ヴァルハラ 作

官能小説『モモちゃん』



第1話

「ひっく…ぐす……」
夏休みも近づこうというある日。
僕の目の前で幼馴染のモモちゃん(長月桃)が泣いている。
僕とモモちゃんの両親はそれぞれ共働きなので、二人でよく一緒に遊んだ。
今、僕はモモちゃんの部屋にいる。

「あのさ、モモちゃん、何ががあったの?」
僕、若草春一はモモちゃんにそう問いかけた。
モモちゃんは昔から、困ったことがあると何でも僕に相談した。
そして、僕の助言を信頼する。
「うっう…シュンちゃん…グス」
モモちゃんは僕のことを『シュンちゃん』と呼ぶ。
女みたいな顔つきだと、小さいころからかわれたが、モモちゃんは僕とずっと仲良しだった。
小柄で優しく可愛いモモちゃん。
僕はそんなモモちゃんのことをいつの間にか…
「あのね、師走先輩がね…昨日…」
師走先輩、その名前が僕の心を痛みと共に現実に戻す。
1週間前にモモちゃんと付き合い始めた人だ。
5日前には手を繋いでデートしたこと、
3日前にはキスしたこと、
それらをモモちゃんが嬉しそうに報告するたびに僕は思い知らされた。
モモちゃんが好きなのは僕ではないということを。
昨日何かあったのかな?
手を繋ぎ、キスをしてそれから…
僕の妄想がどんどん加速する。
「昨日、何があったの?」
「先輩がね…ひっく…デートの後でホテルに行こう、って」
それってやっぱり…
僕の目の前が真っ暗になる。
「ホテル…モモちゃん、それってあの…その」
しどろもどろになる僕。
「あのね、男の人と女の人がその、Hなことする…」
モモちゃんも真っ赤になって答える。
「私ね、そういうのはまだ早いんじゃないのかな、て思って先輩に言ったの。そうでしょ?」
僕は心の中でほっとしながらも頷く。
僕らは中学1年生だし、先輩は中学2年生、確かに早すぎるように思う。


「それで、先輩は何て?」
「『お前は俺のことを愛してないのか!』って…グス」
その時のことを思い出したのかまた涙目になるモモちゃん。
いくら付き合っていてもそういうことで怒るのは間違っている。
そんな先輩とは別れてしまえば良いのに…
「私、怖いの…先輩のことは好きだけど。まだそういうことをするのは…」
「それで…どうなったの?」
「うん、その日はそこで分かれ…。どうすればいいのかな、シュンちゃん?」
別れるべきだ。そう僕は言うべきだ。
だが、僕はそうは言わなかった。
後から考えて何故そんなことを言ったのだろうか、と思う。
だけど、その時の僕は僕たちの関係を歪めてしまう言葉を口にした。
「『練習』…してみればいいんじゃないのかな」
「え?」
僕の言葉は止まらない。
「僕とHなことの『練習』をしようよ」
「シュンちゃん…?」
「だってさ、先輩とHなことしないと、モモちゃん、嫌われちゃうよ」
「でも、そんなの…」
「僕はモモちゃんと生まれてからずっと一緒にいたから、怖くないでしょ?」
モモちゃんは考え込んでしまった。
「本当に、先輩と仲直りできる?」
その言葉に僕は複雑な感情を抱いた。
僕との『練習』をすることに心が動いていること、
その動機が先輩との仲直りにあること、だからだ。
「じゃあ、さっそく『練習』を始めようよ」
「何を…するの…?」
恐る恐るモモちゃんは聞いてきた。
「まずは、そうだな…オチンチンに慣れることかな」
「なれる?」
モモちゃんは首を傾げる。


「そう、オチンチンにまずは慣れないと」
そう言って僕は自分のズボンを脱ぎだす。
モモちゃんは大慌てで目を逸らそうとする。
「いいの?先輩にきらわれちゃうよ?それに昔は一緒にお風呂に入ったよね?」
先輩に嫌われる、その言葉を聞きモモちゃんは恐る恐る僕の股間を見つめる。
「シュンちゃんの昔と違っておっきいね…それに、毛も生えている…」
モモちゃんは膨れ上がった僕の股間を見つめていった。
「触ってみてよ」
「えっ…でもオシッコするところでしょ、汚いよ」
いきなりこれは早かったかもしれない。
「じゃあ、僕洗ってくるよ、シャワー貸してねモモちゃん」
そう言って僕は浴室に向かった。
浴室の中で僕は膨れ上がった股間を丁寧に洗っていた。
これからどうしようか…そう考えていると物音が聞こえた。
「あの、シュンちゃん?」
僕の心臓が跳ね上がる。
そう言ってモモちゃんは遠慮がちな声と共に入ってきた。
学校の授業で使っている水着姿で。
「なんだ…」
「どうしたの?」
思わずでた失望の声に無邪気に首を傾げるモモちゃん。
そういえば一緒にお風呂に入るのは幼稚園以来だ。
モモちゃんの体型はツルペタだ。
それでも水着姿だと胸の微かな膨らみが分かる。
「なんでもないよ。それよりモモちゃんはどうしてここに?」
「えっとね…触る前にきちんと洗ってくれているか見に来たの」
と言いながら興味深々なようすで僕の股間を見つめた。
幼馴染の気安さからだろうか?
「へぇ…やっぱり、昔見たのと全然違う…」
あまりじろじろ見られると落ち着かない。
「モモちゃんが洗ってよ」
「私が…?」
「おチンチンに慣れる事ができるし、きれいにできて一石二鳥だよ」
「うん…」
モモちゃんは恐々と自分の手を泡立てて僕の股間を優しく包み込むように洗い出した。
「あっ…」




第2話

「大丈夫?変なところ触っちゃった?」
声をあげた僕に手を止め心配そうに尋ねるモモちゃん。
だけど、そうじゃなくて、とても気持ちが良かったのだ。
大好きなモモちゃんにオチンチンを洗ってもらうのがこんなに気持ち良かったなんて。
僕はしばらく感動していた。
「本当に、大丈夫?」
「あっ…うん大丈夫だよ、続けて」
モモちゃんの声に我に返り続きを促す。
優しく股間を洗われているうちに僕の呼吸が荒くなる。
「ハァハァ、出るよ、モモちゃん」
「えっ?キャア」
今まで味わったことの無い快感と共に射精する
ビュッビュッと精液がモモちゃんの水着にかかり、どろりとした液体が白く染める。
それを見て僕は満足した。
モモちゃんを初めて汚した人になったのだ。
僕は師走先輩に対して優越感を抱いた。
(モモちゃんは、僕のだ…)
「シュンちゃん…酷いよ」
「ゴメンね、でもほら、これが精液、赤ちゃんの素だよ」
「これが、赤ちゃんの素…?変な臭いだね…シュンちゃんの小さくなっちゃたね」
水着にかかった精液を指で掬って匂いを嗅ぎながらモモちゃんは言う。
確かに一度出してしまい僕のオチンチンは萎んでしまった。
だけど水着を白く汚されたモモちゃんを見ているうちにオチンチンがムクムクと復活しだした。
「あっ…また大きくなってる…」
モモちゃんが驚いたように言う。
「モモちゃん『練習』の続きをしよう。」
「うん、でもその前に洗わせて。汚れちゃったし」
モモちゃんは精液の付いた手をお湯で流しながら言った。
僕はモモちゃんの白く汚れた水着を見てふとあることを思いついた。
手を泡立ててモモちゃんの水着に付いた精液をふき取るのだ。
あまり膨らんでないモモちゃんの胸の辺りを触ってみる。
モモちゃんの胸は緩やかだが、柔らかく暖かかった。


「キャッ」
胸の辺りに触られてモモちゃんが声を上げた。
「あっ、シュンちゃん…何をするの?」
「僕のオチンチンを洗ってくれたお礼に、モモちゃんを洗ってあげる」
そういって僕は泡のついた手で精液の付いたあたりを洗い出す。
水着越しではあるが、その感触は心地よいものだった。
「モモちゃん、手が空いているなら、僕のオチンチン洗ってよ」
「あっ…うん分かった。あん、くすぐったい」
僕に胸をいじられ変な声を出しながらもオチンチンに再び手を伸ばすモモちゃん。
気持ちいい感触が股間と手に集まる。
モモちゃんも興奮してきたのか息が少し荒くなる。
二人のハァハァという声が浴室に響く。
まずい、また出ちゃう…
「きれいに洗ったし、お湯で流そう」
「うん…」
トロンとした瞳で僕を見つめたモモちゃんがうなずく。
そして、シャワーで泡を流した。
「次は…何をするの?」
モモちゃんは僕を信頼しきった表情で見つめる。
僕はモモちゃんの胸の感触の余韻に浸っていたが、その声で現実にもどる。
「うん、次はオチンチンをなめて。」
Hな本で読んだがフェラチオというやつだ。
「オチンチンを…?」
また、先ほどの大きさを取り戻した僕の股間を見つめてモモちゃんが言う。
「洗ったからきれいになってるでしょ」
「でも…」
「師走先輩に嫌われてもいいの?」
優しい口調でそう声をかける。
先輩の名前を出すのは嫌だけど、それを利用してモモちゃんを汚したくなった。
モモちゃんは片時も僕のオチンチンから目を離さないでいる。


