ファンタジー官能小説『セクスカリバー』

Shyrock 作



<第40章「うるわしき吸精魔が棲む館」目次>

第40章「うるわしき吸精魔が棲む館」 第1話
第40章「うるわしき吸精魔が棲む館」 第2話
第40章「うるわしき吸精魔が棲む館」 第3話
第40章「うるわしき吸精魔が棲む館」 第4話
第40章「うるわしき吸精魔が棲む館」 第5話
第40章「うるわしき吸精魔が棲む館」 第6話
第40章「うるわしき吸精魔が棲む館」 第7話
第40章「うるわしき吸精魔が棲む館」 第8話

『セクスカリバー世界地図』




<登場人物の現在の体力・魔力>

シャム 勇者 HP 1180/1180 MP 0/0
イヴ 神官 HP 930/930 MP 1010/1010
アリサ 猫耳 HP 960/960 MP 0/0
キュー ワルキューレ HP1080/1080 M600/600
マリア 聖女 HP 790/790 MP 1130/1130
チルチル 街少女 HP 750/750 MP 0/0
ウチャギーナ 魔導師 HP 830/830 MP 1070/1070
リョマ 竜騎士 HP 1300/1300 MP 0/0
ユマ 姫剣士 1070/1070 MP 0/0
エンポリオ アーチャー HP 960/960 MP 0/0
メグメグ 武術家 HP 1110/1110 MP 0/0
ドルジ 騎馬戦士 HP 1130/1130 MP 0/0
サラーナ 赤魔導師 HP 880/880 MP 930/930

エリカ ウンディーネ女王 HP 800/800 MP 1100/1100
シャルル 漁師・レジスタンス運動指導者 HP 1260/1260 MP 0/0



⚔⚔⚔



第40章「うるわしき吸精魔が棲む館」 第1話

 ごろつきのギーはアルフォンス邸を襲撃すべく、3人の仲間に加えて、流浪の剣士3人を用心棒として雇い同行させた。
 仲間の名前は、エンリコ、ブルーノ、レオーネ。用心棒の名前は、ロサリオ、ヴィート、オルランド。
 当然ながら、剣、短剣、手斧等の物騒な打ち物も潜ませている。

 ギーたちはアルフォンス邸の勝手口に回りドアノッカーを鳴らした。

ギー「ん? ノッカーの飾りが蛇とは珍しいじゃねえか」
エンリコ「何か気味悪いな。蛇のノッカーなんて見たことがねえや」
ギー「つまらねえことで、びくついてるんじゃねえぜ」

 ノッカーを2回鳴らしてみたが、住人が出てこない。

エンリコ「毎度ありがとうございます。青果商のレーヌ屋です。ご用をお伺いにまいりました」

 するとまもなく内側から開錠する音がして、赤毛のメイド、パメラが現れた。
 歳は20才前後であろうか。とても美しい娘である。

パメラ「ごくろうさまです。あら? 今日は担当の方が違うのね?」
エンリコ「はい、いつもの担当は風邪で休みでして、代わりにおじゃましました」
パメラ「それは大変ね。一応今日の注文をメモしておいたので、確認してくれますか」
エンリコ「ありがとうございます。レタス、レンズ豆、カボチャ、チコリー、それから……ふむふむ、はい、承知しました。ご注文ありがとうございます。え~と、それと、いつもご贔屓いただいているお礼に、獲れたてのジャガイモが入荷したのでサービスしておきますね、味見してみてください」

 エンリコはジャガイモが入った木箱をパメラに見せた。
 パメラとしてはありがたいが、かなり重そうである。

パメラ「まあ、新ジャガをこんなにたくさん無料でいただけるなんて、嬉しいわ! きっと主も喜びますわ」
エンリコ「今日はご主人様はおられるのですか?」
パメラ「はい、書斎で本を読んでおります」
エンリコ「そうですか……」

 パメラがジャガイモの木箱を運ぼうとしている。
 
エンリコ「ジャガイモって意外と重いでしょう? 私が運びますよ」
パメラ「構いませんか? 助かるわ、じゃあお願いします。ではこちらにお願いします」

 パメラは台所の隣にある食品保管庫にエンリコを誘導した。
 何食わぬ顔でパメラに着いていくエンリコ。

 二人が勝手口から遠ざかったのを見計らって、ギーたちが足音を忍ばせ屋敷に侵入した。
 ギーが蚊の鳴くような声でささやく。

ギー「いいか、メイドたちを威嚇するのはよいが、怪我をさせるなよ。伯爵を倒したあと、俺たちの玩具にもできるし、高く売りさばくこともできるからな、ヒヒヒ……」

 計算高いギーは、早々と伯爵打倒後を描いて、仲間たちに釘を刺した。

 食品保管庫の棚にジャガイモを積み終えたエンリコに、パメラが語りかけた。

パメラ「ジャガイモは、風通しのよい場所に置くのがよいので場所を変えようと思っています」
エンリコ「そうですね。気温が上がると芽が出やすいのでここは適さないでしょうね。あれ……? あれは何ですかね……?」

