![]() ファンタジー官能小説『セクスカリバー』 Shyrock 作 |
<登場人物の現在の体力・魔力>
シャム 勇者 HP 1150/1150 MP 0/0
イヴ 神官 HP 900/900 MP 980/980
アリサ 猫耳 HP 930/930 MP 0/0
キュー ワルキューレ HP1050/1050 M580/580
マリア 聖女 HP 770/770 MP 1100/1100
チルチル 街少女 HP 730/730 MP 0/0
ウチャギーナ 魔導師 HP 810/810 MP 1040/1040
リョマ 竜騎士 HP 1270/1270 MP 0/0
ユマ 姫剣士 1040/1040 MP 0/0
エンポリオ アーチャー HP 930/930 MP 0/0
メグメグ 武術家 HP 1080/1080 MP 0/0
ドルジ 騎馬戦士 HP 1100/1100 MP 0/0
サラーナ 赤魔導師 HP 850/850 MP 900/900
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エリカ ウンディーネ女王 HP 780/780 MP 1070/1070
シャルル 漁師・レジスタンス運動指導者 HP 1230/1230 MP 0/0
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シャムたちに祝勝会を催したいと申し出てきたアルノーには、どうやらシャムたちに頼み事があるようだ。
シャムたちはアルノーが用意した馬車に揺られ、ベルデンヴァーレの郊外にある閑静な住宅街へと向かった。
到着したのは堂々とした門構えの一際立派なアルノーの屋敷であった。
アルノー「どうぞお入りください」
イヴ「まあ、立派なお屋敷ですね~」
シャムたちは広いダイニングルームに通された。
華麗な家具や装飾で飾り立てられたそこに、数人のシェフとメイドがにこやかな表情でシャムたちを迎えた。
まもなくシャムたちに豪勢な食事がふるまわれた。
たくさん並べられたテーブルの上、目に飛び込んでくるのはご馳走の数々。日頃、質素な食事が多いこともあり、思わずよだれが出そうになる。
シャム「うわ~! うまそう! いただきま~す!」
アリサ「もうシャムったら、そんながつがつすると恥ずかしいよ~。日頃ご飯を食べさせてもらっていない子供みたいだよ~」
シャム「だって予算の事情もあって、日頃粗食だもん~」
イヴ「まあここでそれを言う?」
サラーナ「シャムさんってもっと大人の男性だと思っていたけど、意外にも少年みたいなところがあるのですね……」
イヴ「そうなの、戦闘とエッチ時以外はほとんど少年と言ってもいいでしょうね」
サラーナ「エッチ時って……イヴさんはシャムさんの彼女っていうこと?」
イヴ「いいえ、そうじゃないんだけど……その件は説明すると長くなるのでのちほど詳しく話すわね」
次から次へと運ばれてくるご馳走に舌鼓を打ち、宴もたけなわとなった頃、アルノーが赤ワインのボトルを持ってやってきた。
アルノー「皆さん、どうですか? 料理はお口に合ってますか?」
シャム「いやあ、最高っす!」
アリサ「すごく美味しいにゃああああ」
チルチル「うまうまだピョン♫」
アルノー「あまりお酒が進んでいないようですね。遠慮しないでたっぷりと飲んでくださいね」
ウチャギーナ「アルノーさん、それは無理なんですよ」
アルノー「どうして?」
ウチャギーナ「実は、私はまだ17才だし、他の皆も未成年が多いんですよ」
アルノー「えっ? 本当に!?」
ウチャギーナ「20才以上は、リョマ、マリア、イヴ、それに新しく仲間に加わったドルジとサラーナ、この5人だけなんです」
アルノー「そうでしたか。皆さん、大人っぽいからてっきり20才以上だと思っていました」
マリア「ところでアルノーさんは道具類を買取るお仕事をされていると聞きましたが」
アルノー「はい、道具買取屋を営んでおります。不要な武器や防具等があれば高く買い取らせてもらいますので、いつでも声をかけてくださいね」
マリア「ありがとうございます」
シャム「アリサ、魔法の鞄に最近使っていない物ってあったな?」
アリサ「結構あったと思うよ。後で調べてみるにゃ」
次の瞬間、柔和なアルノーの笑みが消え、急に真顔になった。
アルノー「シャムさんと皆さん、実は折り入って頼みごとがあるのですが……」
シャム「うん、どんな頼みかな? 話してみて」
