体験談『大切な思い出』

(#057)

体験談『大切な思い出』

菜乃


前編

 1年ほど前、わたしの初体験を告白します。

 当時の私は○校一年生で、彼も同い年でした。
 中学を卒業した5日後に、ずっと片思いしていた彼に告白され、付き合うことになったのですが、私は地元の高校、彼は電車で2時間もかかる高校の寮に入ることが決まっており、付き合った当初からずっと遠距離恋愛でした。

 私も彼も部活動をしていたのでなかなか休みも合わず、月に2回会えたらいい方でした。

 彼とは同じ中学で、クラスも3年間一緒でした。
 が、彼はちょっと変わっていて、女の子には興味なさそうで、えろいこととかには全く無関心、という感じだったので、早い進展はないかな、と諦めていました。

 3月の初めに付き合い始めて実際なかなか進展はなく、手をつないだのも3月の終わりでした。
 5月上旬の初めての遠出でお互いファーストキスを交わしたのですが、驚いたことに、私も彼も初めてなのに、彼がいきなり舌を絡めてきたのです。
 私は最初恥ずかしくて口をすぐ閉じたのですが、回数を重ねるうちに舌を絡めることが当たり前になってきていました。

 6月の中旬に彼の家に行き、2人きりで彼の部屋で雑談をしていました。
 家にはお兄さんとおばあさんがいたのでそういうこは全く考えていなかったのですが、彼の部屋はせまく、勉強机の椅子しか置いてなくて、最初、彼が椅子に座り、私はベッドに座っていました。
 しばらく話して少し沈黙になったころ、彼は私の隣、つまりベッドに移動してきました。

 またしばらく話したのですが、再び沈黙となったとき、彼は私の肩に手をまわし、キスをしました。
 そのまま舌を絡めあい、ベッドに押し倒されそうになったのですが、隣の部屋にはお兄さんがいると言っていたので、まずいと思い、力いっぱいふんばりましたが、やっぱり押し倒されてしまいました。
 そのまま胸を揉まれたり、首筋にキスをされたり、服の中にも手をいれてきて、気付けばブラのホックも外されていました。

 30分ほどそうしていたのですが、このあと私は家の用があって、帰らねばならなかったので、彼がそれを思い出し、「ごめん、時間やで送ってくわな」と言って、家まで送ってくれました。

 エッチなことには一切興味のなさそうな彼がそういうことをしてきたということに驚いたのと、まさか自分がもう少しで処女喪失するとは思っていなくて、帰り道、わたしはなんだか怖くなって、あまり話を弾ませることができませんでした。
 でも、少し残念に思うところもありました。

 別れてから彼に、「あんなことどこで覚えたの?」(胸を揉んだりなど)とメールできくと、寮の友達に知識を植えつけられた、と言っていたので納得。
 次に会うときは本当にヤるかもしれないな、と思いました。
 しかし夏は忙しくなかなか会えませんでした。

 夏休みに入り、彼は寮から帰省していたのですが、なかなか予定があわないまま8月に。
 お盆が終わったころに会う約束をしていたのですが、彼が前日に酔っぱらって朝起きられず、結局ドタキャン。
 その日は、私も別の予定があったのですが、なかなか会えない彼のためにその予定を断って彼の誘いを受けたので、私は別の予定にも行きたかったことや彼に会えるはずだったのにという悲しさから、彼に怒りをぶつけてしまい、そのままけんかに。

 しかもその日は彼の家に行く約束で、さらに家には誰もいない、とのことで、私は約束してからその日までずっと、ドキドキと少しの不安を持って過ごしていたので、ドタキャンされたときの落胆は余計にひどかったです。

