![]() ファンタジー官能小説『セクスカリバー』 Shyrock 作 |
<登場人物の現在の体力・魔力>
シャム 勇者 HP 1120/1120 MP 0/0
イヴ 神官 HP 870/870 MP 950/950
アリサ 猫耳 HP 900/900 MP 0/0
キュー ワルキューレ HP1020/1020 M560/560
マリア 聖女 HP 740/740 MP 1070/1070
チルチル 街少女 HP 700/700 MP 0/0
ウチャギーナ 魔導師 HP 780/780 MP 1010/1010
リョマ 竜騎士 HP 1240/1240 MP 0/0
ユマ 姫剣士 1010/1010 MP 0/0
エンポリオ アーチャー HP 900/900 MP 0/0
メグメグ 武術家 HP 1050/1050 MP 0/0
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エリカ ウンディーネ女王 HP 750/750 MP 1040/1040
シャルル 漁師・レジスタンス運動指導者 HP 1200/1200 MP 0/0
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戦いの爪痕が残る荒れ果てた王室で、シャムとマルツィオは会話を交わしていた。
マルツィオ「次は打倒セルペンテですね? いつこちらを立つ予定ですか?」
シャム「今夜は村に泊って明朝立とうと思ってるんだ」
マルツィオ「もっとゆっくりしていかれたら良いのに」
シャム「いや、そうもいかないんだ。ポリュラスで次々に若い女性が惨殺されているんだ」
マルツィオ「でも犯人は魔物ではなく人間かもしれないですよね? 人間なら国の騎士隊に任せても良いのではありませんか?」
シャム「はっきりと証拠を掴んだわけじゃないんだけど、おいらは犯人がセルペンテじゃないかと睨んでいるんだ」
マルツィオ「なるほど。いずれにしても早く阻止しなければなりませんね。城の復旧があるのでお手伝いができませんが、シャムさんや皆さんのご活躍を祈っています」
シャム「ずっと城を占領されていたので復旧が大変だと思うけど、マルツィオもがんばれよ!」
その時、チルチルが急ぎ足でやって来た。
チルチル「今、村に伝書鳩が送られてきたでピョン♫」
シャム「誰から?」
チルチル「ゴブリンのスンダーラ族長さんからなんだけど、エリカさんに戻ってきて欲しいらしいの。何でもトロール一族が自分たちの棲んでいる森が火事に遭い、クレスピンの泉附近にたどり着いてそのまま居着いてしまったため、ゴブリンとトロールが揉めてるんだって。ウンディーネの女将軍ミネルバさんが仲裁に入って三者で話し合っているけど埒が明かないらしいの。そこですまないけどエリカさんに一時的に帰ってきてもらいたい、と言ってるでピョン♫」
シャム「ふむふむ、分かった。そんな事情なら仕方ないな。だけどエリカを1人で行かせるのはよくないな。護衛に誰か着いていかなければ……」
チルチル「それならシャルルさんで決まりだピョン♫」
チルチルはいたずらっぽく笑った。
エリカとシャルルが恋仲であることは周知の事実であり、この組み合わせ以外旅のバディは考えられないだろう。
シャム「決まりだな」
チルチル「じゃあ2人に伝えて来るでピョン♫」
⚔⚔⚔
無事魔物を打ち破りピエトラ村に平和が戻ったことで、急遽祝勝会が開かれることになりみんな準備に余念がない。
ブルネッタは準備をしながら同じアーチャーであるエンポリオと弓矢の談義に没頭している。
ブルネッタ「エンポリオさん、矢のリリース時、指が引っかかることってありませんか?」
エンポリオ「あるある! 引っかかって矢飛びが安定しないことってありますよね」
ブルネッタ「明日出発すると聞いていますが、機会があればまたピエトラに寄ってくださいね」
エンポリオ「はい、きっとブルネッタさんに会いに来ます」
ブルネッタ「まあ……嬉しいわ」
マリアは作業をしながら村長と談笑している。
アウジリオ「明日出発してしまうとは寂しいのう」
マリア「私の方こそせっかく皆様と仲良くなれたのにとても残念です。でもまたいつかお会いできると思います」
アウジリオ「明日はポリュラスに向うんじゃのう?」
マリア「はい、その予定です。でもその後、どこに行くかはまだ決まっていません」
アウジリオ「砂漠の街ベルデンヴァーレは行ったことはあるかな?」
マリア「いいえ、ありません。確かポリュラスからずっと東にある街ですよね?」
アウジリオ「そうじゃ、なかなか面白い街じゃぞ。砂漠の街と言ってもオアシスじゃがのう」
マリア「どのように面白いのですか?」
アウジリオ「それは行ってからのお楽しみじゃ。わしには刺激が強すぎるがのう」
マリア「はて……?」
イヴは自警団副団長ルッソに、近辺に『旅の樹木』が存在するのかを尋ねてみた。
ルッソ「あるよ。村と街の真ん中に思い切り大きなユーカリの木がある。その根元を探してごらん。『旅の樹木』が見つかるから」
イヴ「ルッソさん、ありがとうございます! ところで北にあるポルケはどんな街か教えてくれますか?」
ルッソ「ポルケは、緑が豊かで閑静な住宅が点在する美しい街だよ。中央には澄んだ川が流れ、周囲を青々とした森が広がっている。良い街なんだけど店が少ないので少し不便だね。食堂はあったと思うけど武器屋や道具屋はなかったので要注意だよ」
⚔⚔⚔
翌朝、シャムたちは王子や村人たちに見送られながら村を後にした。
宿敵セルペンテ打倒を目指して、再び旅は始まった。
港町ポリュラスでは、その後も若い女性が惨殺される痛ましい事件が相次いでいた。
その死体は身体の水分を一瞬で吸い尽くされたように乾燥しており謎は深まるばかりであった。
騎士隊警備部の捜査は行き詰まっていた。シャムたちが宿屋で見つけた『ステッキの石突き』も決定的な証拠にはならなかったようだ。
シャムたちは当時宿屋で出会った金髪の男性を訝しく思った。
彼は背が高くスリムで美しい金髪を持ち、ブリオーと呼ばれる豪華な服を身にまとっていた。彼の装いはまるで貴族のようだった。
シャムたちは彼を犯人と疑い、独自で調べることにした。
まずは聞き込みだ。エリカとシャルルがクレスピンの紛争解決に向かい一時的にメンバーから外れたが、それでもなお11人の大所帯である。大勢だと機動性に欠けるしどうしても目立ち過ぎてしまう。3班に分散しそれぞれで行動することになった。
集合は宿屋午後8時だ。その間、情報収集、食事、買物、美容、遊戯、すべて自由なのだ。いわばピエトラ戦闘後の慰労会という意味合いも込められている。
シャム班 シャム、リョマ、エンポリオ、
イヴ班 イヴ、アリサ、キュー、ウチャギーナ
メグメグ班 メグメグ、マリア、チルチル、ユマ
メグメグたちは港附近にある食堂に足を踏み入れた。
店内は賑わっており、海の幸がふんだんにカウンターに並んでいる。
船乗りや漁師たちのざわめきが聞こえ、港町ならではの活気が漂っている。
隣の席で聞こえる街の噂話に興味津々だ。
メグメグは耳を澄ませながら、魚料理の誘惑に負けずにメニューを眺める。
どの料理にしようか、悩ましい決断を迫られる。
ピエトラでは、長い間戦いに明け暮れてきた。その身には傷跡が刻まれ、心には疲労が溜まっていた。背筋を伸ばせるのはいつ以来だろうか。
そんな時、隣の客の会話が耳に入って来た。
男性A「なあ、最近よく起きている若い女性の殺人事件って犯人はどんなやつなんだろうな?」
男性B「不味くなるからそんな話題はやめてくれよ。話題を変えろよ」
男性A「そうだな。すまない。最近、弟が結婚したんだけどね」
さすがに食事時に殺人事件の会話は憚られるようだ。
メグメグたちは男たちの会話にいささか期待をしていたが、続きを聞けそうもないので、女子同士の会話に花を咲かすことにした。
⚔⚔⚔
イヴたち女子4人は、ランジェリーショップでおしゃべりを楽しんでいた。
店内は可愛らしい下着やセクシーなランジェリーで溢れていて、彼女たちは目移りしていた。
キュー「このレースのセット可愛いわね。私、これ欲しいなあ」
イヴ「レースは防御力が低いけどスピードが増すと思うよ」
ウチャギーナ「うんうん、でも私はこのシルクのピンクのセットが気になるな」
アリサ「シルクのピンクセットもいいね。シルクも軽いからスピードが増すと思うよおおおお」
ウチャギーナ「で、アリサちゃんはどんなのがお好みなの?」
アリサ「私はあのGストリングスショーツが超セクシーでお気に入りだけど、ちょっと高いよねええええ」
イヴ「っていうか防御力低いのに、どこで穿くの?」
アリサ「きっとシャム喜んでくれると思うのおおおお!」
アリサが放った一言に、他の3人は思わず笑い転げてしまった。
彼女たちの笑い声がランジェリーショップに響き渡り、周囲の人々も思わず笑い出してしまうほどだった。
キュー「みんなの前でそれ言う~? あはははは~アリサちゃん笑える~!」
ウチャギーナ「笑い過ぎておなかが痛い」
アリサ「何もそんなに笑わなくてもいいのにいいいい」
アリサは『黒のGストリングス』をゲットした! アリサの数値は何も上昇しなかった……
イヴも『黒のGストリングス』をゲットした! イヴの数値は何も上昇しなかった……
ウチャギーナも『黒のGストリングス』をゲットした! ウチャギーナの数値は何も上昇しなかった……
キューも『黒のGストリングス』をゲットした! キューの数値は何も上昇しなかった……
イヴ「何か無駄遣いをしたような気がするけど……」
アリサ「いいの! シャムが喜んでみんなのためにがんばってくれるからいいのおおおお!」
キュー「それはそうなんだけど」
ウチャギーナ「他の女子たちの視線が怖いかも……」
イヴたちはGストリングス購入後も、楽しそうにお気に入りの下着を手に取り、互いにアドバイスしながら選んでいた。
それはイヴたちの笑顔と会話があふれるわずかな幸せのひとときであった。
⚔⚔⚔
シャムたちは裏通りにひっそりと佇む防具屋を訪れた。
その防具屋ではミスリルの鎧が高額で売られているという噂が広まっていたからだ。
鎧の輝きが美しく、強固な防御力を誇るミスリルの鎧は多くの冒険者たちの憧れだった。
店主は豪快な笑顔で彼らを迎え入れ、「ミスリルの鎧を手に入れるというのかい? おお、あなたたちはよいセンスを持っているな」と言った。
鎧の値段は5,000Gとシャムたちの予想をはるかに超えていた。
3領買い求めるならば15,000Gもの大金が必要となる。
しかし、シャムたちは仲間たちのために金を残しておかなければならないと思い悩んだ。
シャム「これはすばらしい鎧だ。でも、おいらたちは食べて宿泊しなければならない。15,000Gを全て使ってしまうわけにはいかないな」
リョマとエンポリオはシャムの悩みを感じ取り1つの提案をした。
リョマ「シャムさん、こうしないか。3人が出しあって1領だけ買おう。シャムさんがその鎧を身につけてくれたら、我々も安心して旅ができるから」
シャムはリョマとエンポリオに感謝しつつも躊躇していたが、彼らの誠意に心打たれ、ミスリルの鎧を購入することを決意した。
彼らは団結し、強大な敵に立ち向かう準備を整えたのだった。
シャム「ありがとう、リョマ、エンポリオ! どんどん魔物を倒して金を貯めて2人の分も買うからな!」
シャムは『ミスリルの鎧』をゲットした! シャムは『ミスリルの鎧』を装備した!