「うん…分かった」
しばらくためらったのち、モモちゃんは頷いた。
「じゃあ、まずさきっぽを舐めて」
僕は立ち上がり、モモちゃんを跪かせて、股間に顔を近づけさせた。
モモちゃんはゆっくりと僕のオチンチンに顔を近づけ、さきっぽをペロッと舐めた。
「ああ…」
僕の体に快感が走った。
「これで…いいの?」
「うん…その調子だよ」
そう言ってモモちゃんの頭をなでるとくすぐったそうな表情になった。
その表情とモモちゃんにしていることのギャップが僕をさらに興奮させた。
ピチャ、ピチャという音が浴室に響く。
(気持ちいい、でもすぐ出さないようにしよう)
僕は断続的に続く快感に耐えた。
「モモちゃん…」
「なあに?」
「今度はさきっぽだけじゃなく口の中に咥えて…」
「うん…」
そういうと僕のオチンチンをパックリと咥える。
そして、僕の顔を見上げる。
「うう…いいよモモちゃん…そのまま舐めて」
口の中は暖かくてまるで優しく包み込まれるようだ。
快感がさらに強くなる。
「ん……んん……んぐ……んっ」
モモちゃんは一生懸命に舌を動かす。
モモちゃんの肩に手をおき、快感と感動に震えた。
「んぐ……ん……んぐ」
(ああ…モモちゃんの口の中、最高だ…)
もっと続けたいが、そろそろ限界だ。
「モモちゃん、出すよ!」
ビュッ、ビュッ。


第3話

「ん…?んん!」
射精に驚いたような表情を見せ、顔を離そうとするモモちゃん。
だけど、僕はモモちゃんの顔をつかんで離さない。
そして、射精が終わると、モモちゃんの顔から手を離す。
「ゲホッ…ゲホ…」
口に溜まった精液を吐き出すモモちゃん。
僕はぼんやりとしているモモちゃんの唇に、
「ん…」
キスをした。
モモちゃんの唇の感触を感じ、舌を入れて味わった。
舌に精液の味がした。
とても生臭く、Hな本で精液を飲む女性がいたけど、あれは嘘だなと思った。
「ん…あっ」
唇を離す。
「どうして、キスしたの?シュンちゃん」
モモちゃんは不思議そうに聞く。
モモちゃんにとって僕はキスするような相手ではないのか…
僕は君とキスしたかったんだ、モモちゃん。
「口が汚れちゃったから、きれいにしたんだよ」
「きれいに?」
「そうだよ。モモちゃん」
僕は内心を隠していった。
「ふうん…ありがとうシュンちゃん」
モモちゃんの笑顔が僕の心を乱す。
「ねぇ…シュンちゃん」
「なに、モモちゃん?」
「師走先輩、今のことしたら喜んでくれるかな?」
師走先輩、僕と二人きりで、僕のオチンチンを咥えながら、モモちゃんが考えていたこと。
モモちゃんの心の中に僕はいないのだろうか?
僕の心が黒く染まっていく。


「ダメだよ…」
僕は冷たく言う。
「えっ?」
「全然話にならないよ…」
「どうして?」
モモちゃんの顔が泣きそうになる。
かまわず僕は続ける。
「だって…モモちゃん、僕の精液飲まなかったよね?」
「え…そんなの無理だよ」
相変わらず泣きそうなモモちゃんの顔。
それでも僕は続ける。
「男の人はね…飲んでもらわないと愛情が無いと思っちゃうんだ」
「そんな…」
僕は心の中で嘘だ、と叫んでいた。
あんなものを飲まないと愛情が無いなんて嘘だ、と。
「でも、大丈夫だよ」
急に僕は優しくニッコリ笑って言う。
モモちゃんのことを安心させるように続ける。
「大丈夫…?」
「最初はだれでもうまくいかないんだ。だからもっと『練習』すればうまくいくよ」
「本当に?」
「僕はいつも、モモちゃんを助けてきたじゃない」
そして、今はモモちゃんを汚している。
「うん、ありがとうシュンちゃん!」
モモちゃんは笑顔になって抱きついてきた。
水着越しに柔らかい感触が僕を包む。
僕はモモちゃんの頭をなでながら言う。
「じゃあ、今度はきちんと飲めるように『練習』の続きをしようね…」


こうして、僕たちの関係は歪んでしまった。
モモちゃんの心は僕に無いのに、モモちゃんの体は僕が汚す。
僕はモモちゃんと恋人になりたかったのに。
僕は一体何を間違ってしまったのだろうか。





夏休みに入ったある日。
僕、若草春一は、幼馴染の少女モモちゃんと2人で彼女の家の浴室にいる。
そして、モモちゃんは
「んぐ……んん……んぐ……んぐ」
「モモちゃん、うっ、舌の使い方、上手くなったね」
僕のオチンチンを咥えていた。

僕は素っ裸で立ち、モモちゃんはスクール水着の姿で、跪いて。
僕たちは恋人ではない。
モモちゃんがHなことをすることに不安があり、僕が『練習』して不安を取り除こうと提案したのだ。
モモちゃんが水着なのは裸になるのことを恥ずかしがるだ。
それでもここ数日の『練習』で、モモちゃんは僕のオチンチンに慣れ、
モモちゃんは口でするのが上手くなった。
また、最初は精液を飲み込むことができなかったモモちゃんも今では全て飲むことが出来る。
初めて出来た時は、
『上手に出来たね、モモちゃん』
『えへへ、ありがとうね、シュンちゃん』
というやり取りがあった。
「ん……んんぐ……んん……んぐ」
「ああ、とっても気持ちいいよ、モモちゃん」
僕が気持ちよさにうっとりしながらモモちゃんの頭をなでる。
モモちゃんは褒められたのが嬉しいのかくすぐったそうな表情をする。
恋人のいるモモちゃんが僕のオチンチンを咥える。
そのことは、屈折した喜びを僕に与えた。

小さい頃、冬に雪が降るのを待ちわびた。
僕の住むところでは雪はあまり降らない。
それでも、時々雪が積もることがある。
雪が降って、その次の日になると僕は急いで長靴を履いて外に出る。
そうすると、世界は白く美しく輝いている。
僕はそのきれいな白い世界に長靴で自分の足跡をつけるのが好きだった。
サク、サク、と小気味良い音を耳にしながら、小さな僕の雪原を歩く。
特に泥だらけになって汚れた長靴で歩くのが、好きだった。
きれいな長靴で歩くより、僕の足跡がはっきりと残る。
そのときは、自分がこんなことをするとは思わなかった。
今も僕は汚れた長靴で雪原を歩く。
欲望という長靴を履いた僕が、モモちゃんという無垢な雪原を汚しながら。


第4話

「んぐ…んぐ…んぐ」
モモちゃんがスパートをかけて来た。
でも、今回は口の中に出さない。
「モモちゃん、合図したら抜くよ。3……2……1……ゼロ!」
ビュク、ビュク。
射精する直前に抜いて、モモちゃんの胸の辺りを僕の精液で汚す。
ビクン、ビクンと震えるオチンチン。
1回目は飲んでもらい、2回目、3回目はその時の気分によって、モモちゃんにかける。
モモちゃんと内と外を汚す。
『シュンちゃん、飲んであげるのに、何で出しちゃうの?』
と聞かれたことがある。
『いつも飲んでいると、モモちゃんが大変だからね』
と僕は答える。
本当は、そうじゃなく、
「モモちゃん、汚れちゃったから、洗ってあげるね。」
「やんっ、くすぐったいよ、シュンちゃん」
モモちゃんの未成熟だが、柔らかい肉体を味わうためだ。
水着越しでも、モモちゃんの微かな膨らみと、確かな暖かさが、僕にこの衝動を起こさせる。
モモちゃんはくすぐったそうにしながら、僕のオチンチンを洗う。
僕はモモちゃんを洗い、モモちゃんは僕を洗う。
「あん、シュンちゃん、水着なら洗えばいいでしょ?もう!」
「僕が汚しちゃったからね、僕がきれいにしないと」
そう言って、汚れを落としながら、モモちゃんを汚す僕。
「シュンちゃんは、やん、恋人にしたい人はいないの?」
モモちゃんは時々僕の心に毒針を刺す。
僕の胸が痛み出す。
「モモちゃんが心配でね、恋人どころじゃないよ」
「もう、シュンちゃんたら…心配しすぎだよ」
僕の軽口に頬を膨らませるモモちゃん。
「でも、シュンちゃんは可愛い顔で素敵な人だから、良い彼女ができると思うけどなあ…」
『可愛い顔』は気になるが、その言葉、もっと早く聞きたかった。
今となっては僕に、後悔と苦痛を与える言葉。
もっと早く言ってくれれば、そうすれば、僕は君と…
「モモちゃん、今度は口をきれいにしようね、舌をだして」
そういって、モモちゃんの舌に自分の舌を絡める。
だんだんと口の中に舌をいれ、モモちゃんの中を蹂躙する。
そうしたほうがきれいにし易いんだ、と僕がいったから。
先輩とは、唇で軽く触れるだけのキス。
僕とは、舌を絡めるキス。
優越感が僕の心を満たす。
「ん…ぷはあ…シュンちゃん、何だか私たち、恋人みたいだね」
モモちゃんは口を離し笑顔で言う。
つまり、君にとって、僕は恋人ではない。
「ありがとうね、私のために。折角の夏休みなのに練習に付き合ってくれて」
『練習』は僕の欲望を隠すための方便だ。
感謝されるはずもないのに。
「モモちゃんは大切な幼馴染だからね」
「でも、シュンちゃん、いつも私と一緒にいてくれて、助けてくれた」


