ファンタジー官能小説『セクスカリバー』 Shyrock 作 |
<登場人物の現在の体力・魔力>
シャム 勇者 HP 1120/1120 MP 0/0
イヴ 神官 HP 870/870 MP 950/950
アリサ 猫耳 HP 900/900 MP 0/0
キュー ワルキューレ HP1020/1020 M560/560
マリア 聖女 HP 740/740 MP 1070/1070
チルチル 街少女 HP 700/700 MP 0/0
ウチャギーナ 魔導師 HP 780/780 MP 1010/1010
リョマ 竜騎士 HP 1240/1240 MP 0/0
ユマ 姫剣士 1010/1010 MP 0/0
エンポリオ アーチャー HP 900/900 MP 0/0
メグメグ 武術家 HP 1050/1050 MP 0/0
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エリカ ウンディーネ女王 HP 750/750 MP 1040/1040
シャルル 漁師・レジスタンス運動指導者 HP 1200/1200 MP 0/0
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戦いの爪痕が残る荒れ果てた王室で、シャムとマルツィオは会話を交わしていた。
マルツィオ「次は打倒セルペンテですね? いつこちらを立つ予定ですか?」
シャム「今夜は村に泊って明朝立とうと思ってるんだ」
マルツィオ「もっとゆっくりしていかれたら良いのに」
シャム「いや、そうもいかないんだ。ポリュラスで次々に若い女性が惨殺されているんだ」
マルツィオ「でも犯人は魔物ではなく人間かもしれないですよね? 人間なら国の騎士隊に任せても良いのではありませんか?」
シャム「はっきりと証拠を掴んだわけじゃないんだけど、おいらは犯人がセルペンテじゃないかと睨んでいるんだ」
マルツィオ「なるほど。いずれにしても早く阻止しなければなりませんね。城の復旧があるのでお手伝いができませんが、シャムさんや皆さんのご活躍を祈っています」
シャム「ずっと城を占領されていたので復旧が大変だと思うけど、マルツィオもがんばれよ!」
その時、チルチルが急ぎ足でやって来た。
チルチル「今、村に伝書鳩が送られてきたでピョン♫」
シャム「誰から?」
チルチル「ゴブリンのスンダーラ族長さんからなんだけど、エリカさんに戻ってきて欲しいらしいの。何でもトロール一族が自分たちの棲んでいる森が火事に遭い、クレスピンの泉附近にたどり着いてそのまま居着いてしまったため、ゴブリンとトロールが揉めてるんだって。ウンディーネの女将軍ミネルバさんが仲裁に入って三者で話し合っているけど埒が明かないらしいの。そこですまないけどエリカさんに一時的に帰ってきてもらいたい、と言ってるでピョン♫」
シャム「ふむふむ、分かった。そんな事情なら仕方ないな。だけどエリカを1人で行かせるのはよくないな。護衛に誰か着いていかなければ……」
チルチル「それならシャルルさんで決まりだピョン♫」
チルチルはいたずらっぽく笑った。
エリカとシャルルが恋仲であることは周知の事実であり、この組み合わせ以外旅のバディは考えられないだろう。
シャム「決まりだな」
チルチル「じゃあ2人に伝えて来るでピョン♫」
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無事魔物を打ち破りピエトラ村に平和が戻ったことで、急遽祝勝会が開かれることになりみんな準備に余念がない。
ブルネッタは準備をしながら同じアーチャーであるエンポリオと弓矢の談義に没頭している。
ブルネッタ「エンポリオさん、矢のリリース時、指が引っかかることってありませんか?」
エンポリオ「あるある! 引っかかって矢飛びが安定しないことってありますよね」
