陽炎 作

官能小説『くノ一紅葉・女体凌辱』



第一話


 …紅葉(くれは)は、やっつの時から、隠密裏で幾多の任務を完遂してきた、名うての女忍者・くの一である。現在、齢十四歳。若年であっても、その姿を見て生きのびられたものはいないとされるほどの戦闘能力を備えていた。
 ようやく女としての発育が追いついてきたところで、先輩のくの一たちが得意とする、いわゆる女体という武器を使った霍乱術だけは未経験だったが、毒矢、体術、骨法など、それを補ってあまりある暗殺術を心得ている。
 だが今回彼女は、潜入先である某国城内に深入りしすぎてしまい、仲間とはぐれ、雇われていた相手方の忍者に取り囲まれてひとり監禁部屋へと連行されてしまった………。


 後ろ手にがっちりと縛り上げられ、天上から吊されている。紅葉は縄抜けを試みたのだが、相手方の忍者もどうやらスゴ腕。関節を自在に可動させる紅葉の体術をもってしても、縄はまったく緩まなかった。口には猿ぐつわをはめられていて、縄を噛み切ることも、自害を選ぶこともままならない。

 監禁部屋の扉が開けられ、蝋燭を手にしたみっつの人影が入ってくる。中年がひとり、青年がひとり、十四歳程度の、紅葉と同い年くらいの若い少年がひとり。敵方忍軍の影丸、桐丸、十朗丸である。

「…こいつが昨日とらえた、甲賀のくの一か、桐丸。激しく抵抗して、こちらも数名が切り倒されたというな。下忍ではないことは確か。…フム、これは逸材だな、十朗丸の教材としては。しかもそろそろ、くノ一として、肉体の使用を教えられる齢といったところか。おれの嗅覚によると、まだそれを経ていないな。…よく見て、五感で覚えろよ十朗。我らは、捕虜から情報を吐かせるのも大切な任務。だが、拷問で口を割らせることはまず不可能。そのように訓練されているからな。だから、その時は逆に快楽を与えてやる。男にはくノ一によって、くノ一には男によって。人は拷問には耐えられても快楽には耐えられるものではない。…十朗、それに桐丸も、まずこれを飲め。我らの部族秘伝の精力増強剤。勃起力も、持続力も、優に5倍にはなる。…桐、女にはこれを。くつわをはずされないよう、気をつけて隙間から溜飲させろよ。…同じく、くノ一を敏感にさせる秘伝の媚薬。常人ならば、背中をなぞられただけでも絶頂に達してしまうだろうな。…ここで、十朗丸、お前が学ぶことは、一に女体の構造。二に我らの性技」

 紅葉は、もがいて、桐丸の指を拒否しようとしたが、のどの奥へと錠剤を押し込まれてしまう。
 とたんに、心臓がどくんと波打った気がした。紅葉の細胞がとがり、視界がたゆとうてくる。

「…一分も待てば、女にも、我らにも、すこぶる効力を発揮してくる。まずは十朗、このくノ一をよく観察し、女の身体というものを知れ。…いかなる変化が、おきてくるのかを」

 紅葉は…先輩くノ一たちが男の忍者を籠絡する様子を、つぶさに見てきている。自分がこれからなにをされるのかも、はっきりと分かっている…。

 …紅葉は、身体をもじもじさせて、内股をこすりつけだした。じっとしていたくとも、できない。熱病にかかったように、内側の奥の奥から、官能的なうずきがこみあげてくる。

「む………ぅ………(くっ…負けるものか…。耐えきらなければいけないんだ…)」

 それが無理であることなど、心の底では紅葉にも分かっている。性感の拷問にだけは、どのようなエリート忍者であっても、訓練の如何によって耐性を保つことができる量はたかがしれている。決死の任務に際し、捕虜となったときに口を割らされないため、自らの陰茎、陰核を切断してそれに臨む忍者も多いのである。
 だが紅葉にいまできることは、けなげにも辛抱しようと決意することだけであった。それしかできなかった。そのうちにも、人目を忍んで自慰にふけったときの何倍もの性欲で爪の先まで満たされてくる。もはや、何も思考できなくなってきた…。