アルノーの長男ティーノには婚約中の恋人がいて、その恋人が約1か月前の夜、アルノー宅から帰宅した後、ぷっつりと消息を絶ってしまったという。
頼みごととは、長男ティーノの恋人が行方不明であるため行方を探してほしいとのことだった。
シャム「息子のティーノさんが直前に彼女と喧嘩したとか、何かトラブルはなかったの?」
アルノー「いいえ、その日も家に遊びに来て息子と楽しそうに語らっていましたし、特に揉めたりはしていなかったと思います」
イヴ「つまり彼女がここを出た後、家に着くまでに、何らかの事件に巻き込まれたおそれがある……と考えているのですね?」
アルノー「はい、あまり考えたくはないのですが、その可能性はあると思っています」
メグメグ「市の騎士団には連絡しましたか?」
アルノー「はい、翌日に連絡しましたが、今のところ特に手掛かりはないようです。いまいち騎士団も当てにならないし、息子の憔悴しきった様子を見るのが辛くて、誰か頼れる人がいないかと探していたところです」
シャム「なるほど。よし、おいらたちが手分けして探してみるよ!」
アルノー「よろしいのですか!? それは助かります! ありがとうございます!」
シャム「で、息子さんは今いるの?」
アルノー「ティーノは今、北東の街カミルナに仕事で出掛けています。夕飯頃には戻ってきますのですみませんがお待ち願えませんか?」
イヴ「分かりました。ちなみに息子さんの恋人のお名前は何とおっしゃるのですか?」
アルノー「彼女の名前は『エレナ』といいます。気立てのよいとても美しい娘さんなんです」
アルノーは自慢気につぶやいた。
陽が暮れた頃、息子のティーノが帰宅したので、シャムたちは当時のいきさつや恋人のエレナの詳細などを聴いた。
20日ほど前、エレナは午後9時頃アルノー宅を出たという。彼女の家までは徒歩で30分。ティーノがエレナを家まで送ろうとしたが、エレナは「だいじょうぶよ。あなたは明日朝が早いから今日はいいわ」と断り1人で帰ったという。ティーノは「あの時、強引にでも家まで送るべきだった」と悔やんだが、もはや後の祭りである。
エンポリオが紙と黒鉛の欠片を取り出した。
エンポリオ「ティーノさん、エレナさんを探すために似顔絵を描きたいので、特徴を教えてくれますか?」
ティーノ「分かりました。髪はブルネットで三つ編みにしています。それと頭にカチューシャを付けています」
エンポリオ「なるほど。目はどんな感じ?」
ティーノ「え~と、目は大きくて睫毛が長くくっきりとした二重瞼です」
エンポリオ「ふむふむ」
ティーノはティーノからの証言を聞きながら、黒鉛の欠片を器用に走らせている。
エンポリオ「こんな感じですか?」
ティーノ「はい……よく似ていますね、そんな感じです」
アリサ「きれいな人だにゃああああ」
エンポリオ「唇は厚い方ですか? それとも薄い方?」
エンポリオは彩色できる用具を持ち合わせていなかったため、色着けはしなかった。
絵の隅には、エレナが20才であること、髪の毛の色、その日着ていた洋服の色などが情報として記された。
キュー「すごっ、エンポリオにはそんな才能があったんだ」
ようやくエレナの似顔絵が完成した。
エレナ似顔絵
だけどはたして本人に似ているのだろか。
なんせ一度も会ったことがないのだからよく分からない。
エンポリオ「ティーノさん、この絵、エレナさんに似てますか? もし点数を付けたら何点ぐらいですか?」
ティーノ「とても似ていると思います。そうですね、90点ぐらいじゃないでしょうか」
イヴ「かなり高得点じゃないの。やったね、エンポリオくん、これで探しやすくなったね」
シャムはエンポリオに絵の複製をあと2枚描くよう求めた。
さらにシャムとイヴはドルジ、サラーナ兄妹を別室に呼び寄せ、詫びた。
シャム「リッチ退治が後回しになるけど、許してくれ」
ドルジ「謝らないでください。私たちはすべてリーダーの判断に従います。確かにリッチ打倒は私たちの目標ですが、今、急がなくてはならないのはエレナさん探しです。最近、ベルデンヴァーレやポリュラスで、若い女性の不審死や行方不明が相次いでいます。ティーノさんには聞かせたくないことですが、エレナさんも巻き込まれた可能性があります。エレナさんの捜索はもちろんのこと、今後さらなる被害者を出さないためにも早く犯人を見つけなければなりません」
イヴ「私も同感なの。確証はないけど、一連の事件は同一犯だと思えてならないの。騎士団警察隊も一応動いているみたいだけど、あまり期待はできないからね。似顔絵が完成したら早速明日からエレナさん探しを始めたいの」
