石田蝉乃坊 作

官能小説『無防備な獲物』



第1話

暑い夏の日だった。
俺は、冷蔵庫から、よく冷えた缶ビールを取り出し、爪をプルに引っかけて抜いた。
喉越しの刺すような刺激が心地よかった。
缶の半分ほどのビールを流し込むと、ようやく身体の熱が少しは引いていく気がした。
高校の1年のころから、時々口にするようになっていたビールでは、少しも酔う気がしなかった。
その上にこの暑さだ。
飲んだそばから、ビールは、俺の身体から、蒸発して抜けていくような気がする。
部屋にエアコンはあるが、スイッチは切ってあった。
今日は、昼間からビールを飲んでも、文句を言う母親は、居なかった。
単身赴任中の親父の所へ行ったのだった。
毎年、夏休みに入ったこの時期は、普段滅多に帰ってこない親父の大阪のマンションに監視と掃除を兼ねて、1週間程度滞在するのが恒例だった。
俺にとっては、久しぶりに羽根を伸ばせるいい機会なのだが、今年は、少し違った意味を持っていた。
妹の彩を身も心も俺のものにする記念すべき日なのだ。
俺は、もうすぐ帰ってくるであろう彩の事を考えると股間の中の欲望が膨れ上がってくるのを感じていた。

彩は、俺と3つ違いで、今の母親と親父が16年前に再婚し、すぐ生まれたのが彩であった。
母親が違うせいか、お世辞にも美男子とは言えない俺と違って、彩は子供の頃から、近所でも評判の美しく可愛らしい女の子であった。
その頃は、俺も、彩のことはとてもよく可愛がっていたし、彩もまた、そんな俺を慕っていた。
人並み以上に、成績も性格もいい彩は、何かに付けて、親父と新しい母の自慢の種だった。
逆に、比較される俺は、新しい母親とは、あまり折り合いの良くなかったせいもあって、次第にいじけて素行が悪くなっていった。
そして、妹の彩に対しても、かつての純粋な愛情が、どす黒い嫉妬や不純な欲望に変わっていた。
何不自由なく育ち、将来の幸せも約束されているような彩を、めちゃめちゃに破壊したいような衝動に駆られるようになっていった。
そして、俺は、中学に入ると、悪い友達と付き合うようになり、いろいろな経験を経て、性への知識や願望も深まっていった。

ひと月ほど前の蒸し暑い夜だった。
その夜は、遠い親戚が急浙し、親父も母親も夜遅く通夜に外出したため、広い家に俺と彩の二人きりであった。
その夜も友人の家で、破廉恥な裏ビデオを見ていた俺は、身体の中で猛り狂っていた若い欲望を鎮めるために、帰宅したあと、冷たいシャワーでも浴びようと、風呂場のドアを開けた。
「きゃっ」
風呂上がりで全裸の彩が、慌てて身を縮めた。
「あ、わ、わりい」
慌てて風呂場のドアを閉めたが、俺の心の中は、今しがた見た彩の白い裸身が焼き付いていた。
彩は、とても15歳とは思えないような成熟した体つきをしていた。
幼くまだ硬そうであるが、乳房は形よく膨らんで、腰の括れも、もう大人の女のものといってもよかった。
それに俺の目を一番引いたのは、彩の白い肌に際立った黒い翳りだった。
まだ、幼い顔立ちとは不釣り合いなほど、黒く縮れて、俺の劣情をひどく刺激した。
裏ビデオに掻きたてられていた俺の若い欲望は、理性で押さえ切れないほど、暴れ狂い、とうとう俺を悪魔が支配した。
俺の行動は自分でも驚くぐらいに、迅速で巧妙だった。
両親が不在で、今夜は帰らないことを両親からの置き手紙で知っていた俺は、そのまま主のいない彩の部屋に忍び込んだ。
久しぶりに踏み込んだ乙女の領域は、俺のどす黒い心の中とは対照的なほど、明るく健全で、それがつい先ほど浴室で見た、彩の大人びた肢体と不似合いで、余計に俺の理性をかき乱していた。
(俺は何をしようとしているのだ…)
俺の中にいるもう一人の俺が、俺の心を支配した狂暴な悪魔に問い掛けてくる。
しかし、俺の中の悪魔は、強情だった。


第2話

心臓が喉から飛び出してくるような錯覚に襲われながら、俺は彩が部屋に戻ってくるのを身を潜めて待った。
渇ききった喉が、唾液を呑み込む度に、驚くほど大きな音をたてていた…