夜の静寂がベルデンヴァーレの街を包んでいた。
古城のような屋敷の窓辺でブリオーを身に纏った男性が物思いに耽っている。
突然、静寂を引き裂くように女性の悲鳴が響き渡った。
男性は窓から飛び降りた。
その身の軽やかさはまるで羽根のよう。
街角で若い女性が3人の暴漢に襲われている。
男性は勇敢に暴漢に立ち向かった。
暴漢が短剣を振り回し、男性に襲いかかってきた。
男性は軽やかにその攻撃をかわし、巧みに手にしたステッキで反撃した。
ステッキが暴漢の腕を打ち抜き、悲鳴を上げて地面に倒れた。
男性は氷のような表情で暴漢を見下ろした。
暴漢は竦みあがり痛みに堪えながら逃げるように立ち上がり、仲間とともにその場を後にした。
男性「大丈夫、君はもう安全だ」
男性はやさしく声をかけた。
女性の煌めく美しさに心奪われた。
女性は男性の視線に照れながらも、少し緩んだ笑顔を見せた。
女性「助けてくれてありがとうございます。あなたは誰? なぜこんなところに?」
女性の声は弱々しく、男性は心配そうに彼女を見つめた。
男性「私はこの街の住人だ。名前はアルフォンス。君の悲鳴が聞こえて駆けつけた」
アルフォンスは自己紹介をした。
女性「私はエレナです。彼氏の家に遊びに行って帰宅途中だったのですが帰りが遅くなってしまって……」
エレナは疲れた笑顔を浮かべ、アルフォンスに感謝の気持ちを伝えた。
アルフォンス「あっ、血が滲んでいるではないか。治療をしなくては」
エレナ「いいえ、かすり傷です。だいじょうぶです」
アルフォンス「だいじょうぶなものか。ちゃんと治療しておこう」
アルフォンスはやんわりとエレナを説得し、彼女を屋敷に連れて行った。
エレナは素直に治療を受け入れ、アルフォンスの優しさに感謝した。
執事が救急箱を持ち、エレナの手当てを始めようとしたが、アルフォンスは断った。
アルフォンス「治療は私がするから構うな。それより彼女に美味しいお茶を淹れてやってくれ」
執事「かしこまりました」
アルフォンスが包帯を巻き終えるとエレナは礼を述べた。
エレナ「暴漢から助けてもらったうえに治療までしてもらって、本当に感謝します」
アルフォンス「彼氏とは長い付き合いなのか?」
エレナ「そうですね。かれこれ2年になります」
アルフォンス「結婚するのか?」
エレナ「はい、来年結婚する約束をしています」
アルフォンス「そうか。それは羨ましいな」
エレナ「アルフォンスさんはおひとりですか?」
アルフォンス「全然持てないからな。ずっとひとりだよ」
エレナ「まさか。あなたほどの美形なら女性がいくらでも寄ってくるのではありませんか?」
アルフォンス「それならいいのだがなあ。ははははは~」
その時、執事がハーブティーを運んできた。
アルフォンス「お茶が入ったよ。ゆっくりして行ってくれ」
エレナ「まあ、いい香りですわ。お茶をいただいたら失礼しますね、かなり遅くなったので」
アルフォンス「ここから遠いのか?」
エレナ「家は20分ほど歩いたところです」
エレナはハーブティーに口を付けた。
その芳香が鼻孔を突き、いつしか眠気に誘われていた。
彼女は目を閉じ、ゆっくりと椅子にもたれかかった。
その時、アルフォンスが微笑みながら近づいた。
そして、冷たい手がエレナの首筋に触れた。
ハーブティーの中には何かが仕込まれていたのだ。
そして、エレナは意識を失い、深い闇の底に落ちて行った。
⚔⚔⚔
昼食後、イヴたちは道具屋で物色していた。
すると、好色そうな中年オヤジが声をかけてきた。
オヤジ「ねぇねぇ、聞いた? 5日後にアダルトビッグイベントがあるんだって。女性しか参加できなくて、すごい賞品がもらえるらしいよ」
キュー「参加費用は?」
オヤジ「もちろん女性は無料だよ!」
イヴたちは不審そうな顔をしながらも、興味津々で話を聞いていた。
何でもそのイベントは砂漠の中に忽然と現れるイベントホールで開催されるという。
大金持ちでエロい親父たちが出資しているとか。
砂漠を横切らなければならないが、行く価値はあるという。
イヴ「行ってみようか?」
イヴが提案すると、他の皆は興奮して賛成の声を上げた。
果たして、イベントホールで何が待っているのか。
ウチャギーナ「でも他の4人にも聞いてみないといけないし、一応シャムたちの了解ももらわないと」
ウチャギーナは意外にも慎重である。
アリサ「オヤジさん、男性も見物できるのおおおお?」
オヤジ「イベントは女性しか参加できないけど、100G払えば男性も見物できるよ」
キュー「オヤジさん、情報をありがとう!」
オヤジ「役に立ったようで何よりだよ」
ウチャギーナ「ちなみにオヤジさんは当日行くの?」
オヤジ「あんたたちが登場するなら絶対に行きたいなあ」
イヴ「まだ分からないわ。リーダーの意見も聞かないといけないし。オヤジさん、名前はなんて言うの?」
オヤジ「俺はアルノーだ」
イヴ「それじゃね!」
オヤジ「みんな、また会えたらいいな~!」
アルノーの素性はよく分からないが、エロいけど悪人ではなさそうだ、とイヴたちは思った。
エレナはゆっくりと目を開けた。と同時に両手に痛みが走った。
拘束された両手を上に万歳させられ、ようやく爪先が床に着く状態で吊られていた。
エレナ「う、腕が痛い……ど、どうして私は縛られているの!? ここはどこ……!?」
あたりを見回してみて、どこかの立派な屋敷の中だと気が付いた。
すぐに記憶がよみがえった。
暴漢に襲われたことや危ういところをアルフォンスという男性に助けられたことが脳裏をよぎった。
その後、彼の屋敷で傷の手当てを受け、ハーブティーを飲んだことまでは思い出したが、そのあとのことは全く思い出せなかった。
エレナ「そうだわ、ハーブティーを飲んだ後、急に眠くなったんだわ」
そして、ここがアルフォンスの屋敷であることが分かった。
両手は拘束され、ロープで繋がれ、ロープの先は天井部分にくくり付けられている。
エレナが困惑しているとアルフォンスが声をかけてきた。
椅子に腰を掛け沈黙していたせいで、エレナは彼の存在に気付かなかったようだ。
アルフォンス「目が覚めたようだな」
エレナ「私を暴漢から助けてくださったのに、どうしてこんな酷いことをするのですか?」
アルフォンス「理由はシンプルだ。おまえに惚れたからだ」
エレナ「それなら早く拘束を解いてください」
アルフォンス「それはできない。おまえが私の正体を知ると、きっと恐れおののき逃げるだろうから。ははははは」
エレナ「正体……? 恐れ……? それはどういう意味ですか?」
アルフォンス「その意味はすぐに分かる」
アルフォンスはエレナの肩に手を副え、唇を近づけてきた。
そして唇から飛び出した舌を目にしたエレナは言葉を失った。
アルフォンスの舌は蛇の舌のように、先端が二つに割れていた。
エレナ「まさか……」
怯え肩をすくめアルフォンスから逃れようとするエレナ。
だが両手を吊るされているため身体を思うように動かせない。
エレナ「きゃぁ~~~~~!」
エレナは大きく目を見張ったまま、アルフォンスに唇を奪われていた。
身体を揺すってもがいてみるが、彼はびくともしない。
まもなく乳房を揉みしだかれたあと、スカートは無事だったが、素肌を覆っていたショーツがいとも容易にずり下ろされた。
しばらくすると、ぬめぬめとした何かをエレナの股間になすりつけてきた。
エレナ「え……?」
生温かくおどろおどろしいまでのぬめり気を帯びた柔らかな肉感。
エレナにとって、それは『蛇の舌』であるようにしか思えなかった。
実際、生温かい舌はネチネチとナメクジのようにエレナの生肌の上を動き回っている。
隠すものなく晒された若く瑞々しい肛門から、小陰唇、大陰唇、そしてしとやかに隠れた蕾の先までを、何度も行ったり来たりする。
エレナ「そんな……んん……」
もどかしいのは、下を向いてもスカートが遮蔽していて、アルフォンスの行動が直接見えないこと。
いや、もし見えていたら、エレナはその光景のあまりのおぞましさに、気絶していたかもしれなかった。
なにせ1メートルほどもある縞模様のペニスがヘビのようにうねり赤く長い舌をエレナの亀裂に這わせていたのだから。
エレナの額に脂汗が浮かぶ。
目撃することはできなかったが、このときにはもう、亀裂に舌を伸ばしているのは『蛇のようなもの』に間違いがないのだということを、エレナは確信していた。
あまりに長すぎる舌は、人間の舌ではありえない。意思を持って女の恥部を味わうその動きは、動物や何かのものでもない。
『蛇のようなもの』はありえないほど長い舌を伸ばして、女の部分を舐め回している。
エレナ「ひいぃっ……」
膣周辺の肉の隅から隅までを、舌は器用にしゃぶり回してくる。
頑なな肉豆を解きほぐすように。
エレナ「んんんっ……」
先程彼氏に愛された箇所を今は得体のしれない物に舐め回されている。
怖い、逃げたいという思いと、絶妙極まりない性愛撫による甘美。
その2つが、エレナの身体にじっとりとした生汗を浮かび上がらせている。
エレナ「うあっ……」
アルフォンス「お遊びはおしまいだ。そろそろ本気を出すとするか」
エレナ「え……っ?」
⚔⚔⚔
昼下がり、メグメグ、マリア、チルチル、ユマの4人は久々に羽根を伸ばして川辺を散策していた。
ユマ「チルチルちゃん、ずっと戦い続きだったので聞けなかったけど、以前ムーンサルト城で侍女のソニアに会った時のこを詳しく聞かせてくれない?」
チルチル「いいよ。じゃなくて、ユマ王女様、かしこまりましたでピョン♫」
ユマ「敬語はやめてよ。現在私は王女ではなくて1人の剣士だから」
チルチルは以前硝煙が立ち昇るロマンチーノ城で、侍女ソニアの幽霊に出会った時のことをユマに話して聞かせた。
ソニアがユマ姫を助けて欲しいと頼んできたこと。ユマ姫がこの世でたった1人の『天空魔法』の使い手であること。メドゥサオールがユマ姫を誘拐した真の目的は天空魔法の使い手であるため、ユマ姫を仲間にし侵略を有利に進めようと目論んでいたこと。壁の肖像画から一筋の涙が流れ落ちた不思議な出来事。
チルチルが語っている最中、ユマは両手で顔を覆って慟哭した。
城を焼かれ、父母兄弟を失い、唯一頼りにしていた侍女までが敵の刃に倒れてしまった。
ユマの無念はいかばかりか。
そばにいたメグメグとマリアも涙が止まらなかった。
ユマ「シャムに聞いたんだけど、チルチルちゃんのお兄さんもムーンサルトの戦で亡くなられたのね」
チルチル「はい、遺体は見つかってないけど、たぶん……」
ユマ「私が謝っても仕方がないかも知れないけど、謝らせてね。チルチルちゃん、お兄さんを奪ってしまってごめんなさい」
チルチル「クスン……ユマ姫、じゃなかった、ユマさん、謝らないでください。あなたのせいじゃないから。憎いのは魔物だわ」
ユマ「メドゥサオールめ、絶対に倒してみせるわ」
マリア「はい、必ず倒しましょう」
メグメグ「メドゥサオール、首を洗って待ってて」
ユマたちはどこまでも青い空を見上げて、誓い合った。
アルフォンス「エレナ、おまえに最高の快楽を与えてやろう」
アルフォンスの甘い誘惑にエレナは恐怖した。
視線を落としてもスカートが遮って直接見ることはできないのだが、蛇の舌のようなものが股間を舐めていることは間違いない。
エレナは震えながら無防備な股間を怪異に捧げ続けた。
エレナ「あひぃ……」
アルフォンス「私の正体が見たいか?」
エレナ「あわわわ……」
問われてもエレナはわなわなと唇を震わせているだけ。
アルフォンス「見せてやろう」
アルフォンスはスカートやドロワースなどの着衣を一気に引き裂いてしまった。
布切れが床に落ち、エレナの視界に戦慄の光景が飛び込んできた。
エレナはそれを見た途端、卒倒しそうになった。
あろうことかアルフォンスの股間にはペニスではなく、1メートルほどもある邪悪な蛇が鎌首をもたげエレナを睨みつけていたのだ。
目を見開いて固まるエレナ。
アルフォンス「今からおまえは人間の男相手では味わえないような快感を体験する」
エレナ「えっ、えっ……」
逃げたくても手枷があって逃れることができない。
エレナ「い、いやぁ!」
ぬめり気のある蛇棒がエレナの太ももに押し付けられている。
エレナ「い、いやぁ~~~っ!」
ぬるりと滑り込むようにして、蛇頭が陰唇をかき分け進む。
中の肉壁をこすり、得体の知れない快感をエレナの身体に注ぎ込みながら、奥へ奥へと。
エレナ「んっ、んんっ、ああ~~~っ!」
一瞬のうちに、20センチメートルほどが潜り込み、膣がパンパンに膨れあがる。
膣内に透明の液体が滲み出す。それは男性が射精前に分泌するカウパー液のようなもの。
ただしアルフォンスが噴射するカウパー液は媚薬効果が含まれている。
この液体を受け容れた女性はペニスが欲しくて欲しくてたまらない身体になってしまうのだ。
天井を仰ぎ小刻みに痙攣するエレナ。
蛇棒が下半身を満たした……たったそれだけのことで、背筋から震えあがるほどの快楽を感じる。
エレナ「あんっ、あんっ、あう~んっ!」
たちまち若いエレナの肉体は反応していく。
グチュ、グチュ、グチュ……
アルフォンスが腰を動かす前から一人はしたなく腰を振る。
前後左右、少しでも女性器と男性器がこすり合わされるよう、下品な踊りを踊る。
エレナ「あっ、あっ、いいっ……んあっ……」
それだけでも目がくらむほどの快感だったが、そんなエレナの痴態に誘発されたように、アルフォンスが交尾の運動を始める。
エレナ「あんっ……す、すごっ、すごいぃっ~~~!」
強く熱い感覚が脳天から爪先に至るまで駆け巡る。
ブジュッ、グジュッ、グジュジュ……
立位の体勢でエレナと向かい合い、1メートルの蛇棒を駆使し、涎を垂らしつつ腰を振るアルフォンス。
長根が、激しくエレナの女孔を穿ちつづける。
エレナ「んひっ、んひっ、んはあ~っ!」
得体の知れない蛇男のカウパー液のせいか、異常なまでの体験に心焼ききられたか、エレナは売女のように官能に溺れていた。
人間の男性とはまったく異なる奇怪な交尾の愉悦。
壁という壁を取り払われ、奥底にあった牝の本能が露になる。
グジュグジュグジュジュジュ!