サラーナ「大賛成です。すぐに探しにいきたいくらいです」
⚔⚔⚔
翌朝、シャムたちとアルノー親子総勢15人は3班に分かれて捜索を開始した。
もちろん昨夜エンポリオが描いたエレナの似顔絵を携えて。
① シャム班、メグメグ、マリア、ユマ、チルチル
② イヴ班、ドルジ、サラーナ、アリサ、リョマ
③ エンポリオ班、アルノー、ティーノ、キュー、ウチャギーナ
ルートはアルノー宅からエレナ宅(1人暮らし)までの道路。徒歩約30分。
① ルートA(10分) アルノー宅~ヴァーレ図書館
② ルートB(10分) ヴァーレ図書館~コンコルダン広場
③ ルートC(10分) コンコルダン広場~エレナ宅
捜索時間は午前9時~午前12時とし、一旦12時過ぎにはコンコルダン広場に集合し中間報告を行なうこと。午後は14時~17時までとし、一旦17時過ぎにコンコルダン広場に集合し状況報告を行なうこと。
急遽重大な状況が生じた場合は、メンバーの1人が駆け足で至急仲間に連絡を行なうこと。
⚔⚔⚔
シャム班の行動。
メグメグ「あのぉ、すみません~。〇月〇日夜の9時頃、この女性を見かけなかったでしょうか?」
住民「20日前の夜? う~ん……覚えてないよ。というか、最近物騒だから夜はほとんど出ないよ。役に立たなくてごめんね」
マリア「夜、出掛ける人って少ないかもしれませんね」
ユマ「今度は私が訪問するわ。ごめんください~」
住民は在宅だったが、さしたる情報を得ることはできなかった。
チルチル「次のお家は私の番でピョン♫ すみませんけど……」
何度かノックしてみたが不在のようだ。
チルチル「誰もいないよ。これじゃ聞きようがないでピョン♫」
隣は果物屋だ。シャムが果物屋のおやじに声をかけた。
果物屋「いらっしゃい~! え……? 人探しかい? ふうむ……その時間なら店が終わってるからね」
シャム「そうですか。お店閉まってますよね」
果物屋「うん? ちょっと待って。その人……見たことあるよ」
シャム「え~! 本当に? 詳しいことを教えてくれませんか?」
果物屋「その人、何度か買いに来てくれたよ。確かリンゴを買ってくれたことが何度かあったと思う」
シャム「最後に買いに来たのがいつ頃だったか覚えてませんか?」
果物屋「お客さん、それは無理ってもんだよ。役に立てなくてすまないね」
シャム「そんなことないですよ、おじさん、ありがとう」
ユマ「エレナさんがこの道をよく通っていたことが分かっただけでも収穫だわ」
シャム「それとエンポリオが描いた似顔絵がエレナさんに似ていることも分かった」
似顔絵がエレナによく似ているならば、今後の捜索に大きな進展をもたらすかもしれない。
シャム「おじさん、そのリンゴ美味そうだなあ。5個くれる?」
果物屋「買ってくれるのかい? 毎度あり~!」
シャムはリンゴを1つ手に取ると、がぶりと勢いよく齧りついた。
辺りにリンゴの甘酸っぱい香りが漂う。
グルルとチルチルのおなかが鳴った。
シャム「うん、これはうまい! 皆も食べたら?」
チルチルもリンゴに齧りつく。
チルチル「甘酸っぱくて美味しい~♫ 朝ご飯食べたのに恥ずかしいでピョン♫」
マリア「チルチルさんは育ち盛りですからね、いいんじゃないですか」
メグメグ「私は育ち盛りを過ぎてるのに、すぐにおなかが空くの」
マリア「健康な証拠ですわ」
シャムたちはリンゴに齧りついているのに、ユマ1人が食べようとしない。
シャム「ユマは食べないのか? おいらが代わりに食べようか?」
ユマ「捜索を始めたばかりなのに、すぐに食べるってどうなの」
シャム「食べられるときに食べておく。だって食べたくても食べられない時もあるんだから」
ユマ「は~い、分かったわ。いただきま~す」
結局5人全員がリンゴに齧りついた。
果物屋のおやじは満足そうに彼らを眺めている。
果物屋「そうそう、この街の出来事を知りたければギルドに行ってごらん。ギルドの職員や多くの訪問者が出入りしているので情報を集めやすいから」
シャム「ギルドってなんだ?」
メグメグ「商工業者で作っている同業者組合よ。同じ職業の人たちで集まって運営しているの」
果物屋「お客さん、詳しいね。10軒先にあるのでよかったら尋ねてみて。果物屋のおやじから聞いたと言ってくれたらいいよ」
マリア「分かりました。ありがとうございました」
その後も熱心に各戸を訪問したが、これといった情報は得られなかった。
ほどなくシャムたちは果物屋に教えてもらったギルドの前にやってきた。
石造りの実に立派な建物である。
