くらま 作

官能小説『しずくさん、目覚める』

第1話

 人魚になった僕は、ひかりに手を引かれて大広間を出た。そこは大きな一枚岩だった。壁面には無数の穴が開いている。
「ここが、ひかりの集落?」
「そうだよ。先祖代々、穴を開け続けてるんだ」
 ひかりは人魚族について説明してくれた。
1.人魚族の家は岩に穴を開けて作る。
2.既存の洞窟等があれば、最大限利用する。でも、この地域には使用可能な洞窟は残っていないとのこと。
3.岩穴を削るのは男の仕事である。
4.狩りも男の仕事である。
5.女の仕事は出産・子育て・家事である。薬作りも女の仕事。
6.婚姻形態は一婦多夫制。相手の選択権は女にあり、選ばれた男は拒否できない。

「ここがあたしの家。家っつうか、部屋だけど。ま、上がって、上がって」
 ひかりの家に連れてこられた。ヒト2人がギリギリ通れる程度の横穴だ。横穴は一番奥で右に直角に曲がっており、曲がった先は少し広くなっていた。どうやら、ここが部屋らしい。当然のことながら、内部は海水で満たされている。
「見えないよ」
 中は真っ暗闇だ。僕はひかりの手を離せない。
「あ、そうか…」
 ひかりは苦笑したらしい。
「ソナー使って」
「ソナー?」
 ひかりは僕に説明してくれた。人魚族の特殊能力の一つに、ソナーがある。イルカやクジラが使うクリック音と同じものだ。メロン体から超音波を出して、その反射で“見る”というもの。
 僕は、こわごわ使ってみた。
「う、うわっ!」
 周囲の様子が強烈なイメージとして脳内に飛び込んできた。でも、一瞬だけなので、何がなんだかさっぱり分からない。
「一瞬で終わり?」
「そうだよ。見えたでしょ?」
「見えることは、見えたけど…」
 僕には使いこなせないぞ。物の形と距離を一瞬のうちに判断して、有効な情報を取捨選択するなんて離れ業は…。
「なら、いいでしょ?」
「慣れれば…。しばらくは視覚に頼らないと。っていうか、頼りたいなぁ^^;」
「あたしの部屋、明かり取りが無いから…」
 ひかりは僕を抱き寄せながら呟いた。
「その話は、明日にして…」
 ほとんど声が聞き取れない。
「もう…寝ましょ…」
「うん」
 僕の声も言葉になったかどうか…。僕たちは深い眠りに入っていった。

 翌朝…だろう、たぶん(^^;)僕たちは目を覚ました。
「くらま、おはよ」
「おはよう」
 僕は覚えたてのソナーを使った。だめだ、ひかりの位置が特定できない…。
「どこにいるの?」
「ここだよ」
 ひかりが手を繋いでくれた。僕は再びソナーを使ってみる。
「うーむ、よく分からないな…」
「そのうち慣れるよ。それより、お腹すいてない?」
 言われてみれば、空腹だった。
「食堂にいこ。しまる前に」
「うん」
 僕はひかりに手を引かれて家を出た。片手を使って壁を触りながら移動したが、暗闇の中で何度か頭や身体をぶつけてしまった。
「いたた…」
「明かりの入る家に引っ越さないとダメみたいね…」


第2話

 僕たちは食堂に入った。そこは昨日の大広間のように空気がある所だった。壁際にカウンターがあり、料理が並んでいる。多くの人魚がその前の水面に浮きながら、食事をしていた。
「浮きながら食べるんだ…」
 僕は自信が無かった。尾びれの使い方を完全にマスターしたワケじゃないのだ。新しい脚は、僕にとっては手ごわい相手だった。
「うん。でも、くらまは無理そうね。あっちの岩に腰掛けて食べましょ」
 カウンターの反対側には岩棚があり、そこに腰掛けて食事をしているヒト達もいた。
「子供と老人ばっかり…」
「気にしないの。料理を貰おう。くらまの分も運んであげるね」
 僕はひかりについて行った。色々な人から親しげに声をかけられるので、面食らった。
「人魚ってフレンドリーなんだね…」
「それは、くらまが有名人だからよ」
「??」
 僕が立ち止まって考えていると、ひかりが説明してくれた。
「人間から人魚になったのは、この村では800年ぶりかな?」
「?! 800年?!」
 ひかりは頷いた。
「だから、あなたは有名人。若長と同じぐらいのランクかな?」
 昨日の若長かぁ…。ところで、人魚のランクってなんだろう? 腕っ節の強さかな?
「うーむ…」
 ガリガリ。勝手に祭り上げられても困るな…。僕はひかりと一緒に居たかっただけなのに…。
「悩むのは、あと! ほら!」
「う、うん」
 僕はひかりに引っ張られた。

