体験談
『嫁愛』

(#229)

投稿者 きょうすけ




第1話

重い体を引き摺りながら、疲れた足取りで玄関の前に立つ。
鍵を取り出して、ドアを開けると意外にも奥の方で
明かりが点いているのが見えた。
(消し忘れか?)
そう思いながら無言で靴を脱いで部屋に入ると、
「おかえり」
と言って嫁が迎えてくれた。
「まだ起きてたの?」
驚いて、そう言ってから「ただいま」と付け足した。

あと一時間足らずで零時になろうかという頃。
お互い仕事を持っていたから、普段なら、こんな時間まで
彼女が起きている事は稀だが明日は、二人とも休みだった。
そうでなければ俺も、もう少し帰りが早い。
毎日この時間が続くようなら、きっと体を壊してしまうだろう。
「まぁね。ちょっと待ってみた」
そう言ってから急いで食事の仕度をしようとする彼女。
それを手で制してから、少し食べてきた、と告げる。
すると彼女は、不満げな様子も見せずに用意してあった
夕食のおかずをタッパーに入れて冷蔵庫にしまった。
それから近付いてきて、
「お風呂入りなよ」と言う。

俺は訝しく思ったが、顔には出さずにいた。
普段なら、これは、「エッチをしよう」というサインだ。
勿論、そうじゃない場合もあるだろうが、
結婚して丸三年が過ぎようとする頃になれば、
そうか、そうじゃないか、の違いは何となくわかるものだ。
経験から判断すると、今の感じは、前者だ。
確かめるように彼女の顔を覗き込むと、
どうやら、かなりヤル気らしいのが見て取れる。
こんなに遅くまで待っている事も珍しいが、
その上、エッチまで要求されるとは考えづらい事態だったので、
「えっと、……そういう事?」
確認してみた。
よく見ると、彼女は既に入浴済みの様子で
パジャマの上に上着を羽織っている。
上着を脱げば、いつでも寝られる状態だった。
「はいはい。そうだよー」
そう言って俺の背中を押すと、浴室に押し込んでしまった。
「早く入ってね」
後ろから彼女の声が聞こえ、ドアが閉められた。

不思議な気がしながら言われるままに服を脱いで、入浴した。
まだ四月の半ばだったからシャワーでも良かったけど、
少し考える時間が欲しくて湯に浸かった。
(何か、いい事でもあったか?)
(それとも……何かお願いでもあるのか?)
色んな可能性が浮かんでは、消えた。
結局、結論が出なくて湯から上がった。
あまり遅くなるのも不自然だ。
彼女の意図は、全くわからなかった。

髪を乾かしてからリビングに戻ると、彼女に手を引かれて寝室へ。
そのままキスされて、ベッドに押し倒された。
(これじゃあ、いつもと反対だ)
心の中で、そう呟いた。
彼女の意図を訊く前に、そのままエッチに雪崩れ込まれてしまった。
戸惑いながら、御無沙汰なのもあり、下半身もすぐにヤル気になった。

キスをしながら、彼女の服を脱がしていく。
長袖の上着を捲り上げた。
ブラもしてないので、すぐに胸が見える。
平均より少し大きいくらいだろうか。
CかDカップだったか。
昔、訊いた時は、そんな事を言っていた気がする。
でも、変わってしまったかもしれない。
自分では小さくなった、と思っているが、
彼女は大きくなった、と言っている。
ずっと一緒にいるから、わからなくなっているのだろう。
そんな変化は気にしていない。
彼女自身は、その大きさを誇っていたが、
俺は綺麗さが気に入っていた。
離れてもいないし、垂れてもいない。
乳首は淡いピンク色だった。
舐めていて飽きないし、眺めていても飽きなかった。
その胸を、両手で、そっと、かき寄せて舐め回す。
片方を舐めて、ベロベロすると、もう片方も舐める。
どっちも同じように舐めたくて、
両方の乳首を寄せて一度に舐めようとしたけど、それは無理だった。
それが、とても、もどかしくて、余計に舐め回してしまう。
「ぁぁん……っぁぁん……んっ……」
彼女は、俺の愛撫のたびに声を上げている。
今日は特別、反応がいい気がした。