「…見よ、女の股のところを。…触らずとも、衣まで染み出してきている。媚薬の力だがな。…見よ、内股を伝わって、くるぶし、かかとから、ぽたぽたとこぼれはじめた。そのうち床に水たまりができる。あとでよくなめて、成分も舌に残しておけよ、十朗。まさに垂れ流し状態。…十朗、女人は、快楽を覚えると、あのように洪水となるのだ」
「か、影兄さん。しょ、小水ですか? ど、どこから、あのような…」
「フム、よい質問だ。あれは小便ではない。…いや先々、興奮のあまり、小便まで流しはじめることはまちがいないがな。…十朗、仕組みは謎だ。これから先も解明はされぬだろうな(作者注:現代においても、明確には解き明かされておりません)。だがあれは男根を受け入れやすくするための、潤滑油のようなもの。…構造もよく見ておく必要があるな。桐丸、あやつの下半身をはぎ取れ」



第二話


 桐丸の手によって、紅葉ははきものを脱がされた。一流の忍者とはいえ、紅葉は真っ赤に赤面する。股間を包んでいるさらしはびっしょりとなってしまい、しずくがたれている。そして、早く触って…と言い出しそうになる自分の内側に潜む性の欲求を、頭を振って追い払おうとする。

「少し、いじくってやれ。その方がよい」

 桐丸の、節くれ立った手が…たった一枚の砦である薄布の上から、紅葉の大事な部分を絶妙の指使いでこねくる。

 くり………くり………きゅうっ………こしゅ………こしゅ………すり………すり………。

「うぅっ………むぅぅっ………(やだ………葉隠姉さん………玄太ちゃん………助けて………)」

「どうだ、分かるだろう十朗、ヒクヒク、ヒクヒクしだしてきたのが。よし桐、女を後ろから抱えて開帳しろ。十朗によく見えるようにな。………よし、そら十朗丸、こうなっている。十朗、自分の指で開けてみろ」
「は、はい………(ごくり)」

 くにゅ………。



「………………………………(あ………ぅ………)」

 十朗丸が、おそるおそる、紅葉の、女としては出来立ての陰唇を広げる。…紅葉のそこは、こんこんと愛液がにじみ出し、小突起も皮がめくれてポッチリ立ち上がってしまっていた。十朗丸は驚きのためか、感動のためか、絶句して紅葉の秘処を凝視している。

「もはやこやつの身体には力も入らない。降ろして、仰向けに転がせ、桐丸。開脚してな。…そうだ、そこ。蝋燭の光がよく当たるように。…十朗、女人のここの名称など記憶する必要はない。尿道以外の部分を刺激し、どこがどのような反応をくノ一にもたらすか、自ら確かめて………こらこら十朗、自分の股間をしごいてしまってどうする、とっておけ。…十朗、女を辱めるときは、指と、舌を使い分けることが必要。…いやまず手本がいるか。桐、やれィ」

 男の指…。紅葉はそれを求めてしまっている自分が、許せない。

 くやしい…わたし、女であることが…。

 桐丸が容赦なく、紅葉のさらしをひきはがす。いよいよ、生まれたままの、紅葉の股間部。

 くちょ………ぐにゅ………ちょろ………ちろちろ………ずぶ………ぐちゅ………ぐちゅ………。

 桐丸の中指が紅葉の膣に侵入、同時に人差し指と親指で秘芽をも刺激する指の絶技。三指が虫のようにうごめくだけで、紅葉の全体を支配してしまう。

「ぅぐふぅ………ぐっ………くむぅ………(くっ………くやしい………き、キモチが………)」

 桐丸の指は次第に激しく、加速をつけて、膣の中と外を出入りする。さらに上下の律動も上乗せする。あたりに響く、液体音。
 肉芽による絶頂は仮のもの。女体とは、最終的には膣で絶頂に達しさせなければ、それは真の絶頂ではない。

 ちゃぽっ………くちゅっ、くちゅっ、くちゅっ、くちゅっ、くちゅっ、くちゅっ、くちゅっ。

「ふむぅっ………! むぐぅっ………!(き、キモチいいっ………はぁぁっ………)」

 紅葉の花びらから性液がしぶきをあげてあたりに飛び散り、桐丸の中指はべっとりとふやける。
 紅葉はもだえて、四つんばいになる。桐丸の指は執拗に紅葉の大事な部分を追いかけ、紅葉は………。