僕とモモちゃんはいつも一緒だった。
親が共働きなので、互いの家でよく遊んだ。
一緒に笑い、泣き、同じ時間を過ごした。
他の人とは違う僕たちだけの時間。
だから、モモちゃんのなかでは僕は『優しいシュンちゃん』なのだろう。
本当は違うのに。
「それにシュンちゃんの助言のおかげで、師走先輩と仲直りできから、本当にありがとうね」
嬉しそうにいうモモちゃん。
師走先輩、無垢な雪原にある目障りなシミ。
モモちゃんの心の中にいる邪魔者。
モモちゃんの恋人で、Hするためにホテルに入ろうと言われモモちゃんとケンカした人。
『練習』のことは、当然伏せてある。
モモちゃんに助言を求められたので、当座の言い訳として、
『モモちゃんの真心を伝えれば良いんじゃないかな』
といい加減な助言をした。
モモちゃんは本当にそれをした。
先輩を愛していること、でもHなことをするには自分たちは若すぎること、
そして、万一赤ちゃんが出来た時、赤ちゃんを育てることができず、その子が可愛そうだということ。
それらを涙ながらに先輩に訴えたという。
そうしたら、先輩の方も折れて元の鞘に戻ってしまったという。
僕は、まさか2人が仲直りするとは思っても見なかったので驚き、失望した。
相談を受けた時、てっきりHなことをするだけのために、モモちゃんに近づいたと思っていたのだ。
先輩もモモちゃんが本当に好きなのかもしれない。
ホテルに誘ったのはただ、思春期の気の迷いというやつかもしれない。
僕が今血迷っているように。
それと、モモちゃんは先輩に誘われたとき、不安になって何も言わずに帰ってしまったらしい。
『だってね、とにかく不安だったの』とはモモちゃんの弁。
モモちゃんは自己主張が苦手だ。
それでも、他人に流されることは少ない。
僕以外には。
僕の言うことは、いつも信じて付いてくる。
もし、先輩に流されてホテルに入っていたら。
考えるとぞっとする。
『練習』は続けることが出来た。
『練習』のことは誰にも内緒だよ、とモモちゃんに釘を刺した。
『どうして、師走先輩にも言っちゃ行けないの?』
とモモちゃんは言った。
モモちゃんは、師走先輩との本番に備えた練習なのだから隠すことはない、と言う。
(僕たちが殺されちゃうだろ)
とは言わず、
『黙っていて、ある日、突然Hが巧いことを知らせた方が、何倍も先輩は嬉しいでしょ?
それと『練習』が終わるまで先輩とHなことは何もしちゃだめだよ。
『練習』が中途半端な時にしても、先輩は喜んでくれないだろうからね』
僕は言った。
『練習いっぱいしたら師走先輩、喜んでくれるかなあ?』
顔を赤くして嬉しそうにモモちゃんは言った。そして、
『う?そつ?いたらは?りせんぼんの?ます!』
とモモちゃんから指きりをさせられた。


第5話

だから、
モモちゃんが僕に体を触られ、僕のオチンチンを咥えて、僕の精液で汚されているのも、
2人だけの秘密だ。
そのことは、先輩に対する歪んだ優越感を僕にもたらした。
「きれいになったし、今日の『練習』はひとまずこれで終わりだね」
「うん、今日もありがとうね、シュンちゃん」
そういって今日の『練習』はおわる。
着替えてからは、夏休みの宿題をやることにする。
ありがたいことに、うちの学校の宿題はたくさんある。
僕がモモちゃんの家に行っても不自然さはそれほど無い。
それに、2人きりの時間は、悪くない。
2人が着替えた後で、今日会ってから疑問に思っていたことを口にする。
「その髪留め…」
「あのね、これ、似合っているかな?」
嬉しそうに聞いてくるモモちゃん。
赤い鮮やかな蝶をあしらった髪留め。
モモちゃんは髪は長いので髪留めを使っているが、初めて見るものだった。
それはおそらく…
「もしかして、似合ってない…?」
少し、心配そうになる桃ちゃん
正直、モモちゃんには、もっと落ち着いた色合いの物の方が似合っていると思う。
だが、それは口にせず、
「どこで…買ったの…?」
「あのね、師走先輩が仲直りにってくれたの!」
やっぱり…
はにかみながら嬉しそうに頬を染めて言うモモちゃん。
対象的に暗くなる僕の心。
それは、唯の髪留め。
でも、僕にとっては、モモちゃんを汚すシミ。
「どうかな?」
僕は髪留めをひったくって、叩き壊す衝動と戦いながら、何とか言葉を捜す。
「モモちゃん…」
「なあに?」
返事を期待する無垢な瞳で僕を見つめるモモちゃん。
「今、僕たちは一生懸命『練習』してるんだよね?」
「うん…?」
「それなのに、今日はいつもより集中してなかったように思うんだ」
「え…?」
「何でだろう、って思ってたら、先輩からもらったプレゼントに気をとられてたんだね」
「えっ…えっ…?今日も練習はがんばったよ?」
そう、モモちゃんは今日も熱心に『練習』をして僕のオチンチンを咥えていた。
先輩を喜ばせるために。
「モモちゃん…嘘はダメだよ。気が散ってちゃ、ちゃんとした『練習』が出来ないよ…」
「う…そ…?」
「そう、プレゼントもらって嬉しいのは分かるけど、ちゃんと『練習』しないと…」
「しないと…?」
だんだんと不安になってくるモモちゃん。

僕はモモちゃんをどこまで傷つければ良いのだろう?
「先輩に嫌われちゃうよ…それでもいいの?」
「えっと…じゃあ、練習が終わるまでしまっておく…」
「しまって置いたら気になって『練習』出来ないでしょ?」
「でも…でも…捨てられないよ」
「違うよ」
「えっ、じゃあ…捨てなくて「壊すんだ」
ほっとして言葉を続けようとしたモモちゃんの言葉を遮り言う。

僕は自分のつまらなく、醜い感情を隠し正当化するため言葉を紡ぐ。
「モモちゃんはまだ使える物を捨てられないし、あったらあったで集中できないでしょ?」
「でも…でも…」
師走先輩からもらった髪留め。
モモちゃんの宝物。
それを壊せと言う僕。
「どうしてもと言うなら、壊さなくてもいいんだよ」
「えっ…じゃあ…」
希望を見つけ、それに縋ろうとするモモちゃん。
「でも、ちゃんと『練習』しないと師走先輩に捨てられちゃうよ」
「そんな…」
希望を叩き潰す僕。
「だから、モモちゃんが師走先輩を諦めるなら、その髪飾りを大切にするといい」
「嫌…嫌…両方は、ダメなの…?」
僕の胸が痛む。
こんなことをして何になるだろうか?
髪留めの一つや二つくらい良いのでは?
先輩との仲直りのしるし。
ダメだ、目障りだ。
「モモちゃん…僕はモモちゃんのために最高の選択肢を考えているんだ。それでも限界はあるんだ」
聞き分けのない子供に言い聞かせるように言う僕。
聞き分けのない子供は僕だというのに。
「だって…」
「『本番』の時に先輩が喜んでくれなかったら、どうするの?」
「……本当に…本当にそれしかないの…?」
苦しそうに言葉を搾り出すモモちゃん。
こんな馬鹿げた主張も信じるほど、僕を信頼し無垢なモモちゃん。
そして、それを利用する僕。
「モモちゃんが選ぶんだ、髪留めか、先輩か」
「……ぇ……」
「なに?」
「…セン…パイ…」
そう言ってモモちゃんはゆっくりと髪留めを外す。
そして、僕に渡そうとする。


「待って、モモちゃん」
「な、なに?」
「モモちゃんが選んだのに僕に壊させるの?」
「えっ…?」
「モモちゃんが選んだのに僕にその責任を負わせるの?モモちゃんがやるんだ」
「あっ…うっ…あっ…」
卑劣な僕。
モモちゃんの宝物をモモちゃん自身に壊させようとする僕。
モモちゃんは髪留めを両手に持ってブルブルと震えている。
壊すためというより必死に守るために。
涙をポロポロと流すモモちゃん。
僕はモモちゃんの背後に回り自分の手を後ろからそっと、包み込むように添える。
「シュン…ちゃん…?」
「髪留めはちょっと丈夫かもしれないから、僕も手伝うよ」
「今…じゃ…ダメ…?」
「いつに、するの?」
「後で…そう…後で」


第6話

モモちゃんは何とか髪留めを守ろうとする。
その健気な姿は僕の大好きなモモちゃん。
でも、モモちゃんが守ろうとしているのは…
「明日も、そう言うの?」
「えっ…?」
「明日も、明後日も、『後で』『後で』『後で』、何時まで経ってもできないよ…それじゃ」
「でも…」
「『今』しかないんだよ、モモちゃん」
諭すように優しく言う僕。
最低な、僕。
「……」
「モモちゃん、合図するから、その時に力を込めて…」
「うん…」
涙に染まった視界に、モモちゃんの宝物は目に入っているのだろうか?
モモちゃんの涙を拭き視界をクリアにする。
モモちゃんが自分の手で何をするか、きちんと見ていてもらわないと。
「3……2……1……ゼロ」
それだけで、
モモちゃんの手の中の宝物は、あっけなく壊れた。
「うっ……ごめんね…ごめんね……うっ……うっ……」
嗚咽するモモちゃん。



モモちゃんの中では自分の手で宝物を壊したことになっているだろう。
僕は、あくまで、『手伝い』。
僕が壊したのに。
「モモちゃん」
「ひっぐ……ひっぐ……」
「泣きたい時は、ちゃんと泣かなきゃ、ダメだよ?」
僕は自分がここまで下劣な人間とは思わなかった。
けど、モモちゃんはその言葉を聞き、
「うっうっ、うわーーーーーーーーーーーーん!!」
大声で泣き出した。
僕は、頭をなでながらあやした。
「ひっく…ひっく…」
少し落ち着いてきたモモちゃんに
「よく、がんばったね」
「えっ…?」
信じられない、といった表情で僕を見るモモちゃん。
「でも…私…」
「モモちゃん、君は『練習』をしよう、そういう強い意志を持って未練を断ち切ったんだ」
先輩のため、宝物のこと。
両方とも出さずに、『練習』のため、未練を断ち切った。
僕はそう言った。
「うっ…うっ…未練…?」
「そう、モモちゃんは『練習』に集中するために頑張ったんだ。自分を誇っていい」
「そう…なの…」
僕の用意した逃げ道。
モモちゃんは宝物を壊したんじゃなく、
『練習』のために未練を断ち切ったんだ、と。
もちろん、こんなことを簡単に受け入れないだろう、すぐには。
だが、罪悪感と戦ううちに、この考えを全て、とはいかないが徐々に受け入れるだろう。
モモちゃんは僕のことを信じる。
だから、そうする。
僕はモモちゃんを優しく抱きしめる。
「僕だけは何があってもモモちゃんの味方だからね…」
そう言って、モモちゃんが泣き止むまで抱きしめる。
「…これで…良かったんだよね…シュンちゃん…?」
自分に言い聞かせるように、僕に縋りつくように、言うモモちゃん。
「もちろんだよ、モモちゃん…」
僕にとっては、良かった。
でも、モモちゃんにとっては?
それでも、安心した様子を見せるモモちゃん。
しばらくして、モモちゃんがだいぶ落ち着いてきたので今日はお別れということになった。
「じゃあね、モモちゃん、また明日」
「うん…ありがとう、シュンちゃん」