 なんとか食事も終わり、僕たちは食堂を離れた。
「どこに行くの?」
「隣の“しずく”さんの家。寝るときだけ家をかわってもらえないか、聞きに行くの」
「どうして? ひかりの家でいいんじゃない?」
 ひかりはため息をついた。
「あたしの家だと、くらまの頭の形が変わっちゃうでしょ? しずくさん家は、明かりが入るから、見えるよ」
「ごめんねぇ…」
 僕たちはしずくさんの家にお邪魔した。呼び鈴も扉もないので、勝手に入っていく。横穴はひかりの家よりも大きく、3人ぐらいが並んで通れそう。少し上に向かって上っている通路は、柔らかい光に包まれていた。太陽光線を取り入れられる構造の家らしい。
 通路を進むと、正面にキラキラしている所があった。水面だ。僕たちはそこから顔を出した。
「ぷはぁー」
 つい反射的に空気中に出るとやってしまう。この習慣は、治りそうにないな…。
「あら、ひかりさん。どうかなさったの?」
 僕たちに声がかけられた。お上品な感じの声だ。そこは時代劇に出てくる薬問屋みたいな部屋だった。壁に小さな窪みが無数にあり、袋に入った何か(薬の材料だろう。たぶん…)がいっぱい並んでいた。その前にテーブル状の岩があり、薬草をゴリゴリ磨り潰すアレ(名前失念^^;)が乗っていた。
 テーブルの前に座っていた女の人は、すごく上品な感じだった。お嬢様がそのまま大人になったような…。
「こんにちは、しずく姉さん!」
「はい、こんにちは」
 女の人は横すわりしていた。水からあがって時間が経っているらしく、まっすぐの髪は完全に乾いていた。尾びれの先だけは海中に入っている。
「っと、くらまぁ?」
 僕もひかりに続いて岩の上に上がろうとしたのだが、うまく身体が進まない。腕だけでの生活は、大変な試練だぞ。


第3話

「上がれる?」
「なんとか…」
 ふうー。腕がプルプルする。鍛えなきゃ…。
「大丈夫ですか? 鎮痛剤を調合しましょうか?」
 しずくさんの声に、苦笑で答えた。
「今は、いいです…」
「それなら良いですけど…」
 しずくさんは顎に指を当てて少し顔を傾けた。納得していないのは明白である。
「で、今日は何の御用? 鎮痛剤ではないとすると…」
「夜の間だけ、部屋を替わって下さい」
「どういうことかしら?」
 ひかりが説明する。
「なるほど。それは大変ですわね。わたくしも、外科的心得はありませんから、変形してしまった頭は治せません」
「あいかわらず、冗談が通じないヒトだなぁ…」
 ひかりが小さく呟いた。この女性は、凄く素直に育ってきたんだな。少し周りとはズレてるけど(^^;)
「冗談? どういうことです?」
 訝しげなしずくさんに、ひかりが答えた。
「それはいいから。替わってもらえます?」
「いいですよ。ただし、一つだけ条件がございます」
「なんです?」
「夜中でも緊急の調合が必要になることがあります。その場合はこちらの部屋に入ることになりますが、それでもよろしいですね?」
「それは、全然。手が必要なら叩き起こして下さい。くらまはともかく、あたしは役に立ちますよ」
「ひどい…」
 でも、ひかりの言うとおりだった。僕は猫よりも役に立たない。
「ひかりさん、それはあんまりな言い方では?」
「事実ですっ!」
 そう力説すると、小さなため息をついた。
「ダンナ貰ったつもりが、大きな子供をもらったみたい…」
「しくしく…」
 僕が泣きまねをすると、ひかりが抱きついてきた。
「でも、大好きだよっ! くらまぁ!」
「お、おい…。しずくさんが見てるよ…」
 僕はうろたえた。しずくさんはにっこり笑って微笑んだ。
「仲良きことは、美しきかな…ですね」
 ズレてる(^^;)
「くらま? いま、くらまとおっしゃいました?」
「あ、紹介してなかった」
 ひかりはぺろっと舌を出した。
「しずく姉さん、これが、くらまです。あたしのダンナ」
 ダンナ…と呼ばれて少し照れた。僕はしずくさんに頭を下げた。
「くらまです。色々とご迷惑をおかけして、すいません」
「迷惑ではありませんよ。気にしないでくださいね」
 しずくさんは調合の手を休めると、僕の顔をじーっと見た。
「はい?」
「精神安定剤は、まだ入用ではないようですね。必要であれば、いつでも言って下さいね」
「精神安定剤? 僕がですか?」
「昨日まで人間だったのでしょう? 環境が激変していますよね? 気が張っている今は不要でしょうが、ふっと気が抜けたときは怖いですよ」
「そうなのかな?」
 僕はいまいち自覚が無かった。
「少し、心配です。それに…」
 しずくさんは少し下を向いた。心なしか頬の辺りがうっすら赤くなっている。
「興味もありますし…」
「あれれ? 赤くなってるよー。姉さん、何に興味があるのかなぁ?」
 ひかりが笑いながらからかった。


