第13話「排卵誘発剤で予期せぬ肥満に」
美咲が仁田に移り住み、恋路の予感に浮足立っていた丁度そこ頃、彼女をずるい手を使って排除し結婚に漕ぎつけた泉の幾世は、今度はそれまでと打って変わって子作りに励み、しかし孕めず、処方された排卵誘発剤による予期せぬ肥満に悩まされていた。
背丈は150センチにも満たなく、悪さをして太ってもせいぜい45~47キロであった躰が、みるみるまに60キロを通り越し70キロ台後半に迫ったのだ。
奔放だった彼女の母も、彼女同様かそれ以上のことをやらかした。 が何故か孕まず、五十路の声が聞こえ始めた年齢になってやっと、孕んだのか孕まされたのか…。 その血を引いたかどうか知らないが、彼女もまた二股三股をやっても何故だか孕まなかった。 いつしかその心配など皆無とばかりに母同様奔放に異性交遊を続けた。 彼女のこすっからしいところは母と違い、表面上処女を装って行い続けた点にある。
ところが鰐浦を起点に広まった近親相姦だの不倫だのに鑑みた自殺問題で、我が身の安全こそ第一と考えた高橋 が我先とばかりに部隊といおうか対馬を去ると、彼の後輩でもある林田 (林田は高橋の使い古しを使い、放出していた)は邪魔者がいなくなった今こそ幾世をと本腰を入れ事実関係作りに奔走し、幾世の義理の兄や姉、親にまでテコ入れし抱き、逝きかけたところで暗に婚姻を迫る (肉体関係を持っておきながら、結婚という言葉は口にしなかった。 最終的には義理の姉に婿養子の話しを持って行かせた) ようになっていった。
わけても、幾世の父が不治の病 (癌) で他界すると、子孫繁栄を願う? (老いた義母の介護にかかわる問題をも幾世に押し付けたく) 義理の姉はこれ幸いと排卵誘発剤の処方を林田を通じ迫るようになる。 婚前であるにもかかわらず、林田は泊まり込みで関係を重ね、それでも恋愛に固執する幾世にやいのやいのと、自分が彼女にとって唯一の漢であることを認めるようヤリながら迫った。
幾世も孕めないことに違和感を抱いたのか、義理の姉に付き添われ、地元の病院に相談(婚前交渉、つまり漢から漢へと渡り歩いたことを指摘されたくなく、受診ではなく相談に行った)を持ち掛ける。 が、未婚と知った病院側は妊娠の可能性が高まる性交タイミングや体位などを、看護婦を使って説明させるのみにとどめた。 問診のみでは薬剤は処方できない。 従って施されたのは漢方処方。
当時の自衛官は貧給、なのに幾世は大量の栄養剤。 幾世は強くなったが、搾り取られる林田は弱る一方、なので焦った。
地元病院の処方では効果が得られないとみるや義理の姉が、ではなく林田が、己もそうなら幾世にも体調不良を理由に長期休暇を取らせるべく迫り、部隊の目が届かない本土に連れ出し、どこやらの病院に連れ込もうとした。 幾世で見たらタイミング的に良かった。 彼女は実の父が癌で苦しむさまを看て、自身も孕まないことから子宮頸癌を疑ってかかっていた。 心底怯えていたからだ。
呆れたことに幾世は、地元を離れてからというものヤルことにかけては警戒心を抱かなくなった。 ホテルに籠って暇さえあればヤルわけだから、正に天国。 病院では自ら婚約者と名乗り、院内で人工授精のようなことまでやりつつ受胎を試み、ついに結果に結びつけ、意気揚々島に帰って来た。
入院だか通院だか知らないが、結果が出て帰郷となったものだから幾世は、これまでのように関係は持っても義兄の親しい人とシラを切るわけにはいかず、さりとて自分もそれなりに楽しんだのだから足入れであっても犯されたとも言えず、ぐずぐずしてるうちに入籍となる。
このような経緯を辿った末に体調が回復したからと、まことしやかな言い回しで勤務に復帰した幾世だったが、休暇中何をやってたかについて女の目だけはごまかせなかった。
一見よそよそしさを装ってはみたものの傍目にも、そういうことをやらかした後の林田は漢としての自信に満ち溢れており、彼女自身も孕まされた漢への思慕の念が急激に高まり艶っぽい目で見る、わけても急激な肥満は隠せそうになかった。
本土に向かう時から帰り着くまで一緒だった林田に、乙女の肥満が如何に大変なことかという認識は、彼女をモノにしたい一心の彼にはなかった。 いつもつかず離れずいてくれた林田に義理の姉も病院関係者も、このような肝心なことを教えてくれなかったものだから平然としていた。 元々こういったことに疎かった幾世にしても未婚女性の体形が、あることにより変わるということへの意識がなかったようなのだ。
しかし実際には別人かと思えるほどに肥え太り、腹回りなんか孕んだのかただ単に肥え太ったのか、訳が分からないほどパンパンになり、皮下脂肪で頬がたるむものだから可愛らしかった人相までもすっかり中年のおばさんのそれ (たるみ・むくみ、色素沈着) に変貌していた。
強いて表現すれば20代から一気に40代半ばに様変わりした。 やることなすことまさにおばはんになってしまっていた。
これを目の当たりにした浜田は躊躇うことなく転勤願を出した。 美咲がそうであるように、あれほどここに留まることに固執していたのに、まるで捕虜が解放されたかの如く喜び勇んで島を後にした。
「どうだ、まだあいつが恋しいか」
「えっ?、 何んこと?」
高橋とのことはもちろん、浜田との関係についてもシラを切りとおそうとする幾世に林田は
「浜田だよ、 お義母さんから訊いたよ、 いつもいつも長い時間電話してたんだってな」
「…そがんこと……ばって……まだ正式に……」