 くちゅくちゅくちゅくちゅくちゅくちゅくちゅくちゅくちゅくちゅくちゅぅっ…………。

「むっ、むっ、むふぅっ………ふぅぅっ………(あっ、あっ、あっ、あ………)」

 くちゅくちゅくちゅくちゅくちゅくちゅくちぃっ………くちゅくちゅくちゅくちゅくちゅ。

「くるぞ、十朗。見逃すなよ。女の身体が細かくふるえて………徴候だ。それ、見ろ、くる、くるぞ…」「!!…………(は…あ………あ………)」

 ぴゅうっ………びゅっ………びゅ………ぴゅ………。

 紅葉が、余韻を残して、気持ちよく潮を噴いた。十朗の第一陣も、同時に履き物の下で放出され、ネバりついた。

「す………すご………」



第三話


 十朗丸は、自分と同い年ほどのくノ一が見せる性の姿態に、自分の古里にいる同年代のくノ一たちの面影を重ね合わせてしまい、極度に性的興奮をしてしまったのだった。

 あの娘たちも、こうなるんだ…!?

 それに加えて、目の前のくノ一の、なんという美しさよ。

「感じ入ったか、十朗。お前は伊賀の里いちの天才。もう、今の桐丸の指使いを身につけてしまっただろう。才能のないやつはいつまでも身につかぬがな…。目を丸くしているな、だがな、十朗。ここから開始なのだ。女体というものにはな、さらに先があるのだ。それを今からお前に見せる。まずはお前は、同じところを同じようにかわいがれ、それを応用して、くノ一の肛門も刺激しろ。肛門の目安はな、中指を第二間接まで入れて軽く曲げ、指先が当たるところ。そこを重点的になぞれ、女は性器を刺激される以上によがる。ツメは立てずに、前の穴から入れた指と、腹の中でこすり合わせろ。倍の早さで、幾度も潮噴く。舌も仕えよ、原理は同じだ、尻をなめ回せ。………桐丸、わしはまだ立たないようだ、歳だな。お前は女の乳房を。十朗、桐がいかに巧みに女の乳房を揉みまわすかも見逃すなよ、横目で見ておけ。女はな、乳房で達することもできる。それほど鋭敏な部分でもあるのだ。…男の乳首と、一緒にするなよ」

 桐丸が紅葉の上着と胸を包むさらしを脱衣させると、歳にしてはたわわな紅葉の乳房がこぼれ落ちる。甲賀の里のばあやたちが、紅葉はいい女になる、どんな男でもたらし込める身体に成長すると、お墨付きを与えた肉体であった。紅葉は、影丸の説明と寸分違わぬ辱めを桐丸と十朗丸のふたりがかりで加えられた。

   くちゅくちゅくちゅくちゅ…
 もみもみもみもみ…
 ぺちゃ、ちゅぷ、ちゃぷ、くちゅ…

「!! !! !! むむぅ!! ふむぅぅ!! ぅぅぅぅ!!」

 ぴゅっぴゅっぴゅっぴゅっ ぴゅっぴゅっぴゅっぴゅっ ぴゅっぴゅっぴゅっぴゅっ ぴゅっぴゅっぴゅっぴゅっ

「…おほっ…それにしてもまれにみる感度の良さ。くつわを取ってやれ桐丸、もう舌を噛みきることもない。わしの一物をなめさせて、態勢を整えるとしよう。見ていろ十朗、今わしがこやつの前でブツをぶら下げるだけで、このくノ一、犬のようにくわえて離そうとしないだろう」
「影丸様、か、噛み切られてしまうことはないのですか?」
「一物がか? ははは、十朗、第一に、男根を噛み切るには荒縄を噛み切るほどの咬合力が必要なのだ、女の力では、歯が刺さる程度だろうな。第二に、このくノ一はな、今、男の一物が欲しくてたまらなくなっているのだ。股間が泉のようになっているのはな、その合図なのだぞ。睾丸まで熱心にしゃぶるだろう。見ていなさい」

