官能小説『女優・樋山香奈子』

赤星 直也 作







第8話 収録

 翌朝、4人はメイドの声で目が覚めた。
だが「服がないわ、どうしよう、借りた服なのよ!」慌てる康子に「心配しなくていいわよ。メイドが手入れしているから」
「でもないんです、着る服が。このままだと裸のままです…」
「心配しないでいいわよ。シャワーを浴びればわかるから行きましょう」笑顔のリサを先頭に4人は浴室に向かった。

 浴室に入ると早速シャワーを浴びて「ほら、ここも洗わないと!」2人の淫裂にシャワーが浴びせられていく。
「気持ちいいわ、さっぱりして!」体を充分洗い流してから、バスタオルで体を拭いていくと「あら、着替えが用意されている!」

 「だから心配ないと言ったのよ」
「そうよ、そんな心配しないでいいから行きましょう」用意されたガウンに体を包み、浴室からリビングに向かうと「朝食ができてます」メイドが準備していた。
「悪いわね、座って食べて」リサの言葉で4人が座り、朝食を摂った。

 朝食が済むと、香奈子と康子はリサに連れられて寝室に向かう。
部屋に入るなり「これが似合うわね、これを着て。下着はないから直接着て!」と香奈子に言う。
渡された服を受け取った康子と香奈子は、ガウンを脱いで全裸になった。

 「いいわね、若い2人は肌がピチピチしていて!」恨めしそうに衣服を着込む2人を見つめていた。
「恥ずかしいです。そんなにジロジロ見られると…」
「そんなことじゃ、いい女優になれないわよ。恥ずかしがったら、いい演技なんかできないわよ」
「そうですよね、その通りです。恥ずかしがっていたら演技なんかできないわよね」吹っ切れたのか、香奈子は普段のように服を着込んでいく。

 「私は無理です。恥ずかしくて仕方ありません…」康子は耳まで真っ赤にしながら服を着込んだ。
「いいわね、2人とも似合うわよ。それあげるわ!」
「いいんですか、こんなに頂いて?」
「もう着れないわよ。こんな歳だしね」笑顔で香奈子の胸を見つめているリサだ。

 リサからもらった服を着込むと、2人は遠藤から借りた服を大事そうに抱えて、タクシーに乗ってBBN放送の遠藤の所に向かった。
「昨日はお世話になりました。早速ですが、お借りしたドレスをお返しに上がりました!」

 「ドレスだったら、衣装室に返せばいいよ。それより似合うね、その服!」
「これですか。宮田リサさんに服を頂いたんです。香奈子さんばかりでなく、私までもが…」康子が言う。
「凄いね。宮田リサが服をくれたと言う事は、リサに認められた証拠だよ!」
「そうなんですか。軽く考えていましたから…」意味もわからず、2人は衣装室にドレスを返してから帰った。

 それから数日が経って、鵜野光太郎作の「人妻の柔肌」収録が行われた。
「はい、キュー!」ビデオカメラが回されて、カメラの前に立った美和子は、恥じらいもせずに服を脱いでいく。
「見て下さい、これが私の全てですから」俳優を前にして下着も脱いでいく。

 (恥ずかしいわ。やっと生えたばかりの性器が見られている!)腰で結ばれたパンティの紐も解いて、全裸になっていくが、カメラは淫裂を写すまいと、上半身のアップにしている。
モニターには美和子の乳房がハッキリと映り、その乳房が俳優によって撫でられ、ラブシーンが始まった。

 「いいわ、いいわよ!」全裸の美和子に覆い被さった俳優も全裸になり背中が映っている。
(お、オチンチンが膣に入っている!)
(いいだろう、やらせろよ。本番が得意じゃないか!)
(いや、本番はもうしたくないのよ)腰を引いていくが、俳優が肉竿を押し込んで「あ、あ、あー!」喘ぎ声を上げてしまった。

 (こいつ、本気になってきたぞ。よし、いくか!)俳優も乳房を揉みながら腰の振りを早め「いいわ、いいわ!」虚ろな目で悶え声を上げていくと(いやよ。膣の中は出さないでよ!)美和子は淫裂の中が暖かくなっていくのが感じられた。

 「はい、OKです!」俳優は肉竿を抜いて、起きあがった。
「やっぱり、本番をやっていたのか。迫力合ったから、もしかと思っていたが…」それ以上声を出せない監督だ。
「仕方なかったんですよ。僕を求めてきたから、つい本気になってしまいまして…」
(違うわ。あなたが先に求めたじゃないのよ!)俳優の言葉に不満を持ちながら、股間を押さえている。

 「よし。それだったら、これから入浴シーンだ。そのままで行くからね」
「わかりました」股間を押さえている美和子に「はい、キュー!」開始の声で、美和子は股間を押さえながら立ち上がり、浴室に向かっていく。

