<第3話:観察>

山田太郎。千葉県立第二高等学校1年B組17歳。
彼には不思議な力が宿っていた。例えば時間を止めて、その中で自由に動けるとか。

数日前、太郎は2年上の憧れの先輩、及川祐佳と二人切りになる時間があった。
一度あの素敵な身体に触れてみたいと思っていた太郎であったが、憧れの先輩を前にして、緊張のあまり、自分の力を発動することすら出来ず、何事もなく時を過ごすだけで終わってしまった。

そんな失意の太郎は、1年上の先輩、加藤純也に目の保養と言いながらモーターショーに連れられ、そこで祐佳と系統のよく似たコンパニオン、水沢彩を見た。

純也曰く、今年注目の新人RQにして現役女子大生の彩。彼女はαメカのコンパニオンとして人だかりの中でポージングをしていた。
そして、歩き回るのにも疲れて帰ろうかという時、その水沢彩が、あの白に青をあしらった露出度の高いコスチュームのまま目の前を歩いている。

リラックスしている今ならとばかりに力を発動した太郎。見事に周囲の全てが止まり、太郎だけが自由に動ける世界が作り出された。

太郎はゆっくりと彩の背後に歩み寄った。そして、ロングストレートの髪の毛に手を当て、横から顔を覗き込む。

へぇ~。これが現役RQにして現役女子大生とかいう水沢彩の顔か。至近距離で見ると、メッチャ化粧濃いのが分かるな。プンプン化粧の匂いするし。
それに、ここからこうやって見ると、意外とニキビとかフツーにあるんだ。厚塗りして隠してるけど、この距離ならよく分かるし、撫でればザラザラ感たっぷりだし。

太郎は右手で頬を撫でながら、間近で彩の顔をじっくり観察した。そして、睫毛が異常に長く、カールしてることに気付いた。

目の周りが凄いキラキラしてて、睫毛が妙に長くてカールしてるけど。。。

心の中で呟きながら、太郎は指先で彩の睫毛を弄り始めた。すると、指先に何か黒くて細いものが付着した。

と、取れた。こ、これ、付け睫毛?右と左の睫毛の長さが変わっちゃったからそうなんだ。へぇ~、こんなの付けて立ってたんだ。

全てが珍しい太郎は、指先にくっついた付け睫毛を適当に弾き飛ばして、視線を下に向けた。

光沢のある白い布が首や肩から下に伸び、胸元の谷間を強調しながら乳房だけを覆い隠すように包んでいる。その中にはもう1枚、青いカップと言うか水着のような布が乳首を隠している。
この2枚で中が見えてしまわないようにガードしているのだろう。太郎は青い布と乳房の間に指を差し入れてみた。意外と簡単に中に入れ込める。

しかし、中に差し入れた指は、更にもう1つの柔らかい物体に行き当たった。純也が言っていた乳パットというヤツであろうか。いや、この感触だとブラジャーかも。
太郎は両手で2枚の衣装を手前に引っ張り、肌との間に空間を作りながら、上から中を覗き込んだ。すると、白ともベージュともとれる丸っこいものが乳首をガードしているのが見えた。

へぇ~。こんな露出の高い衣装で胸を強調しておきながら、実は中にこういうパット隠してたんだ。現役RQとか言っても、意外と見てくれ作るのに苦労してんだな。
加藤先輩が見えない筈のものが見えてしまった時に得した感じがするとか言ってたのってこれか。まぁ、僕の場合は見えないよう隠してるものを自分で覗き見ちゃってるけど。
そうだ。良いこと思いついた。この素敵なコスチュームで歩いてるハイレベルなモーターショーコンパニオンにして現役RQ、水沢彩に悪戯をして遊んじゃおう。

太郎の心の内に潜む悪魔が動き出した。突っ込んだ手で胸を覆い隠すようにしている白と青、2重の衣装を内側から鷲掴みにすると、そのまま首の方に向けて引き上げた。
胸を覆う程度の幅しかない衣装である。太郎の手によって簡単に握りつぶされ、乳房の上までずり上げられてしまい、中から白いブラジャーが姿を現した。
時間が止まっているので彩は一切気付かない。その間に、太郎によって胸を覆う衣装が乳房の上に乗っかり、刺繍の施された白いブラカップだけで乳首を隠すような姿になってしまった。

太郎の視線は更に下へ向いた。そこには、ウェストから膝上30cmくらいにかけて白とブルーで彩られたミニスカートがヒラヒラと取り巻いている。
両手を太腿に当て、そして太腿に沿わせながら一気にウェストに向かって手を引き上げた。
ヒラヒラとしたミニスカートの裾は、太郎の手につられて捲れ上がり、白いパンティがベージュのパンストに透かし見せられる状態で現れた。

太郎は、両掌を使って尻や臀部、太腿を外側から内側へ、そして膝に向かって這うようにパンストに包まれた脚を撫でていった。
ザラザラとした硬い繊維の感触、脚にピッタリと張り付いていながら太郎の手にも引っ掛かるような不思議な感触を与える生地である。
よく見ないと分からないくらい薄いベージュの布。摘み取ろうとしても脚にピッタリと張り付いていて、指先が滑ってしまう。それくらい脚と生地が一体になっている。
だからと言って、それ自体は素肌ではなく、触れば化学繊維の塊であることが分かり、近づいてよく観察すれば網目がくっきりと見え、その隙間から中にある生脚の毛穴だとか肌の様子が透けて見える。
太郎にとって、パンストをこうやって撫で、観察するのは初めてであった。それ故に物珍しさも手伝い、暫くパンストに包まれた彩の太腿や膝を撫で続けた。

膝から下は、光沢ある白い筒が脛やふくらはぎを包み込んでいる。さっきは白ブーツだと思っていたが、よく見ると違うらしい。足元は別に靴を履いていて、隙間から足の甲が見える。
見たところ、膝から足元までを白い布で覆って足元の靴に被せ、靴自体は白のパンプスを履いているという感じだ。

この筒のような白い布は脚の後ろ側、ふくらはぎの部分で縦にファスナーが付いているので、コイツを引き下げれば脱がせそうだ。
そして足元に履いてるパンプスを脱がせば、水沢彩の足先まで全てを覗ける。

こうして、太郎の興味の矛先は彩の脚へと集中していった。



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