彼は、指を単調に前後に動かすのではなく、指のハラで膣のお腹側の壁を触ったり擦ったりします。
　とにかく、単調なピストン運動でないことは確か。
　動きもゆっくりしている。
　でも、感じてきたら早く動かして欲しくなって、彼もそれがわかるのか、激しく動かしてくれる。
　指だけで、イキそうになる時もある。
　その時は、物理的な太さは違っても、彼の性器が入っているときと同じような感覚におそわれる。
　膣の、かん違いかな。

　最終的には私の場合、クリトリスオーガズムは、指を挿入されて動かされながら彼がクリトリスを吸ってくれるときに訪れます。
　どちらか一つだけだったら、完全な絶頂は来ない。
　でも、指が入ってなくても、クリトリスを吸われ続けたら、小さめの絶頂が来る。
　この絶頂はきっと、オナニーで来る絶頂に近いと思う。

　彼にクリトリスを吸われながら、指を動かされ続けると、苦しいような焦るような気持ちになります。
　下腹に力が入って息が止まり、不安になって何かにしがみつきたくなります。

　漠然とした快感がある瞬間から、形のあるモノに変わった気がして、それが欲しくて必死になってしまう。
　ちょうだい、ちょうだい、もうちょっとでお山のてっぺんだから、そこにイカセテ、お願い！、お願い！っていうような切羽詰まったような気持ちになって、実際彼に声に出して頼んでしまう。
「イカセテ！お願い！イカセテ、イカセテ！」って。

　キリキリした鋭い快感におそわれて、苦しいのか気持ちいいのか、よくわからないような感覚に支配され、彼の方も、なんとか早くイカセテやらなければ可哀想なような気がしてきて焦るそうです。
　彼が続けていると、遂にてっぺんに登りつめそうになる。その時も叫んでしまう。
「今、今、イキそう！今イク、来て、来て、いま、いま、いま・・・」

　とうとう、お山のてっぺんにイッタときの私は、「う～～～～～～～ん」とうなっています。
　けっして高音域で「イク～」と叫ぶのではなく、すごく低いうなり声をあげるの。
　彼はその時の私を、怪獣ちゃんと呼びます。
　美しいAV女優さんのようにはいかず、激痛に身もだえしている女のようです。

　膣のヒクヒク感（膣の収縮）があるのは、その後です。
　てっぺんの「う～～～ん」が終わった後、膣がヒクヒクする感じがします。
　時々、「う～～～ん」の真っ最中にヒクヒクしてる気がするときもあるけど、ハッキリしません。

　その快感の感じは、膀胱が破裂しそうなくらい我慢していたオシッコを、遂に破裂するまで我慢した後の世界に来る感覚のような気がします。
　我慢していたオシッコを本当に出したらスッとして気持ちがいいけど、それを出さずに我慢し続けたら、「う～～～ん」と同じような感覚が来るんじゃないかなという連想。

「う～～～ん」にイクまでは、とにかくその感覚が１秒でも早く欲しくて、彼の顔を自分の手でクリトリスに押し付けてしまうらしい。
　ときどき、息ができないくらい押し付けられちゃうと、彼が言います。
　それなのに、ヒクヒク感の後は、ほんの１秒でもそこを刺激されたくなくなり、そのままされ続けたら、気分が悪いような、せっかくもらった快感が台無しになるような感覚におそわれて、恩を仇で返すように邪険に彼の顔を押しのけてしまう。
　むち打ちになりそうだと、彼がこぼしています。

　私がヒクヒクなっているのは、彼の指には分からないそうです。
　ただ、てっぺんにイク直前には、指を動かせなくなるくらい膣がギューッと締まるそうです。
　私の場合、イク直前に乳輪がシワシワに収縮するんだって。膣と連動しているのでしょうか。
　乳輪のシワシワを見て、彼はもう少しで絶頂だってわかるらしい。
　それと、絶頂に達したあと、乳房の辺りに赤い斑点が出る時があると言います。
　これは、学術書にも出ていた、女性のオーガズム時の状態であるらしい。

　女のヒクヒク感は、男が射精するときにドクドクなる状態と同じではないでしょうか。
　男は精液が出るけど、女は出ないだけで。
　イクときの体位は、以前は脚を閉じ気味にして伸ばした方が良かったけど、最近は脚を大きく広げても、違う感じで快感が来るようになった。

　イッタ後の私は、いつも彼にしがみついて泣いてしまいます。
　涙が出てくるんです。
　違う世界にトリップできたような、大きな大きな開放感に包まれて泣いてしまう。
　自己を抑制したり、コントロールしようとしなくなって、泣くんだと思う。
　私をトリップさせてくれて、解放させてくれた彼を愛してると感じる。
　私自身でさえ、私をその場所に立たせることができないのに、彼がしてくれた。
　彼を尊敬しちゃうのです！彼の私への愛情も感じる。（大変な作業だから）

　肉体的には、大きな絶頂感の後はいつも、カラダは彼に抱かれていて、直接性器を刺激されていないのに、何度も膣が勝手に収縮を続けます。
　ヒクヒクするのではなく、膣全体がギューッと勝手に締まって、ジーンと痺れたような快感が繰り返し訪れます。切なくなります。

　精神的には、ボーっと満たされて、ゆったりした気分になり、生きることに肯定的になる。
　いろんな事があるけど、全部オッケーって感じ。
　彼に抱かれながら、つい、ニマニマ笑いがこみ上げてくる私です。
　オーガズムをもらった後は、お肌の調子がすごくいい。お肌が、しっとりと落ち着くんです。目が生き生き光を持って、カラダ全体が元気になる。

　どんなエステより薬より、女を美しく健康にするのは、愛し愛されている男から与えられる性的な絶頂感ではないでしょうか。
「生きていこう！」って、思うもん。

　
おしまい