第2話

それから下を脱がそうとしたら、手を押さえられた。
「私がするよ」
起き上がると、俺を寝かせて、さっきとは反対の体勢になった。
これも珍しい。
普段は、
俺愛撫→挿入か
彼女愛撫→俺愛撫→挿入という流れになっていて、
俺がやった後は自然に入れる、というのが暗黙の了解になっていた。
それでも、断るのも変なので、彼女に身を任せる。

俺が横になって、彼女が足の間に入った。
手際よくシャツを脱がせてくれて、下も脱がされた。
トランクス一枚になる。
彼女は、そこで止まらず一気に全部脱がせてきた。
一人だけ全裸になるのが何だか恥ずかしい気がした。
彼女は、俺の足を大の字に広げると、
その間に入って下から舐め始める。
結婚前に教え込んだだけあって、俺の快感のツボを良く掴んでいた。
袋→玉→裏筋→エラと上がってきて、本格的なフェラに移る。
「んっ……んっ……んっ……んっ……」
テンポ良く上下動しながら、舌を纏いつかせる。
空いた手で根元や袋を触ってきた。
うっとりしながら彼女が与えてくれる快感に身を任せる。
部屋は照明が落とされて、
ほんの小さなベッドサイドのライトが点いているばかりだった。
それも調節出来る明度を最小にしてある。
ぼんやりと彼女が動く様子が見えた。
チンコも準備が出来たので、
彼女の胸を触りながら、反転させようとする。
彼女は、それに逆らってフェラを続けようとしたが、
段々俺の言うなりになって、横になった。
それから、今度は彼女の下を脱がせる。
普段なら、もう少し時間を掛けるのだが、
結構盛り上がっていたので、一気に全部を脱がせた。

そうして、右の乳首を舐めながら、手をマンコに添えていく。
少し触っただけで、濡れているのがわかった。
何もしてないのに簡単に指が埋まる。
「……んぁぁんっ……」
トプッと指を入れた瞬間、小さな喘ぎ声を上げた。
それから中指を第二関節まで入れて軽く掻き混ぜる。
すると、更に声が大きくなった。
「ぁん、ぁん、ぁん」
俺の指の動きに合わせて声を上げる嫁。
更に親指でクリトリスを撫でると一層激しく喘いだ。
「……ぁぁんっ……だめ……んっ……」
指を回転。回転。
「……いやっ……ぅぅん、ぁぁん、んっ……」
クリをスリスリ。
「それ……だめっ……はぁはぁ……いあぁあぁ……」
そんなのを何回も繰り返したら、入れてくれ、と言い出した。
完全に無視。
今度は足を広げてマンコを舐め出した。
最初は、舌で上下に割ってから、吸い付くように舐め出す。
そうすると、耐え切れないように甘い声を出して、
俺の頭とか肩とかを掴んでくる。
そうやって止めてほしそうな振りをする癖に、
実は感じているのを知っているから俺は止めない。
むしろ、より激しくしてしまう。
「……ぁん、ぁぁん、はぁぁ、あん、ぃやん、……ぅふん……」
「いやっ……ぃぃ、ぃぃ、はぁはぁ、……んんん……」
彼女の喘ぎと俺の舐める音しか聞こえない。
何度も顔を上下に振って濡れまくっているマンコを擦りあげる。
時折、かき分けてクリを弾いたり舐めたりした。
……ジュルッ……ジュルッ……
そうすると、どっから湧いてくるんだっていうくらい
後から後から粘液が出てきて、彼女のマンコを濡らす。
しばらく、それを続けていたら、
次第に彼女の太腿を中心にして両足が小刻みに震え出した。
俺は太腿の内側を支えて開脚させるような体勢にして
舐めているから、その振動が良くわかった。
ブルブルしているから、それを押さえるようにして足を持っていても、
それは、なかなか止まない。
段々、それが激しくなったと思うと、やがて彼女の、
「ぁぁぁぁっ、……だめっ、だめっ、だめぇっぇぇぇっ……」
と言う声とともに、一度大きく腰を浮かせて、
ビクッビクンッとしてから止まった。
それを合図に俺は一旦舐めるのを止めて、彼女を観察する。
彼女の腰は、一度は動きが止まったが、今また再びピクピクとしていた。
再び舐めようとして潜り込もうとすると、
「もう入れようよ」
と言う彼女の声が聞こえた。