不気味な粘着音を立て、アルフォンスはさらに激しく腰を打ち据える。
長大な蛇棒は、狭く短い美女の膣道を思いのまま陵辱していく。
エレナ「あんっ、あんっ、あんぉっ……!」
視点の合わない目を宙にさまよわせ、涎を垂れ流したまま美しい女体を痙攣させるエレナ。
エレナ「んおっ、あおおっ、おほおおっ……!」
グジュ、グジュ、グジュ……!
2匹の獣の淫猥な吐息が室内に響き渡る。
エレナは得体の知れない化け物との交尾に涙を流して感じ入る。
やがて、時は来た。
長身を蠢かしてエレナを犯していたアルフォンスが、その動きを速めた。
エレナ「えっ? あっ! ああっ! あああっ!」
射精が近いことを肌で感じたエレナは、途端に今までとは比べ物にならない気持ちよさに全身を焼かれた。
両手両足の指先までが、甘く痺れて痙攣する。
唇もブルブルと震え、涎と涙は一向に止まらない。
自分の身体が自分のものでなくなったような感じ。
あまりの快感に、どうすることもできず、ただただアルフォンスにされるがままの交尾。
エレナ「あっ、だめっ、だめっ、だめぇっ! んひい~~~っ!」
顎を上げて背筋を反り返らせた鈴の尻に、大きな衝撃が走った。
グジュル~~~!
挿入していた蛇棒が膣内で膨張したのだ。
太く硬すぎる勃起を埋め込まれたのだ。
そして感じる、今まで膣内にはなかった体液の生温かさ。
エレナ「えっ? で、出てっ、何か、出て……あはあああぁっ!」
それは紛れもなくアルフォンスの精液だった。
怒張した肉棒を波打たせて、化け物がエレナの体内でその精を放出しているのだ。
エレナ「あおおおおっ……! こんなっ、こんな熱いのっ……! んはああっ!」
ドクドクと吐き出される精液。
エレナの肉体は、その汁をぶちまけられて歓喜に震えた。
グジュルルルルルル!
アルフォンスも快楽に喘いでいる。
彼の口からこぼれ落ちた唾液が、エレナの乳房にびしゃびしゃと滴り落ちる。
エレナ「あひい~~~っ!」
目もくらむような快感に、エレナは心臓をバクつかせてなお腰を振った。
全身の肉を痙攣させて、汗と唾液にまみれながらの絶頂。
甘く途切れることのない快感が、エレナの身体を支配する。
異形に射精されながらの、さらに終わりない交尾。
新鮮な精液を膣に塗り込められ、醜い子供を孕まされてしまうかもしれないという恐怖ですら、快楽へと変じている始末。
エレナ「あんっ、ん、んああああ!」
だがそれはエレナの勝手な妄想であった。
エレナの身体は次第に麻痺し、意識は朦朧としていった。
彼の精液は麻酔薬のような働きがあったのだ。
アルフォンス「ふふふふふ、眠ったか。さて、おまえの美しい肉体からたっぷりと養分を吸い取ってやるからな」
蛇棒は口を広げ激しく吸引する。
養分が吸い取られ、またたく間にエレナは干からびてしまった。
アルフォンス「ニコラはいるか?」
アルフォンスがベルを鳴らし執事を呼んだ。
まもなく執事のニコラがうやうやしく現れた。
ニコラ「はい、ご主人様、どのようなご用でしょうか?」
アルフォンス「女の死体を始末しておいてくれ」
ニコラ「はい、かしこまりました」
シャムたちは街で聞き込みをつづけたが、宿屋の殺人事件についてこれといった目ぼしい情報を得ることはできなかった。
マリア「ノルド・テラという街で透明人間が出没するようですよ」
シャム「以前ジャノバでそんな話を聞いたような気がする。興味はあるけど今は良いかな」
冒険に必要なものは勇気と知力、体力だけではない。
冒険にはしっかりとした準備と、堅実な努力が必要となる。
そしてその準備を支えるのが豊富な情報なのだ。
メグメグ「果物屋のおかみさんから面白い話を聞いたわ。男性は着衣なのに、女性だけ全員裸という村があるらしいの」
シャム「それはどこだ!? すぐ行くぞ!」
シャムはすっくと立ち上がった。
イヴ「ダメダメ! シャムはエッチな話を聞くとすぐにその気になるんだから。私たちには今やるべきことがあるじゃないの。メグメグちゃん、因みにその村はどこにあるの?」
シャム「ほら、イヴだって興味あるじゃないか」
イヴ「ゴホン、知識として知っておきたいだけよ」
メグメグ「ダタナ大陸の北側にある島らしい」
マリア「そんな村があると風の便りに聞いたことがあります」
キュー「シャム、ところで……」
シャム「なんだ?」
キュー「明日砂漠で開催されるアダルトイベントの参加者は決まったの?」
数日前、キューたちが道具屋でアルノーというおやじから、砂漠でアダルトイベントが開催されるという耳寄りな情報を得た。
女性は参加料無料で、男性は1人100G払えば参加できるらしい。
イベントで勝利すると、かなり高価な賞品がもらえるらしいので、装備アップの絶好の機会といえるだろう。
シャム「もちろん行くぞ! イベントに勝って賞品をゲットするぞ!」
キュー「シャムがいくら息巻いても参加できるのは女性だからね。男性が参加できるイベントも一部あるようだけど」
エンポリオ「具体的にどんなことをするの?」
イヴ「何でも、当日、イベントは5つあるんだって。でもどんな内容かは当日のお楽しみとかで教えてくれないの」
シャム「内容が分からないと誰がエントリーするか決めにくいよね」
イヴ「うん、決めにくいんだけど、街角の案内用ポスターに少しだけイベントの中身を匂わせるコメントが載っていたのでメモしてきたの」
イヴはシャムたちにメモを公開した。
第1ラウンド 器用な女性向き
第2ラウンド バランス感覚のよい女性向き
第3ラウンド なかよしの男女向き
第4ラウンド カップル向き、腕力のある男性が有利
第5ラウンド 乗馬のできる女性向き
チルチル「どんな方法で決めるの? 抽選でピョン?♫」
マリア「いいえ、各ラウンドにそれぞれ適性があると思うので、シャムさんに任せたいと思います」
リョマ「わたしもそう思います。リーダーのシャムさんが決めればよいと思いますが、いかがでしょうか? 皆さん」
エンポリオ「賛成! それでよいと思う」
アリサ「シャムが決めるべきいいいい」
イベントへの参加者はすべてシャムに一任された。
シャム「第1ラウンドは器用な女性か。剣と魔法両方扱えるのはイヴ、キュー、ユマ。それならゴーレムを召喚できる器用さでキューにしようか。
第2ラウンドはバランス感覚のよい女性か。ジャンプ力とバランスならアリサとメグメグが随一。遠くの音も聴き分けられるアリサで行くか。
第3ラウンドは顔ぶれは最後に決めるとして、第4ラウンドの腕力のある男性はリョマで誰も文句ないだろう」
リョマ「いいえ、腕相撲ならシャムさんが私と互角なので、ここはシャムさんではないかと」
シャム「いや、体格ではおいらよりリョマが上だ。リョマで決まり。リョマのコンビならもう決まりだな?」
シャムがウチャギーナに視線を移しニコリと笑った。
恥ずかしそうに微笑みを返すウチャギーナは小さくうなずいた。
ウチャギーナ「どんなイベントか分からないけどシャムに任せるよ」
シャム「コンビに不満はないな、リョマ?」
リョマ「は、はい……もちろん不満などありません」
いつもクールな表情のリョマが、珍しく頬を紅潮させているように見える。
シャム「第5ラウンドは乗馬のできる女性なので、ここはユマで決まりだな」
ユマ「ふつうの乗馬じゃなさそうだけど、がんばるわ」
シャム「最後になったけど第3ラウンドはおいらが行くけどいいかな?」
エンポリオ「全然構わないけど問題はむしろ女性だよな。シャムがコンビに誰を選ぶか楽しみだな~」
シャム「おいらは仲間の女の子とは全員仲良しだから決めきれないなあ。よし、ハシゴクジで決めるぞ」
ハシゴクジとは、とある国の『あみだくじ』とよく似ている。
線の下辺に当たりと外れを書いて隠し、各自が引き当てる点はまったく同じである。
まだイベントの参加者として選出されていないのは、イヴ、マリア、チルチル、メグメグの4人である。
シャムは紙に4本の縦線を引き、下辺に1つだけ当たりを入れ、紙を折り曲げる。
イヴたちは、線の上に名前を記入し、適宜ハシゴ線を書き足した。
さあ折り曲げた紙を広げ当選者発表だ。
イヴが下に向けて指でたどり下辺まで到達した。
イヴは外れだった。
イヴ「残念……」
同様にマリアとチルチルが確認したがいずれも外れだった。
ってことは!?