 エンリコは保管庫の奥を指し示しパメラの注意を逸らした。
 パメラは保管庫の奥を覗きこんでいる。

 次の瞬間、パメラの背後からエンリコが襲いかかってきた。
 
パメラ「んむぅぅぅ!!」

 突然背後から抱きすくめられ、口を塞がれたパメラが上げた叫び声はくぐもったもので周囲に響くことはなかった。
 咄嗟に身を捩って抵抗するものの、折れんばかりに力を込められた腕は微動だにしない。

エンリコ「声を出すな!」

 パメラの首筋に硬いものが押し付けられる。
 それが短剣だと分かると、パメラの抵抗が止まった。
 そのまま口に猿轡が噛まされ、あらかじめ準備していたロープでパメラを後手に縛り上げた。

パメラ「んぐっんぐっ!」

 おそらく襲われる直前まで、レーヌ屋の店員だと信じて疑わなかっただろう。
 パメラは血相を変え、緊縛された豊満な肉体を揺らしながらイヤイヤをしている。

エンリコ「俺をレーヌ屋の店員だと信じていたのか? 生憎だったな、俺は成りすましさ」

 パメラは目を大きく見開き、恐怖に震えている。

エンリコ「心配するな。殺しはしねえから。だけど下手なことをしたら容赦しねえぜ。それはそうと、よく見るとおまえ良い身体をしているな。だけど大事な用事があるので、おまえはここで大人しくしていろ」

 エンリコが立ち上がると、ちょうどギーたちは入ってきた。

ギー「ふふふ、1人目のメイドは縛ったか? 残りは執事とメイド2人だな。さあ、行くぞ」

 その頃、メイドのニンファとダリダは少し離れたリネンクローゼットでテーブルクロス等布物の片付けをしていた。

ニンファ「何か物音がしなかった?」
ダリダ「聞こえなかったけど」
ニンファ「気のせいだったのかしら」

ギー「気のせいじゃないよ。別のメイドが少し騒いでいただけさ」
ニンファ「あなたは誰っ!? どこから入ってきたの!?」
ダリダ「ど、泥棒……っ?」
ギー「人聞きが悪いな~、泥棒じゃないよ。ちゃんと勝手口を開けてもらって入って来たんだから」
ニンファ「パメラがドアを開けたの? ねえ、パメラはどこ!?」
ギー「心配しなくてもいいさ。仲間のメイドは食品保管庫で休んでもらっているから」
ダリダ「パメラに何をしたのですか!?」
ギー「つべこべとうるさいメイドだな~。ちょっと静かにしてもらおうか?」

 ギーの合図で、男たちがドタドタと雪崩れ込み、たちまちメイド2人を取り囲んでしまった。

ニンファ「何をする気!?」
ダリダ「乱暴なことはやめてください!」
ギー「おい、こいつらを静かにさせろ」

 用心棒のロサリオがニンファの腹部にパンチを見舞った。

ニンフォ「うぐっ……」
 
 箒を振り上げて抵抗しようとしたダリダだったが、呆気なく捕まってしまった。
 2人のメイドが背中合わせで縛られ、身動きが取れなくなってしまった。

ギー「執事はどこにいるんだ?」
ニンファ「伯爵の用事で出掛けているわ」
ギー「いつ帰ってくるのだ」
ニンファ「隣町まで行っているので、帰りは明日になると思うわ」
ギー「そうか。この屋敷に今いるのは伯爵とおまえたちメイドだけだな?」
ニンファ「そうよ、ねえ、あなたたち何を企んでいるの?」
ニンファ「伯爵に変なことをしないでください」
ギー「変なことはしないさ。以前大変お世話になったので、ちょっとだけお礼をさせてもらうだけだよ。おい、この2人ちょいとばかりうるさいので、声が出ねえよう口に布を噛ませてやれ」

 メイドたちの口に猿轡が噛まされた。

ギー「しばらくの間、ここでおとなしくしてろ。縄はあとから解いてやるから心配するな」
ニンファ「んん、ふぐふぐ……」
ギー「おとなしくしていれば、おまえたちに危害は加えねえから安心しな」

 ギーたちはメイド2人をリネンクローゼットに置き去りにして、アルフォンス伯爵のいる書斎へと向かった。



第40章「うるわしき吸精魔が棲む館」 第2話

 ギーたちは書斎の扉の前まで、足音を立てずに進む。
 書斎は、メイドを脅し聞き出していたので、迷うことなくたどり着いた。
 仲間たちに合図を送るギー。

ギー「準備はいいか、一気に突入するぞ……」

 無言でうなづく仲間と用心棒たち。
 意を決してギーは内開き扉を押す。
 武器を持つ手に力がこもる。
 重苦しい音とともに扉が開いていく。
 ギーは口の渇きを覚えた。
 室内は明かりひとつ灯ることなく、真っ暗だ。
 メイドの話だと、伯爵は書斎で読書中だと言っていたが……
 もう眠ってしまったのか。

