アダム坂井 作
官能小説『性器治療』
第1話
エンゼル・ウィメンズ・クリニックは、女性専門の診療室らしい明るく清潔感の漂う内装が施されていた。壁にはフレームに入れられた赤ちゃんの写真ポスター、小さな鳩時計が架けられている。
受付に保険証を提示すると、薄いピンク色の制服を着た清楚な看護師が応対した。
「本日は、どうされましたか?」
明るく問う看護師に、洋子は強い恥ずかしさをおぼえた。
「あの・・・ちょっと、身体の相談というか・・・診察を・・・」
そこまで言うのがやっとだった。しかし看護師は怪訝な表情を浮かべることなく、
「はい、わかりました。準備ができましたらお呼びしますので、そちらでお待ちください」
と待合室のソファを指さした。
ソファに浅く腰掛け、洋子はここに来たことを後悔していた。もし自分が異常体だと言われたら・・・。不安にかられ、自分の足下ばかりを見つめる洋子を、先程の看護師が呼んだ。
「植野さん。植野洋子さん、どうぞ」
「あ、はいっ」
診察室のドアを入ると、洋子を迎えたのは眼鏡をかけた真面目そうな男性医師だった。
「植野洋子さんですね。こちらへどうぞ」
医師に促されるままに、洋子は椅子に座った。医師はカルテに何か書き付けてから、
「本日は、どうされましたか」と尋ねた。
洋子はここへ来たことを完全に後悔していたが、もう後戻りはできない。恥ずかしさを押し殺しながら、話し始めた。
「あの・・・あそこを・・・じかに触ると痛くて・・・もしかしたら病気では、と・・・」
途切れ途切れにしか話せない洋子の緊張を解くべく、医師はやさしい口調で言った。
「ああ、いいんですよ、そんなに堅くならずに。痛いというのは、どのあたりがですか?」
「あの、あの・・・」
そう言われても、あの部分の名称を女性がハッキリと口にできるはずもない。口ごもる洋子よりも先に、医師の方が口火を切った。
「クリトリスですか?」
洋子はドキッとして思わず下を向いてしまった。そして聞き取れるかどうかというくらいに小さな声で、
「・・・はい」
と答えることしかできなかった。医師はまたカルテに何かを書き付け、
「セックスのご経験は?」
「は、はい、ありますが・・・その時につらくて・・・」
「そうですか。それはお気の毒に・・・大丈夫、よくあるご相談ですよ」
医師のその言葉に洋子は安堵を感じ、緊張が急に解けるのを感じた。
「ご自分で触れても、痛いですか」
「はい、多分・・・あまり自分では触れたことはないです」
「そうですか。あまり刺激に慣れていないのかもしれませんね。でも大丈夫ですよ、それは病気ではなくあくまでも体質ですから、これから改善できますからね」
「は、はい」
洋子は医師の優しい口調に、このお医者さんを信頼しよう・・・と思い始めていた。
「では、実際に診てみますので、そちらへどうぞ」
医師が指さす方を見ると、そこには女性が赤ちゃんを産むときに乗る台・・・分娩台が設えてあった。先程の看護師に付き添われ、洋子は分娩台のそばへ歩み寄った。
「では、下着を取ってそこのバスケットに入れてください」
「はい・・・」
洋子は下着を脱ぎ、再び緊張が走るのを感じながら思い切って分娩台に上がった。
「はい、いいですよ。足をそれぞれそこの台に乗せてください」
看護師はそう言いながら、洋子の脚と脚の間に立ち、パシャパシャと水音をさせながら診察の準備をしている。洋子は自分の性器が外気に晒されている感覚と、看護師にまともに見られているという感覚とで、緊張のあまり返事もできずにいる。その様子を察してか、看護師は小声で
「大丈夫ですよ、先生はとてもお上手な方ですよ」
そう言って洋子にほほえんで見せた。
「では、洗浄します。濡らしますよー」
「は、はい・・・」
小さなホースのようなものから出るぬるま湯で、看護師は洋子の性器を洗浄しはじめた。パシャパシャパシャ・・・看護師の指が、洋子の性器の溝をなぞる。大陰唇と小陰唇のすき間をこすり、そのまま陰核包皮を軽くむき上げて水流を当てられた時、洋子は思わず声を上げた。
「あ!」
その時、カーテンの向こうから医師が現れた。
第2話
「君、そこにはあまり刺激を与えないでおいてくれ」
「はい、わかりました」
看護師は洗浄をやめ、洋子の性器の水気をタオルペーパーで軽くふき取った。
