からくり小僧 作

官能小説『業の系譜』



第1話

 拒んでいたなら、私達はどうなっていたのでしょうか。
 しかし、受け入れてしまったという現実は、私達の業というより他はありません。

 私の母は、父が連れ合いを亡くしてからの後妻として、この家に迎えられました。
 その両親も私が5歳の頃に交通事故で死去しましたが、父の残した会社を兄は若いなが
らも盛り立て、私は恵まれた生活を送っていました。
 兄は18にして社長として立ちましたが、辣腕を振るうさまは鬼神と恐れられていると
聞きます。
 自慢の兄に守られ、私はすくすくと成長しました。
 それが崩壊をはじめたのは、小学校の健康診断の結果でした。
 その時の私には理由もわからなかったのですが、兄の動揺はただならないものでした。
 その時以来、兄は私によそよそしくなり、私は不安な思いを抱えたまま過ごすこととな
りました。
 思えば、兄の振る舞いは、私への調教の一環だったのです。鬼畜の道へと私を誘うため
の。
 そして、あの夏。



「お兄様。本当に10日も一緒にいて下さるの?」
 兄と二人の旅行に、私は幸せを感じていました。
「ここの所忙しくて、寂しい思いをさせたからな。いっぱい可愛がってあげるよ」
 はしゃいでいた私には、兄の心の内など気付きもしませんでした。
 ただただ、昔通りの兄が戻ってきたと信じていました。

 別荘に付き、別荘番の老夫婦の手料理で夕食を取ると、旅の疲れからか私は早くに寝入
ってしまいました。
 夜中の2時ごろでしょうか、私は息苦しさで目覚めました。
 何か酷い寝相で寝ていたのでしょう。寝巻きがめくれて足元が涼しく感じています。
 手を高く上に伸ばし、足はだらしなくがに股で開き、電気も付け放しでした。
 いえ、電気は消してあったはずです。
「やあ、起きたのかい。もうすこし寝ててもよかったのに」
 兄に声をかけられ、私はようやく我に返りました。
「お兄様?」
 私は起き上がろうとしましたが、
「手が」ベッドの手すりにタオルで縛られています。
 開いた膝を合わせて、下に何も着けていない事に気付きます。
 それだけでも幼い私にはショッキングな事でしたが、佇む兄の姿を見たとき、より大き
な驚きが待っていました。
 兄は、一糸まとわない姿で私を見下ろしていたのです。
「何?お兄様。何をしているんですか」
「ただね、記録を取っていただけだよ」
 にこやかに答える兄に、私はぞっとしました。
 怒張した一物がピクピクと脈打っているのまで、まざまざと見せ付けられ、私は顔を背
けて聞きました。
 これは冗談か何かであって欲しいと願いつつ。
「何・・・の?」
 兄は私のほほに怒張を押し当て、しばらく黙っていました。
 混乱する私に、兄は言い放ちます。
「汚されていない君の最後の姿だよ」
 と、数枚のプリントアウトを見せられます。
「よく撮れているだろう」
 デジタルカメラのプリントアウトの中で、私は大きく足をひろげた格好で寝入っていま
す。
 また、指で大きく広げられた秘裂もあります。お尻の穴まではっきりと写ったそれは、
まさに私のそれでした。
 私はあまりのことに、声も出ません。
「顔は消しておいてあげるから、大丈夫だよ」
 と、兄は私の足首と膝をつかむと大きくねじる様にして持ち上げたのでした。
「嫌っ」
 抗おうとしましたが、身体に力が入りません。秘所を閉じようにも、もう一方の足を持
ち上げる事もできません。
 兄は膝をタオルで縛ると、その端をベッドに繋いでしまいました。
 片足を上げた格好で縛られた私は、体を捻って逃れようとしますが、簡単に引き戻され
てしまいました。
 もう一方の足も持ち上げられ、寝たままあぐらをかいた姿で固定すると。兄は私の秘裂
に指を這わせました。
 恥ずかしさとくすぐったさのあまり私は身悶えしましたが、兄の手は止まりません。
 毛の生えてもいない割れ目が兄の手で大きく広げられます。
 ひろげた足の間で兄が私の秘所を食い入るように見つめています。
「いいかい。気持ち良くなるように努力するんだよ。でもないと」
 いきなりでした。兄の指が体の中に潜り込んできたのは。
「痛い。やめてください」
 もぞもぞと胎内をまさぐる指使いに、私は涙を流して哀願します。
「痛いのかい?」
 オナニーもしたことのない私の膣口は固く閉じています。
 ゼリーも使わないでまさぐられるのは、苦痛以外の何物でもありませんでした。
「ええ」
 でも、兄は指を止めません。
「ひいぃっ」
 思わず悲鳴が漏れました。突然兄が爪で胎内を引っかいたのです。
「我慢するんだよ。もうすぐ、もっと痛いことをするからね」
 兄の舌が太股に伸びます。ちょんちょんとなでるようにして、舌は秘裂に近づいたと思
うや、そこを舐めあげました。