モモちゃんは笑顔だったけど、少し悲しげだった。
モモちゃんはこんな僕にありがとう、と言う。
小学生の頃も僕はモモちゃんにしょうもない嘘をついていた。
『百葉箱は葉っぱを百枚付けてないといけないんだ』とか。
モモちゃんは本当に百枚葉っぱを集め、ペタペタと張り出した。
今更嘘だよ、と言い辛くモモちゃんてバカじゃないか?と思いながら手伝った。
そして、翌日、葉っぱがペタペタ張られた百葉箱の前で、僕とモモちゃんは叱られた。
お説教が終わった後も、モモちゃんは僕をなじったりしなかった。
『シュンちゃん、楽しかったね!』と笑っていた。
その笑顔を見て僕はモモちゃんはどうしようもないバカだ、と確信した。
今ならわかる。
バカなのは、モモちゃんの信頼を裏切り嘲笑していた僕のほうだと。
そして、今の僕は大バカ者だ。
ポケットの中に壊れてしまったモモちゃんの宝物が入っていた。
モモちゃんのことだから、捨てずにとっておくかもしれない。
だから、僕が代わりに捨ててきてあげる、と言った。
壊れた宝物を見つめ、僕は、暗い笑みを浮かべた。
捻じ曲がった僕の心は喜びを感じていた。
モモちゃんにこびり付いた目障りなシミを一つだが排除できたから。
それに、形だけとは言えモモちゃんの手で壊させたのだ。
モモちゃんと先輩の間の絆をモモちゃん自身の手で。
僕は今日1日を思い返す。
モモちゃんの涙。
自分自身に吐き気がした。
それでも僕は、止まらない。



第7話

「昨日は、ありがとうね」
「どういたしまして、モモちゃん、大丈夫?」
「うん、大丈夫…」
僕とモモちゃんはモモちゃんの部屋にいる。
恋人である師走先輩は部屋には入れたことはないそうだ。

先輩は入れてくれても良いじゃないかと言っているとのことだが、モモちゃんは拒んでいる。
モモちゃん曰く、
『あのね、先輩に子供っぽいって、思われたくないの。だからね、入れたくないの』
ということだそうだ。
確かにモモちゃんの部屋には可愛い小物やぬいぐるみなどがたくさんある。
でも、モモちゃんの心配は無駄なのではないか?
モモちゃんの体型は胸が無く背は低い。
あまり、『大人の女』というイメージではない。
それでもこのことは僕にとっては、嬉しいことだった。
ここは、先輩も入ったことのない僕とモモちゃんの聖域なのだから。
だから、僕は先輩を入れないために
『先輩に、はっきりだめです、って言ったほうが良いと思うよ。モモちゃんにもプライバシーがあるしね』
とアドバイスした。
先輩は引き下がったが、不満そうな様子だったそうだ。
まあ、そうだろう。
恋人に『自分の部屋に入らないで』と言われて喜ぶ人はいないだろう。
僕はモモちゃんに先輩と少し距離をとるようにも言った。
『練習』にも集中できないし、ギクシャクしているのでほとぼりを冷ますために、と。
ギクシャクしている時こそ、誤解を解くために話し合うべきだ、と僕は思うがそう言った。
実際、距離をとられれば先輩はますます面白くないだろう。
そして、そのことは僕にとっては嬉しいことだ。
間違ったことだが。
「じゃあ、今日も『練習』を始めようか」
「うん…」
あまり、元気のないモモちゃん。
微かに、後悔が棘となり僕の胸に突き刺さる。
昨日、モモちゃんが先輩からもらった髪留めをモモちゃん自身に壊させた。
そのことで、モモちゃんは苦しんでいる。
それでも欲望を止めようとしない僕。
その後、急いで僕は家に帰ってからも落ち込んでいるだろうモモちゃんに携帯をかけた。
モモちゃんを心配したという理由もある。
が、本当のところはモモちゃんが先輩に縋り付くのを阻止するためだ。
モモちゃんが先輩に連絡をとらない様に、僕は夜通しモモちゃんと語り合った。
僕とモモちゃんの穏やかで心地良い時間。
先輩とモモちゃんが連絡を取り合うことを邪魔するという目的も忘れ充実した時間だった。
先輩がいなければ、僕たちは恋人として、語り合うことが出来たのだろうか?


「じゃあ、お風呂場に行こうか…」
「私、着替えてくるね。」
「待って」
モモちゃんを止める僕。
「モモちゃん、新しい『練習』をしよう」
「新しい…」
「モモちゃん、僕のオチンチンは見るのも触るのも慣れたよね?」
「うん…」
オチンチン、という言葉に真っ赤になってうなずくモモちゃん。
『練習』の時は、あんなに熱心に僕のオチンチンを咥えるのに。
恥じらう姿もまた可愛い。
「今度は見られたりするのに慣れないとね。」
「え…恥ずかしいよ…」
「モモちゃん、Hなことは2人が裸にならないとできないんだ」
Hな本やビデオには服を着てするのもあるけど、一般的にはそうだろう。
「で…でも…」
「大丈夫だよ…笑ったりしない。そのための『練習』なんだから」
「うん…」
「じゃあ…お風呂場に行こう」
お風呂場についた僕ら。
僕はテキパキと服を脱いで、
「先にはいっているからね」
と言って浴室に入った。
しばらくして、
「あ、あのね、はいるよ…?」
と言うモモちゃんの声がした。
それでもしばらく躊躇ったのか声よりも遅れて入ってきた。
顔を真っ赤にして俯いてはいってくるモモちゃん。
手で胸の辺りを隠し、足の辺りをピッタリさせもじもじさせるモモちゃん。
その恥じらう姿を見て、僕のオチンチンはいつもより固くなる。
「モモちゃん、力を抜いて。それと手を離さないとモモちゃんの体が見えないよ」
ますます顔を赤くするモモちゃん。
それでも、ゆっくり手を下ろし僕の前に立つ。
すらりとした小柄な体型。
微かに膨らんでいる胸。
モモちゃんの裸を見て僕は感動した。
恋人である師走先輩の知らない所でモモちゃんを汚しているのだから。
「きれいだ…」
「えっ?」
平凡極まりない感想を言う僕に驚いたような声をだすモモちゃん。



「でっ…でも…その…私の胸、小さくない?」
「今小さくても、全然気にすることないよ。それに、今のままでも十分きれいだよ」
「ありがとう…シュンちゃん…」
途切れそうな声で言うモモちゃん。
「師走先輩はどう思うかな?」
また、師走先輩。
モモちゃんの前にいるのは僕なのに。
「モモちゃん…今は『練習』に集中しなきゃだめだよ」
「あ…ごめんね」
思い出したように謝るモモちゃん。
気を取り直そう。
「モモちゃん、こっちを向いて…」
「でも…」
「見られるのに、慣れないとだめだよ」
モモちゃんはおそるおそるこちらに体を向ける。
モモちゃんの裸は見ればみるほど感動と興奮を呼び起こす。
「さっ、座って。洗ってあげるね」
「じ…自分で出来るよ…」
「ダーメ、僕が洗ってあげる、モモちゃんは僕を洗って」
そうして、手を泡立てモモちゃんを洗う。
モモちゃんも僕を洗う。
背中やお腹はただくすぐったそうにしただけだったけど、
「ぁ……ゃ……」
胸を洗っているうちに、モモちゃんの声が変わりだした。


第8話

口から漏れる声を必死に隠そうとするモモちゃん。
胸はあまり膨らみはないが、それでも女の子を感じる。
感触を堪能するため、ゆっくり、丁寧に洗う。
「ゃ……ゃ……」
必死に声を抑えようとするモモちゃん。
僕は興奮してさらに熱心に洗う。
モモちゃんが僕のオチンチンを洗っているので余計興奮する。
だんだんと、モモちゃんの息も荒くなる。
そこで、胸から手を離す。
「あ…」
残念そうに聞こえたのは気のせいだろうか?
ハァハァという息遣いが浴室に響く。
「足を開いて…モモちゃん」
「え…恥ずかしいよ、シュンちゃん…」
「洗えないよ」
「そこは…自分で洗うよ」
「僕が洗ってあげるよ」
「恥ずかしいよ…」
ここでは問答を続けても仕方ない。
「分かった…自分で洗って」
「うん…」
そうして、僕らは洗い終えた。