「では診ますねー」
医師は椅子に座り、傍らのライトを洋子の晒された性器に当てた。その指が洋子の大陰唇をつまみ左右に開く。看護師は医師の隣で、洋子の性器が開かれるさまを見下ろしている。洋子は、恋人とのセックスの時とは違う、何か甘酸っぱい快感のようなものを感じていた。今、自分の一番大事なところに光を当てられ、しっかりと見られているということに興奮し初めていたのだ。
「痛かったら言ってくださいね・・・ここ、ですね?先程のお話の場所は」
医師は洋子の陰核包皮をゆっくりやさしく引き上げた。ずる、という感覚とともに陰核が剥き出される。医師は顔を近づけ、まじまじと洋子の陰核を観察し始めた。
「はあ、はあ・・・」
洋子の息づかいが、恥ずかしさと興奮が入り交じって無意識のうちに激しくなる。
「ああ、これは・・・小さなクリトリスですね。これでは外部の刺激に慣れないはずですね」
「えっ、小さい・・・ですか?」
洋子は思わず尋ねた。
「ええ、成人女性にしては小さいです。今は・・・完全な性的興奮状態ではありませんからこれがどの程度まで膨らむのか、試してみないといけないな」
医師はそう言うと一度洋子の陰核から指を離し、横にいる看護師にこう言った。
「君、陰核亀頭マッサージをして。5分くらい、過敏症候群の可能性があるからごく軽めに・・・ああ、一応開脚台を固定にして」
「はい」
看護師はカーテンの陰から、分娩・堕胎時用の開脚台を運び出してきた。これはヒザの部分を左右それぞれ乗せベルトで固定するもので、脚を閉じないようにする器具である。
「あ、あのっ、何をするんですか?」
洋子は恐怖におののきながら看護師に尋ねた。
「今から治療に入りますからね、脚を固定しますよ。さあ、ここにヒザを乗せてくださいね」
治療、という言葉が洋子の恐怖を煽った。だが、看護師の手慣れた作業によって洋子の両脚は分娩開脚台にしっかりと縛り付けられてしまった。先程の診察用の開脚台よりも更に大きく性器が開く角度に固定されたため、洋子の性器は手を触れなくてもパックリと割れて中身まで丸見えの状態である。
看護師の手がが洋子の性器に触れた。真剣な目つきで洋子の性器を見つめ、陰核包皮を剥き上げる。
「いやっ、怖い・・・」
「怖くないですよー。ちょっとマッサージしまーす・・・」
その言葉が終わるか終わらないかのうちに、洋子はびっくん、と身体を跳ね上げていた。
むき身の陰核を、看護師が摘み軽く揉み始めたのだ。
「く・・・・・・・っ!」
身をのけぞらせ、洋子は陰核への刺激をまともに受けている。看護師の指先が、陰核をリズミカルに揉み続ける。
「い~~~~~!!いぁっ!いっ!い、いぁっ!」
言葉にならない短い叫びが診察室に響き渡った。抵抗しようとしてくねらす身体が分娩台に当たり、ガタガタと振動する。
「ああ、動かないでくださーい・・・」
看護師がやさしい声で注意するが、洋子は必死だ。いつも恋人に悪戯されるのと同じ感覚に翻弄されているのだ。
「きひーーー!痛っ!いたぁぁい!」
「がまんしてくださーい」
「ひいいい、ひいいい、きひーっ!!」
そんなやりとりが幾度も繰り返されたところへ、再び医師が現れた。
「どうかな?陰核勃起は見られた?」
「ええ、でもこれで最大みたいですね」
「ふぅん・・・突起になってきてるけど、肥大はしないねえ。どれ」
看護師に代わって今度は医師が自ら洋子の陰核を触診し始めた。左手親指で包皮を剥き上げ、右手の指で陰核を摘み上げる。洋子はまた、身体を跳ね上げた。
「いっ!ひいいいい・・・・いぁぁぁぁ!」
「植野さん、落ち着いて。動いたらだめだよ・・・。ちょっと君、患者さんのことリラックスさせて」
「はい」
第3話
看護師が返事をして、洋子の頭側に歩み寄った。
「失礼しまーす」
そう言うと看護師は、洋子のブラウスのボタンを上から外し、ブラジャーの中へ手を滑り込ませてきたのだ。医師に陰核を刺激されながら、看護師に乳房を撫でさすられ、洋子は驚愕した。
看護師の指が、洋子の乳首を軽く摘み、クリクリと転がし始めた。
「ああっ、あはあっ・・・ああ・・・いひぃ!うう、うっ・・・・きはぁ!」
思わず声が出る。しかし、陰核刺激の痛みも混ざり、時折叫びにも似た声を上げてしまう。