メグメグ「わ~い! 当たった~!」
メグメグが子供のようにはしゃぎ、嬉々として線を指でたどる。
子供のような無邪気さは、成長していくにつれ、失われていくものだ。
戦いに明け暮れる毎日だと尚更だ。
たまには童心に帰ってみるのもよいものだ。
シャム「イベントの顔ぶれが決まった! イベントに参加するしないかかわらず皆で会場に行くからな~!」
イベントがベルデンヴァーレ市南部の砂漠地で開催されるため、シャムたちは陸路をとらず海路でイベント会場へ行くことにした。
必ず砂漠を経由しなければならない陸路よりも、海路の方が早く到着できるし体力温存にもなるからだ。
船旅は順調で予定どおり午後6時にベルデンヴァーレ港に到着したが、あいにく2軒の宿屋はいずれも満室だった。
明日ビッグイベントが開催されるため多くの観光客が詰めかけ、ベルデンヴァーレ市内の宿屋を探してもおそらく空室は期待できないだろう。
困り果てたシャムたちだったが、メグメグが機転を利かし小さな酪農家と掛け合った。
酪農家は快くシャムたちを迎え入れ、馬小屋で一夜を過ごすことになった。
チルチル「馬小屋に泊るの初めて~。お馬さんっておとなしいでピョン♫」
エンポリオ「馬小屋に泊るの初めてだな。でも旅人はたまに泊ることがあるらしい」
リョマ「宿屋がある場所は街か村に限られますからね。雨露さえ凌げればたとえ馬小屋でもありがたいですよ、野宿することを思えば。もっぱら我々冒険者は野宿慣れしてますがね」
マリア「それにしてもメグメグさんの交渉力はさすがですね。ピエトラブルで人々からリーダーとして慕われてきた理由が分かる気がします」
メグメグ「それは褒め過ぎだわ。私は自身の気持ちに素直に行動しているだけだから」
シャム「メグメグのおかげで野宿しなくて済んだぞ」
メグメグ「どういたしまして。それはそうと明日のイベントよろしくね」
シャム「おお、それそれ。第3ラウンドはどんなことするんだろうな? エロければエロいほどおいらは萌えるタイプだけど」
メグメグ「そんなぁ……私としてはできるだけおとなし目であってほしいけど」
アリサ「噂によるとかなり過激とか。ワクワクしてきたなああああ」
⚔⚔⚔
午前9時、会場は華やかな装飾に彩られ、イベントを一目見ようと受付には長蛇の列ができている。
観客席はすでにぎっしりと埋まっていて人々が今か今かと待ちわびている。
ユマ「すごく盛り上がっているねえ」
シャム「みんなエロいことが好きだな~」
イヴ「エロイベントは開催禁止にしている国が多いけど、ベルデンヴァーレ国王は子孫繁栄のため人々にエロいことを奨励しているって聞いているわ」
シャム「おいらと気が合いそうだな~」
イヴ「将来シャムが国王になれば間違いなくエロを奨励するでしょうね」
マリア「良いことだと思いますわ。性に寛大であれば罪を犯す人が減ると思います」
⚔⚔⚔
午前10時、ついにイベント開始の鐘が鳴った。
第1ラウンドはワルキューレ・キューが挑戦する。
内容は『器用な女性向き』であること以外何も公表されていない。
男性の司会者が登場し、軽快な声が響いた。
司会者「皆様、本日はこの素晴らしいイベントにお越しいただき、誠にありがとうございます。イベントはエロさを競う大会です。エロの才能を持つ者たちが競い合い、勝者を決定する場となっております」
会場からは歓声と拍手が沸き起こる。
司会者は続けた。
司会者「ラウンドは5つに分かれており、各ラウンドごとに勝者を決定するものとし、勝者、2位、3位には豪華な賞品が用意されております。では、ただいまから第1ラウンドを開始します。挑戦者の皆様を温かい拍手でお迎えください!」
会場はさらに盛り上がりを見せ、盛大な拍手とともに5人の女性がステージに現れた。
観客の視線は5番目に現れた女性に釘付けになった。
背が高く、すらりと伸びた手足に、グラマラスなプロポーション。その美しい体躯が、彼女の完璧さを顕著に表している。
その女性の種族はワルキューレ、名前はキューという。
司会者「第1ラウンドは『お口で早抜き競争』です」
司会者がそういっただけで、会場は大きな歓声と拍手に包まれた。
キューたち5人はあまりに奇抜な内容に目を丸くしている。
司会者「ではルールを説明します。挑戦者は口を使って5人の男性を射精させなければなりません。男性は箱に覆われていて顔は見えません。見えるのは下半身の丸い穴から露出しているペニスだけです。ペニスは当然勃起していません。挑戦者の努力でペニスを大きくして射精まで導かなければなりません。繰り返しますが、使えるのは口だけです」
キューたち5人の挑戦者たちは真剣な眼差しで視界の説明に耳を傾けている。
司会者「ボックスは皆さん平等に、A、B、C、D、Eの5つあります。箱に入っている男性は10代後半、20代、30代、40代、50代ですが、どの箱に入っているかは秘密です。最も早く5人を射精させた挑戦者が優勝です。よろしいですか?」
キューの左側にいる金髪の女性が手を挙げた。質問があるようだ。
金髪の女性「手だけでイカせるのはダメですか?」
司会者「手だけというのはダメです。必ず口を使ってください。ただし手を副えるのは構いません」
すぐさまキューの右側の小柄な女性が手を挙げた。
小柄な女性「あのう……こんなこというのは失礼だと分かっていますが、箱の中の男性の皆さん、アソコをきれいに洗ってもらってますか?」
司会者「もちろんです。事前に丹念に洗浄しておりますので、どうぞご安心ください。他に質問はありませんか……? なければ只今からスタートしたいと思いますが、よろしいですか?」
5人の挑戦者はこっくりとうなずいた。
司会者「位置について!」
キューは大きく深呼吸をすると、白いラインに立ちスタンディングポーズをとった。
キューは5人の真ん中だ。
司会者「用意、始め!」
司会者は声と同時に、黄色い旗を上から下に振り下ろした。
5人の挑戦者が1つ目のボックス目指して走り出す。
スタート地点から10メートル地点に最初のボックスが設置されている。
一目散に駆け込む挑戦者たち。
キューが最初のボックスに到着すると、丸い穴から萎れた男根が目に飛び込んできた。
見知らぬ男性のモノを口に含むのはかなりの抵抗があったが、イベント直前にシャムから受けた激励を思い出していた。
(キュー、おいらのチンポコだと思って思い切りしゃぶってこい)
萎れた男根を口に含むキュー。
男根を支えるのは構わないが、擦ると違反になってしまう。
審判が挑戦者の行動を監視する中、キューは慎重に男根を咥えた。
男根はたとえ萎れていても勃起すると長さが約1.5倍に、太さは1.3倍に膨張する。
チンヒールの際、にシャムはさほどフェラチオを必要としない男性なので、彼から学習することは少なかったが、どんな時にシャムが歓喜したかをキューは懸命に記憶を呼び起こしていた。
キュー(亀頭はすごく敏感。次いで、カリ首、裏筋だったかな。竿は擦ると感じていたけど今その手は使えない……)
キューはシャムとの交わりを思い出しながら、最初のボックスに挑戦した。
舌を精一杯出して、下から上へ、かなりゆっくりめに舐めた。
次第にスピードを増しながらカリ首を中心に舐めた。
ボックスの向こうから情けない男の喘ぎ声が聞こえてきた。
射精はもうすぐだ。
まもなく温かい粘液がキューの口内を満たした。
砂時計が5分を示す。
審判「キュー選手、第1ボックス完了!」
係員から提供されたマグカップの水で口をすすいだキューは次のボックスへと向かう。
しかし左隣の金髪女性が先に完遂させ、キューよりも早く次へと向かっていた。
キュー「負けないわ!」
『お口で早抜き競争』は挑戦者の技量もさることながら、運によるところが大きい。
なぜなら射精までの時間は男性によって様々だから。中には早漏もいるし遅漏も存在する。どんな人物に遭遇するかは挑戦者の運次第ということになる。
2つ目のボックスは幸いにも早漏と思われるボックスだったので早々と完了しおおよそ2分で終了した。
3つ目のボックスは肌の張りから察して50代と思われたが、これがなかなかのくせ者で苦戦を強いられた。
先端を中心に舌全体で丁寧に舐め、8分掛けようやく射精まで漕ぎつけた。
キュー「ふう、苦労したなあ……だいぶ時間がかかったので次で取り返さなくては」
4つ目のボックスは25センチとかなり大きく咥えるのに苦労したが、平均的な時間で突破することができた。
キュー「あっ、いけない! 隣の女の子が先頭だわ! がんばらないと!」
5つ目のボックスにたどり着いた。
吸い込むように咥えたキューは、舌をからませるように動かしてみた。
萎えている時は15センチ程度だったが、咥えるとどんどんと大きくなり20センチ程度に膨張した。
キュー「あれ……? この感触、どこかで味わったような……もしかしたら……?」
鮮やかに記憶に残る幅広なえらの張り具合、そして怖いほど反り返った硬いモノ、それは紛れもなくシャムのものだ、とキューは思った。
聞かされていなかったが、シャムがサプライズで出場したのだろう。
他のイベントに参加予定だというのに何という意欲だろうか、キューは驚きを隠しきれなかった。
キュー「ねえ、箱の中にいるのはシャムだよね?」
返事がない。
他の挑戦者のことを配慮して、あえて返事をしないのかもしれない。
キューは睾丸をゆっくりと口内にふくんで、アイスキャンディーを舐めるように優しくゆっくりとしゃぶった。
過去幾多のチンヒールの中で、こうすればシャムが歓喜することをキューは学んでいたのであった。
〇〇〇「おおお~っ……それ効くそれ効く~……すぐにイキそうだ~……」
カリ首と亀頭を高速度で舐め回すと早々と5つ目のボックス男子は果ててしまった。
シャムだと確信したキューは精液をごくりと飲みこむと一目散にゴールラインに駆けこんだ。
キューは1位ので入線した。
客席からは、にわかに大きな歓声が沸き起こった。
司会者「第1ラウンド優勝! ワルキューレ・キュー選手!」
チルチル「キューちゃんやった~! すごいでピョン♫」
マリア「すごいですね。剣の腕も確かだけど、そっちの方も達者とは驚きました。さすがキューさんですわ。おめでとうございます!」
司会者「優勝したキュー選手には、唇に塗るだけで敵の魔法を軽減できる『退魔のルージュ』を贈呈します! 優勝のキュー選手に盛大な拍手をお送りください!」
ワ~! ワ~! パチパチパチ! ヒューヒュー!
司会者が声をかけると、会場には割れんばかりの拍手がこだました。
キューは『退魔のルージュ』をゲットした! キューは『退魔のルージュ』をポケットに収めた!
キューの魔法に対する耐性が10上がった!
シャム「やった~! キューがあんなにフェラチオが上手いって知らなかったな~。チンヒールの時ほとんどしないのに。イヴ、キューに練習つけてやったか?」
イヴ「剣の練習ならともかく、フェラチオの練習なんてしないわ。第一シャム以外誰を相手にするというの!」
シャム「キノコで試すとか?」
イヴ「キノコなんていくら吸っても大きくならないから練習にならないわ」
メグメグ「ついイヴさんがキノコをしゃぶっているシーンを想像してしまったわ、アハハ」
イヴ「やめてよ、キノコを吸ったことなんて一度もないわ」
マリア「みなさん、そんなことより、次のアリサちゃんを応援してあげましょうよ」
司会者がアリサをはじめ5人の挑戦者を紹介している。
挑戦者は向かって左から、カリーヌ、デボラ、エマニュエル、アリサ、マリーズの5人である。
シャム「おお、次はアリサの出番か。バランス感覚のよい女性向きということだったのでアリサを選んだけど、どんな競技かな? おいらまでドキドキしてきた~」
挑戦者の紹介が終わると、競技内容の説明が始まった。
司会者「第2ラウンドは『コブ縄渡り競争』です!」
競技名を聞くと会場から大歓声が沸き起こった。
司会者「5人の挑戦者の前方には20メートルの縄が張ってあります。縄は1メートルおきにコブが結ばれていて、そこを跨いで歩いてもらいます。途中縄から逸れても失格にはなりませんが最初からのスタートになります。一番早くゴールインした挑戦者が優勝となります」
カリーヌ「な~んだ、簡単じゃないの。ちょっと恥ずかしいけど簡単じゃないの。ねえ?」
デボラ「うんうん、簡単だよね。楽勝だわ」
司会者「そうそう、1つ大切なことを言い忘れていました」
カリーヌ、デボラ「なにかしら……?」
司会者「ただし下半身の衣類はすべて脱いでもらいます。スカート、ブレー、ブリオー、コルセット、ズロース、ショーツなど……何も身に着けることはできません」
カリーヌ「うそ! そんなの無理だわ。恥ずかし過ぎる」
デボラ「せめて下着だけでも認めてもらえませんか?」
司会者「ダメです。規則を守れないようなら今すぐ競技から辞退してください」
アリサ「私、絶対にやめないもんねええええ」
エマニュエル「は、恥ずかしいけど……わ、わ……私も出ます……(声が震えている)」
マリーズ「私もがんばります」
カリーヌ「私は絶対に無理。辞退させてもらうわ」
デボラ「恥ずかしさに耐えられないと思うので、私もやめておきます。ごめんなさい」
結局、挑戦者はアリサ、エマニュエル、マリーズの3人となった。
司会者「では挑戦者の皆さん、下半身だけ衣服を脱いでください」
観衆からどっと歓声が起こった。
エマニュエル、マリーズはもじもじしてなかなか脱ごうとしないが、アリサはショーツに至るまであっさりと脱ぎ去ってしまった。
アリサの無毛の恥丘を目撃した司会者はニヤニヤと頬を緩ませている。
アリサの物怖じしない潔い態度に観衆から拍手が沸き起こる。
会場の雰囲気に圧されたエマニュエルとマリーズも観念したようでおずおずと脱ぎ始める。
エマニュエルには少量の陰毛が、そしてマリーズには多めの陰毛があるため、パイパンのアリサが一際目立ちついそっちに観衆の目が向いてしまう。
司会者「皆様、勇気ある3人の女性たちにもう一度拍手をお願いします!」
(パチパチパチパチ!)