 男たちは恐る恐る書斎内へと入っていく。
 ゆっくりと、慎重に。
 明かりが灯っていないため満足に足元が見えないのだ。

 次の瞬間、落ちついた男の声が聞こえた。

・・・「ようこそ、地獄の門へ」
ギー「何だと……!? おまえはアルフォンス伯爵か!?」
ロサリオ(用心棒)「ここが地獄の門だと? ふざけるな!」
・・・「ふざけてはいませんよ」

 夜の闇に沈む部屋に、落ちついた男の声。
 室内に明かりはない。
 窓の外、時折雲間から顔を出す微かな月明かりだけが、わずかな光源だった。
 相手の姿が見えないので、たじろぐギーたち。

・・・「これは失敬。明かりも点けず、お話しするのは失礼ですよね?」

 声の主が明かりを灯す。
 ランプの灯りに浮かび上がったその顔は、一見すれば誰もが見惚れるほど美しく凛々しい男の顔であった。
 あまりに整ったその美貌に、男であっても、思わずハッと息を飲んでしまう。
 たじろぎながらも、ようやく声を絞り出すギー。

ギー「やはりおまえはあの時の……!?」
アルフォンス「そうですよ。あの時、女性を助けたアルフォンスです。どうぞ、お見知りおきを」
ギー「ムムム……あの時はよくも俺たちをコケにしてくれたな!」
アルフォンス「か弱き婦女子が虐められているのを見ると、放っておけない性質でしてね。で、今日は何のご用ですか?」
ギー「今日はあの時のお礼をたっぷりとさせてもらうぜ! 覚悟しな!」
アルフォンス「お礼参りですか? お礼参りは、願いが叶った時に、神様にお礼に参詣することではありませんか? 私は神様ではなく悪魔なので、お礼参りなど必要ないのですが……」
ギー「悪魔だと! 冗談も休み休みにしやがれ! おい、このホラ吹き伯爵をやっちまいな!」

 光源がアルフォンスの座っている場所にあるので、標的が照らされていてアルフォンスは絶対に不利だ。
 用心棒のロサリオは、ハンドアックスを上段に構え挑みかかった。

ロサリオ(用心棒)「悪いが死んでもらうぜ~~~っ!」

 アルフォンスはステッキを振りかざし、ロサリオの脳天に一撃を与えた。
 うめき声とともに床に倒れ伏すロサリオ。

ヴィート(用心棒)「ロサリオ! だいじょうぶか!?」

 ロサリオはピクリとも動かない。
 エンリコが揺すってみたが全く反応がなく、すでに息絶えていた。

アルフォンス「ステッキでも当たり所が悪ければ、人は簡単に死ぬようですね」
ヴィート(用心棒)「よくもロサリオをやりやがって! 許さねえ! 喰らえっ!」

 光源めがけて真一文字に短剣で突きかかる用心棒のヴィート。
 次の瞬間、アルフォンスは身動き一つしなかったのに、ヴィートは叫び声とともにもんどりうって倒れてしまった。

ギー「何が起こったのだ……?」

 アルフォンスが魔法をかけたのか? 否、その気配は全くなかった。

アルフォンス「いつもながらにおまえの吹き矢は正確だね、ニンファ」

 ギーたちの背後から、1人の女がアルフォンスに返答した。

ニンファ「お褒めにあずかり光栄です」
ギー「おまえは先程のメイドじゃねえか? いつの間に縄から抜け出た?」
ニンファ「関節を自在に操れるダリダがいるから、私たちを縛っても無駄なの。ありがとうダリダ」
ギー「むむっ、なんだと……」

 ギーたちが背後を振り返ると、さきほど拘束したはずの3人のメイドが微笑を浮かべている。

アルフォンス「ヤクザの皆さん、彼女の吹き矢の威力を見ましたか? 不幸にも吹き矢が命中したおたくの用心棒さんは、気の毒ですがすでにご臨終です。なにせ吹き矢の先に猛毒を塗っていますからね」
ギー「何だと……」

 毒の吹き矢と聞いて、明らかにギーたちは動揺している。
 さらに心理的に追い詰めるアルフォンス。

アルフォンス「ニンファの毒の吹き矢は恐ろしい武器です。ニンファがこの吹き矢を口に当ててプッと吹けば、そこから小さな矢が飛び出して、それがまた恐ろしく鋭くて悪魔の仕業としか思えないくらい良く当たるのです。失敗するなんてことはまずありません。ニンファに狙われた者は、ほぼ確実に葬られるのです。さて、次はどなたを的にしましょうかね?」

オルラルド(用心棒)「俺は殺されたくないぞ! ギーさん、あんた、リーダーだろう? 今回のこんな襲撃を企てたことの責任をとって、矢の的になれよ!」
ギー「何だと! 用心棒なら雇い主を守るのが任務だろうが! おまえが的になればいい!」