ズルズルズルッ!突然、性器に吸引機が当てられた。洋子が驚いて顔を上げ医師の方を見る。
「ちょっとずつ潤滑液が出てますよ・・・あなたが健康な証拠ですから恥ずかしいことじゃないですよ」
吸引機で、医師は洋子の膣口から流れる愛液を吸い取ったのである。洋子は恥ずかしさのあまり、べそをかきはじめた。
「うっ、うっ、ううっ・・・」
「どうしました?大丈夫ですよー。・・・痛かったですか」
陰核刺激をやめた医師が尋ねた。
「はい・・・っ。痛かったです・・・うううっ」
「そうですか、やっぱり。植野さんのはね、陰核が人並よりも小さいんですね。だからいつでも包皮にもぐったままで、外刺激に慣れていないんです。ですから、今日はこの部分を少し膨らます治療をしましょうね」
そう言いながら医師は、傍らの治療器具台の上でカチャカチャと何かを準備し始めた。
「あのっ、何を・・・?」
「陰核を肥大させるお注射を打ちますからね」
「ええっ?!注射!・・・いやああああ!」
「落ち着いてくださいね、植野さん」
医師の代わりに看護師が答えた。看護師は洋子の乳首をクリクリと転がし、時々きゅっとつまみ上げて刺激を続けている。
「ひいいい」
洋子の陰核が再び剥き出しにされ、そこにアルコール綿が当てられた。
「なにしろ直接針を刺すので、相当痛いでしょうけど頑張ってがまんしてください」
「いやーーー!いやあああああああ!!」
暴れる洋子の肩を看護師が押さえつける。医師の指が、洋子の陰核を付け根まで剥きだし、数回アルコール綿で揉んだ。
「あああっ!」
「ではいきますよ・・・歯をくいしばってー」
「いやっ、いや!怖い!」
暴れる洋子が手に負えず、医師は一度注射をあきらめ看護師に命令した。
「ちょっと君、ここ剥いておいて」
「はい」
看護師が洋子の陰核包皮をこれ以上剥けないくらいに剥き上げた。これでもう、逃げられない・・・いよいよ注射針が洋子の過敏な陰核に近づいてきた。ひくひく、ひくひく、恐怖で息をするように蠢く洋子の陰核。
「ぃはあぁぁぁっ」
こらえきれず漏れ出す悲鳴にかまわず、洋子の陰核に注射針が打ち込まれた。
ぢくっ!
「ぎゃああああああっ!!」
洋子は白目をむき、身体をのけぞらせた。痛い!焼けるような激痛が陰核を襲う。
「ぎ・ぎ・ぎ・・・・!」
あまりの激痛に息もできない。まだ針が刺さっただけの状態で陰核が破裂しそうに痛い。
やがて医師が、薬液を注入し始めた。
「がああ!があああ!」
首を左右に激しく振り、白目をむいたままで泣き叫ぶ洋子の性器からは、ビシュッビシュッと
失禁尿が飛び散り、医師の白衣に黄色い染みをつくっている。
「いだああああい、いだああああああい、わああん、わあ~~~~~ん」
洋子は子供のように泣き叫んだ。陰核がむしり取られる!そんな痛みに耐えきれず、尿まで噴き出しながらの抵抗をしたが、それも叶う筈はない。
やがて、注射針が抜き取られた。
陰核がたまらなく熱を帯び、激しく脈打っているのが目に見える程である。薬が効き始めたのだ。洋子の陰核はものすごい速度で肥大しはじめていた。
第4話
「植野さん。植野さん、終わりましたよ」
看護師に肩を軽く揺すられ、洋子はようやく我に返った。
陰核への注射という荒療治が行われたのは時間にすればほんの数分の間の出来事だったにも拘わらず、洋子にとってはまるで何時間もの拷問のように感じられた。全身からびっしょりと汗が噴き出し、激痛のあまり叫び続けた喉がひりひりと痛む。
そして‥‥看護師に包皮を剥かれ、有無を云わさず針を刺された陰核は、洋子に今までに感じたことのない感覚を与えていた。触られてもいないのに、包皮が剥かれているような、何か弾力のあるものが性器の一部にはめ込まれているような感覚である。
分娩台の上でまだ半ば放心状態のまま、洋子は看護師に尋ねた。
「あの・・・私の、どうなっているんですか・・・」
看護師はやさしく微笑んで答えた。
「大丈夫ですよ、順調に変化していますから・・・ご覧になりますか」
「変化・・・?変化って・・・」
「ほら、見てみてください」
看護師が洋子の性器を手鏡に映して見せた。
洋子の陰核は、明らかに肥大していた。直径3ミリ程度だった陰核が、注射によって小指の頭くらいまで肥大・・・いや、腫れ上がっている。
「うそっ・・・!こ、こんなに・・・!」