トントントン…ガチャッ。
ほどなく、部屋に入ってきた彩を俺は背後から、ベッドに突き飛ばした。
「きゃっ」
当然、自分一人きりだと思っていたのであろう。
不用心にも、彩は、体にバスタオル一枚を巻いただけの姿だった。
不意をつかれた彩は、あっけなくベッドの上に倒れ、体に巻いたバスタオルがはだけて、彩の白い肌が剥き出しになった。
濡れた髪を覆っていたタオルがとれて、彩の長いストレートの髪が、シャンプーの甘い香りを振りまいた。
「お、おにいちゃん…」
彩の白い肌と脅えたように見上げる眼が俺を獣に変えた。
美しいものへの冒涜の願望が俺を突き動かした。
俺は、体中の血が、かっと燃えあげるのを感じ、彩に襲いかかっていった。
「だめっ、いやあ」
素行が良いとは言えないが、信頼していた兄が、別人のようになり、自分に乱暴しようとしているのだ。
彩は必死に抵抗したが、あまりに無警戒な格好であった。
俺は、バスタオル一枚を造作なく剥ぎ取り、彩におおいかぶさっていった。
「だめ。おにいちゃん、いや」
彩は力の限り抵抗したが、所詮、15歳の少女の力である。
苦もなく俺は組み伏して、彩の小さな唇にしゃぶりついた。
「うう、う」
俺の口の中で彩の呻きが篭っていた。
彩の必死の抵抗が、いっそう俺の衝動を大きくした。
俺は、彩の唇を強引にこじ開けると、舌を彩の口の中にもぐらせていった。
彩の口の中は何とも熱く柔らかい感触だった。
最初は、懸命に舌の侵入を拒んでいた彩であったが、その抵抗の力が次第に弱くなっていき、ついには、意外にも、自分から積極的に舌を絡めてくるようになっていた。
幼いとはいえ、この年頃になれば、俺がこれから彩にどういう行為をしようとしているかは、分かっているはずである。
彩は、長い長いディープキスの後に、はっとするような艶かしい眼をしながら、囁いた。
「おにいちゃん…。お願いだから、優しく…て」
彩の全身から力が抜けていた…。

俺は、はやる気持ちで、服を脱ぎ去り、彩と同じように全裸になった。
俺の下半身は、緊張と興奮で、硬く突っ張っている。
「彩…初めてか…」
彩は恥ずかしいのか、両手で顔を覆って、小さく頷いた。
そのため、彩の翳りは、蛍光燈の下に晒されている。
「はずかし…い。電気を消して…」
彩のささやかな訴えを俺は無視した。
彩の意外に従順な態度が、俺の加虐的な欲望を煽っていたのだった。
俺は、出来るだけ彩に恥ずかしい思いをさせてやりたくなり、彩の両足首を持つと、大きく開かせた。
「いやっ」
彩は、覆った手の中で小さく叫んだ。
顔ははっきりと分からないが、耳まで赤くなっている。
俺は、彩の両足の付け根の翳りの中に舌を這わせていた。
「ああん」
彩は、ビクンと体を震わすと、広げた脚を閉じようとしたが、掴んだ俺の手がそれを許さなかった。
俺は、夢中になって、彩の翳りの中の密やかな割れ目に舌を這わせた。
「あ、ん、や…、ん」
彩は、俺の舌の動きに合わせて、耐えられなくなったように声を漏らした。
俺は、わざと唾液を出して、堅く閉ざされた割れ目に塗り付けていった。
びちゃっ、びちゃっ。
俺の口が彩の割れ目を吸い上げると、淫らな音が響いていたが、俺の唾液のせいだけではないに違いない。