 ギーたちの間で、醜い内紛が勃発した。

パメラ「内輪揉めだなんてみっともないわね。そんな人にはお仕置きしなくちゃね。『俺は殺されくない』とのたまい、リーダーに責任を転嫁しようとした格好悪い用心棒さん、あなたに熱いキスをあげるわ」
オルランド「キスをしてくれるのか? それはありがたいじゃねえか」

 パメラはオルランドに抱き着き、強引にキスをした。
 オルランドは嬉しそうに鼻の下を伸ばし、パメラのキスに応じる。
 キスが終わりパメラがオルランドから離れた直後、オルランドは苦しそうに手で胸を押さえながらもがき始めた。。
 見る見るうちに顔色が紫色に変色していく。

オルランド「く、苦しい……助けてくれ……」



第40章「うるわしき吸精魔が棲む館」 第3話

アルフォンス「パメラは今あなたに死の接吻『ポイズンブロウ』をしましたので、あなたの命の炎はまもなく燃え尽きます」
オルランド(用心棒)「お願いだ……助けてくれ……」
ギー「武器も魔法も使ってないのに、どうして死ぬんだ?」
パメラ「私はキスと同時に男の口内に毒を吹き込んだの。もうすぐ全身に毒が回り、息絶えるわ」
オルランド(用心棒)「た、頼む……何でも聞くから助けてくれ……」
アルフォンス「残念ですが、無理です。私の屋敷に不当な方法で侵入したことが、あなたの不幸の始まりです、おさらばです」

 オルランドは痙攣しながら息絶えた。

アルフォンス「用心棒さんの実力はこの程度のものですか。では、メインゲストの皆さん、あなたたちの実力を見せてもらいましょうか?」

 ギーたちは、すっかり青ざめている。腰が引け、ずるずると後退りするばかり。
 そんな中、ギーはレオーネの背中を押した。

ギー「おい、レオーネ、俺たちの中でおまえが一番若くて腕っぷしが強いよな。あいつらをやっつけろ!」
レオーネ「冗談じゃねえよ。用心棒でも歯が立たねえのに、なんで俺が……。俺はごめんだぜ!」

 レオーネはわき目もふらずに逃げ出した。

ギー「おい、こら、待ちやがれ!」
エンリコ「待ってくれ~! 一人で逃げるとはずるいぞ!」
ブルーノ「俺たちを置いて行くな~!」

 残された男たちがその場から遁走しようとしたが、3人のメイドが行く手を阻む。
 メイドのダリダが腰を振り妖艶に踊り始めた。

ギー「……ん?」

 ダリダはポーズを決めるながら、ギーにウィンクを投げかけた。

ギー「なんだ……? 何か眠くなってきたぞ……」

 パメラとニンフォも同様に踊り出し、エンリコとブルーノにウィンクをした。
 3人の男たちの膝がガクンと崩れ床に倒れると、眠りに落ちてしまった。

⚔⚔⚔

 その頃、クレスピンの泉附近で発生した紛争を解決すべく、現地におもむいていたエリカとシャルルは無事事態を収束させ、帰路の途に就いていた。
 旅の樹木を利用するためムーンサルト城に進路をとり、途中、水の補給のため小川に立ち寄ったところ、とんでもない場面に遭遇してしまった。
 なんと小川を挟んで2つの軍団が戦闘を繰り広げているではないか。
 見たところ、右側は魔物の軍団で、左側はアンデッドの軍団のようだ。
 双方が優に100体を超えており、総勢200体以上の大戦などなかなか見られるものではない。

シャルル「とんでもない場面に出くわしてしまったぞ。エリカ、隠れて」
エリカ「争っているのは誰と誰なのかしら……」
シャルル「よく分からないな。見つからないように身を潜めて少し探ってみよう」

 シャルルたちのいる場所から少し距離があるので詳細は分からないが、魔物軍団の主力部隊はリカント(狼男の一種)で構成されており、一部飛行系のアークデーモンも混じっているようである。
 一方、アンデッド軍団の主力部隊はグールとゾンビのようだ。
 両者の形勢は、体力に物を言わせ魔物軍団がじわりじわりと圧しつつあるようだ。

シャルル「魔物側の後ろに陣取っているデカいやつがボスのようだな」
エリカ「おそらくドラゴンデーモンナイトだと思うわ。かなり上級の実力者だわ」
シャルル「そんなやつまで地獄からやってきてるのか。これは油断できないな。ところで、アンデッドのボスは誰だろう?」

 シャルルは目を凝らしてみている。

シャルル「グールやゾンビたちの一番後ろに、ボロボロのローブを纏った亡霊のようなやつがいるが、あいつがボスかな?」

 シャルルの視線の先には、ボロボロのローブを纏った亡霊のような姿の者がいた。周囲には不気味に緑色に光る鬼火を数個漂わせている。
 見るからに奇々怪々としており険悪な雰囲気を漂わせている。