第2話
「声はいくらでも上げてもいいからね」
「ひっ」
「ふふっ。しょっぱいなあ。シャワーを浴びてからトイレにいったね」
 兄は丹念にあそこを舐め続けます。発達していない女性器はべちょべちょになって、よ
だれはお尻の穴にたれて行きました。
「おしりはどうかな」
 兄は何かの棒で肛門を刺激しました。
「きゃ」おしりへの刺激できゅっとお腹に力が入ります。
「おっ。締まった。いいよ。その感じを覚えようね」
 兄の指は未だにまさぐり続けています。
「うっ・・・ううう」
 少女の身体とはいえ、そろそろ初潮をむかえようという歳だからでしょうか、指と粘膜
との抵抗は薄らいできていました。
 快感も何もありませんでした。それでも身体は私の意思などお構いなしに潤滑液を分泌
しはじめたのです。
「初潮もまだなのに。それでも、男を悦ばせる体になりかけているんだね」
 兄は独り言のように言います。
「もうじき10歳だっけ。こんな小さな身体でもう」
 指が抜かれます。胎内の異物が無くなった時、ほっとしたのと同時に、信じられない事
に、私は喪失感を感じていました。
 気持ち良かったわけでは決してありません。
 恥ずかしさと悔しさは、今でも思い出せます。
 それでも、確かに私は思ったのです。抜かないで欲しいと。
 思い返すたびに感じます。あれこそが、業だったのだと。
「さて、じゃあ次は陵辱された少女の記録だ」
 ぎしり。
 ベッドに乗ってきました。真正面から向き合い、見つめる兄は哀しそうな目をしていま
した。
「いくよ」
 怒張をあてがうと、一気にのしかかって来ました。
 ず、ずずっという抵抗感の後、み…むりっという痛みが襲ってきます。
 陰毛が生えるどころか初潮すら未だ見ない私の膣に、兄の一物がねじ込まれて行きます。
「お兄様、やめてやめてやめて。ごめんなさい。私、悪い事したのなら誤るからやめて。
お願い」
 お腹の中の一点に兄の重みが掛かりました。未発達な膣は深さが足りなかったのです。
 ずずずっと引き抜かれ、再び、三度・・・永遠に続くかと思われた苦痛に、気は遠くな
って行きます。
 不意に兄の動きが止まりました。どくん。とくっとくっ。
「やめて・・・お願い」
 おなかの中に何かがひろがって行くのが感じられました。
「精液を飲み込むまで、待っていなさい」
 精液。赤ちゃんの素。授業では只の知識として教わったものが、身体に注ぎ込まれてし
まいました。
「いやぁぁぁ」

 引き抜かれた時、馴染んでいた痛みがぶり返すくらい、兄は長い事私の胎内に留まって
いました。
 その間、私は嗚咽を漏らし続け、兄はそんな私を、微笑みながら見つめていたのでした。
 子供ができる事はなくても、胎内に広がる温もりは、文字通り穢れとして感じられます。
 不思議と哀しみも、悔しさも浮かびません。ただ、疲れていました。
 脚の拘束が外されましたが、それももうどうでも良いくらいに。
 しどけなく開いた脚の付け根から、流れ出しているのも、血なのか精液なのかはよくわ
かりません。
 兄はその姿も写真に撮り続けていました。
「ふふっ。可愛いよ。これでお前はお兄ちゃんの奥さんだよ」
 耳元で囁く。
「奥さん・・・?兄妹なのに?」
「兄妹なんかじゃないんだよ。僕達は」
 その言葉を最後に、私は眠りへと落ちていきました。
「父さんはA型。義母さんはO型。・・・お前はB型なんだ」
 兄とは兄妹ではない。それは嘘ではなかったのです。
 しかし、恐ろしい真実はそのとき私の知るところではありませんでした。