体を簡単に拭いた後、僕はモモちゃんの桜色の乳首に口付けした。
唾液を含んだ舌でペロリと舐める。
「やっ…シュンちゃん?」
驚いた声を上げるモモちゃん。
そのまま、ペロペロ舐めたり、乳首を口に含んだりした。
薄いけどやわらかい胸と乳首の感触を堪能する。
「…ぁ…ゃぁ……やあっ…あん」
モモちゃんは声を隠し切れず喘ぎだした。
ちゅーっと乳首に吸い付いた後、顔を離す。
僕の唾液でいやらしく光っているモモちゃんの胸。
また、モモちゃんを汚すことができ、罪悪感と満足感が僕の心に訪れる。
「恥ずかしいよ…シュンちゃん。赤ちゃんみたいに、その、舐めっちゃて」
「モモちゃんの体、きれいだったから、舐めたくなったんだ」
「なにそれ…変なシュンちゃん」
呆れたようにそして、きれいと言われて恥ずかしそうに言うモモちゃん。
モモちゃんは乳首を弄られて気持ちよくはならなかったのだろうか?
「モモちゃんは?」
「えっ?」
「モモちゃんはどうだった?」
「えっと…変な気分になっちゃた…」
「気持ちよかった?」
「…わ、わかんないよ…」
泣きそうなモモちゃん。
気持ちよかったのかな。
さっきも声を押し殺していたし。
快感に耐えていたのかもしれない。
「モモちゃん、足を開いて」
「は…恥ずかしいよ…」
足を堅く閉じるモモちゃん。
「モモちゃん、さっきもそういったね」
「う…うん…」
「嫌がってばかりじゃ、何も出来ないよ」
さっき、洗うのを断ったモモちゃんは、何度も断るのに罪悪感を抱くはずだ。
そこにつけこむ僕。
「で…でも…」
「モモちゃんが嫌がってたら、『練習』が進まないよ」
出来の悪い生徒に注意するような口調で言う僕。
自分の欲望を満たすためなのに、モモちゃんが悪者であるかのように言う僕。
「う…うん、分かったよ…シュンちゃん…」
ゆっくりと、ゆっくりと足を震わせながら広げるモモちゃん。
恋人でもない僕に女の子の大切な部分を見せるモモちゃん。
その恥らう姿も可愛い。
そして、僕は最低だ。

広げた足の内側を見つめる僕。
「は、恥ずかしいよ…シュンちゃん」
目を瞑り、そういうモモちゃん。
僕は気にせず見つめる。
これが、モモちゃんの女の子の部分…
精子を受け入れ、赤ちゃんが出てくるところ。
そこは濡れていた。
縦筋の襞を触り広げてみる。
どこをどうすればいいのだろう?
とりあえず、襞に沿って指を這わせる。
その後舌であちこちを刺激する。
この突起がクリトリスかな?
「あっ……恥ずかし…やっ……シュン…ちゃん…」
どちらかというと、気持ちいいというより、恥ずかしいと言った反応。
ピチャ、ピチャ、ペチャ。
いやらしい音を立てて続ける僕。
「やめ……シュンちゃん……ああん……嫌あっ…」
羞恥と快楽の声をあげるモモちゃん。
あまり恥ずかしがるので中止して、顔を戻す。
これからたっぷり『練習』を重ねればいい。
「どう、モモちゃん?」
「恥ずかしいよ…シュンちゃん…」
泣きそうな顔で言うモモちゃん。
「よく、がんばったね」
頭をなでる僕。
「うん…あのね、シュンちゃん…」
「なんだい」
「その、上の、ほうのね、練習は、もっと…していい…よ」
途切れ途切れに言うモモちゃん。
胸の方がモモちゃんはいいのだろうか?
「うん…でも、その前に…」
「その前に…?」
モモちゃんの声に微かな失望が含まれる。
「新しいこともいいけど…復習もしなくちゃね…」
さっきから限界にきそうになっている僕のオチンチンを出す。
モモちゃんは上気した顔で、舌を出して僕のオチンチンをペロペロ舐め始める。
モモちゃんの体を舐めたり触ったりして興奮した僕にはいつもより強い快感をもたらした。
それに、今日はいつもより熱心な気がした。


第9話

「さあ、そろそろ咥えて…」
僕の指示に従い、パックリとオチンチンを咥えるモモちゃん。
「んぐ……んん……んっ、んっ」
口の中もいつもより、良かった。
モモちゃんのトロンとした瞳が僕を見つめる。
そこで、衝動が湧き上がる。
僕は、モモちゃんの口の中で、腰を振った。
咽喉を突くと痛そうだと思い今までしなかったが、今日はいつもより興奮して腰を動かす僕。
「ん…?んん…!んぐぅ…?」
いつもにない動きに混乱するモモちゃん。
いつもにない快感にしびれる僕。
モモちゃんに、出す。
「ん…んん…んん……はあ…んん?」
モモちゃんが飲み込んだ後、素早くキスして、口の中を堪能する。
モモちゃんも激しく舌を絡めてくる。
互いを求めるようにキスをする僕たち。
「ん…んむ…はぁ…今日は…いつもと……違うね…シュンちゃん…」
ぼんやりとした声で言うモモちゃん。
気持ち良さそうに言うモモちゃん。
キスの余韻に浸っているのだろうか?
「オチンチン口に入れたモモちゃんが可愛くてね」
「やっ…恥ずかしいよ…」
どうも、モモちゃんは、オチンチン、とか直截的な表現を嫌がるようだ。
「それで、口に咥えてもらった時は腰を使った方がいいんだよ、モモちゃん」
「そうなんだ…。…ねっ、その、私のこと、触る…練習して…あの、む、胸のほうの…」
「いつもより、熱心だね…モモちゃん、どうしたの…?」
僕は不思議に思い聞いてみた。
「だ、だって…髪留め、諦めたし、ね…。それにね、そう、先輩のため、先輩のためだよ…」
髪留め、先輩のため。
自分に言い聞かせるように言うモモちゃん。
髪留めのことも、もうどうでも良いかのように。
まるで自分の本心を隠そうとするかのように。
「本当に?」
「えっ?」
不思議そうに聞き返すモモちゃん。
「本当に先輩のため?」
「…も…もちろんだよ!」
一瞬、ためらってからモモちゃん。
「だからね、練習、いっぱい、練習、しないと…がんばらないと…」
それが本題だと言いたげなモモちゃん。
期待に満ちた目で僕を見つめるモモちゃん。
「分かったよ、モモちゃん…」
僕は頭を撫でながら言う。
モモちゃんはその言葉で表情を輝かせる。
「じゃあ、胸を触られる『練習』をしようね…」
そう言って、僕はモモちゃんの胸をその手の中に納めた。


「あっ…」
モモちゃんの声。
ゆっくりと揉みし抱く。
「あっ……シュンちゃん……もっと…ね……もっと……やぁ…」
「気持ちいい、モモちゃん?」
「あぁ…ん……わ…わかんないよ……あん……はぁん……やっ…」
僕はモモちゃんの乳首に口をつけ、含む。
反応を聞きたくて質問を重ねる僕。
「モモちゃん、どう?」
「ああ……ああん……シュン…ちゃん……やっ…あっ…ああ…」
どんどん息が荒くなるモモちゃん。
モモちゃんの胸を揉みながら乳首舐めたり吸ったりする僕。
そうこうするうちに
「あっ、やあ、やああああああああああ!」
一際大きな声を出し、体をビクンと反らすモモちゃん。
今のがイクっていうやつなのかな?
モモちゃんはしばらく快感の余韻に浸るようにぼんやりしていた。
しばらくすると、意識がはっきりしてきたのか、真っ赤な顔をしてモジモジしだした。
「あ…シュンちゃん…その…」
「どうだった、モモちゃん?」
「そ、それは…それよりね…あの…ね、もっと、練習しよ…?」
質問には答えず、消え入りそうな声で『練習』の催促をするモモちゃん。
気持ちいい、と認めるのは恥ずかしいのだろうか?
「気持ち良かった、モモちゃん?」
「え…えっとね…」
その質問におろおろするモモちゃん。
「教えてくれないと、『練習』しないよ」
その言葉にためらいながらもモモちゃんはこくんと頷いた。
そうか…モモちゃんは僕の手で気持ちよくなったのか。
そのことで僕は満足する。
モモちゃんは僕の手で気持ちよくなったのだ。
先輩ではなく。
さて、モモちゃんが熱心に『練習』しようとしているし、それに応えないと。
「じゃあ…続けようか…モモちゃん…」
本当はこんなことしてはいけないのに。
「う、うん!」
その日からモモちゃんは『練習』にさらに熱心になった。
そして、『練習』の時間が延びるようになった。
「あっ……ああん……シュンちゃん……やっ……」
「モモちゃん、もっと、もっと、『練習』しようね…」
僕は今日もモモちゃんを汚している。


第10話

『モモちゃん、何で先輩が好きなの?』
もう何度も言った台詞。
見苦しい僕の見苦しい質問。
その度に返ってくる言葉もまた同じ。

「師走先輩のことね、考えてると、幸せな気分になって、心が暖かくなってドキドキするの」
「先輩と一緒にいるとね、それがもっともっと強くなるの」
「だからね、先輩が大好きなの…」
などと、いった内容だ。
そして、
「シュンちゃんもそんな人が見つかるといいね」
と笑顔で続ける。
優しいモモちゃんの残酷な言葉。
が、最近、新しい内容が入るようになった。
「シュンちゃん、私大丈夫かな?」
「何が?」
「最近はね、先輩のこと考えると不安になるの。私、先輩と幸せになれるよね?」
最近、か。
ホテルに一緒に行くことを拒否し、ケンカをしたモモちゃん。
『練習』のためと、僕に騙され先輩と疎遠になったモモちゃん。
そして、仲直りのしるしである髪留めを失ったモモちゃん。
モモちゃんは不安なのだろう、実際。
僕を信じたばっかりに、先輩との溝を深めるモモちゃん。
それでも、僕は止めない。
「大丈夫、全部うまくいくよ」
モモちゃんを抱きしめて言う僕。
先輩とうまくいく、とは言わない。
死んでも言いたくない。



