体験談『台風の夜の大冒険』




投稿者 ひとみ

最近、といっても随分と前になってしまいましたが、挑戦したすごい事を報告いたします。

時間は夜中の3時頃。
このまえ台風が関東に上陸した、まさにその日の夜明け前でした。
まだ強い風がふいていて、雨も横殴りに降っていました。

前の日の夕方、お家から500メートル位離れたところにある公園のベンチの下に、お家のスペアキー鍵を隠しておいたのです。

そして夜中に、体操着に白ハイソの格好になって、そっとお家を出る私。
あっ、私のお部屋はオートロックになっているのです。

そしてマンションの屋上にあがりました。
傘も持っていましたが、ほとんど意味をなさないので、さしてはいませんでした。

ほんの数秒でびしょびしょになり、体操着がぴたっと体にくっつき、私の胸が透けてしまいました。
そんな自分の姿を見下ろすと、とっても恥ずかしく見えました!

それから、いつものように服を脱いでハイソだけの格好に。。
頭の中はいじめられている想像でいっぱいです!

みんなに囲まれて、無理やり服を脱がされて……「いやー!服を返して~」って。。。

そして家鍵を服のポケットにつめて、屋上からベランダに落としました(真下が自分の部屋のベランダなのです)。

これで私が家に戻るには、公園まで裸で鍵を取りに行かなければならなくなりました!
こんなことは人がいなく、視界の悪い台風の日しか実行できません。

私のあそこは、雨とドキドキから来る快感(?)で、びっしょりになってしまいました。
もう後にはひけません。。

白ハイソとスニーカーだけの惨めな格好の私は、おそるおそるマンションの外に。。。
雨と風は一段と強くなっています。

マンションの玄関のところで、中々一歩が踏み出せません。
でもこのままでは仕方ないので、勇気を出して、思い切って雨の中に飛び出しました。
もちろん、こんな雨の中、歩いている人なんていません。
……のはずでした。

しかし、50メートル位走った時、前からおばちゃん(40~50くらい?)二人が……傘をさしながら歩いているのが見えたのです。
雨が強く、近くに来るまで、全然気が付かなかったんです。
私は急いで隠れる場所を探しました!

すぐ横のマンションの、自転車置場の影に隠れて二人が通り過ぎるのを待ちました。
もう、心臓が喉から飛び出る位ドキドキしました。

無事、二人をやりすごし、一路公園をめざしました。
裸でこんな町中を歩いているなんて、とっても信じられません。

やっとの事で公園近くにやってきました。
公園は静まり返って、とっても怖い状態です。
しかも、台風の影響で停電し、真っ暗!

明かりを持っていない私は、ベンチの場所が中々わかりません。

手探りでやっとのことでベンチにたどり着きました。
・・・が、今度は鍵が見当たりません!
ベンチの下が水浸しなんです!
この時ばかりは青くなりました。

こんな格好ですから。。もし鍵がなかったら。
そう考えたら~

何度も何度もベンチの下を探し回り、やっとの思いで水溜まりの中から鍵を見つけだしました。

そして、今度は帰りです。
突然、雨がぱっとやんでしまい、私を隠してくれていたものがなくなってしまったんです。
細心の注意を払いながら、お家に向かいました。

タクシー二台とすれ違いましたが、たぶんバレずにやりすごせたと思います。

この往復挑戦に、一時間もかかってしまいました。
もう二度とはできなそうなチャレンジでした。



- 了 -











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