シャム「ここがギルドだな~」
建物は、多くの商工業者が資金を出し合って造ったという。
中に入ると大勢の人たちで賑わっていた。
年齢は初老から若者までさまざまだが、そのほとんどが男性だ。
ユマ「へえ~、ここがギルドなのね! 感動~!」
お姫様育ちのユマにとって、見るもの聞くもの、すべてが新鮮だ。
ユマのたいそう過ぎる反応に、メグメグは驚きを隠せない。
メグメグ「ユマさんは本当にお姫様なのね」
チルチル「うん、マジでお姫様だピョン♫」
その時、白髪交じりの男性が声をかけてきた。
白髪交じりの男性「君たち、仕事を探しに来たのかい? 若いからいくらでも仕事があるよ」
シャム「いや、仕事探しじゃなくて、ちょっと聞きたいことがあって来たんだ」
白髪交じりの男性「何を知りたいの?」
シャムはエレナの似顔絵を見せ探していることを説明した。
白髪交じりの男性「なるほど。つまりその女性は20日ほど前から行方が分からなくなっているということだね。それは心配だね。そういえば、ヴァーレ図書館附近に住んでいる友人が、夜遅く、何者かが激しく言い争いをしている声を聞いたと言っていたよ。でも行方不明の女性と関係があるかどうかは分からないけどね」
ユマ「言い争う声を……? その知人のお名前とお住まいを教えてくれませんか?」
白髪交じりの男性「うん、いいよ。名前はロジェで家はヴァーレ図書館の3軒手前にあるんだ。何なら連れて行ってあげようか。ギルドでの用事も終わったことだし」
ユマ「いいのですか? それは助かります。ぜひお願いします」
白髪交じりの男性は名前をシュミットと言った。
シャムたちはシュミットに連れられて、彼の友人ロジェの屋敷へと向かった。
⚔⚔⚔
イヴ班はヴァーレ図書館からコンコルダン広場までの道程が担当だ。
イヴ「毎日馬に乗って行動していたら、こんな歩いて調査みたいなことはだるいのでは?」
サラーナ「いいえ、そんなことはありませんよ。歩くのも大好きです」
イヴ「ねえ、サラーナさんとドルジさん、お互いに敬語で話すのはやめにしない?」
ドルジ「僕たちもその方はありがたいよ」
サラーナ「ええ、そうさせてもらうわ」
いよいよ聞き込み開始だ。
イヴが似顔絵を持って1軒目の扉を叩いた。
最初に5才ぐらいの少女が玄関口に現れ、つづいてその母親らしき若い女性が現れた。
イヴは女性にエレナの似顔絵を示し事情を話したが、エレナの顔は見た事がないらしい。
若い女性「そういえば、20日ほど前になりますが、夜遅く、表の通りで喧嘩があったと聞いています。詳しいことは知りませんが」
さらにその隣の家を訪問したところ、70代の老婆が現れ、喧嘩の詳細を語り出した。
老婆「実は、私、2階の窓から見てたの。少し離れているし暗かったので顔までは分からなかったけど」
イヴ「詳しく教えてくれますか!」
老婆「チンピラ風の男たちが1人の若い男性を取り囲んでいたので、これは大変と、固唾を呑んで見守っていたんだけど、若い男性は恐ろしく強かった。ステッキでチンピラをあっさりと蹴散らしてしまったの。胸がすっとしたわ」
イヴ「男同士の喧嘩だったのですね」
老婆「ちょっと待って……男性の後ろに1人の女性がいたと思うわ」
イヴ「えっ、女性がいたのですか!? どんな女性だったか憶えていませんか? どんなことでもよいので思い出してくれませんか?」
老婆「そんなことを言っても、遠かったし、暗かったし……」
イヴ「武器やこん棒ではなく、ステッキを使ってチンピラを追い払ったのですか?」
老婆「あれは間違いなくステッキだったわ。だって生前夫がステッキを愛用していたから、一目見たら分かるわ。ううう、あの人を思い出してしまったわ……」
老婆の話によると、男たちが争っていた場所は、ヴァーレ図書館の手前の道路上だという。
イヴ「辛いことを思い出させてしまってごめんなさいね」
『ステッキ』という言葉を聞いて、イヴはポリュラスの宿屋で起きた殺人事件を思い出していた。
イヴたちが後日殺人現場を訪れた時、ベッドに下にステッキの石突きが落ちていたのだ。
イヴたちは老婆に礼を述べ、次の家へと向かった。
⚔⚔⚔
一方、コンコルダン広場からスタートしたエンポリオ班は、エレナに関するめぼしい情報を得ることができなかったが、そんな中で少々気になる噂を耳にした。
それは3軒目に訪問した家の少し派手な娘がいきなり話しかけてきた。
3軒目の娘「ねえねえ、聞いてくれる? 私ね、最近、すごく格好いい男性に出会って恋しちゃったの。でもね、その人、聞くところによると伯爵らしいの。だから平民の私には縁遠い相手なのよ。ああ、悲しいわ。ねえ、あなた、貴族と恋したことある?」