 影丸が、自らの履き物をゆるめ、幾千もの女壺に使い込んできた半勃ち状態の男性器を紅葉の前に突きつけた。

「…………………………(だ………め………だ………こらえ、きれない………あたし………)」

 はぐっ。むちゃっ。

 紅葉が、影丸の巨根にむしゃぶりついた。口に入りきらない、それでものどの奥までほおばろうとする。よだれがぼたぼたと垂れる。さらに本能的に、睾丸をたおやかに優しく揉む。袋を広げたり、しぼめたりして。愛おしげに、愛おしげに………。

「おぅ、やはり屹立させるにはこれが一番。十分だ。十朗も女の舌を経験しておきなさい。先ほど一発出してしまっただろう? 気づかないでか。二発目は、くノ一の口内で発射しろ。驚くなよ、悦んでのみ下すはずだ。…桐、そろそろ中に挿入するぞ。わしが、女の下から突く。上で動くのは身体にこたえるからな。お前は上から、肛門に。わしは女の尻を撫で、お前は女の乳房を揉みつつ。十朗、これから性技の究極、二穴同時侵犯を見せる。腰の叩きつけ方も勉強しなさい。女は、口、乳房、尻、膣穴、尻の穴という五点を攻略され、女としてこれ以上ない悦びの表情を浮かべるはずだ。…つけ加えるがな十朗、お前は自分の一物に奉仕させながら、両手で女の手のひら、指の間、うなじ、女の背中、あとわきの下をなぞってやれ。そこも性感帯だ。あとは好きなところを愛撫するがいい。あとは自分で探求してゆけ…ではよいか、桐丸」

 影丸が男根を口から引き抜くので、紅葉は手を伸ばしてそれを追いかける。すぐに十朗の若く元気なそれが与えられて、紅葉は満足そうに再びぺろりと舌を伸ばす。
 男ふたりに抱え上げられ、なすすべもなく挟まれる紅葉。そして、ふたりの男の亀頭が、エラを張りすぎていて少し引っかかるが、ぐいと押して突き抜け…またたくまに、猛烈なまでに、紅葉の膣内へと挿入された。

 影丸と桐丸の目を見張る巨大な男根が紅葉の性器と肛門に根本まで埋没した。

「これはみみず千匹だ。膣が吸いついて、竿をくわえ込む。桐、ゆくぞ。…ほっ、ほっ、ほっ、ほっ、ほっ、ほっ、ほっ、ほっ」

 ぐちゅっ、ぐちゅっ、ぐちゅっ、ぐちゅっ、ぐちゅっ、ぐちゅっ、ぐちゅっ、ぐちゅっ

「あっ、あはっ、あふっ、あふっ、あふっ、あふっ、あふっ、あふっ、あふっ、あふっ、あふっ、あふっ、あふっ、あふっ、あふっ、あふっ、ふわあぁぁっ………もぐ、もぐ(あはあああああ)」



第四話


 紅葉は十朗丸の、これまた将来性あまりある見事な男の象徴を舌先にのせながら、動物のようにつばを落として快感の声を上げる。甘露の泪があふれて止まらない。ついに、小便まで………。さらに、紅葉は月経を迎えていた。経血が流れ出る。紅葉の汗、性液、よだれ、泪、小便、経血、その他それらすべてが混じり合ったものが、紅葉がひからびてしまうのではないかと思うほど湯水のように彼女の体外に送り出され、監禁部屋は床一面水浸しと言ってよかった。

 しゃわわわわわ………じょろじょろじょろ………
 どぶどぶどぶどぶ………
 ぽたぽたぽたぽた………

「すご…い…、女のおしっこだ…。おしっこほとばしりながら、悦んでるよ、兄さん方………。女人の、月のものの血? と、一緒くたになって…! くノ一の肉体って………これほどのものとは………」
「ははは、勤勉なやつ。はっ、はっ。こちらもがんばりがいがある。女はあまりに昂揚すると、小便までもらす。またひとつ知識を得たな、なんてな! …里に帰ったら、若い娘どもに小便をさせてやれよ?」

 十朗丸は知らずに紅葉の頭を抱え込んでいる。そして………!