第3話

俺は、彩の十分すぎるほど、官能的な反応に驚いていた。
「ほら、彩、しゃぶるんだ」
俺は、起き上がり、彩の上体を抱き起こすと、彩の顔の前に硬直した肉棒を突き出した。
抵抗する彩の濡れた黒髪を乱暴に引っ張ると、彩は観念したように目を閉じると俺の肉棒を小さな口に含んでいった。
「うう」
彩の口の中の柔らかさと、妹に淫らな行為をさせている、という思いが、俺の全身の興奮を増長している気がした。
俺は彩に俺自身が気持ち良くなるようにいろいろと指示した。
彩が抵抗すれば、彩の髪の毛を引っ張って、言う通りにさせた。
彩の舌先が俺の肉棒を這い上っていき、俺は、首の後ろのあたりがジーンと痺れるのを感じた。
このまま、彩の口の中で果てても、いいのだが、俺は別の選択をした。
俺は、彩と結合すべく彩を四つん這いにさせた。
彩を獣のように後ろから犯すつもりだった。
彩は、俺の意図を察して、激しく抵抗した。
俺の肉棒はいまにも果てそうなほど膨張していた。
「彩、犬のように、後ろから犯してやる」
彩は、犬が好きであった。
俺は、彩に宣言してから、彩の双丘を割った。
彩の割れ目が、ぱっくりと口を開け、淫らに充血した花肉を露わにしていた。
「いやあ。おにいちゃん。いや。こんなの、いやあ」
さすがにいきなり後背位で犯されるのは、抵抗があったのだろう。
彩が、また、激しく抵抗したが、もう、こうなっては、逃げようがないし、逃がすはずもない。
俺は、濡れた花弁の真ん中を肉棒で一気に貫いた。
彩の処女を貫いたのだ。
少女の肉のきつい抵抗が、猛り狂った肉棒にとろけるように心地よかった。
「ひい、いやあ、だめえ。いたあい」
彩は、子供のような泣き声をあげた。
外見はもう大人でも、年齢では、まだ、子供なのだ。
俺は、一瞬だけ、良心の呵責に苛まれた。
しかし、一瞬だけだった…。
再び、悪魔に戻った俺は、必死に肉棒から逃れようとする彩の腰をしっかりと捕まえて、ゆっくりと彩の柔肉の感触を楽しんだ。
うっとりするような快感が俺の中を駆け巡っていた。
「ううっ」
俺は、耐え難くなり、放出が近い事を呻き声で知らせた。
「だめ、おにいちゃん、赤ちゃんができちゃう。中は…、だめえ」
彩の声を合図にするかのように俺は、暴発寸前の肉棒を抜き去り、糸が切れたように横倒しに倒れ込んだ彩の顔から、乳房にかけて、欲望を放出した。
「ああ、あ…」
ドクン、ドクンと脈を打って、肉棒がひきつける度に、すえた匂いの白濁液が、彩の顔中を汚していった。
俺の欲望の強さに比例するように、溢れ出す汚液は、尽きる事がないかのように、大量に飛び散っていた。
俺は、彩の口を無理矢理に開けさせ、その中にも、たっぷりと流し込んでいた。
彩は、大量の精を浴び、うなされるように、顔や乳房にこびり付いた精液を擦り付けていった。
その淫猥な姿に、可憐で清純だった彩の面影は何処にもなかった。
俺は、射精の余韻に浸る間もなく、用意してあったポラロイドカメラで、放心状態の彩を撮影していった。
AVビデオや小説などでよく目にする手口だ。
フラッシュの眩しい光に、我に返った彩は、精液にまみれた顔を布団の中に隠そうとしたが、俺は、力任せにその布団を剥ぎ取り、容赦なく彩の痴態をフィルムに収めていった。
陵辱されたばかりの天使は、残忍な周到さの前には、あまりにも無力だった。
俺は、今夜のことを彩に口外させないための切り札を何枚も手に入れていた。

母親が違っているとはいえ、妹を無理矢理にレイプしたのに、俺の心は、異様なぐらいに高揚していた。


それは、彩を手に入れたという満足感から、来ている事は明らかだった。
俺は、思いがけなく手に入れた玩具をこころゆくまで、堪能した。
とはいえ、普段は、両親の目があり、彩と二人だけになる事はできない。
俺が彩を弄るのは、両親が寝静まった深夜に限られていた。
しかも、階下で寝ている両親を気遣ってのいたぶりだ。
俺は、毎晩2時くらいになると、彩の部屋に忍んでいき、彩を弄んだ。
一度、犯された事で彩は驚くほど従順になっていた。
もっとも、彩が拒絶したとしても、あの日撮影したポラロイド写真が威力を発揮するだけだ。
彩は俺の言いなりになって、毎晩のように俺の前に、若い素肌をさらした。
時間もないので、せいぜい、フェラチオさせたり、オナニーさせたりするぐらいのことしかできないが、俺は、嫌がる彩にそうした行為を強制させることで、サディスティックな願望を次第に膨らませていた。
俺は、彩を本格的に、苛めてみたいと思い始め、その機会をうかがっていた。
だが、俺が大学進学のため関西に移り一人暮らしを始めた頃から、その歪んだ関係は自然に消滅して行った。もし、あのまま俺が実家で暮らしていたら妹とはどうなっていたのやら…。















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