ブルネッタ「明日出発すると聞いていますが、機会があればまたピエトラに寄ってくださいね」
エンポリオ「はい、きっとブルネッタさんに会いに来ます」
ブルネッタ「まあ……嬉しいわ」
マリアは作業をしながら村長と談笑している。
アウジリオ「明日出発してしまうとは寂しいのう」
マリア「私の方こそせっかく皆様と仲良くなれたのにとても残念です。でもまたいつかお会いできると思います」
アウジリオ「明日はポリュラスに向うんじゃのう?」
マリア「はい、その予定です。でもその後、どこに行くかはまだ決まっていません」
アウジリオ「砂漠の街ベルデンヴァーレは行ったことはあるかな?」
マリア「いいえ、ありません。確かポリュラスからずっと東にある街ですよね?」
アウジリオ「そうじゃ、なかなか面白い街じゃぞ。砂漠の街と言ってもオアシスじゃがのう」
マリア「どのように面白いのですか?」
アウジリオ「それは行ってからのお楽しみじゃ。わしには刺激が強すぎるがのう」
マリア「はて……?」
イヴは自警団副団長ルッソに、近辺に『旅の樹木』が存在するのかを尋ねてみた。
ルッソ「あるよ。村と街の真ん中に思い切り大きなユーカリの木がある。その根元を探してごらん。『旅の樹木』が見つかるから」
イヴ「ルッソさん、ありがとうございます! ところで北にあるポルケはどんな街か教えてくれますか?」
ルッソ「ポルケは、緑が豊かで閑静な住宅が点在する美しい街だよ。中央には澄んだ川が流れ、周囲を青々とした森が広がっている。良い街なんだけど店が少ないので少し不便だね。食堂はあったと思うけど武器屋や道具屋はなかったので要注意だよ」
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翌朝、シャムたちは王子や村人たちに見送られながら村を後にした。
宿敵セルペンテ打倒を目指して、再び旅は始まった。
港町ポリュラスでは、その後も若い女性が惨殺される痛ましい事件が相次いでいた。
その死体は身体の水分を一瞬で吸い尽くされたように乾燥しており謎は深まるばかりであった。
騎士隊警備部の捜査は行き詰まっていた。シャムたちが宿屋で見つけた『ステッキの石突き』も決定的な証拠にはならなかったようだ。
シャムたちは当時宿屋で出会った金髪の男性を訝しく思った。
彼は背が高くスリムで美しい金髪を持ち、ブリオーと呼ばれる豪華な服を身にまとっていた。彼の装いはまるで貴族のようだった。
シャムたちは彼を犯人と疑い、独自で調べることにした。
まずは聞き込みだ。エリカとシャルルがクレスピンの紛争解決に向かい一時的にメンバーから外れたが、それでもなお11人の大所帯である。大勢だと機動性に欠けるしどうしても目立ち過ぎてしまう。3班に分散しそれぞれで行動することになった。
集合は宿屋午後8時だ。その間、情報収集、食事、買物、美容、遊戯、すべて自由なのだ。いわばピエトラ戦闘後の慰労会という意味合いも込められている。
シャム班 シャム、リョマ、エンポリオ、
イヴ班 イヴ、アリサ、キュー、ウチャギーナ
メグメグ班 メグメグ、マリア、チルチル、ユマ
メグメグたちは港附近にある食堂に足を踏み入れた。
店内は賑わっており、海の幸がふんだんにカウンターに並んでいる。
船乗りや漁師たちのざわめきが聞こえ、港町ならではの活気が漂っている。
隣の席で聞こえる街の噂話に興味津々だ。
メグメグは耳を澄ませながら、魚料理の誘惑に負けずにメニューを眺める。
どの料理にしようか、悩ましい決断を迫られる。
ピエトラでは、長い間戦いに明け暮れてきた。その身には傷跡が刻まれ、心には疲労が溜まっていた。背筋を伸ばせるのはいつ以来だろうか。
そんな時、隣の客の会話が耳に入って来た。
男性A「なあ、最近よく起きている若い女性の殺人事件って犯人はどんなやつなんだろうな?」
男性B「不味くなるからそんな話題はやめてくれよ。話題を変えろよ」