第4話

「お二人に…です。もう、何を言わせるんですか!」
 二人の間で交わされる会話の意味が、まったく分からなかった。
「どういうこと?」
「姉さん、貰わず後家なの。なのに、他人の交尾には興味シンシンなのよねぇ」
「ひかりさん!」
 慌ててひかりの方に這ってきて、口を塞ごうとした。ひかりはひょいひょいっと身体をかわす。
「姉さんったら、男嫌いなのよ。人魚の男って、みんな筋肉バカでしょ? あれがダメなんだって」
「え? つまり?」
「男との経験、ゼロ!」
 しずくさんは真っ赤になってひかりのことを追いかけていた。僕たちよりも5~10は上みたいだけど、処女なのか…。あらぬ妄想が頭の中を駆け巡り始めたとき、ひかりにパッコーンとはたかれた。
「いま、ヤラシイこと考えたでしょ?」
「え? ないない! 何も考えてない!」
 僕は必死で誤魔化した。ひかりはジト目で僕を見ながら、こう言った。
「じゃあ、それは?」
 ひかりの指先は僕の下半身を指していた。やばっ。チンチンが少し顔を出してる。
「身体は正直だねぇ…」
 僕は恥ずかしくて下を向いた。
「あら? これがくらまさんの生殖器ですの?」
 ひかりを追いかけていたしずくさんも、興味シンシンの顔で覗き込んで来た。2人の視線を感じて、僕のチンチンは完全に勃起してしまった。下半身のウロコの一部が肌化し、完全に発情状態になっている。
「姉さん、くらまみたいなタイプなら大丈夫なんじゃない?」
「どうやら、そのようです。わたくし、女性しか愛せないのかと思っていました…」
「それって、つまり…」
 ごきゅ。
「ひかりとしずくさんは…」
「うん。愛し合ったことあるよ」
 あっけらかんと言う、ひかり。恥ずかしそうなしずくさん。
「聞きたい?」
「うん!」
 ひかりは話し始めた。話しながら、しずくさんを抱き寄せる。どうやら、ひかりが男役(タチ)らしい。
「姉さん、最初の発情期の時に、痛かったらしいのよ。それでその相手には三行半を突きつけて、追い出しちゃった」
「それで処女なの?」
「チンチンは中まで入らなかったんだって。それ以来、男が怖くなって…」
「男性恐怖症になってしまいました」
「そっかぁ…」
 僕は頭の中でひかりとしずくさんのHシーンを想像した。官能的な絵が浮かんでくる。
「想像してる、想像してる」
「だらしない顔ですね」
 僕はよだれが垂れそうになるのを、慌ててぬぐった。
「どうしたのかなぁ? こんなにチンチン腫れてるよ?」
 ひかりがチンチンを握ってきた。
「はうー」
 そんな僕に構わず、しずくさんがひかりに尋ねた。
「ひかりさん、初めての時は痛くなかったんですか?」
「痛かったよ。こんなのが入ってくるんだもん」
「そうですよね…」
「でもね…」
 手のペースが上がる。しずくさんに見られていることも相まって、快感もひとしおだ。
「だんだん、気持ちよくなった」
「そうなんですか…」
 ごきゅ。しずくさんだ。
「わたくしも、触ってみても…よろしいですか?」