司会者「ところでアリサさんは無毛ですが、毎日剃っているのですか?」
アリサ「剃ってないよ~、これは天然だよ~。私たちネコミミ族は身体の数か所に少しだけ体毛が残っているけど、ココは大人になっても生えてこないのおおおお」
アリサがネコミミ族の身体的特徴を語り、観衆からは驚きの声があがった。
司会者「そうでしたか。パーソナルなことをお尋ねしてすみませんでした。さあ、遅くなりましたが競技を始めたいと思います。それでは挑戦者の皆さん、位置についたら号令と同時に縄を跨いでください」
アリサは縄に視線を向けた。
身長162センチのアリサの腰よりも少し高い位置に、一筋の縄が緩みなく張られている。
1メートルおきに配備されているコブが何とも不気味だ。
やや高めの縄を跨ぐと、当然縄は股間に食い込んでくる。
少し前までは平然としていたアリサだったが、次第に不安が増してくる。
司会者「では、始め!」
司会者の号令とともにアリサたちはほぼ同時に縄に跨った。
他の2人もアリサと身長はさほど変わらない。
絶妙な高さに調節された縄がアリサたちの亀裂に食い込んでいく。
アリサ「きゃっああああ……」
自重で縄が深く沈んでいき、鋭敏な部分を擦られる。
ザラザラした感触の縄を跨いだまま歩けば、それは結果的に、自身の陰裂を擦ることになる。
ゆっくり動くと痛みはないが速度を上げると熱さを感じる。
痛いような、くすぐったいような、気持ちいいような、それらが入り混じった不思議な感覚に、アリサは思わず奇妙な声を漏らしてしまった。
身体が揺れて縄が軋む。
アリサはつま先立ちになって食い込みを防ごうとするが、つま先立ちでずっと歩くのは困難だ。
アリサ「ひぃっ……思った以上にきついよ……20メートルもこの状態で歩くなんて、絶対に無理だよおおおお……」
弱音を吐くアリサだが、行動は真逆だ。
一歩二歩、よちよち歩きの赤ん坊さながらの摺り足だが、確実に足を踏み出した。
、陰裂よりも高い位置にぴしっと張られた縄を歩くだけでも大変なのに、アリサは臆することなく果敢に挑もうとしている。
陰裂がパクっと縄を咥えこんでいる。
構うことなく腰をくねらせながら着実に歩を進めるアリサ。
アリサ「あぁん……」
食い込みを避けるどころか、むしろ自ら淫裂を縄に押し付けて楽しんでいるようにも見える。
そんな物怖じしないアリサに対して観衆から惜しみない拍手が送られた。
観衆女「あのネコミミの子は誰なの? すごい気迫を感じるわ!」
観衆男「パイパンマンコに縄の食い込み、絶景だね~!」
観衆男2「この光景は絶対に子供には見せられないな」
観衆男3「あの子見てたら下半身が元気になってきたぞ」
観衆女2「あなたたちの興味はそっち? 本当に男ってエロいんだから」
観衆男3「そういいながら真っ先にパンツを濡らすのはあんたじゃないのか?」
観衆女2「何よ、このエロおやじ」
観衆が騒ごうが囃し立てようがどこ吹く風で我が道を進むアリサ。
他の2人もアリサを猛追する。
アリサ「ああっ、感じちゃうよぉ……でも1つ目のコブがもうすぐうううう」
コブが目前に迫った。
間近で見ると思ったよりも大きい。
コブが陰裂に触れた。
そして花芯に食い込んでくる。
アリサ「や、やぁんんんん……」
甘ったるい声が響く。
コブを咥えこんだ瞬間、アリサはつややかな尻をぶるっと震わせ、刹那の快感をむさぼった。
アリサ「気持ちいいけど、気持ち良さに浸ってないで、先に進まないとおおおお……」
コブから脱出すると、気持ちを奮い立たせ先を急いだ。
10メートルほど進んだ頃、アリサは他の挑戦者を確認した。
マリーズはアリサとほぼ横並びで健闘していたが、エマニュエルはかなり遅れ脱落寸前であった。
アリサ(相手はマリーズさんに絞られたかな? がんばらなくてはああああ)
11個目のコブが目前に迫って来た。
アリサ「あれ? 次のコブは湿っているみたい。何かテラテラ光っているしいいいい」
少し気にはなったが、今までと同様にコブが陰裂に埋もれる快感に耐えながら乗り越えることに成功した。
それから12個目のコブが見えてきたころ、アリサは突然激しいかゆみに襲われた。
アリサ「ひぃ~っ、なに? このかゆみ……、か、かゆいっ……!」
かつてない律動的な動きで、陰裂をコブに擦り付けるアリサ。
本当は両手で掻きむしりたかったが、縄渡り中のこの体勢ではそれもできない。
股間を縄に押し付けるしか方法がないのだ。
あまりのかゆさに、アリサは司会者に訴えた。
司会者「申し訳ありません。うっかりして事前にご説明するのを忘れていました。実は11個目のコブにはかゆみ成分のある媚薬をたっぷりと塗りこんでいたのです。かゆみに耐えることもこの競技のテーマの1つなので、挑戦者の皆様はがんばってください」
アリサ「そんなこと今頃言うなんて酷い……ひぃ~、かゆいよぉ……あ~、かゆいいいい」
マリーズ「わざと言わなかったのでしょう? 意地の悪い……仕方ありません。アリサさん、最後までがんばりましょう。ああ、それにしてもかゆい……」
アリサ「はい……ああ、かゆいけど、乗り掛かった舟だし、がんばるしかないものねええええ」
司会者「かなりきついと思いますが、しっかりと縄を性器で咥えながらゴールまでたどり着いてください。ちなみにこの競技では上位3名の方に豪華賞品を進呈します」
こぶ縄渡りを楽して渡り切るコツは、どれだけ濡らしているかが重要であった。
その点、びしょびしょに濡らしているアリサは合格点といえた。
またアリサと拮抗しているマリーズも同様にたっぷりと濡らしていたので縄摩擦による痛みはほとんどなかった。
ただしかゆさは例外である。かゆさには痛感とはまったく異なる辛さがある。苦しみがある。
2人がそれに耐え抜けるかは未知数であった。
マリーズ「あぁ、かゆい……かゆい……」
アリサ「あぁん、つらいよぉ……擦っても擦っても痒みがとれないよおおおお……」
観衆から無責任なヤジが飛ぶ。
観衆男4「マンコをビショビショに濡らせば滑るように進むぞ。いつでもクリを摘まんでやるから声をかけろよ~!」
観衆男5「いけねえ、俺、もうビンビンになっちまってる」
13個目のコブを咥えこんだアリサは意外な行動をとった。
コブを咥えると自ら腰を振り、陰部のかゆみを和らげようとしたのだ。
アリサ「ううっ……あああっ……かゆいよぉ……我慢できないよおおおお……」
マリーズも同様にコブを陰裂に埋没させ激しく腰を振り出した。
マリーズ「あぁ、気持ちいい……あああ~~~……」
アリサとマリーズは観衆の前だと言うことも忘れ一心不乱に腰を振りつづけた。
媚薬のせいか、明らかにアリサに変化が見られた。
眉を顰め顎を上げ、痒みに耐えている様子がうかがえる。
シャム「アリサはまるで顔面騎乗の最中みたいに首を振っているけど、ちょっと心配だな……」
イヴ「例えがエロ過ぎるわ……思わずシャムの顔に跨っているアリサちゃんの姿を思い浮かべたよ。アリサちゃんは我慢強い子だからきっとだいじょうぶだよ」
シャム「痒みを抑える方法はないのか?」
イヴ「アソコを縄に擦りつけて耐えるしかないと思うわ、可哀そうだけど……」
アリサとマリーズが押し寄せる痒みに悪戦苦闘しているさなか 彼女たちに大きく差を開けられていたエマニュエルが後方からやってきて、驚くべき行動をとった。
何と自身の着衣の一部を裂き、その端切れ布を11個目のコブに被せ、陰部に直接触れることを防ぐと、苦もなく一気に渡り切ってしまった。
そしてアリサとマリーズを尻目にスイスイと先頭に躍り出てしまったのだった。
チルチル「あんなのずるいよ。神様は不正を見ていないのでピョン?♫」
エンポリオ「神様が見てるかどうか知らないけど、審判はちゃんと見ているさ」
まもなく審判が鐘を鳴らし、エマニュエルに退場を命じた。
姑息な手段を用いたエマニュエルが失格となり、残るアリサとマリーの一騎打ちとなった。
2人は終盤まで熾烈な争いを繰り返し、横並びのまま残り1メートル少々の地点まで縺れ込んだ。
アリサ「残るコブはあと1個だけだわ。最後の1個を越えたらいよいよゴールだわああああ」
と思って、アリサが下の方に視線を移して驚愕した。
アリサ「う……そ……」
最後のコブがこれまでの物より格段大きいのだ。
アリサ「ぎょぎょっ、2倍以上あるかもお……」
コブが大きいと、陰裂に食い込んだ後、そこから抜け出すのに一苦労するだろう。
それにコブを越える際、どうしてもクリトリスが擦れてしまうので、挑戦者にとっては厳しい試練となる。
だけどコブを避けて通ることはできない。
隣のレーンのマリーズもかなり苦心しているようだが、乗り越える機会をうかがっている。
このままだとマリーズに先を越されるかもしれない。
アリサは覚悟を決めるとつま先で地面を蹴った。
柔肉の割れ目にコブ縄が食い込む。
アリサ「ひぃいいいい!」
チンヒールやセックスとはまったく違う無機質な挿入感がアリサに襲った。
ところが……
アリサ「え~いいいいっ!」
そのままコブ上に腰を据えることなく、持ち前の跳躍力を生かしすぐさまコブから脱出したアリサは残りの1メートルを一気に渡り切った。
観客席からは司会者の声が聞こえないほどの歓声が沸き起こり、会場が大喝采の渦に包まれた。
司会者「優勝はアリサさんです! おめでとうございます! 皆様、もう一度温かい拍手をお願いします!」
再び大きな拍手が沸き起こる。
女性の係員がやってきてアリサの腰に布をくるりと巻いた。
アリサ「えへへ」
半裸であったことを思い出し、照れ笑いを浮かべるアリサ。
司会者「そして2位は……あれ? アリサさんと接戦を繰り広げていたマリーズさんはまだゴール手前ですね」
隣のレーンのマリーズは最終のコブから脱出できず四苦八苦している。
アリサがすぐにマリーズの元に駆け寄り手を差し出す。
マリーズ「まあ、ありがとう」
マリーズは表情を和ませ、アリサの手を借りゴールまで到達する。
司会者「マリーズさん、自力で渡り切らなかったので、残念ですが失格になりますね」
アリサ「ちょっとぐらい大目に見てよ、ねえ、司会者さんんんん」
アリサはウィンクをしてみせた。
司会者「しかし一応ルールですから」
アリサ「マリーズさんを失格にするなら、私の優勝も辞退するわああああ」
司会者「それは困ります。優勝者なしにしてしまったら私は首になります」
アリサ「それなら、優勝は私で、2位はマリーズさんでいいじゃないの? ねえ、会場の皆さん?」
アリサの問いかけに対し会場から一段と大きな歓声と拍手が沸き起こった。
観客あってのイベントである。主催者側は協議のすえ、優勝アリサ、2位マリーズと決定した。
司会者「アリサさん、あなたには負けましたよ」
司会者は苦笑いを浮かべた。
司会者「第2ラウンド優勝! ネコミミ・アリサ選手!」
リョマ「アリサさん、おめでとうございます!」
マリア「がんばりましたね、アリサさん、早く痒みの治療をしないといけませんね」
エンポリオ「アソコの痒みの治療ってどんなことをするのだろう? しっかりと見学しなければ」
ウチャギーナ「男の人は見なくていいの」
司会者「優勝したアリサ選手には、2回連続攻撃ができる『はやぶさの爪』を贈呈します! そして2位のマリーズ選手には『はやぶさの巫女服』を贈呈します! おふたりに盛大な拍手をお送りください!」
ワ~イ! ワ~イ! パチパチパチパチ!