「今日から少しの間は、この部分が外刺激を受けますから少し痛いかもしれませんけど、すぐに慣れますよ。さあ、もう降りて結構ですよ」
促され、洋子はゆっくりと分娩台を降りた。床に足をつき、立とうとした瞬間に思わずガクッと膝をついた。
「痛っ!」
肥大した陰核に、陰唇が擦れ当たっているのだ。
「うっ・・・ううっ・・・」
必死になって、楽な姿勢を探そうとする洋子だが、どう動いても陰核が擦れる。
どうにか立ち上がりショーツを履いたが、また別の刺激が洋子の陰核を襲う。
待合室に出た洋子に、白衣を着替えた医師が声をかけた。
「植野さん、また具合が悪くなったらおいでください。痛みはすぐに消えますよ」
「は、はい・・・」
洋子は、二度とここには来たくないと思いながらも、もしもこのままこんな痛みが続くとしたら・・・と、そう思うと心が暗くなった。
受付から看護師が、保険証とともに小さな紙袋を洋子に手渡す。
「お薬をお出ししますね。塗り薬です。白い容器の方は消毒液です。それからこの赤い容器の方なんですが、これは性交渉を行う時に塗っていただくと具合がよくなりますので・・・」
洋子は不自然な歩き方でクリニックを出た。
ちょうどいいタイミングで表通りを空車のタクシーが通過するのをつかまえて乗り込む。
とてもまともには歩けない・・・洋子はジクジクと痛む陰核に気を取られ、運転手に行き先を告げることさえ忘れているのだった。
それから3日が過ぎた頃には、洋子の陰核の痛みは嘘のように引いていた。
肥大したそのサイズは保ったままで、具合良く包皮から少しだけ顔を出した陰核を、洋子は手鏡に映しては眺め、クリニックから出された消毒液を染み込ませる。
それまでは恐る恐るだった消毒だが、特に痛みもなくなったため、洋子は思いついて・・・勇気を出して、自分で包皮を剥き上げてみた。
最初は包皮に指を当て・・・少しずつ・・・少しずつ・・・・。
・・・・・ズルッ!思いのほかすぐに、陰核が外に飛び出した。
「ああ・・・!」
鏡に映った、濃紅色の小突起を見つめて洋子はため息をついた。
大きくなっている、こんなに・・・。洋子はまたひとつ勇気を出して、そのてらてらと艶のある陰核を指で触れてみた。
ぺとっ。そしてそのまま、少しだけ押してみる。
こりっ・・・。
「はああ・・・はあああ・・・」
洋子は夢中になっていた。陰核に血液が集まり、固く勃起してきたのが分かる。
陰核の内部に、軟骨でもあるかのような感触だ。こりこりこり・・・洋子は更に速い指の動きで、陰核を小刻みに押し続けた。
「ああ、ああ、ああ!き、きもちいい」
洋子は信じられなかった。それまで痛みしか感じられずただ恨めしい存在でしかなかった自分の陰核が、快感をもたらしているのだ。
第5話
いつしか洋子の膣口からは濃い膣汁が溢れ、ぬめぬめと会陰を湿らせ、肛門にまでその汁は到達していた。
「はあ!はああ!あ~~~~!」
床に寝転がり目を閉じ、大股開きで夢中で性器をいじる洋子。
「何してるんだ」
突然の声に、洋子は驚いて顔を上げた。いつのまにか合い鍵を使って洋子の部屋に入ってきていた友彦が、洋子の痴態を見おろしていたのだ。
「あっ、友彦・・・」
洋子は大急ぎで身を整えようとしたがすでに遅かった。立ち上がろうとする洋子を友彦は床に押し倒した。
「オナニーしてたのかぁ」
「ち、違う・・・」
「嘘つけ!見てたぞ。お前、いつもイヤがるところをいじってただろ」
そう言うと友彦は、洋子の両脚を力ずくで大きく開いた。
洋子の性器が・・・治療を施された洋子の性器があからさまになる。
「おい・・・どうしたんだ、これ・・・!」
「ああっ、見ちゃいや・・・」
明らかに変化を遂げた洋子の陰核を見た友彦は、瞬きするのも忘れたように、食い入るようにその一点を見つめている。
「・・・なんかやったのか?」
洋子は仕方なく話し始めた。
「病院へ行ったの。あなたとセックスするのに、痛くて辛くて・・・」
「どうやったらこんなになったんだ?」
「・・・注射を打たれたの・・・クリに・・・」
友彦は何も言葉を返さなかった。そのまま、洋子の陰核に手を伸ばす。
こりっ・・・的確に洋子の陰核をとらえた友彦の指に伝わったのは、以前とはまるで別人のそれのような、洋子の陰核の弾力だった。
その指に、段々と力が加わる。・・・きゅっ!