第3話

今度は、その言葉に従ってゴムを取りに行こうとする。
それは、ベッドの足側方向にある衣装棚に置いてあった。
ベッドから離れようとすると、腕を掴まれて引き倒された。
「どこ行くの?」
彼女の声。
「いや……ゴムをさ……」
「生でいいじゃん」
「それは、ちょっと……」
「じゃあ、今日は後で着けてよ」そう言ってキスしてくる。
「最初は、生で、……ね?」
珍しい事だが、彼女から生要求。
頑なに拒否するのも、おかしいので、素直に挿入した。
彼女を仰向けにして足を開かせる。
正常位の体勢になってからチンコの先を入り口に擦り付ける。
「あぁぁん……ふぅぅん……」
擦り付けた先がクリに当たるから、彼女が喘いだ。
そうやって、亀頭に彼女から溢れ出す粘液をまぶす。
亀頭全体が湿ってきた所で、ゆっくりと沈めていった。
ズッ、ズズッ、ズズズッ……と徐々に進んでいくチンコ。
愛撫の段階で、かなり濡れていたから、
俺の方を濡らしていけば簡単に奥まで入りそうだった。
真ん中まで進んだ所で、一旦、引き上げていく。
そして、奥まで挿入。
引き上げる。
挿入。
その繰り返し。
「ああ……ぁぁん……はぁぁ、はぁぁ……」
俺はチンコ半分。彼女はマンコの入り口で快感を求め合う。
それだけで、彼女は俺の背中に両手を回して来た。
抱き寄せられて、彼女の舌を吸う。
そうすると、彼女も俺の舌を吸い返してきた。
次第に進入の度合いが広がっていく。
ピストンの振り幅が大きくなってきた。
「ぁああん……あん、ああん、あん、ぁぁん、……」
彼女の喘ぎを聞きながら根元まで挿入した。
チンコが隅々まで彼女の肉襞の感触を味わう。
「……ぁぁん、……はぁ……いっ…やぁ……」
そう言って、また俺を抱き寄せる。
俺は、それに応えて、一番奥に入れたまま
グリグリと子宮の入り口辺りを刺激する。
出し入れはしないで、すり潰すみたいに回転させた。
そうすると、彼女の腰も細かく上下に動き出して、
俺を迎え入れるみたいにする。
(ぅわぁ……気持ちぃぃ……)
それをやられると、引き込まれそうになって出したくなってくるから、
慎重に動きを制御した。
俺の動きが、もどかしくなってくると、
彼女は目立つように腰を動かしてきた。
「もっとぉ……うごかし…ぁぁん…て……ぃぃよ……ぅふん」
言いながらキスをせがんでくる彼女。
誘いに乗り過ぎないようにしてピストン再開。
「ぁん、……はぁぁん、ぁんはぁん……はぁはぁ」
待ってたように喘ぎ出す彼女。
何回かピストンして止まる。
それから、彼女の顔を覗き込む。
「そろそろゴム着けようか?」
「まだ、いい」
「そう」
「いいから動いて」
急かすように言った。
そう言われて、何度かゆっくりした出し入れを繰り返していたが、
どうしてもイキそうになる感じがして安心してピストン出来ない。
いつ発射しても、おかしくないって感じだから不安で仕方ない。
彼女は、自分の世界に入っているように
息を荒くしながらピストンを受け入れている。
手を俺の首に回してきたり、腰に回してきたり。
それで、二、三分くらい出し入れした後に、彼女に言った。
「ゴム着けていいかな?……もうイキそうなんだけど……」
そう打ち明けた。
彼女は、息を整えながら俺を見上げてくる。
見詰め合う二人。
すると、彼女は急に、明るく言った。
「あ、言い忘れてたけど、今日からゴム禁止ね」
「は?」驚いて訊き返す。「何それ」
「うーん、まぁ、禁止ってゆーか、捨てちゃったから」
「何を?」
「ゴム」
「全部?」
彼女は頷いた。
それから楽しそうに言う。「そろそろ、いいんじゃない?」
「だって……仕事はいいの?」
「産休だってあるし、何とかなるよ」
「え……だってさ……」
戸惑いながら答えに困る俺。