第5話

「噛み付かないから、大丈夫^^」
 ひかりがチンチンから手を外した。オズオズとしずくさんが握ってきた。最初はすごく軽く。そのうちに、もう少し力を入れて。
「硬い…。それに、熱い…」
「もっと強く握っても、平気ですよ」
「はい」
 しずくさんはチンチンをニキニギした。僕は快感に包まれながら、ひかりを引っ張った。
「どこまでアリなの?」
「しずく姉さん次第」
 僕はさらに尋ねた。
「しずくさんと交尾しても?」
「いいよ」
 ひかりはニヤっと微笑んだ。
「二人で襲っちゃう?」
「へへっ」
 僕とひかりは、しずくさんを押し倒した。
「はい? なにをなさるの?」
「気持ちいいこと」
 ひかりはそういうと、唇を奪った。しずくさんは直ぐに目を閉じ、情熱的なキスをかわし始めた。僕は後ろから、しずくさんのオッパイを揉んだ。しずくさんがクネクネ身体をねじる。
「痛くしませんから。快感に身を任せて下さい。新しい世界が、開けますよ」
 僕は耳元で囁いてあげた。しずくさんの顔がさらに赤くなり、小さく頷いた。抵抗がやんだので、オッパイを揉んだ。痛くしないように細心の注意を払いながら。
「ひかりより…少し小さいのかな?」
「その分、感度が良いの。姉さん、カワイイ声で鳴くのよ」
「言わないで…恥ずかしいですぅ」
 僕とひかりは目配せをした。このウブなお姉さんを、思い切り鳴かせてやろう。
「余分なものは取っちゃいましょう」
「ダメですってぇ…」
 しずくさんの抗議を、僕がキスで塞いだ。文字通りの口封じだ。目を白黒させているしずくさんのビキニを、ひかりがするっと外した。
「もみもみもみ」
「はあー」
 しずくさんは気持ちよさげなため息を漏らした。僕とひかりは二人で舌なめずりをしていた。
「姉さん、カワイイ!」
「痛くしないからね」
 二人でオッパイに張り付き、乳首に吸い付いた。舌先で舐め、転がす。両手を使って、体中を撫で回す。
「あ、あ、あ、あ…」
 しずくさんは思い切り乱れていた。二人に同時に攻められるのは初めてなんだろう。
「姉さん、大好き!」
 ひかりはしずくさんにキスをした。思いっきり舌を差し込み、味わっているらしい。僕は反対側のオッパイを揉みながら、乳首を吸った。
「ぐ、ぐ、ぐ、ぐ…」
 声にならないあえぎ声。しずくさんの身体がピーンと仰け反った。僕とひかりをどかすと、そのまま身体を丸めてしまった。
「イッちゃったの?」
「はあー、はあー、はあー」
 しずくさんは答えられない。背中を指でツツーっとなでたら、力の無い声で言った。
「あ、触らないでぇー」
 僕はひかりを抱き寄せた。キス。そのまま深く深く差し込む。
「くらま、きて」
「うん」
 ひかりは既に受け入れられる状態になっていた。ものすごく濡れているので、軽くチンチンで割れ目を愛撫する。
「あ、あ、あぁぁぁぁぁぁぁぁ」


第6話

 どうやら小さな波がきたみたい。僕は構わず、チンチンを押し込む。
「あ、また来る!」
 ひかりの膣内が、物凄い力でチンチンを締め付けた。僕は全く動きが取れなくなった。
「動けないよ」
「だってぇ…」
 ひかりが仰け反った。また、小さな波が来ているようだ。しばらくすると、やっと動けるようになった。
「いくよ」
「来て! 思いっきり!」
 僕は全速で腰を動かした。
「う、うぅぅっ」
 射精! ひかりの一番奥に注ぎ込む。そのまま力が抜けて、ひかりの上に倒れこんだ。
「すごい…。なんて素敵なんでしょう…」
 しずくさんだ。しずくさんは僕たちのSEXを見ながら、自らのオッパイをもみしだいていたらしい。性器が露出していないのがもどかしそう。
「交尾って、こんなに素敵な行為だったのね…。わたくしも…経験したい…」
「姉さん…」
 ひかりがしずくさんを呼んだ。
「キスして」
 ひかりとしずくさんがキスをした。僕はその光景を見て、再びチンチンが勃起するのを感じていた。
「しずくさん、ごめん。動くよ」
 僕はしずくさんにどいてもらった。ひかりと強く抱き合い、ゆっくりと腰を動かす。
「ひかりさん、気持ちいいの?」
「うん、気持ちよくて、あん、幸せなの」
「あたくしも…」
 しずくさんは僕の背中に抱きついてきた。オッパイが背中で揺れる。
「くらまさんの背中…暖かい…」
 後ろから手を回し、僕の身体を撫で回す。僕はくすぐったさと快感の狭間に居た。
「しずくさん…」
 僕はしずくさんをひかりの隣に横たえた。左手でしずくさんを抱き、右手でひかりを抱く。
「僕と、キスして」
 僕はしずくさんとキスをした。唇を舐めているうちに、前歯が開いてきた。僕はすかさず、舌を差し込む。
「ああっ」
 しずくさんの身体が仰け反る。ひかりの腰が僕を呼ぶ。僕はこの上ない快感に包まれていた。
 するっと僕の腕からしずくさんが抜けた。僕はそのままごろんと仰向けになった。しずくさんはニッコリ微笑むと、ひかりの背中に抱きついた。そのまま、ひかりのオッパイを優しく揉む。
「あ、姉さーん」
「ひかりさん、かわいくてよ」
 しずくさんの顔が消えた。ひかりの背中に舌を這わせているらしい。
「うわっ」
 しずくさんの舌は僕の身体にも這って来た。ペースを崩され、もどかしい。でも、凄く感じる…。
 僕たちは何度も睦みあった。僕としずくさんで、ひかりを攻めたり、僕が2人に攻められたり…。もちろん、僕とひかりでしずくさんを攻めたりもした。
「わたくしも、くらまさんと交尾がしたい…」
 しずくさんは大きなため息をついた。何度イッても、性器が露出しなかったのだ。
「しずく姉さんは、心の傷が大きいから。あたしとくらまで、少しずつ癒してあげるね」
「ひかりさん…」
 しずくさんは、泣いていた。ひかりがペロッとその涙を舐めとる。
「泣かないの」
 僕たちはいつ眠りに入ったのだろう? 気が付くと、朝の光が差し込んで来ていた…。