「シュンちゃん、あのね、練習のことだけど、本当にいいのかな?」
『練習』のためにモモちゃんの家にきた僕にモモちゃんは言う。
僕の下劣な欲望にモモちゃんは気付いてしまったのだろうか。
それとも、宝物の時のこと、気付いたのだろうか?
それが、いいのかもしれない。
モモちゃんは本来、僕が汚してはいけないのだから。
「どうして、『練習』を、しちゃ、だめなのかな?」
未練がましい僕。
たどたどしく言葉を紡ぎ、欲望にすがろうとする惨めで哀れで愚かで、何よりも身勝手な僕。
「あのね、ちょっとだけ、本当に、本当にちょっとだけなんだけど」
モモちゃんが『ちょっとだけ』というと大抵たいしたことは無い。
だけど、『ちょっとだけ』を重ねると、かなり大きな問題になっていることが多い。
モモちゃんの僕に対する信頼が崩れ去ってしまったと感じた僕はそれでも、
「話してごらん。モモちゃんの言うこと、何でも聞いてあげる」
見苦しく言葉を繋ぐ。
「時々、本当に時々だけどね、練習中に師走先輩のこと忘れちゃうの」
「え?」
モモちゃんは僕の嘘を問いただしもせず、僕のことを非難もしない。
ただ、感じるのはモモちゃんの不安。
歪みを直すなら、この時でも良かった。
自分の醜さを全て話し、モモちゃんから裁いてもらえば良かったのだ。
だけど、僕はどこまでも醜かった。
「どういうことかな、モモちゃん?」
「あのね、私、いつもね、練習しながら師走先輩にどうすれば喜んでもらえるか考えてたの」
泣きそうになりながら言うモモちゃん。
そんなモモちゃんに対して自分のことを棚に上げ、身勝手な怒りが沸き起こる。
僕に触られて、僕のオチンチンを口にして、僕に汚されながら、
「いつも先輩のこと考えてたの?モモちゃん?」
絶叫しそうになるのを辛うじて、取り繕う僕。
「うん、もちろんそうだよ。でも…」
彼女の声がさらに沈む。
「本当に、本当に、本当に、ちょっとだけ…ちょっとだけだよ?練習中に先輩のことをね、忘れる…ううん」
モモちゃんが首を振り自分の言葉を否定する。
そして、恐れを込めて言う。
「先輩がいなくなっちゃうの。私の心の中から」
僕は先ほどとは違う意味で、叫ぶの堪えた。
モモちゃんが、先輩のことよりも僕との『練習』に没頭している!
「先輩のためにしてるのに、先輩を心の中から追い出しちゃう、私って悪い子なのかな?」
最後はほとんど泣き出しそうになるモモちゃん。
ごめんね、モモちゃん。僕は君をさらに汚すよ。
こんなクズを信じてしまって、本当に、ごめんね。


「大丈夫、何も問題ないよ。モモちゃん。むしろ喜ぶべきだよ」
「なっ何で?私先輩のことを…先輩のためなのに…それに」
反論しようとするモモちゃん。
モモちゃんは何を言おうとしたのだろう?
僕は言葉を挟むことでその答えを知ることはなかった。
「『練習』を僕らはしているんだよね、モモちゃん?」
「え?うん?」
何を言っているのだろう、といった感じで頷くモモちゃん。
「そうだな…モモちゃん、ケーキ、好きだよね?」
「うん、そうだけど…?」
突然、話が変わり付いて行けないモモちゃん。
「勉強中に、ケーキのこと考えていて集中できるかな?モモちゃんは」
「でき…ない…」
「そうだね、『練習』も同じなんだ。」
「同…じ…?」
飛び飛びの話に彼女は混乱してる。
「だからね、『練習』してる時に他のこと…好きなこと…とかを」
「好きな…こと…とかを?」
「考えながら、集中して、『練習』できるかな?」
「集中…できない…?」
「そうだね」
出来の良い生徒を褒めるようにニッコリ笑う僕。
僕の内心を知らない彼女はただ、無批判に僕の言葉を吸い取っていく。
「だから、『練習』中に好きなこととか考えてるうちは集中していないんだよ」
「集中を、してない」
「そう、だからモモちゃんはだんだんと『雑念』を考えないで『練習』出来るようになってきたんだ」
「雑念を考えない…?」
あえて、先輩とは言わないで『雑念』という僕。
「そう、だからモモちゃん本当には集中して『練習』出来るようになってきてるんだ」
「そうなの…?」
「もちろん、まだその入り口だけどね」
「入り口…」
「とは言え…大進歩だよ!モモちゃん」
僕は褒めるよう言う。
混乱している彼女はやはり、その言葉を受け入れる。
「大進歩…?」
「だって、『雑念』を払って『練習』出来るようになったんだよ!」



第11話

嬉しそうに言う僕。
こんなことが本当に進歩なわけはない。
先輩が心からいなくなる、と不安を訴えるモモちゃん。
『雑念』を振り払っているという僕。
僕の意見とも言えない言葉の羅列。
それでも、混乱し、僕を信頼する彼女は、
「そっか…」
ほっとしたように、微笑む。
その微笑みに心が痛む僕。
それでも、続きを止めない最低な僕。
「だからね、これからはむしろ『雑念』を払う時のことを意識しながら『練習』しよう」
「『雑念』を払う時…」
「そう、『練習』がどんどん進むよ」
「うん、そうする!」
モモちゃん、君は先輩のために『練習』しているんだよ?
その君が、先輩を忘れちゃ、ダメじゃないか…
「じゃ、早速始めようか…」
「うん!」
元気良くモモちゃん。
「今日は何からするの、シュンちゃん?」
「そうだね…一人で『練習』できるようにしよう」
僕たちは全裸で浴室にいる。
「一人で?」
不思議そうに聞くモモちゃん。
「そう、土日は小母さん達がいるから『練習』ができないからね」
休日はモモちゃんの家に小母さんと小父さんがいるので『練習』はしない。
『練習』は2人だけの秘密なのでさすがに無理だ。
「そうだね、うん、できないね」
「だから、モモちゃん、足をまず開いて」
「う…うん」
恐る恐る足を開いていくモモちゃん。
未だ恥じらいを捨てられないところも可愛いと思う。
「じゃあ、モモちゃん、ここに手を持っていって」
そう言って、僕はモモちゃんの指を股間に持っていく。


そこは僕との『練習』を重ねてきた成果かすでに濡れている
モモちゃんは恥ずかしがりながらも逆らわずにする。
「その指で大事な部分を擦るんだ。僕がいつもしてるみたいに」
「うん」
僕はモモちゃんにオナニーをさせようとしている。
そして、モモちゃんは自分の中を指で弄りだした。
「あ……ああっ……やっ……んん」
早くも感じているモモちゃん。
「ちょっと、待ってモモちゃん」
「えっ?」
僕の中断にモモちゃんは驚いたように言う。
これから得られる快楽を邪魔された不満が微かに混じる。
「その前に集中できるようにしようね」
「うん、でもね、シュンちゃん」
不思議そうに聞くモモちゃん。
「なにかな、モモちゃん」
「どうすれば、集中できるの?」
モモちゃんの質問。
「うん、集中するには、何か一つのことだけを考えればいいんだ」
「一つのこと…例えばどんなのがいいの?」
また、僕はモモちゃんにインチキを教えていく。
そうして、モモちゃんを汚してく。
「そうだね…例えば、僕のこととかな」
「シュンちゃんの…?」
よく、分からないといった感じで言うモモちゃん。
「そう、モモちゃんは僕とずっといたから、僕のこと考えるのは簡単だよね?」
「うん…そうだね…」
だんだんと理解の色を深めていくモモちゃん。
「他のことを考えちゃだめだよ、集中できないから…やってごらん」
「うん」
そういってモモちゃんは自分の股間に指をやる。


再び自分の中に指を入れるモモちゃん。
「モモちゃん」
「何?」
オナニーをしようとするモモちゃんを僕は再び止める。
「僕のことを声に出しながらすると集中できると思うよ」
「うん」
そう言ってモモちゃんは始めた。
モモちゃんの敏感なところをモモちゃん自身で刺激していく。
「シュンちゃん、シュンちゃん…やっ…シュンちゃん……あん……シュンちゃん……」
素直に僕のことを呼び続けている。
このまま、モモちゃんの心も僕で塗りつぶされれば、と妄想する。
モモちゃんがだんだんと興奮していく。
僕の名前を呼び僕のことだけを考えながら。
そう思うと僕も興奮していく。
僕はすることがなくなってしまうので、モモちゃんの乳首をぺろりと舐めた。
「あっ……シュンちゃん……」
「続けて、モモちゃん」
乳房を揉んだりしながら言う僕。
その感触を堪能しながらもモモちゃんは僕のことを呼び続ける。
「やん…シュンちゃん、あぁん…シュンちゃん…シュンちゃん…ああっ、シュンちゃん…」
上と下の二つの刺激によりモモちゃんは切ない声を上げながら高ぶっていく。
そうだ、イクんだよ、モモちゃん。
僕のことだけを考えてね。
「シュンちゃん、シュンちゃん、シュンちゃん、やあっ、シュンちゃん、ああああああああああああああああ!」
モモちゃんはイった。
恋人がいながら僕を呼び、僕を考えながら。
オチンチンが射精したいと強く訴える。
そして、しばらく快楽に染まった惚けたような表情で僕を見つめる。
僕はモモちゃんの胸を弄り続ける。
「ああん…シュン…ちゃん…」
「モモちゃん、集中できた?」
「うん…とっても、あん…集中できた…やん」
ぼんやりと僕を見つめながら言うモモちゃん。
なら、この瞬間だけでも僕のことを考えていたんだな。
「そう、良かったね…今度はこっちだよ…」
そう言ってぼくはオチンチンを突き出す。
モモちゃんがイったのを見てはちきれそうに膨らんでいる。
「口に咥えると声に出せないけど、僕のことだけを考えて集中するんだよ…」
「うん…」


第12話

モモちゃんは僕のオチンチンを咥えた。
もう、彼女にとってはそれが日常の一部になりつつある。
「ん……んぐ…んぐ…んぐ」
「ちゃんと、僕のことだけを考えて集中するんだよ」
モモちゃんはこくりと頷く。
その後、僕はモモちゃんを5回イかせ、3回射精した。
僕の名前を何度も何度も呼びながら。