第4話

彼女は、昔から努力家だった。
向上心があると言うのか前向きな所があった。
そういう所が好きな点でもあった。
その結果、仕事もやりがいがある所に就く事が出来た。
収入も、それなりにある。
職場でも必要とされている、という話を聞いた。
俺は女性ではないが、
女性が仕事を続けていく苦労を少しはわかっているつもりだ。
わかろうとしているつもりだ、と言うべきか。
二、三年なら別だが、何年も続けていく事が如何に大変な事か。
だから、彼女の仕事に対する姿勢を応援したい。
又は、ある種、尊敬の念を持っていた。
だから、子供なんて、ずっと先の事と思っていた。
もしかしたら子供は作らない、
と言われるかもしれない、と考えていた。
だが、それでも仕方ないと思える何かが
彼女を見ていると感じられた。
そんな理由があって、
子供については積極的に話し合った事はなかった。
それが、いきなり、こんな事を言い出した。
自分の方では異論はないが、驚くしかない。

彼女は、そんな俺に、子供に対するような口調で言った。
「あのさ……、今日、何の日か、わかってんの?」
言われて思い返す。
お互いの誕生日でもないし。
他に何があっただろうか……。
特別なイベントがあっただろうかと
思い出そうとしている内に見当がついた。
色々考えを巡らしていたが、それは、ほんの一瞬だった。
今日は、まだ頭が回っている。
冴えているな、なんて自分に感心した。
「結婚記念日だ」
「そうよ」
「……忘れてた」
「遅いわよ」少し不満そうだ。

二人の結婚が決まってから、
いつ入籍をしようか、という相談をした事がある。
俺は、そういうものに対してあまり思い入れがなかったから、
何月何日でも良かったんだけど、
彼女は「二人が最初に会った日にしよう!」と言い出した。
反対はしないけど、その日を覚えているのか、と訊いた。
俺は覚えていない。
すると、偶然、手帳に書いてあった、と彼女は言った。
言われてみれば、そんな気もする。
四月だったのは確かだ。
その当時を思い出す。
結局、俺は、彼女の意見を容れて入籍をした。
しかし、この時期は年度初めの為、
仕事の忙しさが尋常ではなかった。
去年は辛うじて覚えていたが、今年は、すっかり忘れていた。
ケーキの一つでも買ってくれば格好がついたのに。
そう後悔した。

「忙しいのはわかるけど、そういうのって大事だと思うな」
そんな事を言いながらも、あまり怒っている感じではない。
俺の仕事に理解を示してくれているのだろう。
「帰って来た時に、『忘れてるっぽいな』と思ったわよ」
苦笑しながら付け足す彼女。
申し訳なくて、少し縮みがちになるチンコ。
「はいはい。それは、いいから再開していいよ」
それに気付いたのか抱き寄せようとする彼女。
引き寄せられて腰を上下に動かしてくる。
温かさと柔らかさに遠ざかっていた快感が呼び戻される。
気持ちが少し落ち気味になっていたが、
そのおかげで、あっという間にチンコは復活した。
そんな感じで、今日は彼女に主導権があるらしい。
そうすると、何となく彼女の言う事を聞かないと
いけないんじゃないかって雰囲気になってきた。
「え、じゃあ、中で出していいんだよね?」
「どうぞ」
即答だ。
これまでの経緯もあって、なかなか踏ん切りがつかなかったが、
彼女が、そう言うならいいだろう。
これで、安心して動ける、と思った。
ついでに、いつ出してもいいなら、
もう少し自分でも楽しもうなんて事も考えた。

「じゃあ、後ろ向いて」
バックになるように言うと、
すぐに彼女は反転して四つん這いになった。
彼女の体の魅力は胸より、この尻だと思っている。
張っていてツンと上を向いている。