第7話

「ひかりさん」
 しずくさんが、改まって言った。
「はい?」
「部屋を替わるのは、夜限定にして下さいね。わたくし、身体が持ちません」
「もう、お姉さん、カワイイ」
「こらこら、襲うな^^;」
 僕とひかりはしずくさんの家を出た。今日は一日、泳ぎの体得に当てる予定にしていた。食堂で食事を済ませ、海流の緩やかな場所に移動した。何人かの小さな子供が泳ぎの練習をしている。なんだか、スキー場のチビッコゲレンデみたいだな。
 周囲の子供たちの視線を一身に浴びながら、僕は特訓を開始した。うーむ、難しいぞ。
「くらま、考えすぎ」
「自分でも、そう思う。でも、考えないと、動かない」
 新しい脚は、なかなか手ごわい。フィンスイミング、やっとけば良かった(^^;)周りの子供たちと遊びまわれるようになるのが、第一の目標。道は遠そうだ。

 夕方になり、僕とひかりはしずくさんの家に戻ることにした。何度かひかりが水中でホバリングをして、僕を待っていてくれた。
「待たせた!」
「待った!」
 第二の目標が決まった。ひかりを待たせないで並走できるようになりたい。がんばるぞ。僕たちは食事を済ませると、しずくさんの家に戻った。
「ぷはぁー」
 しずくさんの家についた。空気って、やっぱりおいしい。
「お帰りなさい」
 しずくさんが出迎えてくれた。いそいそと片づけを始める。今日は店じまいらしい。
 僕は岩の上に身体を横たえた。重力が嬉しい。僕はすうーっと意識を失った。

 どれぐらい眠っていたのだろう。ふっと目覚めると2人に見下ろされていた。
「ん? 僕、どれぐらい寝てた?」
「しずく姉さんが片付け終わって、食事を済ませて戻るぐらいの時間」
 そんなに長くは無いらしい。でも、爽快な目覚めだった。
「なんだか、すっきりしたよ」
「あれだけ寝てればね」
「カワイイ寝顔を、じっくり観察しちゃいました」
 僕は少し恥ずかしかった。寝言とか言ってなかっただろうか。僕は身を起こした。海上には月が出ているらしい。室内は青白い月光に包まれていた。
「ところでさあ」
 僕は前からの疑問を口にした。
「新月の時は、夜中の調剤、お休みなの?」
「そんなことはありません」
 しずくさんが説明してくれた。
「この家は、壁面にヒカリゴケを貼り付けてあります」
「ヒカリゴケ? 光るの?」
「淡く、小さな光ですが、十分な明るさですよ」
 僕は人魚族の眼の良さを思い出していた。猫並みに夜目が効くのだ。
「しずくさんの事を考えると、できれば…急患は来ないで欲しいよね」
 しずくさんの身体が心配だった。あんまり頑丈そうに見えなかったから。
「あれ? 心配してるの?」
「うん。しずくさん、華奢なんだもん」
「あ、それって、あたしがバリケードみたいだって、遠まわしに言ってない?」
「ないない^^;」
 そこまでは言ってない。思ってもいない。僕のパートナーが、ひかりで良かったと思ったのは確かだけど。しずくさんがパートナーだったら、僕は安心して甘えられない。
「くらまさん、優しいんですね」
「もうちこっと、亭主関白タイプのダンナが理想だったのに…」
「ひかりママぁ」
 僕はひかりにスリスリした。ひかりも嬉しそうに頭を撫でてくれる。
「愛いヤツ、愛いヤツ」
「わたくしも…」
 しずくさんも甘えてきた。


