時代SM連載小説
『牢獄の美姉弟』
~捕われの志乃と菊乃助の屈辱の日々~
作者:縄吉及びShyrock(リレー小説)





第17話「捕えられた志乃」

「ヒッヒッヒ、おんな、残念だったな、あきらめて手を後ろに回すんだ」と男達が用心しながら近づいてくる。

 志乃は唇をきつく嚙み締めた。

「ほら、早くしろ、手を背中に回すんだよ」とまた男が催促してくる。

 志乃はゆっくりと手を背中に回した。それを見た男達は一斉に志乃に飛び掛った。
 背中で手首が縛りあわされていく。これでもう江戸へは行けないのか、志乃はうなだれた。手首を縛った縄は胸に回され乳房の上下に食い込むように巻きつけられていく。

「ハッハッハッハ、これでもうこっちのものだ、ヒッヒッヒ、ゆっくり楽しませてもらうぜ」と辰蔵は志乃の顔を覗き込んで言った。
「よし、小僧も柱から下ろせ、二人とも裏庭の土蔵に連れて行くんだ」と辰蔵が言った。

 菊乃助は磔柱から解き放され志乃と同じように後ろ手に縛りなおされた。

「よし、ほら歩け」と二人は背中を押された。

 その時「おい、一寸待て、お姉さんが来てくれたんだ、いい事思いついたぜ、仲よく連れていこうじゃねぇか、フッフッフ」と辰蔵は懐から黒く細い布を取り出し菊乃助に目隠しをしたのだ。
 みんなはなにをするところかなと頭を捻っている。
 辰蔵は「おい、小僧を押さえつけていろ」と命令し菊乃助の前にしゃがみ込んだ。辰蔵は麻紐を取り出し菊乃助の玉袋の根元を締め付けるようにその紐を巻きつけ結びとめた。

「ああっ、うっ」と菊の助はもがいたが麻紐はきつく結び付けられていた。

 辰蔵はその紐の余りを手にし志乃に近寄って「おい、小僧に目隠しをしたぞ、前が見えなくなったんだ、お前がこの紐を持って案内しないとどこへ行くかわからないぜ、フッフッフ、ほら持つんだよ」と後ろ手に縛られている志乃の手に無理やり持たせたのだ。

「いいか、それを放すと小僧はつまづいたり、ぶつかったり怪我をするかもしれねぇぞ、しっかり握って放すんじゃねぇ、いいな、それじゃあ行くか」と辰蔵は志乃の背中を押した。

 志乃が歩き出すと麻紐がピンと張った。

「うっ」と菊乃助が激しく顔を歪め紐に引かれるまま歩き始めた。
「ハッハッハッハ、いい格好だぜ、ほら歩け」と二人を追いたてていくのだ。

 なんと屈辱的姿であろう。
 二人は裏庭へと追いたてられ大きな土蔵の前まで連れてこられた。

「おい、ここが、お前達のねぐらになるんだ、ほら、入れ」と志乃は押されるまま土蔵の中に足を踏み入れた。

 中は薄暗くなにか不気味な感じがした。天井には数個の滑車や鎖がぶら下がり部屋の隅には三角木馬なども置かれていた。
 それよりも志乃が驚いたのは一人の女が素っ裸で天井から手足を一つに縛られ吊り下げられていたのだ。

「フッフッフ、ビックリしたか、この女は昨日足抜けをしようとした太てぇ女だ、いいか、お前達も逃げようなんて考えるんじゃねぇぞ、こんな目に遭いたくねぇだろう、ヒッヒッヒ」と辰蔵は吊り下げられている女の体を押した。

 女の体が回りながら揺れた。股間から恥ずかしい陰部が顔を出していた。

「お前達はこの中だ」と辰蔵が指差した先には牢が作られていた。

 辰蔵は菊乃助の玉に結んだ紐を解き、志乃の縄も解き始めた。

「お嬢さん、あんたも素っ裸になってもらうぜ、弟だけ裸じゃ可哀想だろう、フッフッフ、自分で脱ぎな」と辰蔵はニヤニヤして言った。
「ところで、お嬢さん、直訴状を出しな、それだけ沢辺藩に渡せばお前達はどうしてもいいそうだ、沢辺藩に引渡されるよりはここにいた方がいいと思うぜ、悪いようにはしねぇ素直に直訴状とやらを出しな」
「そんなもの持っていません」
「何とでも言え、素っ裸にすればわかることだ、早く脱ぐんだよ」と辰蔵が声を荒立てた。
「本当に持っていません、裸になることだけは許して下さい、お願いです、私も武家の娘です、死んでも肌を晒すことはできません」と志乃はその場にしゃがみ込んだ。
「なにが武家娘だ、お前達はもう女女郎と男女郎になったんだ、これからは素っ裸で暮らすことになるんだ、ぐずぐずしないで早く脱げ」と辰蔵は声を荒立てて言った。



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