第5話

バックでやると、眺めも最高だった。
彼女は、膝をついて、その尻を掲げている。
一度舐めてから両手で尻肉を掴んで一気に奥まで押し込む。
「はぁぁぁん……ぁあん……はぁ、ぁぁん……」
一段と高い声を出した。
さっきとは違った感触がチンコを包む。
柔らくしっとりしたヒダがサワサワと撫で擦っていくのだ。
また奥まで突っ込んでから、グリグリして彼女の反応を窺う。
相変わらず、いい声で喘いでいた。
「ぁふん…ぁふん…ぁん……ぁん……」
腰を打ち付けながら両手を前に回して胸を揉み回す。
乳首をいじると、
「ぁん、きもちぃぃ……よぉぉ……」
そう言って、膣内の奥の方が締まってくる。
これは、彼女の特徴で、やっていて面白い。
乳首を擦れば擦るほど、
亀頭周辺がピクピクと柔らかく締め付けてくる。
その感触を堪能しながらピストンを繰り返した。

さっき彼女に打ち明けたように限界は近くに見えていたから、
我慢汁がドクドクと流れているのが、何となくわかる。
バックの方が奥まで入るというから、
それを子宮に塗りたくるように最深部まで入れた時には
グイグイと何度も掻き回した。
「……ぃぃ……それ……っぁぁん……いいっ……ぃぃっ……」
喘ぎながらも腰だけは落とさないようにする彼女。
バックでしていると、段々我慢出来なくなって、
腰が落ちてきたりするのだが、俺は、それを嫌っていた。
何度か彼女に、そう言った事もある。
だから、きっと頑張っているのだろう。
懸命に四つん這いになっているように感じた。
そう思うと、余計に愛しくなって腰を突き出してしまう。
それに負けないように高々とマンコを差し出してくる彼女。
(このまま出してしまおうか)
そんな考えが頭をよぎる。
しかし、せっかくの初中出しだから、
彼女も好きな正常位にすべきだろう、という気持ちになった。
今日は、自分が記念日を忘れていた引け目もあった。
バックで出すのは、今度でもいいだろう。
そう思いながらピストンしていたが、
チンコの状態を考えると内心苦笑した。
もう先はドロドロで、
彼女の膣内の感触を味わいながらビクビクと震えている。
一割くらい出てしまっているのかもしれない。
(ほとんど、もう中出ししているのと変わらないじゃないか)
そのドロドロチンコを擦り付けながら、
抜けないように、ゆっくりと彼女を反転させる。
静かに彼女の白い体がベッドの上で弾んだ。
正常位に戻って、また奥まで入れる。
今度は密着度の高い体勢だ。
チンコも一番奥まで入れて、上体を寄せる。
少しでも彼女に触れている面積を増やそうとした。
そして、ディープキスをしながら唾液の交換をする。
彼女の両手は俺の首に回されているが、
俺は両方の乳首をいじっていた。
「ぁふ……んんっ……ぁふん、ぁふん……」
キスしながらだから、声にならない息を漏らしている。
口ではベロベロ、指はスリスリ。
彼女は応えるみたいにマンコをキュッキュッとしてきた。

しばらく、そうしていたけど、上体を引き上げてピストンを開始した。
油断してイッテしまわないように
尻穴に力を入れながら、ゆっくりとチンコを抜いていく。
「あぁっ……んっ」
名残惜しそうにマンコのヒダがついて来る。
それを断ち切るように腰を引いた。
ズルッ、ズルルッと音がしそうだ。
エラが抜けそうになるまで腰を引いたら、再び沈めていく。
「ぁあ……はぁあんっ」
奥まで届かせると反応が良くなった。
そして、また引き上げる。
「あぁっ」
押し出す。
「ぁあん…ぁあんっ……」
引き上げる。
「……ぅふん……」
押し出す。
「はぁっ……はぁっぁぁん」
延々と繰り返していきたい気になってくる。
しかし、もう限界だった。