観客席から割れんばかりの拍手が送られた。
アリサは『はやぶさの爪』をゲットした! アリサは『はやぶさの爪』を装備した!
アリサの攻撃力と速度が10上がった!
マリーズ「アリサさん、優勝おめでとう! あなたが主催者に掛け合ってくれたおかげで2位になれたわ。ありがとう! でもね、私は美容師なので『はやぶさの巫女服』は要らないの。もしよかったらもらってくれない?」
アリサ「え? いいの? 喜んでいただくわ。でも只でもらうわけにはいかないので、せめて1,000G支払わせて?」
マリーズ「お金は要らないわ。その代わり時間のある時私のお店に来てくれない? ベルデンヴァーレで『ケープ』という小さな美容室を営んでいるの」
アリサ「分かったわ。いつになるか約束できないけどきっと行くわ」
マリーズ「第3ラウンドも、あなたの友達が挑戦するのね? 勝利を祈っているわ!」
アリサ「ありがとう、マリーズさん! お店にきっと行くからああああ!」
⚔⚔⚔
司会者「只今から第3ラウンドを始めます。第3ラウンドは『2人マント』です。挑戦者は男女がペアとなって他のペアと競い合ってもらいます。内容を簡単にいうと“セックスしながらのパン食い競争”です。
男女は背面座位(女性は男性に後ろから抱っこされるような体勢)でセックスしながら、女性はパンを召し上がっていただきます。最も早く男性が射精するまでに女性がパンを食べ終わったチームが優勝となります」
司会者が競技内容を説明すると、会場は大歓声に包まれた。
観客「これは面白い! 説明はいいから早く競技をやれ~!」
司会者「皆さん、ご静粛に。もう少し説明をさせてください。男女が結合しパンを食べるだけなら誰でも簡単にできます。でも競技はそう簡単ではありません。
ここに大きな1枚のマントがあります。このマントを2人で着て、視界を遮られ腕だけを動かせる後ろ側の男性と、視覚が開けて口頭で指示を出すことのできる前側の女性の連係がポイントとなります。
射精とパン完食は審判が確認いたします。賞品は優勝したペアのみに贈られます。では、挑戦者の皆さんをご紹介します」
司会者が3組のペアを紹介した。
巨漢で濃い顎髭の男性とアマゾネス風の女性のチームが両手を挙げた……彼らをワイルドチームと名付けておこう。
小柄でやんちゃそうな男性とちょっとけばめな街娘……彼らをナオティチームと名付けておこう。
そして我らが勇者シャムと武術家メグメグのチーム……彼らをシャムチームと名付けておく。
メグメグ「シャム、こんな破廉恥なことをするって聞いてなかったわ」
シャム「おいらだって詳しく知らなかったもんね~。でも乗り掛かった舟だし、さっさとやって賞品をゲットしようぜ」
メグメグ「怪我をした時のチンヒールならまだしも、まさかこんな大勢の前で恋人でもないシャムとセックスをするなんて、私、絶対に無理だわ」
シャム「アイテムをゲットしたらみんなも喜ぶぞ。今日1日だけおいらの恋人になって思い切りよがってくれ。メグメグがパンを食べている間にそそくさと済ましてしまうから」
メグメグ「アイテムゲットは私も望むところだからがんばるわ。でも観衆の前でいたすのって恥ずかしいなあ……」
司会者「では男性の皆さんは椅子に座ってください。女性の皆さんはパンツを脱いで男性に膝に座って下さい」
シャムたちがぐずぐずしてなかなか準備にかからないので、見るに見かねた司会者が催促してきた。
司会者「あの……準備はよろしいでしょうか?」
シャム「はい、だいじょうぶです」
メグメグ「はい、すぐに脱ぎます」
シャムが椅子に座ると、係員がやってきてシャムに目隠しをし、茶色のマントを着せた。
司会者の「始め」の合図と同時に競技が開始された。
メグメグが係員の指示に従い尻を突き出し、ゆっくりと腰を下ろす。
硬いモノが敏感な箇所に触れた。
メグメグ「はやっ! もう大きくなってる~」
シャム「メグメグの滑らかな肌に触れるだけで、おいらの竿はすぐに元気、元気~!」
メグメグ「もう、シャムったらエッチなんだから……」
シャム「早く填めさせてくれ~ 早く腰をもっと深く下ろせ~」
メグメグ「せっかちな勇者だね」
会話をするだけで、乾いていた花芯がにわかに湿り気を帯びてくる。
背面座位の場合、通常女性は男根の位置を把握しづらいものだが、巧みなシャムのリードのおかげで難なく挿入を果たした。
女体の隅々まで知り尽くしているシャムにとって、目隠しなど何の不便も与えないようだ。
怒張した肉柱がズブリと花芯に埋没する。
メグメグ「はぅん……」
シャム「痛くないか?」
メグメグ「だいじょうぶ」
無事挿入が完了したところで、シャムは後方から肉柱の位置を調節し攻める体勢をとる。
メグメグはできるだけ観衆から見られないように開いた足を閉じて準備を整えた。
『2人マント』には、セックスの他に、後方の男性が前方の女性の口にテーブルの上のパンを上手に運ぶ、というミッションがある。
通常なら手探りですぐに口に運べるのだが、セックスしながらの行動なので容易ではない。
シャムは腰を動かしながら、マントから出している手でパンを掴みメグメグの口に運ぶ。
メグメグ「そこは口じゃないよ……そこは鼻。もう少し下……」
ようやく一齧りを果たすメグメグ。
2口目がメグの口の近くにやって来た。
シャム「いてっ! 指を齧ったな? この!」
次の瞬間、深い挿入が花芯の奥を襲った。
メグメグ「きゃっ! あぁん……強すぎるよぉ……」
閉じていたはずのメグメグの膝が無意識のうちにゆっくりと開いていく。
観衆の目はメグメグの股間に釘付けになっている。
観衆男1「おおっ! いいぞ! もっと拡げろ!」
観衆男2「距離があるけど、薄っすらと結合しているのが見えるぞ! おお、これは堪らん!」
世界広しといえども、パンを食べながらセックスする男女はそう多くはいないだろう。
それが今、白昼堂々と3組の男女が繰り広げているのだ。
興奮した観衆は手をたたき、やんややんやと喝采を浴びせている。
ただし容易にパンを食べられるわけではない。
食べようとメグメグが口を開けても、タイミングよくパンが運ばれてくるわけではない。
何しろシャムには見えていないので、パンをとんでもないところに持って行ってメグメグを慌てさせる。
メグメグ「そ、そこは鼻だって!……違う、そこは首!」
観客からすれば2人マントを観覧するのは楽しい娯楽だが、挑戦者としてはパン摂食と性交という全く異質の行動を同時に行わねばならずこれが結構大変なのだ。
M字で大きく開いた足の間にはシャムの太い肉柱がしっかりと填め込まれ、もどかしく揺れている。
メグメグがパンを食べようとすると、下からの快感に遮られ気持ちが集中できずうまく食すことができない。
メグメグ「シャム、せめてパンを食べる瞬間だけでいいから、腰の動きを止めてくれない?」
シャム「それはいいけど、メグメグの食べるところが見えないから、動きを止めるタイミングが難しいんだ」
メグメグ「じゃあこうしない? 止めて欲しい瞬間だけお尻を2回横に振るわ」
シャム「分かった。やってみよう」
メグメグがシャムの運んだパンをパクリと口に入れると、モグモグしながら尻を横に2回振った。
腰振りを確認したシャムが自身の腰を上下動させた。
肉柱が花芯奥深くに食いこみ数回律動を繰り返すと、悩ましい声がメグメグの口から漏れた。
メグメグ「あぁん、あぁん……そのリズムちょうど……あぁ……いい感じかも」
シャム「メグメグは、上の口と下の口、揃って忙しくなってきたな~。ははははは~」
メグメグ「笑ってる余裕なんてないと思うわ。他の2組、パンが半分になってるわ」
シャム「それじゃおいらたちもがんばろう! メグメグがパンを食べるペースを教えてくれる?」
メグメグ「シャムが下のお口を7回突いたら、上のお口にパンを放り込んでくれる?」
シャム「つまり8拍子ってことだな?」
メグメグ「ああん……そういうこと」
シャム「パンが最後の一切れになったら合図してくれ。射精するから」
メグメグ「そんなにうまく出せるの?」
シャム「おお、チンヒール用にいつでも出せるように鍛えている!」
メグメグ「何と頼もしいこと。仲間の女の子たちがシャムを慕っているの理由が分かった気がする」
シャム「つべこべ言ってないで、パン食いとセックスに気を入れてくれ」
メグメグ「分かったわ!」
1、2、3、4、5、6、7、ハチッ!
ピストンを7回繰り返し、8回目にパンに食らいつく。
2人の呼吸はピッタリ合ってきた。
序盤は他の組より遅れていたが、次第に追いつきまもなく並んだ。
シャムたちの左側には巨漢男とアマゾネスのワイルドチームががんばっている。
ただしアマゾネスがパンに食らいつくペースは速いのだが、ピストン中に肉柱が抜けてしまったりしてかなり手間取っている。巨漢の髭男は性欲は盛んなようだが器用さに欠けるようだ。
アマゾネス女「あなた、しっかりしなさいよ。もうすぐパンを食べ終わるのに、あっちがいつものパワーがないじゃないの……どうして?」
巨漢男「俺は人が見ている前は苦手なんだよ」
もう一方、右側にはチンピラ風男と派手な街娘のナオティチームもがんばっている。
ワイルドチームと真逆で、チンピラ風男はいまにも発射しそうなほど上気しているのだが、派手街娘のパン食いがかなり下手でいまだに沢山残している。
チンピラ男「おお、おおっ、俺、もうイキそうだぜ!」
派手街娘「ちょっとちょっと、勝手にイかないでよ! もっとパンを食べさせることに気持ちを注いでよ~。全然口の所にパンが来ないんだもの」
シャム「両組とも手間取っているぞ。メグメグ、パンはどのくらい食べた?」
メグメグ「あぁっ、あっ……気持ち良すぎて……まともに返事ができないわ……パンは……あぁんっ……3分の2を食べたわ……」
シャム「あと2口で食べられそうだな。それじゃパンがなくなくなったら尻を3回振って。すぐに射精するから」
メグメグ「あんあん……分かった。あぁん……気持ちが良くて歯がガクガクしてうまく嚙み合わないよぉ……」
シャム「今は上の口に神経を集中するんだ、下の口のことはしばらく忘れろ」
メグメグ「あぁん……そんな無茶な、でもそうする……」
ズンズンズン……
シャムの律動はつづく。
シャムは7回突いたあと、パンをうまくメグメグの口に運んできた。
メグメグは口をあんぐりと開けるとパンに齧りつく。
モグモグモグ……
再びピストンがメグメグを快感に導く。
だけど快感をぐっとこらえて7回目のパンの到来を待つ。
4、5、6……と律動を数えるメグメグ。
残りがわずかにになったパンがやって来た。
上手に食べないとシャムの指を齧ってしまう。
注意しながら最後のパンの切れ端を口に放り込んだ。
モグモグモグ……
メグメグは尻で3回の合図を送った。
次の刹那、シャムはパンがなくなり空いた手をメグメグの股間に回した。
クリトリスをやさしく高速で擦り始める。
メグメグ(何、この感覚……)
声に出せないほどだ。
身体が、初めての快感に襲われる。
すぐさま律動が速くなった。
ズンズンズン! ズンズンズン!
メグメグ「あぁぁ、すごくイイ…」
背後から尻を掴むシャムの両手が、溶けそうに馴染む。
うなじに熱いキスが心地よくメグメグを蕩けさせる。
肉柱がメグメグの中で一回り大きくなった。
クリトリスの快感とは、全く違う。
奥の快感はもっと強烈だ。
その奥のさらに奥に、いまだかつて経験したことがない桃源郷が潜んでいる。
それは熱く、切なく、甘いもの。
メグメグ「あぁぁ、シャ……シャム……」
その奥で、果汁がほとばしるように、温かい光が広がる。
シャムが背後からぐったりと体重を預けてくる。
シャム「いっしょにイッたな」
メグメグ「うん、すごくよかった……」
2人がまどろんでいると、大喝采とともに司会者のアナウンスが聞こえてきた。
司会者「優勝はシャムさんとメグメグさんです! おめでとうございます! お二人にもう一度温かい拍手をお願いします!」
会場は大きな拍手に包まれた。
観衆男「2人のセックス最高だったぞ! 興奮しすぎてこのとおり俺も元気いっぱいだよ!」
観衆女「あんたの元気は別に見たくなんかないよ。引っ込んでて」
司会者「優勝したシャム選手メグメグ選手には、敵の魔法を軽減できる『魔封じの盾』と『流星のムチ』を贈呈します!」
シャムは『魔封じの盾』をゲットした! シャムは『魔封じの盾』を装備した!