第8話

「姉さんも、カワイイ」
 ひかりは2人を抱きかかえて満足気だった。
「よーし、今夜は寝かさないぞ。がおー」
「きゃー」
 嬌声はダブルだった。
「最初に鳴きたいのは、誰かなぁ?」
 しずくさんが小さく手を上げた。耳まで真っ赤になっている。
「お願いします…」
 僕とひかりは、しずくさんを優しく押し倒す。直ぐには襲わずに、上から舐めるように見てあげた。
「見られると…恥ずかしい…」
「カワイイ」
 ひかりがキスをした。僕も横から参加する。3人の唇が触れ合い、舌が絡まる。ひかりが徐々に顎の方へ移動した。僕も反対側の愛撫を担当する。顎から頬骨。舌は耳に到達した。耳たぶをくちゅくちゅし、耳の中へ。しずくさんはくすぐったそうにクネクネしている。しばらく耳を舐めたら、今度はうなじに移動。出合ったひかりと軽くキスをして、僕たちは前の方に戻った。
 首筋から、肩。肩から、胸。そして、オッパイへ。ビキニの上から舐めまくり、揉みまくる。
「あ、あ、あ、あ…」
 しずくさんの声は途切れ途切れ。激しい愛撫にビキニがずれた。僕がそれを外している間に、ひかりがオッパイに吸い付いた。手で揉みながら、チュウチュウ吸っている。中では舌がフル稼働していることだろう。僕も反対側のオッパイに吸い付いた。舌先で乳首を捕らえ、舐め、啜った。片手でオッパイを揉み、反対側の手で全身を撫で回す。ひかりの手と出会うと、軽く握り合う。直ぐに離れて、撫で回す。
「あ、あ、あ、あ、あ…」
 感じているしずくさん。普段の上品な姿からは想像も出来ない。淫らで美しい姿があった。僕はしずくさんとキスをした。舌を差し込み、深く味わう。
「ぐぐぐぐ…」
 くぐもった喘ぎ声。僕はしばらくするとオッパイの愛撫に戻った。入れ替わりにひかりがキスをする。
 何度かそんなことを繰り返し、僕たちは愛撫のペースを上げた。そろそろイッテ頂こう。オッパイのみならず、全身を舐め、揉む。しずくさんの身体がピクピク跳ねる。
「あ、あ、あ、あ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
 ピーンと身体が仰け反った。どうやら絶頂を迎えたらしい。大波だったようで、僕とひかりは撥ね退けられてしまった。そのまま、小さく丸まってしまう。
 僕とひかりはしずくさんの背中や脇腹を指先で撫でた。しずくさんはクネクネ逃げる。物凄くエロい。
「さ、触らないでぇ。お願い…」
「ヤダよーん」
「右に同じ」
 僕たちはゾクゾクした。少し指先で撫でたのち、今度は耳元に顔を近づけた。
「ダメ! 舐めないでぇ」
 息を感じたしずくさんが、クネクネする。軽ーく、軽ーく、息を吹きかけてみた。
「はぅー」
 しずくさんは感じ続けていた。そろそろ休ませて上げないと、酸欠になっちゃう。僕はひかりをひっぱると、キスをした。そのままオッパイを揉む。
「こんどは、ひかりね」
「優しくしてね」
 僕はひかりを押し倒した。上から見下ろしてあげると、ひかりはクネクネした。
「見ないでぇ」
「綺麗だよ」
 僕は軽くキスをすると、愛撫を始めた。顎から耳たぶ。そして、耳の中へ。僕がひかりの耳の中を舐めていると、反対側にしずくさんの顔が現れた。目がトロンとして、唇は半開き。どうしょうもない程のエロさだ。しずくさんはひかりの耳に舌を入れた。僕と2人でひかりの耳を舐める。
「頭の中を、舐められてるみたい…」
「ひかり、耳が好きだもんね」
 僕は耳たぶを唇で捕まえた。軽く歯を立ててみる。