急に話を振られたキューは面食らったが毅然と答えた。
キュー「貴族と恋愛したことはないけど、王子様ならありますよ」
3軒目の娘「お、お、おうじさまと~~~!? どこの国の王子様!? 私にも紹介して~~~っ!」
キュー「冗談ですよ、ちょっと言ってみただけですよ」
3軒目の娘「なんだ~、冗談か~、びっくりしたわ」
キュー「すみません。ところで、その伯爵様って何というお名前の方ですか?」
3軒目の娘「確かアルフォンスだったわ。友人の誕生日パーティーで街の北にある高級レストラン『デゼルト・ドゥ・ノルト』に行った時、偶然出会ったの」
キュー「ほう、アルフォンスですか。で、その方と進展はありましたか?」
3軒目の娘「うふふ、実はね、『この後空いてませんか?』と誘われたの。でも友人たちと二次会の約束をしていたので泣く泣く断ったの」
キュー「ということは今度出会ったら再燃間違いなしですね」
3軒目の娘「出会えたらいいけどね。あれからまたそのレストランに行ってみたけど、そんな簡単に出会えないよね。儚い恋かなあ……」
キューたちは3軒目の娘に礼を述べ、立ち去った。
ウチャギーナ「アルフォンス伯爵はどこに住んでいるのかしら」
キュー「貴族なら調べれば分かると思うよ」
ティーノ「エレナの行方と関係あるのでしょうか……」
エンポリオ「それは何ともいえないね、今の段階では。さあ、次の家に行ってみようか」
3軒目の家を出ると、どこからともなくリュートの音色が流れてきた。
アルノー「誰が弾いているのかな? やさしい音色だね」
ティーノ「次の家から聞こえてくるよ」
キュー「すみません~、おじゃまします~」
返事がない。演奏中で呼びかける声が聞こえないのかもしれない。
もう一度、声がけをしようとしたら、玄関扉が開き若い男性が出てきた。
年齢は20前後といったところか。
男性はフランチェスコといい、大好きなリュートを練習していたという。
キューたちは人探しをしている旨を説明したが、フランチェスコから特に情報を得ることはできなかった。
キュー「ところで、リュートがすごくお上手だけど、どこかで習っているのですか?」
フランチェスコ「いいえ、独学ですよ。でも時々酒場にやって来る吟遊詩人がいるので、たまに教わっています」
ウチャギーナ「吟遊詩人? 名前は何というのですか?」
フランチェスコ「カサブランカさんです」
実は、以前シャムたち一行は、ジャノバの酒場でカサブランカと遭遇し彼の歌を聴き、甚く感動をしたのだが、あいにくキュー、ウチャギーナ、エンポリオはまだ仲間に加わっていなかった。
アルノー「ちなみにカサブランカさんはどこの酒場に来るのですか?」
フランチェスコ「来る日はきまぐれですが、酒場『カザンドラ旅亭』によく訪れています」
アルノー「街の東側にある酒場ですね。よく知っていますよ」
ウチャギーナ「カサブランカさんは男性? それとも女性?」
フランチェスコ「それがどちらなのかよく分からないのですよ。リュートを教えてもらっているのに変でしょう?」
ウチャギーナ「変なことはないですよ。中性的な人っていますから」
フランチェスコ「一度歌を聴きにいかれたらよいと思いますよ。女性的な男性か、男性的な女性か……それはあなたの判断ってことで。僕はどちらであっても構わないし全然こだわっていまでんので」
キュー「練習のおじゃまをしてすみませんでした。あまりお時間をとってはいけないのでそろそろ退散したいと思います。どうもありがとうございました」
⚔⚔⚔
コンコルダン広場の日時計が正午を告げ、中間報告のためシャム班、イヴ班、エンポリオ班が広場へと集合した。
コンコルダン広場に集まったシャムたちは、各班が集めてきた情報を報告し総括を行なった。
ポイントは次のとおりであった。
👨👩
・エレナがヴァーレ図書館、コンコルダン広場をよく通っていることは明らかである。
・約20日前の夜遅く、ヴァーレ図書館附近で複数の男性による殴り合いの喧嘩があったようだ。その場には女性もいたらしい。
・若い男性がステッキを手に、風体の悪い男たちを撃退した模様。
(ポリュラスの宿屋で起きた殺人事件の現場にステッキの石突きが落ちていたことと関係があるのだろうか)
・3軒目の娘が伯爵らしき男性に恋したという。男性の名前はアルフォンス。住まいは知らないが調べればすぐに分かるはず。
・余談だが、吟遊詩人のカサブランカが、最近街の酒場『カザンドラ旅亭』によく来るらしい。
