はるはる 作

官能小説『ファイナルアンサー』



勝てば一億円。
サキは何度もその言葉を頭の中で反芻した。
番組のプロデューサーに言われた通り高校の制服姿で、スタジオに来たサキは今、ベッドに座って目の前のロボットと対峙していた。
このクイズに答えきれれば何の危険もなかった。莫大な賞金を手にして家の借金を返せるのだ。
両親に内緒で出たこのクイズショーにサキは負けるわけにはいかなかった。
目の前にいるロボットは、サキの両腕をガッチリと掴んでいた。
サキがクイズに答えられない度にコトにおよぶ気なのだ。
ロボットの股間にはいきり立つのモノがそそり立っていた。
サキは男性のモノを父親以外でみたことがなかったが、保険体育で習ったよりもずっとグロテスクだと思った。ロボットのくせにーー。
あんなものが自分の中に入って来ることは、堪えがたいものだった。
負けるわけには行かなかった。勝って家を救うのだ。

「第一問」
ロボットの口から勝負の開始が告げられた。
「次のうち、両生類はどれ?①ヤモリ②イモリ③トカゲ④カメレオン」

イモリかヤモリ……どちらかが両生類だったはずだが、どちらだったか答えが出てこない……。
「女子高生にはむすかしずきたかなー」
ロボットは機械的な音声サキを挑発した。

サキは思い切って答えた。
「ヤモリ」
ロボットはしばらくの沈黙の後、答えた。
「正解はイモリでした。はっずれー」
そういうと、ロボットはすかさずサキのブレザーをまくりあげ、ブラウスを引き裂いた。
「きゃっ」
サキが思わず声を上げると、ロボは再びサキの両腕を掴み、動きを止めた。
今、ブラジャーを露出している姿をネット配信されていることを考えると、顔から火が出そうな気持ちになったが、サキには恥ずかしがっている時間などなかった。
家族を救うため、サキはこのクイズショーに勝たねばならないのだ。

ブラウスがはだけたまま、第二門がロボットの口から告げられた。


「第二問」
ロボットは無機質な顔のまま答える。
「徳川三代将軍は次のうち誰? ①家康 ②家光 ③吉光 ④満國」
先は電光石火で答える。「②家光」
ロボットは少しの沈黙の後、「正解」と答えた。
「では、ここでもう一度ルール説明」
ロボットから、陽気な口調のアナウンスが流れる。 「クイズは全15問。15問のうち誤答が許されるのは5回。間違える度に挑戦者はよりエッチなことをされていきます。そして、5問間違うとエッショーの始まりだ。
しかし、クリアすれば賞金一億円。体を張って大金に挑むドリームマッチ。
果たしてこの挑戦者は夢を叶えられるか。
さあ、はりきって行こう。では、第三問」
サキは改めて自分の身に降り懸かる厄災を想像した。
このクイズ番組に挑戦して失敗したものの末路を、今まで何度も見てきた。
泣き叫びながらロボットに凌辱される挑戦者達。それは、ネットを通して全国中継されるーー。
産婦人科の処女検査にパスしたものしか受けることのできない狭き門。
それでも一億円の前には体を張るものは後を絶たない。
大金を掴むか、自分の初体験を公衆の面前に晒すか。
サキは次の問題に全神経を集中させた。


第三問から第八問までサキは、一問目の失敗を挽回するようにあっさりと答え続けた。
読書好きなサキは知識量にはちょっとした自信があり、連続して正解を叩きだしたのだ。
しかし、第九問の問題から、難易度が急激に跳ね上がった。
「第九問。アメリカ遺伝学者ゴダードが優性学を証明するために、研究した家系は何家? ①カリカッタ家 ②カリカック家 ③カリカッツ家 ④カリカット家」
聞いたこともなかった。あてずっぽうで答えるしかなかった。
「……1番。カリカッタ家」 正解への自信など一片もなかった。
ロボットはしばしの沈黙をする。
サキは生唾を飲む。
「残念。正解は②のカリカック家」
そう言うとロボットは、サキを押し倒し、左手でブラジャーをめくりあげた。 サキはとっさに解放された右腕で胸を隠した。
ロボットは素早くサキの両腕を掴むと、そのまま体重をかけて押し倒した。
両腕を無理矢理広げられた格好のまま、あらわにされたサキの胸に、ロボットは頬を擦り付けるように自分の顔をうずめてきた。
冷たい金属質の頬が、サキ胸元をまさぐりはじめる。
サキは必死に体をねじって脱出しようとするが、掴まれた両腕はびくともしない。腹に蹴りを入れて跳ね退けようとしても
ロボットは自分の胸元からは離れようとはしなかった。
そうこう抵抗しているうちにロボットは大きな手でサキの両手首を鷲づかみにして、両手をくっつけた万歳のポーズを、ベッドの上でサキにとらせた。
ロボットは開いた片腕でサキの乳房に手をかけた。円を描くように表面を撫でるように、触りはじめた。感触を確かめるようにいやらしく、撫で回すそのやり方はサキに恥辱を与えるに十分だった。
機械の分際でーー。
全身に鳥肌が立つ。
胸元をまさぐられたことなどサキには経験がなかった。
ロボットはたっぷりとサキの胸をいじると今度は胸の谷間に位置していた顔を片側にずらし、サキの乳首を吸いはじめた。
舌の先端で乳頭が転がされると同時に、吸い上げらる感覚はサキにとって始めての感覚だった。
乳首から、身体中に嫌悪感が走る。

嫌悪感が体をプッシュし、目の前のモノヲ跳ね退けようとするが、どうにもならなかった。
身体を動かすことで発散されるはずの嫌悪感は、行き場を失い、サキの唇から吐息となって漏れる。
そんなサキを尻目にロボットは一心不乱にサキの乳首を責め続ける。
乳首を吸いながら上目遣いでサキの顔を見上げる行為に、サキは怒りを覚えた。
サキは必死になって声を殺した。身体の震えを必死に止めているサキを尻目に、ロボットは胸を揉んでいただけの手を、次第に乳首に集中しはじめた。
ロボットは、乳首だけを執拗にいじりはじめた。糸をよじるように乳首の先をいたぶられる。執拗に両乳首をいじられながらサキは脇の下に汗がながれ落ちるのを感じた。

両の乳首はすでに隆起しており、ますます敏感になりはじめた。
こんなことでは、この先のクイズに集中できないーー。
サキは必死に堪えながら次の問題がアナウンスされるまで、眉間にしわを寄せながら堪えつづけた。
第十問……サキは歯を食いしばりながら、アナウンスを待った。















inserted by FC2 system