第9話

「い、いたっ」
 しずくさんも僕と同じように軽く噛んだらしい。ひかりの身体がピクピク動く。
「ひかりさんは、苦痛系が好きなの?」
「知らないっ」
 ひかりの態度がしずくさんに火をつけたらしい。しずくさんは指先であちこちを軽くつねった。
「では、身体に聞いてみますね」
「ごめんなさーい」
 ひかりが慌てて謝った。
「痛いのは苦手ですぅー」
 雫さんはジト目で見ていた。脇腹を撫で上げ、軽くつねった。
「す、すいません! 嘘ついてました。少し痛いのは、ゾクゾクします」
「素直でよろしい」
 雫さんはひかりの耳のところに戻った。舐めながら、ときおり歯を立てている。僕も愛撫を再開した。少しだけ強い愛撫を心がけた。
「い、いたっ。あ、あん…」
 痛キモチイイのだろう。ひかりはいつも以上に乱れていた。新たな発見である。僕は首筋に移動すると、唇で強く吸った。真っ赤なキスマークが浮かんだ。
「痛いよぉ…」
「でも、すごい気持ち良さそうだよ?」
「ひかりさん、かわいくてよ」
 僕と雫さんは下に移動した。強めにオッパイを揉み、吸い付く。ビキニの上から舌を這わせ、軽く歯を立てる。
「あ、だめっ!」
 ひかりが登りつめ始めた。僕と雫さんは強めに愛撫を続ける。いつの間にかズレていたビキニをむしりとり、生乳に吸い付いた。舌先で乳首を転がし、オッパイを揉む。空いている手で全身を撫で回す。
「あ、あ、あ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
 ひかりが絶頂を迎えた。僕と雫さんを跳ね飛ばし、くるっと丸まってしまった。僕と雫さんは背中から脇腹を、指先ですうーっと撫でた。
「やめてぇー」
 ひかりはピクピクしている。僕は雫さんを抱き寄せた。
「次は、僕の番だよ」
「わかりました。横になってくださいね」
 僕はゾクゾクした。おしとやかな雫さんが、どうしょうもないほどエロエロモードになっているのだ。雫さんが優しく僕を押し倒した。
「痛くしないで…」
 僕は雫さんに火をつけた。雫さんはペロッと自らの唇を舐め、僕にキスしてきた。唇を軽く噛まれる。僕は新たな快感に身を任せていた。しばらく噛まれ、次に舌が入ってきた。僕たちは舌を絡めあう。僕の舌が雫さんの口の中まで遠征にいったら、チュッと吸われた。そのまま吸われ、軽く歯が立てられる。
「あ…ん…」
「くらまさん、カワイイ!」
 ひかりよりも僕のほうがマゾっ気が強いらしい。チンチンは痛いぐらいに勃起し、雫さんのお腹を叩いていた。
 雫さんの舌が全身を這い回る。ときおりモグモグされ、歯が立てられる。僕はあられもない声を上げながら、思い切り乱れていた。
「ああっ、くらまが壊れてるぅ」
 ひかりが参加してきた。ひかりは雫さんとは対照的に、優しく愛撫をしてくれた。優しすぎで物足りないぐらいだ。
「あん、ダメだった…らぁ」
「なんて言いながら、これはなんです?」
 雫さんがチンチンを握った。乱暴に擦られる。
「恥ずかしーい。先走りでヌルヌルだよ」
 ひかりも言葉攻めを始めた。僕はゾクゾクしながら、お願いした。
「お願い! いかせてぇ!」
「ダーメ」
 チンチンは放置された。全身を舌で愛撫され、手で撫で回される。ときおり当たる歯が、妖しい感覚を呼び起こす。
 二人がやっと、チンチンを思い出してくれた。亀頭に舌が這う。僕のチンチンは、二人の口の間をメトロノームのように行き来する。
 ぱくっ。咥えられた。しばらくモグモグされた後、口が離れた。すかさず、もう一人に咥えられる。もぐもぐ。交代。僕は腰が動き出すのを抑え切れなかった。
 咥えていた雫さんの頭を、強く押さえる。雫さんは抵抗せず、僕を射精に導いてくれた。
「う、ううっ」
 僕は雫さんの口内に発射した。雫さんの舌がチロチロと亀頭や尿道口に這いまわる。僕の動きが止まったのを確認し、雫さんが僕のお腹の上に精液を吐き出した。
「すごい量でしたね」
「ここに出さなくても…」
 僕はけだるい身体を横たえた。その脇では、ひかりと雫さんが絡み合っていた。女の子同士の愛撫は、ものすごく官能的だ。僕はそんな姿を見ながら、チンチンをゆっくり擦っていた。
「雫姉さん…」
「ひかりさん…」