第6話

「イキそうなんだけど」
そう言って彼女の返事を待つ。
閉じていた睫毛がゆっくりと上がった。
虚ろに俺を見る。
「……いいよ」首に回した手は離さない。
「いっぱい出してね」
言い終わると開いていた両足を俺の腰に回して交差させた。
そうして力強く引き付けてくる。
もう絶対逃げられない感じがした。
彼女が足を回しているので、あまりピストンの幅を広げられない。
根元まで入れたまま細かい振動で子宮を中心に攻めていった。
ドスッ、ドスッと腰ごと押し付けるようにしていく。
彼女は必死に、それを受け止めようとしていた。
「あっあっ……ぁぁ…んっんっんっ……はぁ……ぁっぁっ」
軋むベッド。
「ぁっ、あっ、ぁぁっ、……はぁっ…はぁ…ぁぁあん……」
枕も押し上がっていた。
彼女は、すがるようにその端を掴んでいる。
(枕ダメにならないかな……)
ぼんやりと、そんな事を考えた。
「はぁぁん……ぃぃん、ぅぅん、んっ……ぃぃ……」
彼女の足が一層、力強くなる。
そうすると、更にチンコが押し込まれて
刺激が強くなるから我慢出来なくなってきた。
先を擦り付けるのを意識しながらピストンしていく。
(ああ……中で出しちゃうんだ……)
そう思いながら
我慢出来るまで挿入を繰り返していたが、遂に終わりが来た。
玉が縮む。
根元が膨らんだのがわかった。
「ああっ……いくよ、出すよ…」
彼女は、俺にしがみ付きながら頷いている。
その一瞬後、音がしたみたいに射精した。
ドクッッ……
最初の一撃が奥の行き止まりに当たるような気がした。
その壁に目掛けて何度も射精する。
ドク、ドクッ、ドクッ……ドクッ……ドクッ…………ドクッ……
後から後から吐き出される精液に驚きながら脱力していた。
そうすると、余計に射精の快感がわかって気持ち良さが増した。
体全体がチンコになったみたいだ。
(……ぁぁあ……まだ出る……まだ出る……)
チンコは彼女のマンコを押し広げるみたいに射精しているが、
彼女のマンコも、それを促すように何度も収縮していた。
ドクッドクッとキュッキュッが協力しているみたい。
面白い思い付きに機嫌が良くなりながら精液を吐き出す。
玉と尿道が活発に動いている。
震える体を押さえるのに精一杯だ。
そうして、しばらくしていると、やっと射精が止まった。
何度か深呼吸の後、深い息を吐く。

「……出たよ……」
報告するみたいに言う俺。
無言の彼女。
反応がないからキスしてみた。
そして訊いてみる。
「どう?」
彼女は、しばらく喘いでいて答えなかったが、
待っていると、ようやく言葉を発した。
「……すごい」
「何が?」
「何かねぇ……はぁ……ビクビクして……」
息を整えながら続ける。
「奥の方で……震えているのが……わかった」
「気持ち良かった?」
「わからないけど、これが中出しなんだぁって……思った」
「えっ?初めてなの?」
そう言うと彼女は怒ったように言った。
「当たり前でしょ!」
少し睨んで言う。
「それとも……あなたは経験あるのかしら?」
「いやー……ないよ。ないない!」
そう答えた。
嘘をついた罪悪感が少し。
彼女は続ける。
「なんかね、あー中に出されてるなーって思って、
何となく、あったかい気持ちになったよ」
そう言って両手に力を入れる。
俺は引き寄せられて、彼女と唇を合わせる。
そうして、さっきみたいにディープキスを繰り返した。
俺の唾液を彼女に送って、彼女は、その逆をする。
入れたまま何度かそれを繰り返していたら、
放出したチンコが復活してきた。
根元の方から力が漲ってきて徐々に彼女の膣内を押し広げていく。
俺は、それに気付かない振りをしてキスを続けた。
「……ぅふっ、なんか、また、おっきくなってきたよ?」
嬉しそうに言う彼女。
「もう一回、出しとく?」
そう言って、俺の頬に両手を合わせる。
犬をあやす時みたいだ。
「いいっすか?」
何故か敬語の俺。