👨👩
シャム「20日前の夜、ヴァーレ図書館附近での喧嘩に女性がいたのは気になるな。で、住民はその女性の顔は見なかったのか?」
イヴ「暗かったし、距離もあったので、詳しくは分からないと言ってたわ」
ティーノ「せめて何か特徴だけでも分かったらいいんだけど……」
シャム「ちなみに図書館附近の家は全部調べたのか?」
イヴ「全部回ったけど不在のお家もあったからね」
シャム「ん? そういえばおいらたちも図書館の手前まで訪問したけど、出てこない家があったな~。留守だったのかも知れないけど」
ティーノ「お手間をかけますが、午後からもう一度留守宅を回ってみてもよいかも知れませんね」
シャム「うん、そうしよう」
ドルジ「3軒目の娘が伯爵らしき男に恋をしたという話は関係なさそうですね」
マリア「ちょっと待ってください! 関係ありますわ!」
ドルジ「えっ、どういうことですか?」
マリア「ポイントはステッキです! 王様や貴族が、あえて不要なステッキを持つことが権力の象徴といわれています。20日前の夜、風体の悪い連中を撃退したのはたぶん若い貴族だと思います。だからといって3軒目の娘さんが恋した伯爵アルフォンスと結びつけるのは早計かもしれませんが……。これはあくまで私の想像ですが、若い貴族が、悪い連中に絡まれていた女性をステッキを使って助けたのではないでしょうか?」
ティーノ「その女性がエレナかも知れないというわけですね?」
マリア「はい、でも想像の域を出ませんが」
アルノー「それであればエレナがその人に助けられて保護された可能性があるということですね」
ティーノ「お父さん、でもそれであれば、エレナはもう帰って来ててもよいはずだよ……」
アルノー「ふむ……そうだな……」
メグメグ「マリアさんの説はかなり有力だと思うけど、まだまだ想像の域を出ないので、20日前の夜に現れた男性をもっと調べてみない?」
キュー「いいと思うわ」
アルノー「皆さん、話は一旦置いておいて、お昼にしませんか? サンドイッチを用意しましたので」
アルノーが馴染みのパン屋に配達を依頼したようで、数人の店員がやってきて、シャムたちにサンドイッチとコーヒーを配り始めた。
チルチル「わ~い、美味しそうなサンドイッチだピョン♫」
アリサ「スモークの香りが食欲をそそるにゃん、ベーコン大好物なのおおおお」
ウチャギーナ「ベーコンも美味しいけど、私はこのレタスとトマトが大好き」
サラーナ「こんな美味しいサンドイッチをいただけるなんて幸せですわ。アルノーさん、ご馳走さまです」
アルノー「喜んでくれて何よりだよ。ここのパン、結構いけるでしょう? 我が家の贔屓のパン屋なんですよ」
サラーナ「パン屋さんは近くなのですか?」
アルノー「ここからだと、ヴァーレ図書館の10軒向こうだよ。祈祷所の東隣といった方が分かりやすかな」
⚔⚔⚔
ベルデンヴァーレ港の倉庫で、ごろつきのギーと仲間たちが陰謀をめぐらしていた。
20日前の夜、彼らは偶然通りかかった若い娘を誘拐しようとしたが、そこに1人の男が現れた。
ステッキを振るう男の力に圧倒され、ギーたちは逃げるしかなかった。
だが、その屈辱的な失敗から彼らの心には復讐心が渦巻いた。
彼らは調査を行ない、男がアルフォンスという伯爵であることを探り当てた。
アルフォンス伯爵への憎しみを胸に抱き、復讐の機会をうかがっていた。
ギー「いいか、アルフォンス伯爵の屋敷は図書館の2軒西隣にある邸宅だ。出入り業者を装って、正面から突破する。調べたところ、屋敷に住んでいるのは伯爵、年寄の執事、それとメイド3人だ。歯応えがあるのは伯爵だけだ。ヤツがいくら強くても不意を襲えばこっちのものさ」
仲間「俺たち4人で忍び込むのか?」
ギー「ふふふ、いい質問だ。腕利きを3人呼んでいる」
仲間「それなら勝ったも同然だよな。伯爵は金持ちかな?」
ギー「きっと大金持ちさ。伯爵を倒して、金品をたんまりといただこうぜ」
仲間「それは楽しみだ。で、いつ襲うんだ?」
ギー「善は急げだ。今夜8時に決行するぞ。ふふふ」
父親のアルノーは意識的に明るく振舞っているようであったが、息子のティーノは口数も少なくずっと暗い表情をしていた。
婚約者が行方不明ならば致し方ないだろう。
心中察するに余りあるティーノに、シャムはそっとささやいた。
シャム「ティーノさん、エレナさんはきっと帰って来るよ」
ティーノ「ありがとうございます、シャムさん。帰ってくることを信じて待ちたいと思います」