 連絡もまともにとらず、夏の終わりにさしかかろうとする頃、彼と会うことになりました。
 場所は私の家の前。

 しかし私はその日部活で、汗をたくさんかいてしまいました。
 ケンカしてても私は彼が大好きだったので、少しでも可愛くみられたくて、夕方シャワーをあび、しっかり支度をして家の前で待っていました。
 が、夕方なのに思ったより暑く、すぐ汗をかきそうでした。なので彼をそのまま家に招きました。その日私の家族は旅行に行っていて、家には私と猫だけでした。

 そのときも別にやましい気持ちはなく、ただ、どうやって仲直りしようか、ということで頭がいっぱいでした。

 私の部屋に、私と彼と猫が入り、長い長い沈黙が流れました。
 彼は猫とたわむれ、私はその様子を見ていました。
 彼に謝ってほしいという気持ちがあって、彼が何か言ってくるのを待っていたのですが、あちらも気まずそうにちらちらこちらを見ていて、話を切り出してきそうにありません。

 1時間ほど経ち、猫が外へ出たいと鳴き出したので外へ出したあと、私は彼に「ねえ、隣に座ってもええ?」とききました。
 彼は黙ったままうなづき、私は彼にぴったりとよりそうように座りました。ベッドにもたれるようにじゅうたんの上に座っていたと思います。

 それでも彼は黙っているので、私はさらに「おこっとるの?」ときくと、「菜乃は?」と聞き返してきました。
「もう怒ってないよ、あんなに怒ってごめんね」と私は素直に謝りました。
 すると彼も「俺も、ごめん。今度からは絶対こういうことなくすから」と言ってくれ、さらに優しくキスをしてくれました。

 6月に彼の部屋であったように、そのまま押し倒され、胸を揉まれたりブラのホックも外されました。
 しかしそこはじゅうたんの上で、下になっていたわたしは身体が痛かったのですが、彼はそれを察したのか、「ベッドの上、いこか」と移動させてくれました。

 部屋の灯を消し、だいぶ時間が経っていたので、外も暗かったです。
 彼の顔がうっすら見えるくらいでした。
 彼は服を脱ぎ、下着だけとなり、わたしは彼の手によって全裸にされました。

 わたしは当時知識も浅く、どうしたらいいのかわからないまま。
 彼は私の胸を揉んだりつまんだり舐めたり。
 でも、緊張と少し怖いのとで、あまり気持ちいいとは思えませんでした。



後編

 そのあと彼の手は下へ移動。
 なんのためらいもなく、私の秘部を刺激。
 耳元でそっと「濡れとるやん」と囁き、そのまま指を1本入れてきました。
 彼の指は細かったのですが、結構長かったので少し痛かったです。
 でも私は何も言わず、彼にしがみついていました。そのあと彼は指を2本3本と増やしましたが、4本目はさすがに痛くて入りませんでした。

 すると彼は自分の口を私の秘部へもって行こうとします。
 何をするのかわかった私は、彼をとめました。なんだか申し訳なかったのです。

 そしたら彼は下着を脱ぎ、私の手に自分のモノを握らせました。
 暗くて目では見えなかったけど、触った感触は太くてあつかったです。私の手はあまり大きくないのですが、私の手にはおさまらない大きさでした。

「そのまま手を上下に動かして」と言われて動かすと、彼が気持ちよさそうにするので嬉しくてたくさん動かしましたが、そしたら逆に「痛い」と言われてしまいました。

 私はここまで来た時点で最後までするのだと思っていたのですが、彼は違ったらしく、「今日はもうやめとこっか」と言われました。
 驚いた私が「え?」と聞き返すと、「初めてなんやし、さっき指3本しか入らんかったんやで、痛いやろ? 無理せんでええで」と彼。
 でもそのやさしさが嬉しかったことと、私はまだ彼をいかせてあげられなかったこともあり、「でも、最後までしたいんちゃうの?」と彼にきくと、「ほんとにええの?」と念を押されました。
「○○(彼)ならええよ」と私が答えると、彼は私から離れました。