僕たちの夏休みは過ぎていく。
あれから、モモちゃんは一人でも『練習』するようになった。
そう言っておいたし、モモちゃんもきちんと報告する。
『練習』の時は僕のことだけを考えるように言っているし、モモちゃんもそのことを守っている。
夏休みはずっとモモちゃんと『練習』をしていたが、その日は登校日なので、学校に行かなければならなかった。
朝起きるのは辛くない。
毎日モモちゃんと『練習』するために早く起きていたからだ。
今日も早く起きてしまい、このままいくと早く着いてしまう。
が、僕は出発した。
遅くなるよりかはましだし、僕としては校舎の周りをぶらぶらして時間を潰そうと思った。
一人での登校。
モモちゃんは先輩と付き合うようになってからは先輩と登校している。
モモちゃんと『練習』を続けていると忘れそうになるが、僕はモモちゃんの恋人ではない。
学校に着くと、運動部が練習をしている。
「夏休みなのに、大変だな」
そんなことを呟きながら、学校の時計を見る。
…まだ、時間はあるか。
僕はそのまま、ぶらぶらとうろつき始めた。
なぜ、そこに行こうとしたのかは分からない。
運動部の練習の声から離れたかったのかもしれない。
旧校舎に囲まれ、人があまり寄り付かない場所。
そこに、モモちゃんと師走先輩がいた。
師走先輩とモモちゃん。
頭が真っ白になる。
『練習』している間は先輩と何もしないって言っておいたのに。
僕はこれから起こることなど見たくはなかった。
背を向けて駆け出した。


何で?どうして?
僕は混乱しながらも、気がついたら家にいた。
そのまま自分の部屋に入り、ベッドに飛び込む。
モモちゃんは先輩にどんなことをされているのだろうか。
舌を入れてキスするだろう。
裸になるだろう。
先輩のオチンチンを咥えるだろう。
体をいやらしく舐めまわされるだろう。
全部、僕がしてきたことだ。
いや。
僕がしていないこと。
先輩に、初めてを捧げること。
そこまで、しているだろう。
微かにほんの微かに残った罪悪感が僕を留めていた。
外道な僕は割り切ることができなかった。
罪悪感など完全に捨ててしまえば。
でも、もう遅い。
考えて見れば、これが正しかったのだろう。
間違っていたのは僕だ。
そこまで考え、僕は意識を手放した。


インターホンの音で目を覚ます。
僕は応対するため電話にでる。
「はい、若草です…」
死んだような声。
若草なのは当たり前だろ、と自分に突っ込む。
「シュンちゃん?」
一番聞きたくない声だ。
僕は搾り出すように声を出す。
「…何?モモちゃん?」
「あのね、プリント、持ってきたの」
プリント。
そんなものあったのか。
「うん、分かった…」
僕はよろよろと部屋を出る。
そして、玄関を出る。
「…やあ、モモちゃん」
そこにはいつものモモちゃん。


いや、いつものように見えるモモちゃん、なのかもしれない。
初めての女性は痛いというが、大丈夫なのだろうか。
「シュンちゃん、今日どうしたの?学校来ないし、携帯にも出ないし」
モモちゃんは心配そうに聞く。
携帯を見る。
確かにモモちゃんからの履歴が何回もある。
メールも着ている。
2人でHなことしながら、そんな余裕があったのか。
僕は惨めな気持ちになる。
「ちょっとね…具合が悪いんだ…」
実際、僕の声には生気がなかったのかもしれない。
モモちゃんは心配そうな表情で「大丈夫?」と聞いてきた。
「うん…もう少しで良くなると思うよ…」
弱々しく言う僕。
「本当?大丈夫?」
君の顔はもう見たくないし、声も聞きたくないよ、モモちゃん。
僕は内心を隠して、肯く。
「じゃあ、これプリントね」
と言って、モモちゃんは学級通信を渡した。
こんなもの、夏休みにもつくってたのか。
ご苦労なことだ。
「ありがとう…モモちゃん」
「シュンちゃん、明日、話したいことがあるからまた、来てね」
本当は今日にしようと思ってたけど、シュンちゃん元気ないから、とモモちゃんは続けた。
話したいこと。
何だと言うのか。
それでも僕はモモちゃんに肯いて、そのまま別れる。
モモちゃんは最後まで「気をつけてね」と心配そうな口調で僕のことを案じていた。
結局、僕は落ち込んだままその日を過ごした。
帰ってきた両親まで、「大丈夫か?」と聞かれた。
僕は曖昧に頷いて、その日をやり過ごした。
翌日になって、僕はいつもの時刻に目覚めた。
僕は着替えや食事などを済ませモモちゃんの家に向かった。
家の前に立ち、インターホンを鳴らす。
「僕だよ、モモちゃん」
「シュンちゃん?待っててね」
そう言って切れる。
僕は待っていると、ドアが開きモモちゃんが顔を出した。
「シュンちゃん、今日は大丈夫?」
「ああ、おかげさまで、大丈夫だよ」
「そう、良かった」
そう言ってモモちゃんは微笑む。
その笑顔が遠くに感じる。
「シュンちゃん…いままで『練習』に付き合ってくれてありがとうね」
笑顔のままモモちゃんが続ける。
いままで、ありがとう、か。


第13話

これからはもう、僕は要らない、と言うことか。
「それでね…」
「君はは誰だ?」
さらに続けようとするモモちゃんに後ろから声が掛かる。
僕は振り返る。
そこには師走先輩がいた。
背は僕よりも高く、落ち着いた雰囲気を持っているように見える。
顔は、僕の負け惜しみが入るかもしれないが可も無く不可も無くといったところ。
そして、モモちゃんを手に入れた人。
「師走先輩?」
僕は思わず声を出す。
先輩は自分の名前を知っていたことを驚いたような顔を浮かべる。
「君は?」
「僕は…」
「同じクラスのシ…若草君です、先輩」
モモちゃんが先輩に紹介する。
僕らは2人きりで無い時は苗字で呼び合う。
そして、同じようにモモちゃんが
「この人が師走先輩だよ」
と僕にとって分かりきったことを言う。
なぜ、先輩がここに?
「先輩はどうしてここに…?」
「君こそどうしてこんな所にいる?」
先輩に聞き返された。
質問に答えてくれてもいいじゃないか。
「僕は…長月さんに呼ばれまして、先輩の方は?」
モモちゃん、と言いそうになるのをなんとか止めて言う。
先輩は僕を無視してモモちゃんに向き合う。
「モモ、昨日のことだが」
昨日のこと。
モモちゃんと先輩がHなことをしている情景が思い浮かぶ。
「俺には納得できない」
先輩が静かに言う。
何が納得できないのだろう。
「え、それは…」
「別れよう、って何だよ?」
モモちゃんの声を遮り先輩がわずかに声を大きくして言う。
別れる?誰が?
「昨日、言ったじゃないですか…先輩」
モモちゃんが困ったように言う。
僕の心に光が差す。
これはつまり。
「別れましょう、だけで納得できると思うのか、モモは?」
モモちゃんに一歩足を詰める先輩。
困ったようにしているモモちゃん。


「長月さん、ちゃんと説明しないと先輩も分からないよ」
僕が口を挟む。
そうだ、僕も聞きたい。
先輩を振るモモちゃんの言葉を。
そして見たい。
モモちゃんに振られる先輩の姿を。
「う…うん…わかった…」
彼女は訥々と語りだす。
「私、先輩のこと好きでした」
「だったら…」
なぜ、自分と別れるんだ、とでも続きそうな感じで先輩が言う。
それを無視して続けるモモちゃん。
「先輩のこと考えると、ドキドキして幸せな気分になりました。」
「それなら…」
「でも、しないんです」
「えっ?」
虚をつかれたような表情の先輩。
「今は先輩のこと考えてもドキドキしないんです。何も感じないんです」
自分でもなぜなのかわからない、と言った感じで言葉を続けるモモちゃん。
「俺の何が悪いんだ?確かに、最近すれ違いが多かったけど…」
何も感じないと言われて衝撃を感じた様子の先輩。
それでも言葉を紡ごうとする。
僕は、喜んでいた。
目の前でモモちゃんが先輩に何も感じないと言ったことと、衝撃を受けている先輩を見て。
「先輩のせいじゃ、無いんです。ごめんなさい」
心から済まなそうに言うモモちゃん。
つまり、モモちゃんにとって、先輩との仲は終わってしまったのだろう。
「じゃあ、こいつか!?」
僕を睨み付ける先輩。
この状況から、僕が間男なのだと考えたのかもしれない。
その認識は正しく、恐らく彼が考えている以上のことを僕はした。
「お前のせいか!?」
僕に詰め寄る先輩。
僕は何も言わない。
「やっぱり、お前なんだろう!」
そう言って僕の顔を殴る先輩。
先輩が僕のしたことを知ったら、殺しても足りないだろう。
「うぐっ…」
口の中に血の味が広がる。
「シュンちゃん!?」
僕に駆け寄るモモちゃん。
そして、呆然とする先輩。
「その…すまない…」
あまり、人を殴ったりするのになれていないんだろう、僕もだけど。
手を出したことに先輩自身が動揺していた。

「ひどい…!どうして殴るんです、先輩!?」
僕ではなく、モモちゃんが先輩を責める。
信じられない、と言った表情で。
そして、次には嫌悪が浮かぶ。
「先輩なんて、嫌いです!もう、顔も見たくない!帰って!」
「俺…俺は…」
モモちゃんになじられる先輩。
モモちゃんに完全に否定された先輩。
未だショックを顔に浮かべながらもそのまま、力なく去っていった。
そして、僕は笑いを堪えていた。
笑いを堪えるのがこれほど大変とは思わなかった。
今日の出来事は良かった。
僕を殴った先輩に感謝してもいい。
そのことで、モモちゃんは先輩に『顔も見たくない』と言い放ったのだから。