エリカ「まさか……あんな者が現れるとは……」
シャルル「どうしたんだ? そんなに厄介なのか?」
エリカ「実は私も見るは初めてなんだけど、容貌から考えてたぶんリッチだわ」
シャルル「リッチってなんだ?」
エリカ「超常的な力によって死んでも、なお生前の人格と知性、全能力を維持しているアンデッドの王なの。いやその能力は生前をはるかに凌ぐと言われている。一口に言えば単なる死骸なんだけど、生きている人間よりも厄介な相手と聞くわ。とにかく近寄らないのが正解ということ」
シャルル「そんなにやばいやつなのか」
エリカ「私たちが倒そうとしているメドゥサオールと遜色ないほど危険だということ」
シャルル「……」

 ふたりが物陰でひそひそ話をしている最中にも、両陣営の戦いは激しさを増していた。
 明らかに魔物軍団の勢いが、アンデッド軍団のそれを上回っている。

シャルル「どう見ても、勝つのは魔物軍団だろう」
エリカ「どうかしら? 私はアンデッドが勝つと思うわ」
シャルル「だけどどうして魔物とアンデッドが戦っているんだ? どちらも魔王ルシファーの手下じゃないのか?」
エリカ「そんなこと私に聞かれても困るわ。彼らに聞いてくれば?」
シャルル「ははは、冗談がきついぞ」
エリカ「オホホ」

 戦闘は、飛行系を有する魔物軍団が有利に展開していた。
 アークデーモンが空中からグールやゾンビに襲いかかり次々と倒し、リカントが前へ前へと進軍していく。
 味方の勢いに乗じて、後方に陣取っていたボスのドラゴンデーモンナイトがついに動き出した。
 剣を振りかざし味方を鼓舞し、自らも進軍を始めた。

ドラゴンデーモンナイト「攻めろ! 裏切り者のリッチを倒し、寝返ったアンデッドどもを葬り去ってしまえ!」



第40章「うるわしき吸精魔が棲む館」 第4話

 ドラゴンデーモンナイトの号令一下、アークデーモンとリカントを主力とする魔物軍団は、一斉にグール、ゾンビのアンデッド軍団に襲い掛かる。
 次々にアンデッド軍団は倒され、リッチを警護するグールはわずかとなった。
 アンデッド全滅かと思われたその矢先、沈黙を貫いていたリッチが何やら呪文の詠唱し始めた。
 カチャカチャと歯が嚙み合う音が聞こえるだけで、周囲には呪文の意味が分からない。

 まもなく空中から大小の岩石が魔物軍団の頭上に降り注いだ。
 岩石の下敷きになり、即死や負傷する魔物たち。
 リッチが唱えたのは、空中から岩石を降り注ぐメテオ魔法『メテオストーム』であった。

リカント「いてててっ……!」

 身体が痺れて動かせなくなったアークデーモンとリカント約30体。
 しかしドラゴンデーモンナイトにはまったく通用しなかった。

ドラゴンデーモンナイト「ふふふ、メテオ魔法など私には効かぬわ。リッチよ、おまえの力はその程度か。今度は私の番だ。デスブレードを受けてみよ!」

 ドラゴンデーモンナイトの剣がメラメラと真っ赤な炎を放つ。
 ドラゴンデーモンナイトは空中に跳び上がると、リッチの頭上に剣を振り下ろした。

ドラゴンデーモンナイト「リッチよ、死ねっ!!」

 リッチは真っ二つに一刀両断されてしまった。

ドラゴンデーモンナイト「おまえの場合は、死ねと言わなくてもすでに死んでいるか、ふふふふ」

 勝利を確信したドラゴンデーモンナイトであったが、すぐに表情がこわばった。
 二つに割れたリッチは、まもなく磁石が引き合うように接合し1つに戻ってしまった。
 切られた跡形も残らずきれいに再生される。

ドラゴンデーモンナイト「まさか……!? 今まで私のヘルブレードで倒せなかった者などいなかったのに……」

 過去無敗の帝王が初めて見せる焦りの色。

リッチ「それは、そなたが倒してきた敵がすべて生ある者だったからに過ぎぬ。死者の私にはどんなに優れた剣も通用しないのだ。では今度は私の番だ……」

 リッチは歯を動かし何やら呪文を唱えだした。
 それは声というより、骨を重ねる音という方が正しかった。

リッチ「エスピラーレ……ケダブラ……エスピラーレ……ケダブラ……」
ドラゴンデーモンナイト「いったい何を唱えているのだ……?」

 あらゆる魔法に対して強い耐性を持つドラゴンデーモンナイトだが、未知のものは不気味なものだ。
 次の瞬間、ドラゴンデーモンナイトが「うっ……」という一言を残して卒倒してしまった。
 彼は二度と起き上がることはなかった。
 それもそのはず、ドラゴンデーモンナイトの血液が一瞬にして凝固し、生命活動が停止してしまったのだ。
 叫び声ひとつ上げず絶命してしまったため、大将に何が起きたのか分からず戸惑う手下たち。