 夢を見ました。
 幼い頃の夢でした。
 夢の中で、私は夜の長い廊下を歩いて行きます。
 どこだろう。
 ずいぶん長く歩いているような気がします。
 なぜか、お腹がひどく痛みました。
 突然寂しくなり、私は膝を抱えて座り込んでしまいました。
 涙が溢れてきます。
 私はどうしてここにいるのだろう。
「おまえ、自分のしたことが判っているのか」
 お父様の声が、どこからか聞こえました。
「ごめんなさい、あなた。でも自分でもどうしようもなかったの。どうかしてるのよ私」
 お母様の声も聞こえます。
 わたしは、お父様とお母様の姿を求めて辺りを見まわします。
 声は目の前ふすまから漏れてきているようです。
「この恥知らずの売女め・・・貴様を放り出してやりたいが・・・そうもいくまい」
 バシッ。キヤッ。
「こんなこと、公にしてみろ。どれだけ世間の物笑いになるか」
 喧嘩のようです。私は怖くなって耳をふさぎます。


第3話

「ごめんなさい、あなた。ごめんなさい」
「いいか、あの子はこれからも私達の子供として育てる。このことは誰にも知られるんじ
ゃないぞ」
 あの子?私達の子供?
「兄妹なんかじゃないんだよ。僕達は」
 いつのまにかお兄様が隣に座っています。
「父さんはA型。義母さんはO型。・・・お前はB型なんだ」
 お兄様はにっこりと笑いかけます。
「お兄様・・・私はお兄様の妹じゃないの?」
 妹だと言って欲しかったのです。
「いいや、お前はお兄ちゃんの奥さんだよ」
 いつのまにか兄と私は裸になっていました。
 否応も無く押さえつけられた私に、兄の一物は無理やりに侵入してきました。
 はっと気がつくと、窓の外は明るくなりかけています。
 しばらくぼおっとしているうちに、異常に気付きました。
 目が覚めても私は胎内に異物を感じているのです。
 陵辱のためと思った私でしたが、確認しようとした瞬間、それはぶるるんと震えました。
「あああ」私は思わず声を上げます。
 まさぐると、秘裂に食い込む皮紐で固定された棒が私の膣にはまっていました。
 紐も腰の所をぐるりと巡り、端は小さな鍵で止められています。
 棒から伸びるコードを目でたどります。
 見まわすと兄が椅子に腰掛けて笑っていました。
 棒から伸びた長いコードは、兄の持つ機械に繋がっていました。
「ははは、リモコン少女」
 兄の嘲笑が、私を打ちのめしました。
「バイブだけだとすぐに抜けるからね。それを着けさせてもらったよ」
 と、兄はまたボタンを押しました。
 ぐにゅんぐにゅん。今度はバイブは身悶えするように動きます。
「いたっ」破瓜の傷痕を擦られ、鋭い痛みが蘇ります。
「じきに慣れるよ。それはまだ一番小さいバイブだからね」
 と、不意にお腹にも異変を感じました。ぐりゅぐりゅぐるるる。
 猛烈な蠕動に、私は冷や汗が出てくるのを感じました。
「お腹のほうも仕込みが効いて来たね。少なすぎたかなと心配してたんだけどね」
「お兄様…何?」
 兄は手もとの器具をひょいとつまむと、振ってみせた。
 注射器…にしては太いその器具が何か…
「浣腸は基本だよな」
 浣腸・・・その言葉は、ひどく現実感が感じられないで耳をすり抜けてゆきました。
「おトイレに・・・行かせてください」
「いいよ」
 私の哀願に、兄は不思議にも了承したのですが。
「あうんっ」
 バイブの振動が腸を刺激する上に、繋がったままではコード一杯までしか行けない事に
気付きます。
「ついていって欲しいのかい」
 私は声も出せません。
「え?何だい」
「一緒に、来て…」
 兄の目がきゅっと細められる。
「ください、は?」
「いしょ、に、きて・・・く・・・ださい」
 それから、トイレまでの十数歩は地獄でした。
 ただでさえ一歩歩く毎に便意をこらえているのに、挿入れたままのバイブのスイッチが
ときおり入れられるのです。
 それでも、なんとかたどり着いた先は絶望でした。
 空かない・・・
 トイレのノブが、ガムテープで固められていたのです。
 お腹を締めたとき、バイブの振動が一段と感じられ、私はへたり込みました。
「いけないな、こんなところでしたいのか?」
 兄はにやにやと笑いますが、朦朧とした私は答える気力もありません。
 とても現実とは思えない出来事に、私の思考は完全に麻痺しています。
「仕方ない。この上でしなさい」
 と、差し出した布に、私は躊躇なく放便したのでした。
 便意に麻痺していた私が我に返ったのは次の瞬間です。
「わたしの・・・制服!?」
 それは、まぎれもない私の学校の制服でした。
「いやーっっ」しかし、一度出始めた大便は止まりません。
 ぶりぶりぶり。ぷひっ。ぶぶっ。ちょろちょろちょろ。
 大便のみならず、つられて小便までもが迸りました。
 汚濁の塊は湯気を出して制服の上に積みあがって行きます。
 一通り出切ると、制服のネッカチーフで兄は汚れたお尻をぬぐいました。
「うぐっうっうっえっうえっ」
 のどの奥から嗚咽が漏れます。
「この分じゃ帰る時は裸だね」
 兄の非情な言葉に、更に嗚咽は深まって行きました。
 しかし、そんな哀しみも生ぬるい事を思い知らされます。
 壁に頭をつけて泣きじゃくる私のお尻に、何かが押し当てられました。
 それは、次の瞬間、
 づぶっ。
「ひいっ」
 私のお尻は兄に貫かれていました。
「おおっ、締まる」
「あぎいっ。うぷっ」
 腰を持ち上げられた私は、逆さ釣りとなりました。
 そして運の悪い事に、自らの汚濁に顔を埋めることとなったのです。
 石鹸のような苦味を伴った液が口に、鼻に入ってきます。
 前の穴はバイブに犯され、後ろは兄に貫かれ、汚濁にまみれて、私は何かが切れるのを
感じました。
 ずこっずこっ。ヴルンヴルン。ぴちゃぴちゃ。
 何もかにもが悪い夢のようで、私は思わず笑い出していました。
 ふふっふふふっ。ふふふふふ。
 力なく兄のものを受け入れたとき、私の腰を電流が駆け巡ったのでした。
 今まで思いもしなかった感覚が、背中から上ってきます。


