第10章 ― 黒衣の堕天使として(6) ―
「カメラ構えてるからお前がバイブ動かすんだよ。出来るな?」
「あ…はい…」
私はぬめる穴にバイブを当てがった。
「はぁーッ…はぁーッ…」
「ぶっすり深く突き刺せよ。」
「は、はい…んんんッ!!」
一気に最深部までバイブを突き刺した。
自分で入れたとはいえその急な快楽は体を驚かせ、イってもいないのに体を痙攣させる。
「バイブのスイッチを全開にしてピストンを知ろ。何度イっても良いから俺が出すまで続けろよ。」
「はいぃ!あぁあぁッんあッひぃッ」
自らの性器に強烈な快楽を送り込み、肛門からも気が狂うほどの快楽が送り込まれる。
「ひぃッも、もう…いくぅうぅ!! ひいぃいぃぃぃ!!」
あっけなく限界まで追い込まれすぐに絶頂する。
「くぅッ痙攣すると気持ち良いぜ。もっとイけ。」
「まッ…御主人様ッイッ…イッたばかりッ…少し休ませッああぁッ!」
「駄目だ。もっとイけ。」
「うあぁあぁッ!!!」
何度も絶頂を味わい、体を痙攣させる。しかし彼の動きは止まらず、また私を高みへと誘う。
「またイクッだめッああああああぁ!?」
「もっと。」
「だめだめだめだめ!! だめぇ! またイクぅう! いやああぁ!!」
もうわけがわからない。脳味噌が溶けて無くなるんじゃないかと思うほどの快楽が何度も駆け抜け理性を蝕んでいく。
「まだまだッくッ」
「ああああぁッ! やだッやだぁ!! イクッひぃッあああああぁあぁあああ!!」
太股が冷たい。きっと何度も潮を吹いたんだろう。
それを撮られている事すら忘れ。
獣の雄叫びにも似た咆吼を何度もあげる。
「くぅ出すぞ!」
「ああぁぁぁああぁ!?」
「ん!!」
何度目かの絶頂の後、お腹の奥に熱いものが注がれた。
それと同時に私の意識は闇に飲まれて消えた。
…
…
…
「よう。目ぇ覚めたか?」
気付くと、彼は帰り支度を始めていた。
機材は片付けられ、掃除もされていた。
「す…すいません…」
「ん、ああ良いって。イキ過ぎて体だるいだろうし。それより早く着替えろよ。炎之花待ってんじゃねぇの?」
「あ、いえ、今日は先に帰るように言ってありますから…」
「そうか。…まぁ何でもいいから早くしろ。いい加減、煙草が吸いてぇ。」
ここは禁煙所なのか、御主人様はずっと喫煙を我慢していたみたいだった。
「今着替えます…」
衣装に手をかけて思う。
看護師の世間のイメージが白衣の天使なら、私はもう天使なんかじゃない。
どんな人よりも御主人様を優先させてしまう。私はもう看護師としての資格なんか無い。
今着ている服が私を表している。黒い看護服。白が天使なら、黒はさしずめ堕天使。
それでも良い。それが今の私の姿ならそれでも良い。それを御主人様が認めてくれるなら。
私の全ては御主人様に染まっていた。一度は愛した亡き夫よりも、私を生み育ててくれた両親よりも、私は御主人様に愛してもらいたい。
「行くぞ。」
「は、はいッ…」
私の愛の全ては私を強迫し、新たな快楽を教えてくれた人のために。
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