第2話 地下室


ギィィィ・・・。

私の右側にある小さな鉄の扉が開けられた。
髭を蓄えた小柄な初老の男が入ってきた。

「おふたりさん、気がついたかね?」

男はニコリともせず、乾いた口調で言った。

「俺たちをどうするつもりだ!」
「さぁ、どうするかな?」

男は、自分には関係ないというような調子で言う。

「人質にするなら俺がなる」

拘束された状態では、逃れるすべはない。

「だから、その女性は解放してやってくれ!」
「それはできない相談だな」
「俺だけで十分だろう? 離してやってくれ!」
「お前に指図する権利は、ここにはない!」

男は、にべもなく言い放った。

「これから楽しいショーが始まるんだ」
「ショー?」
「そうだ。お前もそこでゆっくり見学できるぞ」

私も美佳も、その意味するところは理解できた。
男は、美佳のほうへゆっくりと歩み寄っていった。



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