「んあああ~っ!」
洋子は拒まず、尚更に両脚を大きく拡げ、性器をせり出すようなポーズで声を上げた。
「と、友彦ぉ!そこ、きもちいいの、きもちよくなったの!だから・・・」
「だから?」
意地悪く友彦は聞き返す。
「だからどうなんだ・・・言わないと・・・こうだぞ」
ムギュン!友彦の指が陰核をつねり上げる。
「ひあ~~~~!も、もっと、もっとぉ」
「いいのか?クリがいいのか?よくなったのか?」
「いいのっ、そこいいのっ!おおお~、おおお!」
洋子は、初めての激しい快感を陰核の一点に感じていた。腰から下の力が抜け、汁を垂れ流す膣口は陰茎を欲してすっかりほぐれて口を開けている。
友彦は大急ぎで服を脱ぎ始めた。
ふと洋子は、クリニックから渡された『赤い容器』の軟膏のことを思い出した。全裸になって覆い被さろうとしている友彦に、洋子は言った。
「お願い、これ、塗って」
「何だこれ?」
「お医者さんでもらったの。セックスの時にクリに塗りなさいって」
「わかった」
友彦は、洋子の陰核を剥き出すと、その軟膏を陰核全体に塗り込んだ。
「あ、ああ!なんだかそこが・・・ああっ!熱くなってきたみたい・・・」
「きっとこれ、感度上げる薬だぞ」
「んん~、んああ~、早く!早くう!」
洋子の陰核は、薬の塗布によって感度を増していた。痛みを感じるわけではなく、陰核表面がカッと熱くなるような・・・触れていないと、痒みがこみ上げてくるような妙な感覚である。
「いやあああ、早くクリをいじって!私のクリをやって~~~!」
「あああ、洋子!お前がクリトリスをよがるなんて・・・!」
友彦の陰茎亀頭が、洋子の膣口に照準を合わせる。
くっちゅ・・・亀頭を洋子の熱い粘膜のひだにめり込ませると、そのまま洋子の性器を串刺しにした。
ブジュジュ!淫らな音を上げ、洋子の膣は友彦の陰茎を飲み込んだ。
「あはあああああ!いいー!」
第6話
「よ、洋子!すごい、すごい濡れてるよ」
友彦は腰を使いながら、洋子の陰核をいつものように摘み上げようとして、一瞬目を疑った。
「ああっ!洋子!すげえ」
「な、なにっ・・・」
「お前のクリトリス、長くなってる」
「ええっ!」
洋子は思わず身体を曲げて自分の陰核を覗き込んだ。そこに見えたのは・・・長さ2センチ程にまで勃起した、真っ赤な陰核であった。それはまるで、小さな陰茎のように固く伸びている。
「うそっ・・・・!!」
「すげえ!すげえ!洋子のちんちんだ!」
友彦は再び腰を前後させ、洋子の膣壁を擦りだした。そして洋子の長く伸びた陰核を、まるで陰茎をしごくようにして刺激し始めた。
「ぎひいいいい!」
洋子はのけぞって悲鳴を上げた。怒濤のような快感が陰核を中心に駆け昇ってくる。
乳首を尖らせ、陰核を尖らせ、膣には張り切った陰核を飲み込み咀嚼するように性器全体が蠢いている。
「洋子、締まる!すごく締まっているよ!」
「友彦ぉぉぉ!す、すごくいい、いいいいい」
友彦の指が洋子の陰核を断続的に引っ張ると、膣はそれに合わせて収縮を繰り返すのだった。
「おおっ、おおっ、出る!出る!」
友彦が切迫した声を上げる。
「私も出そう、出ちゃうよぅ」
陰茎を出し入れするスピードが速まり、友彦は洋子の腰をしっかりと掴んだまま子宮めがけて陰茎汁を飛ばしていた。
それとほぼ同時に、洋子は友彦の腹めがけて、熱い尿を噴き出してオルガズムを迎えていた。
洋子はオルガズムの波と、放尿の開放感に包まれながら、あの『赤い容器』が陰核に与える効果を実感していた・・・。
