はいね 作

官能小説『ローカル線の快楽』



出張でローカル線に乗ると決まって、缶コーヒーと新聞、文庫を買う。
文庫といっても表紙の黒いエッチな奴だ。
カバーを掛けてあれば、城山三郎でも読んでいるように思うだろう。
読み終わったら、文庫はその場に捨てて車両を替える。
ガラガラの車両でどこに座ってもいいが、地方の美人を捜すいい機会である。
掘り出し物はどこにでもいる。
次の駅を過ぎたらもとの車両に戻ってくるのがコツだ。

今日は豊漁である。捨てた黒い文庫を手に取っているのは、美人のOL風だ。
地方版の堀北真希というところだろうか、ショートカットとミニスカートがいい。
既に内容に集中している。
前半だから主人公がSMで攻められているあたりだろうか?
本人もまさか本を捨てた本人が来ているとは思わないだろう。
純文学の振りをしているが目の色で分かる。
好きなんだなと。
ちょっと離れたところに座って、新聞を読みながら観察する。
拾うのは女子高生の時もあれば、男の時もある。
男でも見ている分には楽しい。
相手はこっちが内容を知らないと思っているが、こっちは全部知っている。
もじもじと脚を組み替える高校生もかわいいし、まわりを気にしながら読む若い娘もかわいいものだ。
今日のOLは横にあったカバンを膝の上に載せた。
感じてきたね。
目つきが真剣だ。
意地悪だけど、心地いい眺めと言える。

今日は特にガラガラだから、手がカバンの下にある。
なかなか大胆なことをしている。
ミニスカートの上からオナニーかい。
本人をからかってもいいが、そんな趣味はない。
美人がエロ小説に熱中して、オナニーをしているところを垣間みるだけで十分だ。















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