第10話

 二人の手がお互いの全身を這い回り、キスをしていた。僕もこそっと参加した。二人の背中に舌を這わせ、撫で回す。
「姉さん、こっちも…」
 ひかりが雫さんを下半身に押した。既に性器が露出し、物凄く濡れていた。雫さんはためらい無く舌と手で愛撫を始めた。
「あん、あん、あん…」
 僕はひかりのオッパイに愛撫をした。強めと弱めのバランスが難しい。しばらく二人で攻めていると、ひかりの身体がピーンと仰け反った。
「ん、んん…」
 絶頂を迎えたらしい。僕は雫さんの背中に張り付いた。背中にチンチンを擦りつけながら、手を回してオッパイを愛撫する。復活したひかりが雫さんの前側に張り付いた。二人がかりで雫さんを逝かせる。
「きゅうー」
 雫さんが転がった。僕はひかりの性器を舐めた。いつに無く、濃い。しばらく舐め、チンチンで擦った。
「はうー」
「凄く濡れてる…」
 僕はチンチンを押し込んだ。一番奥まで押し込み、ゆっくりと腰を振る。
「参加しますぅ」
 雫さんが僕の背中に張り付いてきた。僕は幸せだった。ひかりとSEXしながら、雫さんに抱かれているのだ。前から後ろから柔らかいオッパイに挟まれている。
「ごめん、そろそろ…」
「来て、思いっきり!」
 フルスピード。雫さんは跳ね飛ばされないように、しっかりとしがみついて来た。
「う、ううっ」
 射精。ガックリと力が抜けた僕は、ひかりの上に倒れこんだ。背後の雫さんの重みが心地よい。

 しばらくまどろんだ僕たちは外に出た。SEXの痕跡を洗い流し、それぞれの寝床へ入っていく。
「また明日ね」
「毎日これでは、身が持ちませんね」
 同感(^^;)

 僕たちの生活パターンが確立した。昼間、僕は泳ぎの特訓。しずくさんは薬剤師としての調合作業。夕方、食事を済ませて愛欲の時間。ヘロヘロに疲れきって睡眠に入る。さすがに毎日だと身体が持たないので、愛欲の時間は数日に一度になったが(^^;)
 そんなある日…。雫さんを二人で攻めた。イッテしまった雫さん。突然、ガバッっと起き上がった。何事かと覗くと、雫さんの性器が露出していた。
「姉さん、これって…」
 ひかりが雫さんの下半身に顔を寄せた。僕も引き寄せられるように顔を寄せる。
「わたくし、久しぶりにオンナになりました…」
 恥ずかしげに、でも誇らしげな雫さん。僕たちは芳香に誘われるように舌を伸ばしていた。ぺろっ。
「キツイですぅ…」
 なんて言いながら、凄く濡れてるぞ。僕たちは舌と指先で雫さんの性器を愛撫する。雫さんは直ぐに逝ってしまった。僕たちを跳ね除け、丸まってしまう。
 しばらくすると、雫さんが戻ってきた。雫さんは決意を込めた声で言った。
「くらまさん、わたくしと交尾していただけませんか?」
 もちろん、僕に否は無い。ひかりの方をみると、コックリと頷いてくれた。でも、どうやる? 重力下では、ムリだろう。脚でささえるということが出来ないのだから。
「水の中へ」
 僕たちは水の中に入った。入り口のスロープに横になってもらい、その上に重なる。チンチンで割れ目を擦ると、雫さんの顔が苦痛で歪んだ。
「痛い?」
「少し…」
 僕はなるべく苦痛を与えないように、慎重に動いた。なんとなく場所は分かるのだが、ひかりの時のように処女膜を破るまでいかない。雫さんの苦痛が増してきた感じなので、僕はあきらめることにした。
「ムリみたいですね…」
 水中では愛液が流れ落ちてしまうのだ。
「そんなぁ…」
 ひかりは泣き顔だ。
「強引に押し込めば、処女膜を破ることは可能だと思うよ。でも…」
 僕は雫さんを抱きしめた。
「すごい激痛だと思うんだ」
 僕はすまない気持ちでいっぱいだった。
「僕のボディコントロールがもう少し上手ければ…」
「ありがとう」
 雫さんは泣いていた。
「くらまさんの優しい気持ち、受け取りました…」
 僕たちは岩の上に上がった。僕たちは抱き合い、泣いた。しばらく泣いていただろうか…。
「わたくし、落ち着きました」
 雫さんが泣き止んだ。
「雫さん…」
「姉さん…」
 雫さんはひかりを押し倒した。
「さ、気持ちよいことをしましょ」
 僕たちの愛欲の時間は、まだ終わらない…。









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