「どうなったら正式と認めるんだ! あの人のことって……誰の……」
言いかけてやめたのは林田にも幾世に隠してることがあったからだ。 義兄が島に渡ったのを確認すると、停留所兼車庫兼修理工場が義姉宅の近くにあることを良いことに、幾世の義理の姉、つまり自衛隊技官の妻の元に通い詰めただれた関係を続けていた。
一年先輩の高橋は、新兵ながら幾世に恋焦がれる林田に、まるで魅せ付けるかの如く外出の都度幾世を呼び出し躰の関係を持った。
それをまた、部下に向かって自慢げに話して聞かせる。 優越感に浸りつつ生温かに肉壁に向かって怒張しきったチンポを挿し込む。 受ける幾世も心地よい温かみと子宮への心地よい振動、それに加え言い寄る漢らへの裏切りと、卑猥な妄想が次から次へとよぎるものだから意識し膣壁を蠢かす。 互いに気持ちが通い合う頃になると結合部を魅せ付け、散々擦り上げ狂わせておいて放つ。
訊かされた林田も若い。 何時の頃からかどうにかして肉壺をとの邪念が沸き起こる。 世間は狭い。 幾世の義理の姉が勤務場所の目の前にいることを、結構好き者であることを、やがて嗅ぎつける。 用もないのに、亭主が不在とみるやしつこく通うようになり、義理の姉も若いだけに林田の力任せの押しに、若くて精力絶倫の男に何やかやと言い訳しつつもやがて屈する。
義理の姉というのは、幾世がまだ生まれる前に子が出来ないことを悔いた養父が思い立ち、養女として家に迎え入れた。 その義理の姉に言い寄る漢がいて、縁あって結婚することになり、育ててきた子を手放す寂しさからか、はたまた魔が差したのか、人の妻であるにもかかわらず、誘われるままに近隣の漢連中に身を任せた。 義理の姉が嫁いで間もなく孕んだとわかって幾世の母は慌てたが、生涯一度でよいから子を成したかったものだから、旦那の胤と称し不貞をやらかしたことを隠し通し生んだ。
このことをご主人は知らなかった。 が、嫁入り前で多感だった義理の姉だけは気づいていた。 知っていたから林田とのことも自分に亭主の矛先が向く前に義理の妹を使って争いを未然に防いだ。 婿ともなれば、機会を見つけいつか逢瀬を重ねることだって出来る。
幾世にしても高橋や近隣の同年代の漢連中と何度かキワドイ状態に陥っており、躰はすっかり漢を覚えていて、そこに義理の姉が自己保身から割って入ったものだから、久しくご無沙汰が続き飢え始めていてこれ幸い、渡りに船とばかりに黙って受け入れた。 割入ってもらいさえすれば、つまり生きのよい漢でさえあれば、この時の幾世は誰であろうがよかった。 それほどに美咲にあてられていた。 何が何でも自分がモテたいと願っていたし焦りもあった。
「浜田よ、 お前はなんで噂の立つ女を敢えて選ぶ、 お前ほどの優秀隊員がだよ」
呑むとよく、有田隊長や上官からこう言われていた浜田だが、そんな女であっても浜田にとっては理想。 手を離してはならない女に思えた。 二度と脇本商店の女の子のようなめに合わせたくなかった。 それがアダになった。 幾世の中では泊まりに来た漢と深い関係になったとしても、それと恋とは別物という思いがあった。 義理の姉はそれを自分の理に適うべく断ち切った。 自分が使い古した絶倫漢を妹に婚約者という名目で回してやった。
妊娠中 毒症様症状のため、かつては超優秀な職員と言われながら、その職を自ら辞さねばならなくなった。 普通通りの恋愛を経て結婚・妊娠に至っていれば職を自ら辞する必要などなかったであろうが、如何せん職場の誰もが林田や高橋、そのほかもろもろを相手の不純異性交遊をよく知っていたため、しかも婚前交渉で孕んでしまったため、言い逃れは出来そうになかった。 独身隊員がそれを許さないからだ。
年次有給休暇の使用範囲を大幅に上回ってまで受診と称し豪遊してきたものだから、一方はとりあえず救済処置は取られたものの臨時職員に関してはその限りではなかった。
美咲を追い落とし、してやったりと思ったのもつかの間、今度は自分が更に惨めな事由が発生し退職に追い込まれた。
幾世にはさらなる不運が待っていた。 肉体的交友があった人物の中に好ましくないものが混じっていたのだろう。 医師は、期待に胸膨らませる林田の手前、彼に明言してはくれなかったが、彼女の聞き取り調査中、ある程度予感できる事象がありその兆候も確かにあると伝えたようなのだ。 奇形の受胎だ。
部隊が同じだからといってとかく噂の立つ自衛官と事務官が、よ~いどんで休暇に入り、ほぼ同時に休暇を終えることなどあり得ない。 一緒の船に乗り、同じ地区に出かけたとしても用件が違う。 そこには多少ズレが生じる。 その僅かなズレの間に幾世は、またしても良からぬことをやっていたようなのだ。
うちうちで結婚が決まっている女を相手に肉欲に耽る。 漢としてこれほど都合の良いことはないが、何故だか誘われ誘ったようなのだ。 幾世もこの際と思ったようなのだ。 太っていようが、排卵誘発剤を処方されていようが、要は漢にとって飢えた女なら良かったようなのだ。
考えてもみよう、母は父が何処やらから盗んできて連れ合いにしている。 出生は伏せてある、が、その場所からして血縁関係でないとは言い切れない。
果たして生まれてきた子の発育状況は殊の外好ましくなかった。 鰐浦の発狂女性などによく見られる脳波の異常が幼少期から垣間見られたからだ。

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