婚約者が長期間帰ってこない。自身も四方八方探してみたし、騎士団警察部に捜索を依頼しているがいまだに梨のつぶて。この度シャムたちの協力を得て捜索を行なうことになった。
そんな中、シャムの根拠のない励ましの言葉は少々無責任に聞こえるかもしれないが、藁にもすがりたい気持ちのティーノにとっては、一筋の光明であった。
ユマがキューの耳元でひそひそ話をした。
ユマ「子供の時からずっとなんだけど、シャムは女の子だけじゃなく、男の子にもやさしいのよね」
キュー「ユマさんは幼少時代からシャムと仲良しだったものね。誰にでも分け隔てなくやさしくできるから、多くの人たちに慕われるのでしょうね。でも昔から並外れたエロ王子だったってイヴさんが言ってたわ」
ユマ「エロさでは誰にも引けを取らなかったと思うわ。女の子のスカート捲りは茶飯事だし、侍女や女官たちの風呂にしょっちゅう侵入してたと逸話が残っているわ」
その時、シャムが突然大きなくしゃみをした。
シャム「ハ、ハ、ハクション!」
ティーノ「風邪ですかね? 気を付けてくださいね」
チルチル「誰かがきっとシャムの噂をしているんだピョン♫」
シャム「誰がおいらの良い噂を流しているんだろうな~」
ウチャギーナ「良い噂かどうかは……」
⚔⚔⚔
午後、引き続き聞き込みを行なったところ、思いもかけない情報がシャムたちの耳に飛び込んできた。
ヴァーレ図書館の2軒西隣の屋敷に、アルフォンスという伯爵が住んでいるというのだ。
20日前の夜、喧嘩があったのもこの附近だ。
伯爵ならステッキを所有していても何ら不思議はないだろう。
ステッキの持ち主がアルフォンス伯爵と決め付けるのはいささか早計だが、調べてみる価値はありそうだ。
アルフォンス伯爵の屋敷がルートA上にあることから、シャム班(シャム、メグメグ、マリア、ユマ、チルチル)が訪問することになった。
ユマ「ごめんください」
獅子のドアノッカーをユマが鳴らすと、まもなく黒服の初老の男性が顔を覗かせた。
黒服の男性「はい、どちらさまですか?」
ユマ「ユマといいます。お忙しいところすみません。失礼ですがこの家のご主人様でしょうか?」
黒服の男「いいえ、私はこの屋敷の執事のニコラと申します。あいにく主人は出掛けております。どのようなご用件でしょうか?」
ユマ「はい、実は人を探しておりまして……」
ニコラ「人をお探しで……?」
ユマはエレナの似顔絵をニコラに見せた。
ユマ「はい、この絵の女性で、エレナといいます。20日ほど前から行方不明でして……」
ニコラは似顔絵を見て、微かに表情を変えたように思われたが、それはほんの一瞬のことであった。
ニコラ「それはご心配ですね。ふうむ……見たことがありませんね」
ユマ「そうですか。ちなみにこちらのご主人様は何とおっしゃる方ですか?」
ニコラ「アルフォンス伯爵です」
ユマ「伯爵ですか、まあ、すごい! 伯爵は遠出されているのですか?」
ニコラ「いいえ、近くの街まで出かけていて、今夜日没頃には帰ると思いますが、お会いになられたいのですか? お取次ぎしましょうか?」
ユマ「いいえいいえ、とんでもないです。お聞きしたいことはそれだけなので」
ユマたちはニコラに感謝を伝え、伯爵邸を立ち去った。
ユマ「エレナさんの似顔絵を見た時、執事の表情が一瞬変わったように思うんだけど」
メグメグ「頬がピクリとした気がするわ。ニコラさんは何か知ってると思う」
マリア「でも肝心のアルフォンス伯爵の顔を見れなかったのは残念でしたね」
シャム「アルフォンス以外、あの周辺に貴族は住んでないのか?」
チルチル「アルノーさんの調査では、あの地区に住んでいる貴族はアルフォンス伯爵だけだと言ってたでピョン♫」
⚔⚔⚔
無事聞き込みを終え、アルノーの家で一休みをするシャムたち。
エンポリオがぽつりとイヴとアリサに尋ねた。
エンポリオ「イヴさんとアリサさんは、ポリュラスの宿屋に、格好いい美男美女がいたって言ってたよね?」
イヴ「うん、あの日、フロントにすごく目を引く美男美女がいたわ。その後、悲惨な事件があったので記憶にしっかりと残っているわ、ねえ、アリサちゃんも憶えているよね?」
アリサ「うん、憶えているよ。カッコいいカップルだったああああ」
エンポリオ「顔を思い出せる?」
イヴ「う~ん……男性ははっきりと憶えているけど、女性の顔はちょっと自信ないかな……」
アリサ「あの金髪の男の人、イケメンだけど鋭い目をしていたなああああ」
エンポリオ「男性だけでいいんだ。今から、その男性の似顔絵を描くので手伝って!」