男性A「そうだな。すまない。最近、弟が結婚したんだけどね」
さすがに食事時に殺人事件の会話は憚られるようだ。
メグメグたちは男たちの会話にいささか期待をしていたが、続きを聞けそうもないので、女子同士の会話に花を咲かすことにした。
⚔⚔⚔
イヴたち女子4人は、ランジェリーショップでおしゃべりを楽しんでいた。
店内は可愛らしい下着やセクシーなランジェリーで溢れていて、彼女たちは目移りしていた。
キュー「このレースのセット可愛いわね。私、これ欲しいなあ」
イヴ「レースは防御力が低いけどスピードが増すと思うよ」
ウチャギーナ「うんうん、でも私はこのシルクのピンクのセットが気になるな」
アリサ「シルクのピンクセットもいいね。シルクも軽いからスピードが増すと思うよおおおお」
ウチャギーナ「で、アリサちゃんはどんなのがお好みなの?」
アリサ「私はあのGストリングスショーツが超セクシーでお気に入りだけど、ちょっと高いよねええええ」
イヴ「っていうか防御力低いのに、どこで穿くの?」
アリサ「きっとシャム喜んでくれると思うのおおおお!」
アリサが放った一言に、他の3人は思わず笑い転げてしまった。
彼女たちの笑い声がランジェリーショップに響き渡り、周囲の人々も思わず笑い出してしまうほどだった。
キュー「みんなの前でそれ言う~? あはははは~アリサちゃん笑える~!」
ウチャギーナ「笑い過ぎておなかが痛い」
アリサ「何もそんなに笑わなくてもいいのにいいいい」
アリサは『黒のGストリングス』をゲットした! アリサの数値は何も上昇しなかった……
イヴも『黒のGストリングス』をゲットした! イヴの数値は何も上昇しなかった……
ウチャギーナも『黒のGストリングス』をゲットした! ウチャギーナの数値は何も上昇しなかった……
キューも『黒のGストリングス』をゲットした! キューの数値は何も上昇しなかった……
イヴ「何か無駄遣いをしたような気がするけど……」
アリサ「いいの! シャムが喜んでみんなのためにがんばってくれるからいいのおおおお!」
キュー「それはそうなんだけど」
ウチャギーナ「他の女子たちの視線が怖いかも……」
イヴたちはGストリングス購入後も、楽しそうにお気に入りの下着を手に取り、互いにアドバイスしながら選んでいた。
それはイヴたちの笑顔と会話があふれるわずかな幸せのひとときであった。
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シャムたちは裏通りにひっそりと佇む防具屋を訪れた。
その防具屋ではミスリルの鎧が高額で売られているという噂が広まっていたからだ。
鎧の輝きが美しく、強固な防御力を誇るミスリルの鎧は多くの冒険者たちの憧れだった。
店主は豪快な笑顔で彼らを迎え入れ、「ミスリルの鎧を手に入れるというのかい? おお、あなたたちはよいセンスを持っているな」と言った。
鎧の値段は5,000Gとシャムたちの予想をはるかに超えていた。
3領買い求めるならば15,000Gもの大金が必要となる。
しかし、シャムたちは仲間たちのために金を残しておかなければならないと思い悩んだ。
シャム「これはすばらしい鎧だ。でも、おいらたちは食べて宿泊しなければならない。15,000Gを全て使ってしまうわけにはいかないな」
リョマとエンポリオはシャムの悩みを感じ取り1つの提案をした。
リョマ「シャムさん、こうしないか。3人が出しあって1領だけ買おう。シャムさんがその鎧を身につけてくれたら、我々も安心して旅ができるから」
シャムはリョマとエンポリオに感謝しつつも躊躇していたが、彼らの誠意に心打たれ、ミスリルの鎧を購入することを決意した。
彼らは団結し、強大な敵に立ち向かう準備を整えたのだった。
シャム「ありがとう、リョマ、エンポリオ! どんどん魔物を倒して金を貯めて2人の分も買うからな!」
シャムは『ミスリルの鎧』をゲットした! シャムは『ミスリルの鎧』を装備した!