 「カット。股間を押さえながら歩くなんて不自然だ。2人しかいないんだよ、ここでは!」
「すみません、注意します…」(でも、手を退けたら精液が流れてしまうし)迷いながら横になっていく。
「はい、キュー!」(やるしかない、見られてもやるしかない!)今度は股間を隠さず起きあがり、そのまま歩いていくが、淫裂からは精液が流れていた。

 (膣から流れていく、精液がこぼれていく!)お尻を揺らせながら歩く姿が、カメラに納められて浴室に入り、シャワーで股間を洗いだした。
(もう平気だわ。でも見られてしまったかも。スタッフに恥ずかしい姿を!)膣を洗い終えると胸にノズルを当てて乳房をも洗っていく。
カメラは、お尻や乳房など差し支えない美和子のヌード姿を映して「はい、OKです」美和子のヌードシーンの収録がとりあえず終わった。

 美和子の演技を、モニター越しだが香奈子はしっかり見ていた。
(セックスしている。それに、あんなにアップに撮るなんて。主役を降ろされてよかったかも…)脇役にされた事をむしろ喜んでいた。

 だが、香奈子もヌードにならなければならなかった。
「今度は樋山香奈子さんの出番です、準備をお願いします」スタジオのマイクから告げられた。
「香奈子、頑張ってね、ヌードはもう平気でしょう?」
「わかんない。とにかくやってみる!」香奈子は康子の励ましを受けてスタジオの中に入っていく。

 「いいね、ゆっくり脱ぐんだよ。急いで脱いだら不自然だからね」監督が香奈子に注意していく。
「わかりました」香奈子が待機すると「よーい、キュー!」香奈子は歩いて大きな鏡の前に向かっていく。
「疲れたわ。休まないと…」そう言うとシャツを脱いで、まっ白なブラジャーをカメラが捕らえていく。

 (見られているわ、大勢のスタッフに!)スカートも脱ぎパンティがモニターに映った。
(恥ずかしがらないで、ヌードに負けないで!)祈るようにモニターを見つめる康子だ。
そんな事とは知らずに、香奈子は背中に両手を回してブラジャーのホックを外していく。
(お、オッパイが撮られてしまう!)叫びたい気持ちを堪えて肩紐をずらし、両手を下げた。

 鏡には、香奈子の露わになった乳房が映り、その鏡に映った香奈子の乳房がカメラがしっかり捕らえている。
「映った、香奈子のオッパイが!」康子は思わず叫んでしまった。
だが、香奈子はパンティも脱がなければならない。
両手でゴムを掴み一気に下げていくと、丸みを帯びたお尻がアップになっている。

 (いや、それ以上はいや。オッパイだけにして!)体を丸めると、さすがにカメラは淫裂が写るのを避けて、乳房を垂らした香奈子の上半身だけにしていく。
(見られている。ヘアを見られている!)それでも香奈子は足を上げて、パンティを脱いで生まれたままの姿になった。
(恥ずかしい、こんな姿が見られているなんて!)乳房と絨毛を晒した姿が鏡に映っている。

 「気分転換だわ。今日はこれにしようかな?」スケスケのスリップをクローゼットから取り出し着込んでいくが(いやよ、オッパイが丸見えだわ。それにヘアまでスタッフに見られてしまう!)恥ずかしさを堪えて、振り向きながらカメラの横を通り過ぎていく。
(見られている。ヘアとオッパイが見られている!)

 「はい、OKです!」その言葉で、香奈子はその場にうずくまり、両手で乳房と股間を押さえてしまった。
「康子さん、タオルを下さい、早く!」悲鳴に近い声だ。
「待って、今行くわよ」康子もスタジオの中に入り香奈子にバスタオルを巻き付けて行く。
「ありがとう。恥ずかしかったわ。ヘアは映ってないでしょうね?」
「大丈夫よ、でも、オッパイが映っていたわよ、乳首もしっかり映っていたわ、数秒だけれども」

 「我慢しないといけないのね。仕事をもらうためには…」
「そうよね、我慢しないと!」かえって励まされた康子だ。
「今度はオナニーよ、恥ずかしいけどやってみる!」
「香奈子ならうまくやれるわよ」2人が話していると「香奈子さんのオナニーです。準備してください」声が掛けられた。

 「わかりました」バスタオルを解き、スケスケのスリップを着たまま、セットのベッドに仰向けになると「よーい、キュー!」収録が再開された。
「あん、あん、あん!」喘ぎ声を上げながら香奈子は乳房を擦りスリップを持ち上げていく。
モニターには映ってないが、香奈子の真っ黒の絨毛がスタッフの前に晒されている。

 (恥ずかしい。性器も見られているかも知れない!)足を開いて、今度は股間を触りだす。
「あ、あ、あー!」悶え声を上げ、スリップを持ち上げ乳房を露わにしてから、香奈子は全裸になり、スタッフの前でオナニーをしていく。
(カメラが撮っている。オナニーを撮っている!)恥ずかしさで、指が震えているが淫裂と乳房を触っていく。
(もういいでしょう、早く終わってよ!)カメラを気にしながら演技をしていた。