シャムの防御力が20上がった!
メグメグは『流星のムチ』をゲットした! メグメグは『流星のムチ』を装備した!
メグメグの攻撃力が10上がった!
シャムがメグメグとハイタッチを交わし、勝利の喜びを分かち合った。
イヴたちが駆け寄り2人を祝福する。
マリア「シャムさん、メグメグさん、優勝おめでとうございます! 呼吸がピッタリ合ってましたよ」
メグメグ「ありがとう。でもそう言われると照れるわ。観衆の前で、2人マントなんてよくできたなあ、と自分でも驚いているの。絶対に賞品をゲットしたいという一心でがんばれたんだと思う。でも優勝できたのはシャムの好リードのお陰だわ」
メグメグは頬を染めながら語った。
イヴ「メグメグ、おめでとう。2人マントを見ててちょっと妬けちゃったわ」
キュー「妬けると言うなら、次に登場する2人には火傷させられちゃうかも知れないよ」
マリア「次はリョマさんとウチャギーナさんの登場ですね。こちらもすごく楽しみです」
シャム「次はどんな競技なんだ?」
キュー「なんでも『エキベン競争』とか言ってたわ。エキベンってなに?」
イヴ「駅馬車の発着所で立ち売り人が売っているランチのことよ。立売り人がランチを詰めた大きな箱を首から下げて、発着所を移動しながら販売しているの。男性が立った状態で女性を抱っこしていたす姿がエキベン売りに似ていることから、その体位を『エキベン』と呼ぶようになったと、ロマンチーノ城にいた頃、司祭から聞いたわ」
ユマ「まあ、女神官にそんな話をぶつけて来るとは、その司祭、どれだけエッチなの。イヴさん、色々とエロいことをされたんじゃないの?」
イヴ「だいじょうぶ、私のこの身は王子様以外に捧げていないわ」
ユマ「王子様って、ここにいるスケベ王子のこと?」
イヴ「そうそう、そのスケベ王子のこと」
シャム「ハ、ハクション! 誰かおいらの噂をしたか?」
イヴ、ユマ「いいえ、誰も何も言ってません」
次の競技に出場するリョマとウチャギーナが司会者から紹介を受け、チルチルとエンポリオは大きな声援を送った。
チルチル「わ~い! リョマとウチャギーナちゃんの登場でピョン♫」
エンポリオ「え~と、今回もチルチルちゃんには刺激が強すぎると思うので、休憩所に行っておやつを食べようか?」
チルチル「私、お子様じゃないもん! もう15だもん!」
エンポリオ「15才って微妙なんだよな……」
チルチル「つべこべ言ってないでエンポリオも応援するでピョン♫」
エンポリオ「はい……」
リョマ「ウチャギーナ、心の準備はできたか?」
ウチャギーナ「うん、だいじょうぶ。私のことより、リョマはすぐに元気になれる?」
リョマ「相手がウチャギーナだよ。顔を見るだけですぐ元気モリモリだよ」
ウチャギーナ「まあ、リョマったら」
まもなく司会者が現れ、第4ラウンドの開始を告げ、さらにルールを説明した。
司会者「第4ラウンドは『エキベン競争』です!」
競技名を聞くと、会場から大きな拍手が沸き起こった。
司会者「挑戦する男女には駅弁スタイルで挿入したまま50メートルを完走していただきます。挿入したまま一番早くゴールインしたペアが優勝です。男女ともに下半身は全部脱いでください」
観客席は一際大きな拍手と歓声に包まれた。
司会者「スタートのドラが鳴ったら、男性は女性を抱えかかえ挿入し50メートルを走ってください。勃起を促すためフェラチオを行なうのは自由です。途中ペニスが外れた場合は再度挿入し直しその地点から走ってください。途中で射精してしまっても支障はありませんが、できるだけ早く再挿入するよう努力してください。もし抜けたまま1メートル以上走った場合は即時失格となります。またアナルへの挿入は失格とします。この競技では膣への挿入が必須条件ですのでくれぐれもご注意ください。
当競技への参加ペアは5組です。上位3ペアに賞品が与えられますので、皆さん、精いっぱいがんばってください! ではスタートです!」
驚いたことに、競技開始とともにリョマはひざまずくと、ウチャギーナの秘所にやさしくくちづけをした。
観衆は、リョマを勃起させるため、ウチャギーナがフェラチオを始まるとばかり思っていたので、出し抜けを食らった形だ。
ウチャギーナ「あぁっ、すごくイイッ……」
まもなくウチャギーナの花芯が濡れそぼり、同時にリョマの肉柱が瞬く間に、赤黒く血管を浮き上がらせて硬く大きく怒張していた。
リョマ「これだけ濡れたらだいじょうぶだね。私のモノも大きくなったよ」
リョマはウチャギーナの腰に手を回し軽々と持ち上げた。
ウチャギーナが宙に浮く。
ウチャギーナ「え……あっ……やんっ……」
ウチャギーナは慌てて両腕をリョマの首に回し、姿勢を保つ。
体位『エキベン』の完成だ。
ウチャギーナの自重によって肉柱がずぶずぶと深く突き刺さり、男性が歩いたり身体を揺することで肉柱と花芯がこすれて快感をもたらす。
男性に体力と筋力が必要な難関体位だが、女性には強い快感と激しい興奮が期待できる。
リョマ「よし、入った。それじゃ今から前に進むよ」
ウチャギーナ「ああ、深い……深く入ってる……そんなに揺すったらぁ……あぁんっ……」
5組のカップルが駅弁で結合している様子は壮観としか言いようがない。
だけど、5組の女性たちの喘ぎ声は観衆の声にかき消されてしまう。
リョマとウチャギーナの組は頭一つリードしているが、ほぼ横一線といっても差支えないだろう。
軽々とウチャギーナを持ち上げ揺さぶるリョマ。
そんなリョマを信頼し、すべてをゆだねるウチャギーナ。
結合部に全体重がかかる。
Gスポットを擦り、子宮口を刺激する。
他の体位では味わえない特有の快感が、早くもウチャギーナを襲う。
ウチャギーナ「あぁっ……! あっ……あっ……いいっ……!」
リョマ「そうそう、その調子。いい締めつけだよ」
ウチャギーナ「あぁん、すごくいい気持ち……私すぐにイッちゃうかも……」
リョマ「イけばいいさ。走りながらイクなんて滅多に味わえないよ」
ウチャギーナ「ああっ……リョマったら……」
ウチャギーナと結合したまま駆け走っても、息を荒げることがない。
そんなリョマの底知れない体力と精力。そして観衆を前にしても決して物怖じしない強い精神力。
まさに竜騎士の鑑といえるだろう。
早くも脱落していくカップルがちらほらと現れた。
右側を走っていたカップルは男性が早々と射精してしまったため、一度中断し再度試みたが思うようにいかず、ついに辞退を申し出た。
また左側のカップルは走り始めるとすぐに抜けてしまうので、何度もチャレンジを繰り返している。
一方、リョマとウチャギーナ組は、身体の相性もよくふたりの呼吸も抜群で、一度も立ち止まることなく着実に歩を進めていく。
⚔⚔⚔
見知らぬオヤジ「ウチャギーナさん、がんばれ!」
シャムたちのそばで、大きな声を張り上げウチャギーナに声援を送っている1人の中年男性がいた。
シャム「ウチャギーナのファンが現れたぞ。誰だ、あの男は?」
イヴ「まあ、あのオヤジさんはポリュラスの道具屋でこのイベントを教えてくれた人よ。確かアルノーと言ってたわ」
アルノーもイヴたちの存在に気付いたようで、近くにやって来た。
アルノー「やあ、あの時のお嬢さんだね?」
イヴ「道具屋ではイベントを教えてくれてありがとう。たっぷりと楽しませてもらってるわ」
アルノー「驚いたよ。あんたの友達にはすごい人がいっぱいいるんだね。おや、あんたは先程の2人マントで優勝した人じゃないか。おめでとう!」
シャム「ありがとう。でもおめでとうと言われると何か照れるな~」
アルノー「それにしてもウチャギーナさんの相方の男性はすごいパワーの人だね! アレを挿し込んだまま軽々と担いであのスピードで走れるんだから。こりゃ優勝間違いなしだね」
チルチル「オヤジさん、ウチャギーナちゃんを応援してくれて嬉しいでピョン♫」
アルノー「あんたたちは大勢仲間がいるんだね」
チルチル「仲良く旅しているでピョン♫」
⚔⚔⚔
リョマとウチャギーナ組は他を圧して現在先頭を走っている。
ウチャギーナ「リョマっ……あうっ……いいわ……」
ウチャギーナにとって駅弁スタイルは鮮烈な体験であった。
初めて感じる浮遊感が、まるで雲の上でセックスをしているようでたまらなく気持ちよい。
それにしてもこんな奇抜な体位でウチャギーナと結合しながら小走りできるリョマのパワーは計り知れない。
いやそれどころかリョマの肉柱はどんどん硬くなってきてる。
ウチャギーナ「リョマっ……なに、この硬さ……すごい!、もう気持ちよすぎ!」
リョマ「この擦れる感触が堪らない! ん……? ウチャギーナ……? もしかしたら……潮吹くのか?」
感極まったウチャギーナが潮を吹き始めた。
やむを得ずリョマはウチャギーナを抱えたまま肉柱を引き抜いた。
抜くと同時に潮が大量噴射してリョマにかけてしまう。
ウチャギーナ「恥ずかしい……大勢の人が見ている前でこんな粗相を……」
リョマ「恥ずかしいことなんかあるものか」
リョマは立ち止まって抱きしめたままウチャギーナに熱いキスをした。
観客席からは歓声と拍手に混じって指笛まで沸き起こる。
リョマ「こんなにぶっかけられたら、逆に興奮するじゃないか」
ウチャギーナ「ごめんね……」
ウチャギーナは悪戯っぽく舌をぺろりと出した。
やさしく背中をさすっていたリョマだったが、その間に他の組が追い越していったのを見たリョマが再び肉柱を挿入した。
ウチャギーナ「すごっ……抜いていたのに、全然萎えてないじゃないの?」
リョマ「だってかわいいウチャギーナを前にして萎えるなんてあり得ない」
ウチャギーナ「まあ、嬉しいことを……」
リョマ「さあ、行くぞ!」
ウチャギーナ「うん! 負けられないからね!」
挿入したまま駆ける様はまるで竜神のごとし。
抜いていった4組を瞬く間に抜き返し先頭に躍り出るリョマたち。
そして決勝ラインを1位で通過した。
盛大な拍手とともに司会者のアナウンスが2人の耳に飛び込んできた。
司会者「優勝はリョマさんとウチャギーナさんです! おめでとうございます! 優勝したリョマさんとウチャギーナさんには、『聖騎士の盾』と『虹のローブ』を贈呈します!」
リョマは『聖騎士の盾』をゲットした! リョマは『聖騎士の盾』を装備した!
リョマの防御力が20上がった!
ウチャギーナは『虹のローブ』をゲットした! ウチャギーナは『虹のローブ』を装備した!
ウチャギーナの攻撃力が5上がった! ウチャギーナの防御力が5上がった!
ウチャギーナの魔力が5上がった! ウチャギーナの魔力防御力が5上がった!
ウチャギーナの速度が5上がった! ウチャギーナの敏捷性が5上がった!
ウチャギーナの魅力が5上がった!