「うっ!」

 どぷっ。どぷっ。どぷっ。

 紅葉の口腔に広がる、熱い液体。同時に………。

「ゆくぞ、桐丸! ふハッ!」
「っ!」
「あひゃぁっっっ……………」
 影丸と桐丸により、膣内と肛門内に、同時射精。

「おんなは………気を失ったか。なに、水でもかけて起こせばよい。…大体目に焼きつけただろう、十朗丸。…わしは戻って、少し休む。五回は大丈夫と言った手前、肩身が狭いがな。お前はまだまだ足りないだろう。基本となるのは、当然だが男としての性欲。あきるまで、このくノ一を楽しみつつ、おさらいをしなさい。いい、筆おろしになったな。桐丸、つき合ってあげなさい。…しばらくしたら、媚薬をもう一粒、忘れるなよ。そして突き放すように放置すれば、自分からこちらが聞かぬことまでしゃべる。依頼人と、甲賀の忍者どもの集合場所。その二点だけ確認すればよい」

 影丸が、着物を整えて、立ち去った。桐丸が、にやりと笑い………。

「…ふぃぃぃ~っ。やっかいな爺さんがやっとお帰りになっか。どぅよ十朗丸、こうやれああやれなんて指図されて、楽しめますかッてんだよなぁ。引退しろ、クソ爺い! おおし、犯すぞォ! 久しぶりのくノ一だ、息子がすり切れるまで、突いて、突いて、突きまくったるどォ! そっち持て十朗丸、でんぐり返しだ、秘技だぞォ! くぅ~っ、それにしてもこのくノ一、上物だぜ。このくらいの年格好の女が、締まりも弾力も最高なんだよなァ! 薬、薬、かまやしねぇいくつもあるんだ、三粒一気にのましちまえ」
「はッ、はいッ! 桐丸兄さん! お、おれもやるぞォ!」

 桐丸、十朗丸、紅葉の性の宴は、延々と続いた。紅葉は何度も何度も昇天し、その度に目を覚まされ、そしてまた何度も何度も絶頂にいたらされた………。


   明け方、未明。
 桐丸と十朗丸が、精液の最後の一滴まで紅葉の中にしぼり出し、紅葉のすべてを堪能しきって、まずいな、気を狂わせてしまったかも知れないな…と懸念しつつ、ふたりで紅葉の口を便器にじょろじょろと放出、紅葉はうつろな目をして男たちの小便にゴクゴクとのどを鳴らしていた頃。
 窮地を逃れて密かに帰り着いた紅葉の仲間が、先輩のくノ一集団に連絡を取った。  奇襲しか逆転の目なしと判断した彼女らは、闇に隠れて、伊賀忍者の隠れ場所に到達。
 作戦は成功して、くノ一たちはひとりも犠牲者を出さず、敵方の忍者たちは皆殺しにされた。体力を使い果たしていた桐丸、十朗丸も、なすすべなく死体になりはてた…かに見えた、だが十朗丸ひとりだけは、くノ一のひとりに変わり身し、命からがらその場を逃れていた。そのことにだれも気づかなかった。十朗丸の忍術に対する素質は、天賦、神業といっても過言でなかった。

 発見された、紅葉は………!

「この股をオッぴろげて赤ん坊みたいになってるの、紅葉ちゃんだよ。やっぱ、やられたあとだ」
「ああ、行き着くトコまで教えられちまった後って様子をしてるねェ。でもここまでいったくノ一は、逆に化ける。なにせ、ここから先はないんだからね。男を愛しでもしない限りね。紅葉ちゃんを、連れて帰りな。三日以内に、正気に戻らなければ、壊れちまってるってこと。かわいそうだけど使いものになんないんだから、山に捨てる。この娘の運次第だねぇ…! 前者であることを、あたしゃ祈るよ…(あら、この青年が握ってるの、伊賀の秘薬だよ。シメシメ、頂いておこう。これでわたしも今夜は、ウヒヒ)」
「はい、承知いたしましたよ。…ところで姐さん、あたくしにも一粒お裾分け下さいね」
「…めざとい、助平な娘だよ!」

 止まらなくなった小便を股に伝わせながら、紅葉はかつぎ出された。


   紅葉は、きっかり三日後に覚醒した。…一年後、紅葉が紅(くれない)と名称を変え、広く全甲賀くノ一の頭領となるまでに成長するとは、さすがに、紅葉を救出したくノ一たちにも、予想だにできていなかった。

 …そして、阿修羅丸…旧名・十朗丸も、ゆくゆく、全伊賀忍者の指導者となる。

 …ふたりは、いつか…再会する、運命にある。


終幕、あるいは…














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