第7話

ちょっと普通じゃない精神状態なんだろう。
「どうぞー、好きにして下さい」
微笑んで言う。「……あなた専用ですから」
そうして、ほどいていた足を、俺の背中で組んだ。
それを聞いて更に硬くなる俺のチンコ。
一度目より感覚が鈍くなってきたけど、
充分満足いく快感を得られる、と思った。
慎重に引き上げて押し込むと、
ジュブッっていう音がする。
さっき出した精液と彼女のが混ざってグショグショになっているのだろう。
まるで、ぬかるみに突っ込んでいるみたいに。
寒天とか、コンニャクとかゼリーとか
似たものが浮かんだけど、そのどれとも違う。
突っ込みながら、掻き混ぜて膣内を味わう。
その度に彼女は喘ぎ出した。
「ぁあっ……ああん、あんあん、……はぁはぁ……」
二回目なのに反応が変わらない。
小さく何度か出し入れをしていると、時折ビクビクしているから、
(軽くイッてるんだろうな)
彼女の反応を見ながら、そう思った。
そうしながら、自分の中の精液が残っているのか確かめてみる。
すると、ピストンするたびに奥の方から、
せり上がってくる精液を感じた。
(まだまだ残っているみたいだ)
そう気付くと、残りの精液を集めるように、
ゆっくりと溜めながら吐き出さないように
注意して挿入を繰り返していった。
出し入れをしている音に耳を澄ます。
ズブッ……ズブッ……ズッズッ……
気のせいか、さっきより水気が増した気がした。
さっき出した精液と彼女の粘液とどっちだろう。
彼女の反応は、一度目の時とあまり変わらない。
両手は俺の首に、両足は腰に回っている。

二回目はバックで出そうかと思ったけど、
体勢を変えるのが面倒くさいので、そのまま出す事にした。
もうお互いグチョグチョだ。
口は、さっきからのキスでドロドロだし、マンコは言うに及ばず。
空調も利いているが、二人とも若干、汗ばんでいた。
このまま一体になってしまいたい……
そんな気になった。
そうやっていると、抑えていた精液が根元の方で、
グツグツと吐き出して欲しそうに訴えているみたいに感じる。
彼女の喘ぎは繰り返し続いていた。
俺は、もう限界が近いのを告げた。
「もう……出そうだ……」
そう言うと、無言で頷く彼女。
「いいの?……出すよ?」
確かめるように言った。
「……うん、……ぃぃよ…ぃぃっ……」
息も絶え絶えだ。「……だひっ……てぇ……」
その返事を聞いた瞬間、射精していたと思う。
ドピュッ、ドピュッ……
一撃目の勢いは、一回目と変わらなかった。
それから、チンコは、ドクドクと震動しながら、
残りの精液を吐き出すようにして後から後から放出を続けた。
「……ふぁぁん…またぁ……ビクビク……して…るぅ……」
言いながら、しがみ付いてくる彼女も震えていた。
俺も、それに同調しながら射精を繰り返す。
残しがないように、根こそぎ出そうとして、
何度も彼女のマンコに自分の腰を擦り付けた。
やがて、射精が治まると、ゆっくりとチンコを抜いていく。
半分まで抜いた所で、枕元にあったボックスティッシュを取った。
何枚か取った後で、マンコの下に添える。
そうしてから、更に慎重にチンコを抜いていった。
その間も締め付けてくるマンコの快感にうっとりする。
(気持ちぃぃ……)
内心、呟きながら、意識を両手に集中させる。
全部を抜くと同時に、
下にあてがっていたティッシュでマンコを塞いだ。
しばらく待っていると、二回分の精液が溢れ出てくるのがわかる。
ティッシュは、それを素早く吸収していった。
染み込んだティッシュを
傍にあったゴミ箱に投げ捨てて、次のと交換した。
用意したティッシュも、すぐに精液で染まっていく。
(こんなに出したんだ……)
ぼんやりと、そんな事を考えた。
二度目のティッシュを投げ捨てて、
三回目で、ようやく綺麗になった所で、自分のチンコを拭いた。
彼女は、さっきから放心したようにベッドで寝ている。
最後に、もう一度綺麗なティッシュでマンコを拭いてやると、
ビクッとした以外は無反応だった。