リッチ「死の呪文を唱えたのはいつ以来だろうか。死の呪文『死の宣告』を唱えたせいでMPがごっそりと減ってしまった。さて戻って少し休むとするか」

 大将ドラゴンデーモンナイトが倒されたことで、残党はすごすごと戦場から立ち去っていった。

エリカ「見た……?」
シャルル「うん、見た……」

 魔界で名うての切り込み隊長ドラゴンデーモンナイトが、抗うことなく瞬殺される場面を目撃してしまったエリカとシャルルは言葉を失っていた。

シャルル「あれは魔法なのか?」
エリカ「死霊魔法という魔法よ。使ってる人間を見たことがないわ」
シャルル「そんなに習得がむずかしいのか?」
エリカ「最高難度といえるほど高等だし、仮に習得したとしても使用すると自身の体力も著しく消耗するので誰も使いたがらないわ。下手したら死ぬかもしれないので……」
シャルル「敵を倒すつもりが自分がダメージ受けるなんて、やば過ぎるよな」

エリカ「今日見たことはシャムたちに報告しないと」
シャルル「まさか魔物軍団とアンデッド軍団が戦っている場面に遭遇するなんて驚いたよ。やつらは仲間だと思っていたのに」
エリカ「ドラゴンデーモンナイトがリッチに対して、裏切り者と言ってたのを聞いた? きっとリッチが何かやらかしたんだわ」
シャルル「リッチと戦うことになればかなり厄介だな」
エリカ「そうね、面倒なことになるわ。できれば戦いたくない相手ね」
シャルル「いやいや究極の敵がルシファーなら避けては通れないかもしれないな」
エリカ「私もそう思う。さあ行こう、早くシャムたちに合流しよう」

⚔⚔⚔

 目を覚ます。
 ギーは意識を覚醒させ、思った。ここは、どこだ。
 真っ暗だ。何も見えない。
 ただ後手に縛られていることは明らかだ。
 隣に人の気配がある。誰だろう。

ギー「隣に誰かいるのか?」
エンリコ「ううう……その声はギーか?……俺たちは捕まったのか?」
ブルーノ「俺たちは捕まったみたいだ。レオーネはいるのか?」

 返事がない。

ブルーノ「レオーネは逃げやがったか」
ギー「くそ! 俺たちを置いて1人だけ逃げやがったか」
エンリコ「うわ~~~っ! やめろ!」
ギー「どうしたエンリコ……?」
ブルーノ「俺は何もしてねえぞ」
エンリコ「違うんだ。誰か知らないやつが俺のポールをしゃぶってるんだ。おい、やめろ!」
?「やめてもいいの?」
エンリコ「その声は女だな!? おまえは誰だ?」
?「あら、私を忘れたの? 酷いわ」



第40章「うるわしき吸精魔が棲む館」 第5話

エンリコ「もしやおまえは……!?」
ダリダ「私は勝手口で野菜を受け取ったメイドのダリダよ」
エンリコ「そのメイドが俺たちに何をしようというのだ」

 エンリコは恐る恐る尋ねる。

ダリダ「うふ、桃源郷に連れて行ってあげるわ」
エンリコ「桃源郷? そんな良い目をさせてくれるのか? それなら早く縄を解いてくれよ。俺は攻められるより攻める方が好みなんだ」
ダリダ「あなたの好みなんて誰も聞いてないわ」

 フェラチオ中のダリダは軽く歯を立てた。

エンリコ「いたっ! 噛みやがったな? このアマ!」
ダリダ「安心して、甘噛みよ。でもあなたがこの後も反抗的な態度なら、オチンチンを噛み切ってあげるわ」
エンリコ「おい、悪い冗談はよせ」 
ダリダ「嚙み切られるのが嫌なら私に逆らないことね。いいわね?」
エンリコ「分かった……」

 エンリコの背中に冷たいものが走った。
 早くも硬さを増してきたエンリコの肉柱に唇を寄せる。

ダリダ「……んっ、ん…… ジュル ジュル……」
エンリコ「くぅっ……これは効くぜ……」

 ダリダはメイドカチューシャで束ねた茶色の髪を揺らして、無表情だが熱心な口淫奉仕を行なう。
 床に白のサイハイソックスを履いた膝を突き、開いた男の脚の間に少女っぽさの残る顔を突っ込んで、ジュルジュルと卑猥な音を立てる。

 ダリダから少し遅れて、青髪のパメラと金髪ドリルヘアのニンファも男たちへの奉仕を開始した。
 立った状態で縛られているギーにはニンファがパイズリで。そしてエンリコと同様に座ったままのブルーノにはパメラが手コキで。

ギー「うううっ、こりゃたまらねえぜ……良いオッパイしてるじゃねえか。しかし、真っ暗だと顔が見えなくてもったいねえ。ランプかローソクを点けてくれよ」

 ギーが点灯を訴えても、ニンファは素知らぬ顔をして、熱心にパイズリに勤しんでいる。
 そんな二ンファが、少し遅れて意味ありげな一言をささやいた。

ニンファ「ランプを付けないほうが、あなたたちのためだと思うわ」
ギー「ん? どういう意味だ……?」

 ニンファは何も答えることなく、左右の胸で肉柱を挟み上下に動かしている。時折、左右の乳房を手でグリグリ揉むように動かしたり、左右の胸で挟み寄せたり離したりもする。
 パメラは順手握りでブルーノを攻めている。親指が亀頭附近にくる形で、手全体で握っている。これは男性が自身で試すことのできる慣れ親しんだ形だ。