第4話

「ああ・・・お兄様・・・もっと。やさしくして」
 深く貫かれながら、何故か幸福感を感じていました。不幸と幸福、何もかもが逆転した
瞬間でした。
「こうか?」
 前に伸びた兄の手がお腹を支えつつ、秘裂をまさぐりました。
 昨夜は感じなかった快感が、そこから溢れます。
 もう一方の手が胸を乱暴に揉みしだきます。
「もっとぉー」
 鋭い痛みが、快感となって声に出ます。
「お尻に力を込めなさい」
-その感じを覚えようね-
 私の脳裏に昨夜の言葉が閃きます。
 きゅっと力を込めてみます。
 ヴルルンヴルルン。バイブの振動と兄のモノをより一層強く感じるようになりました。
「いいっいいよ。気持ちいいよ」
 きつきつの直腸を兄の剛直が押し開きます。
 強烈な腹痛が襲いますが、それもすぐに快感と変わります。
 ひとしきりの抽送の後、ひとおし強く打ち込むと、兄は動きを止めました。絶頂に達し
たのです。
 びくびくと精を放つ男根を感じつつ、私はあえいでいました。
「あぐっお兄様・・・もっと」
 兄は私を貫いたまま抱き上げると、汚濁のこびり付いた顔にくちづけしました。
「お兄様、やめて。汚れているの」
「お前の出したものなら、汚くないさ」
 私はこの言葉が欲しかったのでしょう。涙が溢れて止まりませんでした。
 このままずっと貫かれて居たい。そんな気分でした。
 しかし、兄は私を降ろそうとしたのでした。
「お兄様、もうしばらく・・・」
「ちょっと催してきたんだ」
「このままでいいわ。お兄様の全てを私に・・・」
 一瞬の後、お腹の中を迸る放水に、再び幸福をかみ締めたのです。

 その後、兄の調教は苛烈さを増して行きましたが、私は幸福でした。
 昼はバイブをつけたまま、時には浣腸されたままで散歩し、夜は遅くまでセックスして
過ごしました。
 兄の小便を飲みほし、排便の後始末も舌で出来る様になりました。
 こうして、小学四年生の私は牝奴隷として過ごす事になったのです。



 いつしか年は過ぎ、中学校に上がる以前、初潮も迎えることなく私は妊娠し、双子の娘
の母となりました。
 世間から隠れて産んだ我が子は、偽の戸籍から兄の隠し子として認知され、私の姪とな
り、それから10年。私は未だに牝奴隷として兄に飼われています。
 色々な事がありました。私の本当の父親が母の日記で判ったのです。
 それは更なる絶望と、例えようもない快感をもたらしてくれました。
 所詮、あの夏に兄の行為を受け入れた時から、私の人生は兄のものなのです。
 今、兄の調教を手伝い、新たなる幼い牝奴隷を作りながら、私は感じます。
 あの夏は終わらないのだと。



 兄の血液型はAB型だったのです。















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