全部のティッシュを捨ててしまうと、
俺は気になった事を確認したい衝動に駆られた。
ベッドを降りて、クローゼットに向かう。
スライド式のドアを動かすと、
目の前にハンガーに掛けられた洋服が現れた。
目線の高さに、それがあって、その上部に棚が備え付けられている。
小物とかを置いておけるようにしてあるスペースだ。
そこに大小のケースがある。
彼女のアクセサリーなども、そこに置いてあった。
その一角に目を走らせる。

第8話

ある筈の物がなかった。
今まで常備していたコンドームが消えている。
楽しみの為に色んな種類を何個ずつか買っていたが、それがない。
どうやら、捨ててしまった、と言うのは本当なのだろう。
頭を振ってベッドに戻る。
彼女の右隣に横になった。
「捨てちゃったのかぁ……」
誰に言うともなく呟いた。
吐息と共に漏れる小声だ。
「だから言ったでしょ」
彼女の返事に驚く。
薄闇の中、二人で仰向いている。
ぼんやりとした天井に、
二人の声が吸い込まれていくような気がした。
上気した二人の熱が部屋の中に溶けていく。
照明を少しだけ明るくした。
「さっきの話だけどさぁ……」
彼女に問い掛ける。
「何?」
「仕事」
「あぁ……」
「本当にいいの?」
「いいよ」
「だって、……頑張ってきたんじゃないの?」
「んーー」
「もったいなくない?」
「まぁね」
「子供は、もうちょっと後でもいいんじゃないかな?」
二回も出しといて言う台詞じゃないのはわかっている。
「でもさ、欲しいのは欲しいよ」
「……そっか」
彼女が、そう言うなら考えた上での事なのだろう。
これ以上、言う事は何もない。
それ位の信頼関係は持っているつもりだ。

何となく色々な事を思い出す。
初めて会った時の事。
それから付き合い出すまでの事。
結婚してからの事。
その、どの思い出にも順調だった記憶なんてない。
付き合うまでだって大変だった。
結婚に漕ぎ付ける時も。
色んな事があった……。
もしかしたら、いい事の方が少なかったかもしれない。
つらい事の方が多かったのかも。
だけど、不思議と、嫌だと思った事はない。
彼女の人柄なのかもしれない。
そんな事を考えていたら、不意に言葉が口をついた。
「……愛してるよ」
呟くように天井に向かって言った。
微かな声。
闇に消えそうだ。
彼女は、何も答えない。
聞こえなかったのかもしれない。
それでもいい。
無言で仰向く二人。
お互いの呼吸。
胸を上下に喘がせながら息を落ち着かせる。
彼女は、不意に左手を伸ばして俺の顔を自分の方に傾けた。
強引に左を向かされる俺。
「なーにー?聞こえないなぁーー」
笑顔の彼女。「そういう事は、こっちを見て言うものだよ」
俺も、何だかおかしくなってきた。
釣られて、こっちまで笑いそうになる。
顔だけ寄せて、彼女に近付く。
甘い匂いがした。
耳にかかる髪。
それを、口で掻き分けるようにして囁いた。
「………………」
そうしてキス。
彼女は、黙ってそれを受け入れている。
俺がゆっくりと離れて元の位置に戻ると、
それまで黙っていた彼女が言った。
「聞―こーえーなーいー」
そして続けた。
「もっと、大っきな声で、名前付けて言ってよ」
明るい声だ。
微笑む彼女。
俺は、観念したように、そっちへ向き直った。
彼女の瞳を覗き込む。
あどけない表情。
昔から変わってないな……。
改めて、そんな事を思い出す。
初めて会った時の事を思い出した。
まだ、お互い学生だった。
懐かしい。
身近にいて、一緒に暮らすようになってから、
当たり前に傍にいてくれた。
そんな事も忘れていた。
あれから何年も経つけど、俺達は何も変わってない。
そう思った。
俺が忘れていたのは、
記念日だけじゃなかったのかもしれないな……。
ゆっくりと、右手を彼女に伸ばした。
柔らかい髪に触れる。
それを撫でてから頬に触れた。
相変わらず彼女は微笑んだまま。
俺の言葉を待っているのだろうか。
そして、見詰め合った。
静かな時間。
今は、二人だけの時間だ。
「……愛してるよ、ミホ」
今度は聞こえただろう。
「私も」
そう言って、彼女は笑った。







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