夜の静寂がベルデンヴァーレの街を包んでいた。
古城のような屋敷の窓辺でブリオーを身に纏った男性が物思いに耽っている。
突然、静寂を引き裂くように女性の悲鳴が響き渡った。
男性は窓から飛び降りた。
その身の軽やかさはまるで羽根のよう。
街角で若い女性が3人の暴漢に襲われている。
男性は勇敢に暴漢に立ち向かった。
暴漢が短剣を振り回し、男性に襲いかかってきた。
男性は軽やかにその攻撃をかわし、巧みに手にしたステッキで反撃した。
ステッキが暴漢の腕を打ち抜き、悲鳴を上げて地面に倒れた。
男性は氷のような表情で暴漢を見下ろした。
暴漢は竦みあがり痛みに堪えながら逃げるように立ち上がり、仲間とともにその場を後にした。
男性「大丈夫、君はもう安全だ」
男性はやさしく声をかけた。
女性の煌めく美しさに心奪われた。
女性は男性の視線に照れながらも、少し緩んだ笑顔を見せた。
女性「助けてくれてありがとうございます。あなたは誰? なぜこんなところに?」
女性の声は弱々しく、男性は心配そうに彼女を見つめた。
男性「私はこの街の住人だ。名前はアルフォンス。君の悲鳴が聞こえて駆けつけた」
アルフォンスは自己紹介をした。
女性「私はエレナです。彼氏の家に遊びに行って帰宅途中だったのですが帰りが遅くなってしまって……」
エレナは疲れた笑顔を浮かべ、アルフォンスに感謝の気持ちを伝えた。
アルフォンス「あっ、血が滲んでいるではないか。治療をしなくては」
エレナ「いいえ、かすり傷です。だいじょうぶです」
アルフォンス「だいじょうぶなものか。ちゃんと治療しておこう」
アルフォンスはやんわりとエレナを説得し、彼女を屋敷に連れて行った。
エレナは素直に治療を受け入れ、アルフォンスの優しさに感謝した。
執事が救急箱を持ち、エレナの手当てを始めようとしたが、アルフォンスは断った。
アルフォンス「治療は私がするから構うな。それより彼女に美味しいお茶を淹れてやってくれ」
執事「かしこまりました」
アルフォンスが包帯を巻き終えるとエレナは礼を述べた。
エレナ「暴漢から助けてもらったうえに治療までしてもらって、本当に感謝します」
アルフォンス「彼氏とは長い付き合いなのか?」
エレナ「そうですね。かれこれ2年になります」
アルフォンス「結婚するのか?」
エレナ「はい、来年結婚する約束をしています」
アルフォンス「そうか。それは羨ましいな」
エレナ「アルフォンスさんはおひとりですか?」
アルフォンス「全然持てないからな。ずっとひとりだよ」
エレナ「まさか。あなたほどの美形なら女性がいくらでも寄ってくるのではありませんか?」
アルフォンス「それならいいのだがなあ。ははははは~」
その時、執事がハーブティーを運んできた。
アルフォンス「お茶が入ったよ。ゆっくりして行ってくれ」
エレナ「まあ、いい香りですわ。お茶をいただいたら失礼しますね、かなり遅くなったので」
アルフォンス「ここから遠いのか?」
エレナ「家は20分ほど歩いたところです」
エレナはハーブティーに口を付けた。
その芳香が鼻孔を突き、いつしか眠気に誘われていた。
彼女は目を閉じ、ゆっくりと椅子にもたれかかった。
その時、アルフォンスが微笑みながら近づいた。
そして、冷たい手がエレナの首筋に触れた。
ハーブティーの中には何かが仕込まれていたのだ。
そして、エレナは意識を失い、深い闇の底に落ちて行った。
⚔⚔⚔
昼食後、イヴたちは道具屋で物色していた。
すると、好色そうな中年オヤジが声をかけてきた。
オヤジ「ねぇねぇ、聞いた? 5日後にアダルトビッグイベントがあるんだって。女性しか参加できなくて、すごい賞品がもらえるらしいよ」
キュー「参加費用は?」
オヤジ「もちろん女性は無料だよ!」