 「はい、OKです!」(終わったわ、これで!)急いで両手で股間を押さえた。
「はい、ご苦労様でした」香奈子はバスタオルを全身に巻き付け、康子は脱いだ服を持って、2人はスタジオから出た。
控え室に戻ると香奈子は脱いだ服を着込んでいくが「恥ずかしかった。大勢に性器を見られたのよ」まだ興奮が収まらない。

 「でも、映ってないから安心して。これでまた仕事探しをしないとね」康子の言った通りだ。
脇役の香奈子の出番は少なく、あっという間に収録が終了してしまい、また仕事探しをしなければならない。
それ以降は、いつものように、康子と一緒にテレビ局を回り、小さな役でも引き受けていた。

 テレビ局を回っている内に、香奈子の主演する2時間ドラマの「命ある限り」の収録が始まった。
控え室では香奈子が緊張していて「入っていいかしら?」リサが控え室に入ってきた。
「リサさん。そんなところでなくこちらへ!」
「バカね、主役は一番奥なのよ」

 「でも、リサさんが格上ですから、ここに座ってください…」
「義理堅いのね。そうされたら、私も張り切るわよ」
「えっ、張り切るって?」
「私もちょい役で出るの、よろしくね」
「あ、ありがとうございます。リサさんに出演して貰えるなら、鬼に金棒です」

 「古いわよ、そんな言葉は。それから久美も出るそうよ。マネージャーに借りがあるって!」
「申し訳ありません。2人の大女優に出演していただけるなんて光栄です」
「ほら、そんな言葉が古いのよ。もっと若くないと!」笑顔になって話していく2人だった。

 「香奈子さん、もうすぐ収録です。準備をお願いします」スタッフから声が掛けられた。
「頑張ってね、見ているから」
「はい、やるだけやってみます」控え室からスタジオに向かっていく香奈子だ。

 「よーい、キュー!」収録が始まった。
「先生、この子の命を助けてください。この子の命を!」
「わかっています。全力を尽くします」白衣を着た俳優にすがりながら言う香奈子だ。
「お母さんは、ここで待っていてください」看護婦姿の女優が言い、香奈子はソファに座り祈るように手を握っている。
(いいわよ。そのまま頑張るのよ!)モニターを見ながらリサも祈っている。

 「はい、OKです。次は手術室からのシーンです」香奈子は待機した。
「よーい、キュー!」それと同時に扉が開きストレッチャーが出てきた。
「美智子、美智子!」ソファから駆け寄っていく。
「美智子は、美智子は?」香奈子の顔は形相が変わっていた。
(凄い迫力だわ…。この子は必ず大物になる…。素質があるし…)モニターを見ながらリサが呟いた。

 「全力を尽くしましたが、及びませんでした…」その台詞に「美智子、死なないで、生き返って!」一気に泣きながら演技をしていく。
(凄い子だ。これでも新人かよ。遠藤さんの言った通りに、凄い迫力がある!)監督やスタッフ達は圧倒されている。

 「OKです。今度は宮田リサさんの出番です」スタジオの中にリサが入ってきた。
「監督、凄かったわよ、あの子の迫力に私も負けそうだわ」
「大女優の君までもがそう思ったのか。実は僕も圧倒されてしまったよ。香奈子は日本を代表する女優に必ずなるな」
「私もそう思います。でも、負けないわよ、私だって女優なんだから!」

 「そうだ、そのいきだ!」こうして、2週間ほどで「命ある限り」の収録が完了して、翌月に放送された。
また、連続ドラマの「人妻の柔肌」も同時に放送が行われた。

 「命ある限り」が放送されるやいなや、BBN放送には問い合わせの電話が殺到した。
それは遠藤の耳にも入って「よかったな。香奈子を主役に選んで!」タバコを吸いながら独り言を言っている。
だが「人妻の柔肌」の方はあまり評判が良くない。
美和子の演技力が不足していて、色気で視聴者をくい止めている有様だ。

 そのことは制作会議でも取り上げられ「『人妻の柔肌』を深夜に持っていき、もっと過激にした方がいいのでは。オッパイでなくヘアギリギリまで撮して」
「僕も賛成だ、美和子の演技はイマイチだしな。色気で行った方がいいよ」

 「それから『命ある限り』は評判が良かったよ。毎週できないかな?」
「僕も賛成だな。樋山香奈子の演技は凄いよ。何とか専属にできないか?」
「それは無理です。俳優協会が許しません。出演料アップでなら、何とかくい止められるかも…」
「やってみてくれ。あの子をなんとしてでも使いたい!」こうして「命ある限り」のシリーズ化と「人妻の柔肌」の運命が決まってしまった。



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