ニンファ「誰が一番早くイカすことができるかしら? 競争してみる?」
ダリダ「勝負にならないわ。やっぱりフェラチオが一番早くイクはず」
パメラ「甘いわ。断然手コキが一番だわ」

 本気で競争するらしい。

ニンファ「用意、よ~い、どん!」
 
 ニンフォは大きな乳房の真ん中にギーの肉柱を挟み込んだ。

ギー「おお! すごくいいぜ!」

 胸の間にある肉柱は、どんどん硬さを増していく。
 肉柱に熱がこもってきたのがニンフォにも分かる。

ギー「やばいぜ、もう……」
ニンフォ「ちょっと早すぎない? 童貞じゃあるまいし」
ギー「おおおっ、出るっ! 飲んでくれ!」

 ギーが強引にニンフォに肉柱を押し付ける。

ニンフォ「んんっ!」

 口の中に押し込まれた肉柱。

 ギーの「うっ!」という声とともに、ニンフォの口内は瞬く間に白濁の液体でいっぱいに満たされた。

 パメラは順手にぎりをやめ、逆手にぎりに持ち替えた。
 親指が肉柱の根元にくる形なので、男にとっては珍しい形だ。
 白い指が巻き付くと、逆手にぎりの刺激に驚いてビクッと震える。
 パメラの指が擦れペニスを伝う甘い快感に思わず声が洩らすブルーノ。
 パメラが擦り続けると、血流の増した肉柱は下腹にくっつぐらい反り返り、先っぽからは餌をおあずけされた犬がヨダレを垂らすみたいに、とろりとした透明な我慢汁が垂れ始める。

パメラ「こんなに大きくして、ブルーノさんのオチンチン、すごく立派だわ」

 一見清純そうな美少女の口から『オチンチン』なんて卑猥な単語を聞かされて、ブルーノはますます興奮してしまう。
 パメラは垂れ落ちそうな我慢汁を指の腹ですくうと、亀頭全体に塗り広げてから、再び擦りだした。
 ゆっくりと動き始めた手筒が、にちゅりにちゅりと卑猥な音を鳴らす。
 肉柱に甘く淫らな刺激が流れ込んでいく。

パメラ「どう? 気持ちいい?」
ブルーノ「あうっ……その擦り方、すごく気持ちいい」
パメラ「じゃあ、もっと擦ってあげる」

 パメラの手は一段と淫らに動きだす。
 右手の動きに合わせて、左手は玉袋をさわさわと撫でたり、肉柱の裏筋を指先でなぞったりと、まるでブルーノの性感帯を知り尽くしているかのように絶妙の愛撫をほどこす。

ブルーノ「あぁっ! すっ、すげえぞっ……!」

 パメラのエロティックな手つきに翻弄され、ブルーノはお漏らしみたいにトロトロと肉柱の先端から先走りを垂れ流してしまう。

ブルーノ「待ってくれ! もう出そうだ!」
パメラ「遠慮なく出して」

 パメラは肉柱をパクリと咥えると一際激しく擦りだした。

ブルーノ「おおっ! でっ、出るっ……うわぁぁぁぁ~~~~!」

 ビュルッ! ドクッ、ドクッ、ビュルッ、ドクッ、ドクッ~~~!

 ブルーノは射精の瞬間、目がくらむような濃厚な快感で頭が真っ白になった。



第40章「うるわしき吸精魔が棲む館」 第6話

 ジュルジュルジュル……

 ダリダは体勢を屈めて頭を前後に動かしている。

エンリコ「おお、それいい……」

 肉柱の裏側を舌の上で滑らせ、肉柱全体が滲み出てきた唾液に次第に包まれていく。

 ジュプッジュプッ……

エンリコ「んっ……すげえじゃねえか……」

 後手縛りされ身体が自由にならないのはもどかしいが、肉柱の快感は不自由さとは関係なく高まっていく。
 にわかにエンリコは射精感が訪れたが、懸命に堪えている。
 ダリダは構うことなく動きを速めていく。
 口の中で今にも爆発しそうになってきた。

エンリコ「んあっ……やべえぞ……出そうだ……早く挿れさせろ……」

 ダリダが肉柱をしゃぶりながら「NO」と頭を左右に振る。

 ジュボッ……ジュボッ……

エンリコ「ああっ、やべえ、やべえ、本当に出そうだ……」
ダリダ「んっ!……んっ!……」

 ダリダはさらに早く頭を前後させてきた。
 日頃遊び慣れているエンリコだが、巧妙なダリダの口淫には圧倒されている。

エンリコ「おおおっ! ダメだ……で……出るぞっ!」

 ドピュッ! ビュビュッ~~~ン!