イヴたちは不審そうな顔をしながらも、興味津々で話を聞いていた。
何でもそのイベントは砂漠の中に忽然と現れるイベントホールで開催されるという。
大金持ちでエロい親父たちが出資しているとか。
砂漠を横切らなければならないが、行く価値はあるという。
イヴ「行ってみようか?」
イヴが提案すると、他の皆は興奮して賛成の声を上げた。
果たして、イベントホールで何が待っているのか。
ウチャギーナ「でも他の4人にも聞いてみないといけないし、一応シャムたちの了解ももらわないと」
ウチャギーナは意外にも慎重である。
アリサ「オヤジさん、男性も見物できるのおおおお?」
オヤジ「イベントは女性しか参加できないけど、100G払えば男性も見物できるよ」
キュー「オヤジさん、情報をありがとう!」
オヤジ「役に立ったようで何よりだよ」
ウチャギーナ「ちなみにオヤジさんは当日行くの?」
オヤジ「あんたたちが登場するなら絶対に行きたいなあ」
イヴ「まだ分からないわ。リーダーの意見も聞かないといけないし。オヤジさん、名前はなんて言うの?」
オヤジ「俺はアルノーだ」
イヴ「それじゃね!」
オヤジ「みんな、また会えたらいいな~!」
アルノーの素性はよく分からないが、エロいけど悪人ではなさそうだ、とイヴたちは思った。
エレナはゆっくりと目を開けた。と同時に両手に痛みが走った。
拘束された両手を上に万歳させられ、ようやく爪先が床に着く状態で吊られていた。
エレナ「う、腕が痛い……ど、どうして私は縛られているの!? ここはどこ……!?」
あたりを見回してみて、どこかの立派な屋敷の中だと気が付いた。
すぐに記憶がよみがえった。
暴漢に襲われたことや危ういところをアルフォンスという男性に助けられたことが脳裏をよぎった。
その後、彼の屋敷で傷の手当てを受け、ハーブティーを飲んだことまでは思い出したが、そのあとのことは全く思い出せなかった。
エレナ「そうだわ、ハーブティーを飲んだ後、急に眠くなったんだわ」
そして、ここがアルフォンスの屋敷であることが分かった。
両手は拘束され、ロープで繋がれ、ロープの先は天井部分にくくり付けられている。
エレナが困惑しているとアルフォンスが声をかけてきた。
椅子に腰を掛け沈黙していたせいで、エレナは彼の存在に気付かなかったようだ。
アルフォンス「目が覚めたようだな」
エレナ「私を暴漢から助けてくださったのに、どうしてこんな酷いことをするのですか?」
アルフォンス「理由はシンプルだ。おまえに惚れたからだ」
エレナ「それなら早く拘束を解いてください」
アルフォンス「それはできない。おまえが私の正体を知ると、きっと恐れおののき逃げるだろうから。ははははは」
エレナ「正体……? 恐れ……? それはどういう意味ですか?」
アルフォンス「その意味はすぐに分かる」
アルフォンスはエレナの肩に手を副え、唇を近づけてきた。
そして唇から飛び出した舌を目にしたエレナは言葉を失った。
アルフォンスの舌は蛇の舌のように、先端が二つに割れていた。
エレナ「まさか……」
怯え肩をすくめアルフォンスから逃れようとするエレナ。
だが両手を吊るされているため身体を思うように動かせない。
エレナ「きゃぁ~~~~~!」
エレナは大きく目を見張ったまま、アルフォンスに唇を奪われていた。
身体を揺すってもがいてみるが、彼はびくともしない。
まもなく乳房を揉みしだかれたあと、スカートは無事だったが、素肌を覆っていたショーツがいとも容易にずり下ろされた。
しばらくすると、ぬめぬめとした何かをエレナの股間になすりつけてきた。
エレナ「え……?」
生温かくおどろおどろしいまでのぬめり気を帯びた柔らかな肉感。
エレナにとって、それは『蛇の舌』であるようにしか思えなかった。