絵がじょうずなエンポリオが紙と黒鉛の欠片を取り出した。
以前イヴとアリサがポリュラスの宿屋で見かけた美形の紳士を再現したいというのだ。
ふたりがどれだけ彼のことを記憶しているか。ここは彼女たちの記憶力に賭けてみようとエンポリオは思った。
イヴとアリサが静かに目を閉じ当時を回想した。
イヴ「男性は細身で背が高く、髪は少し長めで金髪だったわ。いいえ、正しくはとても珍しいブルーゴールド(青みがかった金色)の髪だった」
エンポリオ「ふむ……絵がモノクロなので色は表現できないけど、きっちりとメモしておくよ」
アリサ「印象的なのは目。吸い込まれそうになるほど青く澄んだ瞳をしてた。鼻筋は整ってて、口は小さめ。それと蒼白い顔が印象に残るうううう」
エンポリオ「ふむふむ……こんな感じ?」
アリサ「もう少し眉が吊っていたと思うううう」
エンポリオ「これでいいかな?」
アリサ「そうそう、そんな感じ。エンポリオって相変わらず絵がじょうずだねええええ」
エンポリオ「そんなに褒められると照れるな~。俺って今まで人に褒められたことってあんまりないからな~。俺のことは置いといて、ふたりの記憶力はすごいな~! 舌を巻くよ」
イヴ「たまたまだわ。それほどインパクトの強い人物だったということになるね」
アリサ「あのイケメンぶりには思わずうっとりしたよおおおお」
エンポリオ「ふたりとも惚れたのか?」
イヴ「まさか、惚れるわけないじゃないの」
アリサ「うっとりしたのと、好きとは違うわああああ」
エンポリオ「ふたりとも好きな人はあの人だけだものね~」
イヴ「あら、そんな人どこにもいないわ」
アリサ「え?そんな人いた? どこ? どこおおおお?」
アリサとイヴはテーブルクロスをめくったり、テーブルの下を覗いたりと、探すふりをしてみせた。
エンポリオ「はいはい、分かった分かった~。ふたりと話していたら楽しけど、絵が描けないよ。続きを描くから口チャック」
イヴ、アリサ「は~い」
和やかな雰囲気の中、エンポリオはふたりから聞き取りをしながら黒鉛を走らせる。
アリサ「わあ~い、あの日のイケてる男子が蘇ってきたああああ」
エンポリオ「服装は覚えている?」
イヴ「確か紺色のブリオーを着て、上にマントを羽織っていたわ」
エンポリオ「ほう、ブリオーか。ブリオー着るということはかなり裕福だな。貴族男子なら好んでよく着てるものな。こんな感じかな?」
イヴ「そうそう、あっ、もう少し襟を閉じてくれる?」
エンポリオ「それにしても、ふたりの記憶力は抜群だなあ」
アリサ「いやいや、エンポリオの画力には勝てないわああああ」
アルフォンス伯爵似顔絵
⚔⚔⚔
ごろつきのギーは下調べで、レーヌ屋という青果商がアルフォンス家にご用聞きとして訪問していることを知り、今日まで密かに作戦を練ってきた。そしていよいよ実行される日がやって来た。
ギー「今夜8時にレーヌ屋のご用聞きを装って伯爵邸に侵入するぞ。抜かりはないな」
仲間A「それにしても、ご用聞きに成りすまして侵入とは、よく思い付いたな。さすがギーだ、俺たちとはおつむが違うぜ」
ギー「ふふふ、深夜忍び込むなら泥棒の真似をしなければいけないだろう? つまり鍵を壊さなければいけないわけだ。鍵を壊せば物音で見つかる可能性がある。鍵を壊さないで侵入するにはどうすればよいか?」
仲間B「なるほど、そこで店員を装うことを考えたわけだな。しかし店員が夜8時に訪問することをどうして調べたんだ?」
ギー「ふふふ、あらかじめレーヌ屋の店員を買収しておいたのさ」
仲間C「やるじゃねえか!」
ギー「買収した店員から次のご用聞きに行く日を聞き出したわけさ。それは今夜8時ということ」
仲間A「で、今夜8時に訪問すればドアを開けてくれるってわけだな?」
ギー「そうそう。レーヌ屋と聞けば安心して開けてくれるはずだ。で、屋敷に入ってしまえばこっちのものさ」
仲間B「出てきたメイドを殺すのか?」
ギー「ばかやろう。メイドを殺してどうする。伯爵以外には手を出すな。俺たちの恨みの相手は伯爵だけだ」
仲間C「だけど、もったいねえじゃねえか。メイドを裸にひん剥いてやっちまおうぜ。ウヒヒ」
ギー「ばかやろう! 余計なことをするんじゃねえ。伯爵への復讐を済まして、とっとっとづらかるだけだ」
仲間A「じゃあ、執事やメイドはどう始末をするつもりで?」
ギー「声が出ねえように猿轡を噛ませて、縛ったうえ、廊下に転がせておけばいいだろう」
仲間A「分かったよ。応援の用心棒3人も到着したようなので、そろそろ行くとするか」
ギー「よし、それじゃ、今から行くぞ」