 エンリコは呆気なく果ててしまった。
 ダリダの喉奥深くまで肉柱を突き出し、勢いよく射精すると、絞り尽くそうと何度もダリダの口内に精液を流し込むエンリコ。

 ジュプ……ジュプッ……
 ゴクリッ……ゴクリ……

 エンリコが口から肉柱を抜くと、ダリダはまだ物足りないような表情をして自身の口内に残った精液をゴクンと飲み干してしまった。

ダリダ「美味しかったよ」

 暗くて見えはしないが、満足そうに微笑むダリダの声から、エンリコは背筋に冷たいものを感じた。

 それぞれ方法は違えど、男たちを射精させたことについて、3人のメイドたちが楽しそうに談笑している。

ニンフォ「私のパイズリが一番早くイカせたわ」
パメラ「いいえ、私の手コキの方が早かったわ」
ダリダ「2人とも何を言ってるのよ。口を使った私が早いに決まっているわ」

ニンフォ「じゃあ男性に聞いてみようよ。私が一番早かったよね?」
パメラ「私だよね?」
ダリダ「エンリコ、あなたの射精が3人の中で一番早かったわね?」

ギー「分からん……」
ブルーノ「そんなものいちいち憶えてられるか」
エンリコ「さあ、どうだったか……」

 審判がいない議論(ディベード)は決着が付かないもの、と相場が決まっている。
 必ず感情だけの水掛け論の泥仕合になって、収拾がつかなくなってしまう。
 そして、話があらぬ方向に発展していくことがある。

ニンフォ「それじゃ。もう1回やって決着をつける?」 
パメラ「そうね、それがいいわ」
ダリダ「この男たち、元気そうだしリトライしてみよう」

 そんな身勝手な理由で、メイドたちは2回目を挑むことになった。
 いくら性欲旺盛な男たちでも 射精したばかりなので戸惑いは隠せない。

ギー「ん? すぐにやるのか……?」
ブルーノ「気持ちいいのは嬉しいがちょっと早過ぎるだろう? 少しは休憩をさせてくれ」
エンリコ「それなら今度は挿れさせろ」

パメラ「あなたたちの希望なんて聞かないわ」
ニンフォ「私たちは精液が吞みたいの」
ギー「何だと……?」

 彼女たちの倒錯的な性欲を知らされて、ギーたちは身の毛もよだつ思いがした。
 メイドたちは構うことなく男たちに襲いかかった。

ギー「おい、ちょっと待て! 少しは休ませてくれ!」

⚔⚔⚔

 かつてユマ姫が暮らしていたムーンサルト城は魔物たちによって滅ぼされ、無念にも国王は殺害され、一人娘のユマ姫は連れ去られてしまった。しかしユマ姫は、シャムたちの手によって救出され、その後、シャムたちとともに魔物打倒の旅に身を投じていた。
 そんなユマ姫の元に、突然、かつての爺やドナルネと少数の兵士たちがやって来た。ようやく城や町の復旧に取り掛かる準備ができたので、国を再建するために女王として帰還してほしいと懇願してきた。

ユマ「いやだ。戻らぬ。私は今ここにいるシャムとともに、母国を滅ぼした憎き魔物たちを倒す旅をしておる。誰か他の者が国王になればいいではないか」
ドナルネ(爺や)「そう申されても国王や奥方様亡き今、王家の血を引きし方はユマ姫様以外いないのです。どうか女王として帰還をお願いします」
ユマ「そうだ、爺や、そなたは国務大臣ではないか。そなたが国王になればよい。先王によく尽くした仁ある人物ではないか」
ドナルネ「そんな無茶な……。私は齢(よわい)65ですぞ。もう年寄ですし、第一国王の器ではありません」
ユマ「他にいないのか? 4~50代で優れた者が沢山おったではないか」
ドナルネ「残念ですが、ほとんどの者が討死をしました……クスンッ」

 そんな中、シャムがユマを奮起させた。

シャム「ユマ、ムーンサルトに行ってやれよ。ドナルネが困っているではないか」
ドナルネ「これはこれは、シャム王子、大変おひさしゅうございます」
シャム「王子と呼ぶのはやめてくれ。おいらは今魔物退治途中の戦士なんだから」
ドナルネ「それは失礼しました。シャム様、魔物退治ごくろうさまです」
ユマ「シャムがそう言ってくれるなら行こうかな?」
シャム「うん、ムーンサルト国を必ず再建してくれ。楽しみにしているぞ」
ユマ「でも皆が一大事の時は必ず飛んでくるからね」
シャム「おお、その時は伝書鳩を飛ばすから応援を頼むぞ」

 かくしてユマはムーンサルト国復興のため、爺やたちとともに旅立つことになった。

 ユマが仲間から外れた!



つづく

第39章へ




パメラ


ニンファ


ダリダ


アンデッドの帝王 リッチ


魔界の先鋒隊長 ドラゴンデーモンナイト











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