洋子が再びエンゼル・ウィメンズ・クリニックを訪れたのは、それから2ヶ月程経ってからのことだった。
『赤い容器』の軟膏が底をついたのと、最近になって友彦から性器の変色を指摘されたため、再診を受けようと思ったのだった。
前回と同じ看護師が、受付で洋子を出迎えた。
「あ、植野さん・・・でしたね。どうされました?」
「あの、お薬がなくなってしまったので・・・それから、一応再診を・・・」
「はい、わかりました。診察室へどうぞ」
診察室へ入ると、洋子の陰核を見事に完治させた医師がこちらを振り返っていた。
「どうですか、その後の具合は?」
「はい、お陰様で・・・よくなりました。ありがとうございました」
洋子は、陰核過敏が完治して恋人とのセックスが楽しくなり、回数も増えたことを報告した。
そして、今度はまた別の悩み・・・性器の変色について相談を始めた。
「黒ずんできた、って言われたんです。セックスのしすぎでしょうか・・・」
「それは・・・いけませんね。ちょっと診ましょうか」
「お願いします」
洋子は、自分が陰核を治療されたあの分娩台へと歩み寄ろうとした。それを、医師が不意に止めた。
「植野さん、今日はまず尿検査をしてみましょう」
「え・・・?」
「尿で色々分かることがありますからね」
「はい・・・」
看護師に紙コップを手渡され、洋子はトイレへ向かった。
紙コップに尿を満たして診察室へ戻ると、看護師が言った。
「待合室の方へどうぞ。少々お時間いただきますけど」
「はい、わかりました」
洋子はソファに腰掛け、何気なく携帯電話を取り出した。今日は友彦の仕事が休みの日だったことを思い出し、電話をかけてみることにした。
吉岡友彦・・・友彦の住む部屋に電話をするのもそういえば久しぶりのことである。大抵、友彦の方から洋子のところへ毎日電話を入れてきていたし、たとえ洋子の方から部屋に電話を入れても留守のことが多いため、知らず知らずのうちに洋子がかけることもなくなっていたのだ。
まず、アドレスから友彦の携帯番号を呼び出してダイヤルする。
・・・『お客様のおかけになった電話番号は現在使われておりません』・・・
かけ違いをしたと思い、洋子は再びダイアルしてみた。
・・・『お客様のおかけになった電話番号は・・・』・・・
洋子に一瞬にして不安が走る。今度は友彦の部屋の番号を呼び出し、ダイアルした。
・・・『お客様のおかけになった電話番号は現在使われておりません』・・・
・・・嘘!どうして・・・?!
何度かけてみても、結果は同じだった。
これは一体、どういうこと?!
訳がわからず呆然とする洋子を、受付から看護師が呼んだ。
「植野さん、お待たせしました。・・・中へどうぞ」
「あっ、はい」
頭の中が真っ白なまま、洋子は再び診察室へ入った。
医師がカルテに何か書き付けながら、洋子の顔をチラリと見る。
そして、こう言ったのだ。
「植野さん、妊娠されていますよ」
洋子は一瞬にして全てを悟った。友彦は逃げたのだ。
妊娠による変化・・・性器の変色、膣圧の変化、子宮口の軟化・・・それらを察知し、責任を要求される前に姿をくらましたのだ。
洋子は、突然こみ上げる吐き気に、口元を両手で押さえ、トイレに走った。
胃の中の未消化のものを吐き出し、苦しさに息を荒げながら、片手で自分の下腹を押さえた。
この子宮の中に吐き出された友彦の陰茎汁‥‥それが今、洋子の中で根を下ろし、確実に育っているのだ‥‥。
洋子は診察室に戻り、医師に告げた。
「先生・・・私、産めません。中絶手術を・・・お願いします・・・」
完