第14話

打ちひしがれた先輩の後ろ姿を見ながら、歪んだ喜びを得ていた。
「シュンちゃん、大丈夫?」
心配そうに僕に寄りそうモモちゃん。
「大丈夫だよ」
安心させるように、ニッコリと笑う僕。
大丈夫ではない。
自分の醜い笑みを隠すので大変なのだ。
「本当に?無理してない?」
こういうところは少し鋭いかもしれない。
「そうだね…モモちゃんが抱きしめてくれるなら直るよ」
「本当?」
そう言って僕を抱きしめるモモちゃん。
とても、安らぐ。
「そういえば、話って何?」
面白いものを見れたが、これは本題ではない。
話がある、と言われて来たのだ。
「あのね、部屋で話そ…」
そう言って僕を部屋に招くモモちゃん。
僕たちはモモちゃんの部屋に入る。
「あのね…まずは、先輩とお別れしたことを話そうと思ったの…」
その話はたっぷりと今見た。
「他にも何かあるの?」
僕はモモちゃんを促す。
ためらいがちに、顔を赤くしながらモモちゃんが話し出す。
「あのね、今は…シュンちゃんなの」
「何が?」
「シュンちゃんのこと、考えるとドキドキするの。それで、つい一人でね、練習いっぱいしてたの」
『練習』、モモちゃんは僕のことを考えていっぱいオナニーしてたのか。
もじもじと続けるモモちゃん。
「先輩と別れてすぐ、こんなこと言うの、良くないかなって思うんだけど…」
僕は早く続きが聞きたい。


「シュンちゃん、私と恋人になってほしいなって言いたかったの」
もちろんシュンちゃんが良いならだけど、とモモちゃんは締めくくった。
モモちゃんは僕をじっと見つめる。
僕はモモちゃんを抱きしめてキスをした。
「ん!?」
一瞬、驚いた表情を浮かべるが『練習』で慣れたモモちゃんはすぐに応じた。
「ちゅ…ん…んむ…んん…」
互いの口内を味わい口を離す。
唾液が糸を引いて、切れる。
「僕も、モモちゃんが好きだよ。だから、恋人になろう」
「うん!」
そうして、僕らは恋人同士になって、初めてのキスをした。
「あのね、シュンちゃん…」
キスを終えた後、モモちゃんが僕に話しだした。
「今まで、いっぱい練習、したよね」
「そうだね」
「今日は…その……本番……しよ」
途切れ途切れで最後はほとんど囁き声だったが、僕にはきちんと聞こえた。
「わかった、しよう」


僕たちは脱衣所で全裸になり、浴室に入った。
僕はモモちゃんの体を見る。
いつも、『練習』で見ていた体。
それが、僕のものになる。
そのことがいつもより僕を興奮させた。
「じゃあ、体を洗おうね…」
僕たちは念入りに洗った。
オチンチンは射精しないように気をつけて洗ってもらったが、僕はモモちゃんを遠慮なく味わった。
舌をモモちゃんの乳首に口付け、手を乳房に置く。
そして、舌と手でじっくりモモちゃんを堪能する。
「ああっ…シュンちゃん…やあっ…ああん」
初めては痛いというから、たっぷり準備しないと。
僕は今度はモモちゃんの足を開いてその中に指を挿れる。
そこはすでに濡れている。
「あっ…いいよ…シュンちゃん…やっ…もっと…やああ…」
もともと濡れていたが、どんどん潤いが増していく。
僕はこれからのことを考え念入りに舌を使う。
「やん、あっん、ん、んあ、もう、だめ」
「我慢しなくて良いよモモちゃん」
その言葉が合図になったのか、
「ああ、やっ、あああああああああああああああああああ!」
モモちゃんはイった。
ぐったりするモモちゃん。
これからが本番だ。
「じゃあ、準備もできたし、モモちゃんの部屋に行こう」
「…うん」


僕たちはモモちゃんの部屋に戻った。
体をきれいにしたし、モモちゃんも僕を受け入れる準備を整えている。
だが、その前に
「ちょっと待ってて」
「えっ?」
僕は避妊具を用意する。
万一妊娠したら、僕とモモちゃんは引き離されてしまうだろう。
せっかく先輩からモモちゃんを奪ったのだ。
そんなことになったら目も当てられない。
それに、モモちゃんもまだ妊娠など望まないだろう。
「シュンちゃん…ありがとうね」
避妊具をつける僕に感謝を言うモモちゃん。
モモちゃんの初恋を滅茶苦茶にした僕に感謝される資格は無い。
それでも僕は
「モモちゃんのためだからね」
と言った。
お為ごかしとはこのために作られたなのかと思うほど、ピッタリの状況だった。
「じゃあ挿れるね…」
「うん」
少しお互いの声に緊張が含まれる。
初めては大丈夫だろうか。
「あっ」
「うう」
2人の声が重なる。
先っぽが入っただけだが、早くもモモちゃんの体は僕に快感をもたらしている。
ゆっくり、ゆっくりと僕がモモちゃんに入っていく。
そして、
「痛い!」
モモちゃんが痛みを訴える。


第15話

モモちゃんの初めてを僕が奪ったのか。
苦痛の声がその実感を僕に与える。
「大丈夫、モモちゃん?」
「うん、平気…シュンちゃんは?」
健気にも僕のことを聞いてくるモモちゃん。
「うん、モモちゃんの中とっても気持ち良いんだ…続けるよ」
「うん…私たち一つになったね…」
痛みに耐えながら、そんなことを幸せそうに言うモモちゃん。
そのまま僕はモモちゃんの中を進む。
この快楽はどこまで続くのだろうか。
「うう…痛……痛いよぉ…」
痛みに耐え切れず涙を流すモモちゃん。
僕はモモちゃんにキスをしてなんとか痛みをごまかそうとする。
そして、最後まで到達する。
僕はゆっくりと腰を動かす。
「モモちゃん、ごめん」
「痛い……いや……ぐっ…」


腰を動かせば動かすほど快楽が僕に押し寄せる。
もっと、もっと、モモちゃんが欲しい。
その欲求に従い、だんだんと腰の動きを強くする。
「いやぁ……あう……痛…」
苦痛と戦うモモちゃん。
モモちゃんの声に構わず僕は快楽を求める。
もう、だめだ。
「モモちゃん、モモちゃん、モモちゃん!」
僕はモモちゃんを呼びながら射精した。
こんなに気持ちのいいことは初めてだった。
僕はモモちゃんの初めてを手に入れた喜びと快感に酔いしれた。
一方、モモちゃんは痛みから涙をぽろぽろ流していた。
そのことすら、僕の満足を深めるものだった。
「ごめんね、モモちゃん」
「ううん、シュンちゃんと一つになれたから…」
だから、いいの。
そう言って微笑むモモちゃん。
僕はモモちゃんを抱きしめる。
「モモちゃん、愛してる…」
「シュンちゃん、私も愛してる…」



そこで、目が覚めた。
夢か。
まったく、しょうもない夢を見る。
昨日は風呂にも入らずに寝てしまったのを思い出す。
時計を見ると、もう両親が出かけている時間だ。
とりあえず、風呂場でシャワーを浴びて僕は頭と体をすっきりさせる。
その後台所に行き、味噌汁などを用意して、遅めの朝食をとる。
「やれやれ、今日はゆっくりしようかな…」
そんなことを考えながら朝食を食べ終える。
ぼんやりとしていると、インターホンが鳴った。
「誰だろう?」


出てみるとモモちゃんだった。
「シュンちゃん、入っていい?」
僕はいいよ、と答える。
「シュンちゃん、どうして家にこなかったの?」
「今日は、ゆっくりとしようかと…」
「じゃ、私と2人でゆっくりしようね…」
そう言ってキスしてくるモモちゃん。
本当に、しょうもない夢を見たものだ。
夢じゃなくてもモモちゃんはいるのに。
「ん……んちゅ……んん」
キスを終える。
「ねぇ、モモちゃん、先輩のこと、良かったの?」
「あんな人の話、もうしないで…シュンちゃん」
モモちゃんの声に乗せられた嫌悪に僕は満足する。
モモちゃんを手に入れたことを実感する。
僕は歪んだまま変わらなかった。
モモちゃんは歪んでしまった。
「じゃあ、しよっか…」
「えっ…今日はゆっくりと」
「私がするから、シュンちゃんはゆっくりしててよ」
そう言って、自分の服を脱ぎ、僕の服を脱がせて、避妊具を僕のオチンチンに被せる。
そして、僕を下にして、モモちゃんが上からまたがる。
中はもう僕を受け入れる準備ができていた。
「んっ……あっ…シュンちゃん…気持ちいい…」
「モモちゃん、すっかりHになっちゃったね」
「ああん…シュンちゃんの、せいっ…だよ…やん」
モモちゃんの初めてを僕が奪ってから1週間。
最初のうちは痛がっていたが、今では僕たちは2人で快感を味わうようになっている。
「ああん…シュンちゃん……いい……やあん……」
「うう……モモちゃん……ああ……最高だよ……」
モモちゃんが腰を動かすたびに僕とモモちゃん双方に快感がやってくる。
僕は結局、幸せになれたと言えるだろう。
初恋を叶えたのだから。
でも、モモちゃんは?
初恋を僕に踏みにじられたモモちゃんは幸せなのだろうか?
僕の犯した様々な過ちはモモちゃんにとって本当に良かったのだろうか?
そんな疑問もモモちゃんから与えられていく快感に消えていく。
「ああん…シュンちゃん…愛して、るよ…やぁん」
「僕も、くぅ…愛してる、くっ、モモちゃん…!」


僕たちの関係は歪んでしまった。
モモちゃんと僕は恋人同士となり互いに悦びを与え合う。
僕の望みは果たせた。
僕は自分の犯した罪と過ちを悔やむことはあっても、正すことは決してしない。















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