image |
「どこでもいいから、ラブホテルを頼む」 こういうカップルは、よくいる。若いのもいれば、中年もいる。なかには、ひと目で不倫とわかる組み合わせもある。俺(33)の乗せたカップルは、中年の不倫組。ご要望に応じて、探してやったのはいいが、その夜に限って、どこも満室。 そのうち、後ろで始めちゃったんだよね。ルームミラーを見なくてもわかる、雰囲気で。ホテルを何軒も探しまわっているうちにがまんしきれなくなったらしい。 はじめは、ゴソゴソとたがいの衣服をまさぐり合うような音がして、そのうち、アーン、フーン。女の溜め息が聞こえ出した。後ろでヤるヤツのパターンは、似たようなモンだ。 そりゃあ、こっちもへンな気になる。アソコだって、立ちましたよ。 正直に告白してくれた。しかし、最後のセンまでいくカップルは珍しい。この二人は、その珍しいカップル。「チラッと、ミラーを見てみたんだ。そしたら、一人しか映ってない。『アレ?』っと思った。もう一度、見てみた。わかったよ。女がさ、男の膝の上にまたがってダッコ・スタイルで、ヤッてた。座位ってヤツだ。 アレだと、奥まで入る、完璧に。男か女か、どっちかわからないけど、それを知ってたな、あれは。タクシーでヤるのは、はじめてじゃない。激しいなんてもんじゃないよ。女のほうが積極的でね。尻をグイグイ動かして、自分から、チュウチュウ、男の唇を吸ってね。声だってすごいんだ。おかしいのは、女がイッたときだよ。 呼んだの、男の名前を。『まさひこちゃ~ん!……て』あのときのまさひこちゃん、まだ彼女とは続いてますか? 終 |