 何やらごそごそとして、また戻ってきました。
(あ、ゴムかな……)と私は心の中で思いましたが、何も言いませんでした。

 彼がわたしの上にまたがり、「痛かったら言って?すぐやめるで、無理せんといてよ」と再確認。
 私が「うん」と答えると、彼は私の足を大きく開かせました。
 恥ずかしくて、閉じようとすると、彼は「大丈夫やで」とキスをくれました。

 また足を開かれ、今度はそのままの状態を維持。
 彼のモノの先が自分の秘部に少しふれたとき、(ああ、とうとう処女卒業するんだ、しちゃうんだ)と思いました。
 しかし、私は十分に濡れているはずなのになかなか入らず、彼はとても苦戦しているよう。
「入らん?」ときくと「ちょっと痛いかもやけど、思っきりいっていい?」ときかれました。
「ええよ」と答えると、彼のモノが一気に入ってきました。

 裂けるような痛みがはしり、「いたっ……っい……!」というと、彼は一旦抜いてくれました。
「今の入ったん?」ときくと「半分も入らんかった、やっぱ今日はやめとく?」と彼。
 しかしわたしは彼の期待にこたえたかったので、「我慢するでええよ。最後までしよ? 痛いって言っても最後まで入れて?」というと彼はうなづき、再び挑戦。

 裂けるような痛みがしばらく続きました。
 私は彼に聞こえないようにしていたのですが、何度も「痛い、痛い」と言ってしまい、そのたびに「やめる?」とか「大丈夫?」とか言われましたが、続けてもらいました。

「入った」
 彼が言ったとき、わたしは完全に痛みにやられ、疲れ切っていましたが、嬉しくて彼にしがみつきました。
 彼はそのまま腰を振ろうとしたのですが、動くたびに痛くて、それが伝わったようで、しばらくしてから、抜いてくれました。

「ひとつになったね」という言葉を交わしたあと、二人で裸のまま抱き合っていましたが、私もそうですが、彼もイっていないことにきづき、私は今度は自分から彼のモノを握り、動かしました。
 彼は「また?」と笑ったのですが、私はそのまま続けると、彼は気持ちよさそうに声を出すので、それが嬉しくてまたたくさん動かしたのですが、また彼に「痛いよ」と笑われ、「別にそんなに無理せんでええんやで、まだまだこれからやん? 今日はひとつになっただけで十分やに」と抱きしめられたので、なんだか涙がこぼれおちそうでした。

 時間も時間だったので、そのまま服を着て、彼は帰宅。
 私ももう一度シャワーを浴び、彼とひとつになったベッドで、眠りに着きました。

 次の日は私も彼も部活で、朝早かったのですが、彼から朝一で、「まだいたい?」ときかれました。
 秘部はもちろん、自分は振っていないのに腰も痛かったです。(もともと、腰痛持ちということもありました)

 それから夏休みの間は週に2回程度ずつ会っていたのですが、彼が寮に戻ったと同時に連絡がなかなかとれなくなり、2か月後に、お互い遠距離に耐えられず、別れてしまいました。
 彼も私も、お互い初めてのキスや、初めてのエッチをしたことで、彼の印象はとても強く残っています。
 さらに、私は長い片思いから、付き合えるようになったので、彼への思いは特別で、今でも忘れられません。

 彼にはもう新しい恋人がいますが、私はまだ、彼のことを想い続けています。
 諦めた方が自分のためにもいいと思うのですが、忘れられないのと、忘れたくないのと。
 だから私は、もっと大人になって、そのとき彼に恋人がいなかったら、もう一度彼に会いにいこうと思います。

 ちなみに、彼のあと、私は誰とも付き合わずに一年を過ごしてきました。
 もちろんエッチもキスも彼とのそれっきりです。
 彼は大人になるまでにいろんな経験をしたり、私以外の人とたくさんエッチをすると思いますが、私は、彼だけの身体を保ちたいと思います。
 彼との思い出を胸に。



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