もっとやってやるよ」
「あはっ! はひぃ……!? ひゃっはは……っ! もうやめてください! あはははっ! 後生です、もうやめてください~~~!」
「これはおもしれえや。武家の娘にこれほど哀願されるのは生まれて初めてだぜ」
「脇腹がまだだな? おいらは脇腹をくすぐってやるぜ」
「若頭の言いつけで女陰はご法度だが、足の付け根なら構わねえかな? ほれ、どうだ? こしょこしょこしょこしょ」

 子分の一人が秘所に近い鼠径部に筆を走らせた。

「えっ!? ひぃっ! ひゃ、ぁ、あぁぁ……!? そこはやめてっ! お願いですっ! ひゃははははははははははは~~~!」

 お米や子分たちの筆の動きにあわせて、狂ったような苦しそうな笑い声が部屋中に響き渡る。
 
 その時突然、辰蔵が制止の合図を送った。

「どうだい、お嬢さん? 笑いたくもねえのに笑うのは苦しいもんだろう? 直訴状の場所を白状すれば筆のくすぐり責めはもう終わりにしてやるが、どうだい?」
「くっ……言ってなるものか……」
「ちぇっ、強情な女だぜ。仕方がねえ、俺の筆さばきで昇天させてやるとするか。おい、お松とお米、両方から核(さね)が剝き出しになるように女陰を思い切り拡げてやりな」
「はい」「ようございますよ」

 お松が志乃の女陰を拡げると、まじまじと覗きこんでぽつりとつぶやく。

「こんなに使い込まれていないきれいな女陰を見るのは久しぶりだよ」

 お松の言葉を聞いて辰蔵が茶化す。

「それに引き替えおめえたち女郎は真っ黒けだからな」
「もう若頭ったら、幼女じゃあるまいし使い込めばたいがい誰でも黒ずんできますよ」
「ははははは~、それもそうだな。さてと、それじゃそろそろ俺の筆さばきを見せてやるとするか」

 左右から陰唇を引っ張られ陰核が完全に露出している。
 辰蔵は筆先を陰核に向ける。

「ふふふ、お嬢さんよ、さきほどのくすぐり責めとはちょっと勝手が違うぜ。覚悟しな」

 筆先は陰核の左側を縦になぞる。

「ひぃっ!」

 突然の刺激に志乃は奇声をあげ、拘束された身体をピクリとさせる。



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