実際、生温かい舌はネチネチとナメクジのようにエレナの生肌の上を動き回っている。
隠すものなく晒された若く瑞々しい肛門から、小陰唇、大陰唇、そしてしとやかに隠れた蕾の先までを、何度も行ったり来たりする。
エレナ「そんな……んん……」
もどかしいのは、下を向いてもスカートが遮蔽していて、アルフォンスの行動が直接見えないこと。
いや、もし見えていたら、エレナはその光景のあまりのおぞましさに、気絶していたかもしれなかった。
なにせ1メートルほどもある縞模様のペニスがヘビのようにうねり赤く長い舌をエレナの亀裂に這わせていたのだから。
エレナの額に脂汗が浮かぶ。
目撃することはできなかったが、このときにはもう、亀裂に舌を伸ばしているのは『蛇のようなもの』に間違いがないのだということを、エレナは確信していた。
あまりに長すぎる舌は、人間の舌ではありえない。意思を持って女の恥部を味わうその動きは、動物や何かのものでもない。
『蛇のようなもの』はありえないほど長い舌を伸ばして、女の部分を舐め回している。
エレナ「ひいぃっ……」
膣周辺の肉の隅から隅までを、舌は器用にしゃぶり回してくる。
頑なな肉豆を解きほぐすように。
エレナ「んんんっ……」
先程彼氏に愛された箇所を今は得体のしれない物に舐め回されている。
怖い、逃げたいという思いと、絶妙極まりない性愛撫による甘美。
その2つが、エレナの身体にじっとりとした生汗を浮かび上がらせている。
エレナ「うあっ……」
アルフォンス「お遊びはおしまいだ。そろそろ本気を出すとするか」
エレナ「え……っ?」
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昼下がり、メグメグ、マリア、チルチル、ユマの4人は久々に羽根を伸ばして川辺を散策していた。
ユマ「チルチルちゃん、ずっと戦い続きだったので聞けなかったけど、以前ムーンサルト城で侍女のソニアに会った時のこを詳しく聞かせてくれない?」
チルチル「いいよ。じゃなくて、ユマ王女様、かしこまりましたでピョン♫」
ユマ「敬語はやめてよ。現在私は王女ではなくて1人の剣士だから」
チルチルは以前硝煙が立ち昇るロマンチーノ城で、侍女ソニアの幽霊に出会った時のことをユマに話して聞かせた。
ソニアがユマ姫を助けて欲しいと頼んできたこと。ユマ姫がこの世でたった1人の『天空魔法』の使い手であること。メドゥサオールがユマ姫を誘拐した真の目的は天空魔法の使い手であるため、ユマ姫を仲間にし侵略を有利に進めようと目論んでいたこと。壁の肖像画から一筋の涙が流れ落ちた不思議な出来事。
チルチルが語っている最中、ユマは両手で顔を覆って慟哭した。
城を焼かれ、父母兄弟を失い、唯一頼りにしていた侍女までが敵の刃に倒れてしまった。
ユマの無念はいかばかりか。
そばにいたメグメグとマリアも涙が止まらなかった。
ユマ「シャムに聞いたんだけど、チルチルちゃんのお兄さんもムーンサルトの戦で亡くなられたのね」
チルチル「はい、遺体は見つかってないけど、たぶん……」
ユマ「私が謝っても仕方がないかも知れないけど、謝らせてね。チルチルちゃん、お兄さんを奪ってしまってごめんなさい」
チルチル「クスン……ユマ姫、じゃなかった、ユマさん、謝らないでください。あなたのせいじゃないから。憎いのは魔物だわ」
ユマ「メドゥサオールめ、絶対に倒してみせるわ」
マリア「はい、必ず倒しましょう」
メグメグ「メドゥサオール、首を洗って待ってて」
ユマたちはどこまでも青い空を見上げて、誓い合った。
つづく
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