アリサ「わあ、すごっ! ウチャギーナちゃん、ステータスが7種類上がった!」
キュー「虹のローブってすごいね!」
マリア「まあ、魅力も上がるのですね。ウチャギーナさん、すでに魅力たっぷりなのに羨ましいですわ」
イヴ「魔物たちを滅ぼしたあかつきには……」
キュー「?」
アリサ「……にゃ?」
マリア「イヴさん、急にどうしたのですか?」
イヴ「魅力を増やす旅に出たいわ」
マリア「イヴさんはもう十分に魅力をお持ちですわ。おほほほ」
最後の競技は乗馬関連だ。
シャムチームからはユマが参加することになっている。
ユマ「ああ、胸が……。イヴさん、私と代わってくれない? 競技が近づくにつれ胸が痛くなってきた……」
イヴ「今さら何を言ってるの。乗馬ならユマさんを置いて他にいないじゃないの」
ユマ「イヴさんも乗馬が上手いって聞いているよ。シャムの上でときどき腰を振っているじゃないの」
イヴ「ユマさんったら~。乗馬とチンヒールをいっしょにしないでよ。つまらないことを言ってないで、さあ行った行った」
イヴは参加を渋るユマの背中を押し、競技に送り出した。
司会者「さて皆様、大変名残惜しいですが、ついに最終ラウンドとを迎えることとなりました! 最終ラウンドは『キノコ乗馬競争』です!」
耳慣れない競争名のせいか、初めは観客の反応が薄かったが、司会者が説明を始めると大きな拍手と喝采が沸き起こった。
司会者「5人の挑戦者の皆様はいずれも乗馬に長けた方ばかりだと聞いています。しかし!」
観客は耳を澄まして司会者の次の言葉に耳を傾けている。
司会者「本日使用するキノコは、食用や薬品として使用するキノコとは違い、大変めずらしい物です。ゴムの木に寄生するところから『ヤドリギキノコ』と言います。このヤドリギキノコをすでに馬の鞍に取り付けておりますので、挑戦者の皆様はしっかりとヤドリギキノコをしっかりと膣に填めて200メートルの距離を走っていただきます。ヤドリギキノコは適度な硬さと弾力性に富んでいるため、きっと挑戦者の皆様もご満足いただけると思います。途中で抜けてしまうと最初から走ってもらいますので、どうかご注意ください」
ユマ「じょ、冗談じゃないわ。乗馬だと聞いていたから参加したのに、それじゃ約束が違うわ」
挑戦者A「そのとおりよ、そんな恥ずかしいことできないわ!」
挑戦者B「人前でキノコを填めて乗馬するなんて酷すぎるわ」
司会者「無理なようでしたらいつでもご辞退ください。参加はあくまで任意ですので」
挑戦者C「わ……私は参加するわ……」
挑戦者D「私もがんばってみるわ。だって賞品が欲しいもの」
司会者「他の3人の皆様はどうなさいますか?」
司会者はユマたちに尋ねた。
ユマは彼女たちの後方に飾られているアイテムを見つめた。
おそらく優勝者に贈呈されると思われる豪華な賞品。
ユマ(あれは薔薇の騎士の紋章……遥か昔、薔薇の騎士が魔王を破ったときに使用したとされる伝承の剣『エンハンスソード』。絶対に欲しい……)
ユマ「1つだけ教えてくれませんか?」
司会者「何でしょうか?」
ユマ「もし優勝したらあの剣をいただけるでしょうか?」
司会者「あの剣が気になりますか? なかなかお目が高いですね。かなり有名な剣だと聞いております。今回イベントの最大の目玉と言っても過言ではないでしょう。優勝されましたらあの剣を贈呈いたします! いかがですか? 『キノコ乗馬競争』に挑戦されますか?」
ユマの決断は早かった。
ユマ「参加します。ただし目に黒いマスクを着けますが、承諾してもらえますか?」
他国とはいえ王女であるユマの顔を知る者はおそらくいないだろうが、やはり顔を晒すことは控えたい。
たとえ目だけでもマスクを着けておけば観衆から顔が識別できないはずだ。
司会者「もちろん構いませんよ」
ユマは手持ちのマスカレードマスクを目元に付けた。
結局ユマを含め挑戦者は4人となった。
司会者「観衆の皆様、大変お待たせしました! 只今から最終ラウンド『キノコ乗馬競争』を開始します! 挑戦者は馬に乗り200メートルを走っていただきます。ただし鞍の上部にはヤドリギキノコを取り付けていますので、かなり挑戦者を悩ませると思います。どう悩ませるのかですって? それはご覧になってのお楽しみです。優勝者には豪華な剣が、準優勝者には青いキノコが100本贈呈されます。では挑戦者の皆様はスタート位置に並んでください」
⚔⚔⚔
観客席から大歓声と拍手が沸き起こった。
4人の挑戦者が馬の近くに現れる。
いずれも下半身に衣類は見当たらない。
恥ずかしさのせいで顔は心なしか紅いが、真剣な眼差しで自身が騎乗する馬を見上げている。
ユマが乗る馬は美しい黒鹿毛だ。
馬の左肩に近付き、やさしく声をかける。
馬が落ち着いたのを見届けると、首の辺りをそっとてのひらで撫でてみる。
ユマ(相性がよさそうだわ。きっと私を好きになってくれるはず)
ユマは馬の左肩横に立った。
左手で手綱と馬のたてがみをつかむ。
左足を鐙(あぶみ)にかけた。
右足で地面を蹴ると同時に、右手で鞍の後橋をつかみ身体を持ち上げる。
右手を前橋へ移し身体を支える。
そっと鞍へ座ろうとしたとき、ニョキッとそそり立ったヤドリギキノコが視界に飛び込んできた。
一旦ヤドリギキノコから視線を逸らし、とりあえず右足も鐙へかけることにした。
ユマ「嫌だなあ……こんなキノコに乗らないといけないとは……」
ヤドリギキノコの長さは10センチメートル程度とかなり短めだが、濡れていない膣とキノコの摩擦による痛みは性経験の浅いユマであっても容易に想像が付いた。
ユマ(見れば見るほど男性のアレにそっくりだわ……シャムの半分にも満たない長さだけど、こんなモノを挿し込んで乗馬したら私はどうなるの……)
ためらう反面、ヤドリギキノコを挿入すると一体どうなってしまうのか、と強い好奇心が芽生えていることも事実であった。
ふと考えるだけで、花芯の奥深くからねっとりとした愛液が溢れてきた。
ユマ(あれを挿れたら、すごく気持ちいいかもしれない……)
スタートの号令がかかった。
ユマは覚悟を決めて、ゆっくりと花芯にヤドリギキノコを収めていく。
意外なことにジュワッとキノコから粘液が滲み出した。
絶え間なく滲み出す粘液で充分に潤った膣道は、太いキノコでも難なく呑み込んでゆく。
キノコの挿入を見届けた観衆から歓喜の大喝采が巻き起こる。
5人の挑戦者は美女揃いだが、注目はユマに注がれているようだ。
もしかしたらムーンサルト国の姫君であることがいつの間にか知れ渡っているのかもしれない。
ユマはぐっと腰を落としてキノコを奥深くまでしっかりと咥え込んだ。
キノコは短いので外部からは見えない。
ユマ「はぁっ……あぁん……」
キノコを咥え込み、膣道が擦れる快感に身体をのけぞらせながらも、手綱を握ってバランスを取ろうとするユマ。
身体を少し動かしただけでも馬上でグリグリと膣を責められ、身悶えしそうになっている。
まもなくユマが騎乗している馬が加速した。
ユマ「んんっ……ひぁっ……はうぅっ……」
馬が加速すれば当然馬体が上下し、ユマに突き刺さっているキノコの動きも激しくなってくる。
花芯を小刻みに上下動するキノコ。
ユマ「うぐっ……これ……かなりきつい……かもっ……はぅん……ああっ……」
想像をはるかに上回る快感に、まもなく絶頂が襲ってくることを予測したユマは、気を散らすため、手綱をしっかりと握りしめ競技だけに集中し刺激に耐えようとした。
ユマ「ああっ……もう無理……!」
ズボズボと花芯を突かれながらも、何とか姿勢を正して平静を装う。
ユマ「せめて下半身を隠せていたら……」
これはまるで羞恥責めではないか。
今更ながら快く競技参加を了承したことを悔やんでみるがもう遅い。
ユマの心情も知らず、観衆は卑猥な言葉を発し大いに盛り上がっている。
強い刺激により今にもイキそうな状態で注目を浴びることの辛さ。
羞恥心で顔面真っ赤になっている。
早く競技を終えて観衆の前から消えてしまいたい。
そう願うユマであった。
ユマの苦しい心情とは反対に、限界を超えた羞恥心は大きな快感に変わり、ゾクゾクと絶頂の波が押し寄せて来た。
ユマ(ダメッ……も、もう限界……我慢できない……! イ、イッちゃうっ……!)
ついに人目をはばかることなく、馬上でガクガクと大きく身体を震わせ、深い絶頂を迎えてしまうユマ。
あまりの快感に気を失いそうになるが、止めどなく襲いくる膣道への突き上げにより、再び現実へと引き戻される。
ユマ(はぁんっ、だ、ダメ……いやっ……!)
一度達してしまい鋭敏となった肉体は、連続して与えられる刺激に全く耐えることができず、すぐに次の絶頂を迎えてしまう。
その後も絶頂を続けるユマは、もはや馬上で平静を保っていることができず、大きく身悶えを始めてしまった。
観衆A「これは目の保養になるね~!」
観衆B「馬の上でイク女を見るのは初めてだからな!」
観衆C「女の私が見ても妖艶でいいわね」
好き勝手なことをのたまう見物人たち。
ユマとともに競技に臨んだ他の4人の女性もほぼ大同小異であった。
よがり狂ってコースから逸れてしまった女性。
立ち止まり馬上で悶絶する女性。
下馬し地面に伏してしまった女性。
唯一、騎馬族らしき女性が黒髪をなびかせユマよりも少し前を進んでいる。
ユマ「敵はあの女性だけね。負けないわ!」
後方から迫りくるユマに気付いたようだ。
サラーナ「私には勝てないわ! 諦めた方がいいよ!」
ユマ「おあいにくね! こう見えてもしつこい性格なもので!」
サラーナ「私は騎馬族の女よ! 乗馬で私に勝つのは絶対に無理だよ!」
ユマ「私も国内の乗馬大会で優勝したことがあるの! 勝利は私がいただくは!」
ユマの馬はサラーナの馬に並んだ。
残りはあと50メートルだ。
2頭のデッドヒートに観衆が大盛り上がりしている。
観衆D「俺はあの黒髪の女が勝つと思うが、おまえはどう思う?」
観衆E「俺はあの金髪のおねえちゃんが好みだな! 金髪がんばれ~!」
会場が大盛り上がりのままゴールが見えてきた。
サラーナ「私は優勝しなければならないの! あなたに負けるわけにはいかないの!」
ユマ「私だってあの『エンハンスソード』は絶対に欲しいもの!」
サラーナとユマは快感に震えながらも懸命に馬に鞭をふるった。
まるで残りの他馬など最初からいなかったように。
サラーナ「もっと走って、もっと速く走って!」
ユマ「がんばって! 黒鹿毛!」
追い比べになり2人は鞭をふるい続けた。
ユマ「あんあん~、困ったわ……キノコが気になって乗馬に気持ちが集中できないわ……でもがんばらなければ!」
サラーナ「はふぅ~……このキノコどうしてこんなの気持ちいいのかしら……でもあの子には絶対に負けないわ!」
ヤドリギキノコは、弾力性のあるシリコンゴムのような感触を有するため、勃起時の男根と酷似しているといっても過言ではない。
そのため彼女たちは、あたかも乗馬とセックスを同時に行っているような奇妙な感覚に陥っていた。
“絶対勝つ”という強い意志がなければ、彼女たちの理性はすでに砕け散り、早々に下馬していたであろう。
ユマとサラーナの敵は、もはや互いではなく、女性を高揚させるヤドリギキノコであった。
ゴールが目前に迫って来た。
加速するユマとサラーナ。
2人の馬は横一線に並んでいる。
ユマ「絶対に勝つ!」
サラーナ「勝つのは私よ!」
伸びる2頭。
そのまま2頭はゴールに駆け抜けた。
観衆が湧きに沸いたのはいうまでもないが、焦点はただ一つ。
『どっちが勝った?』
鞍上の2人には、どちらが先着したか分からないほどの激しい攻防だった。
スピードを落とし、ゴールを過ぎてようやく2人は馬を止めた。
サラーナ「はぁはぁはぁ……お馬さん、よく走ってくれたね。ありがとう」
サラーナは馬のたてがみを撫でながら、ちらりとユマに視線を走らせた。
ユマ「ふぅふぅふぅ……おつかれさま……がんばってくれたね、私のお馬さん……」
ユマは手を伸ばし馬の頭を二度三度さすりながら、サラーナを見つめ微笑を浮かべた。
サラーナは合わせずすぐに目を逸らした。
観衆からは分からないほど勝敗は微妙だった。
ゴール附近の3人の審判が旗を振った。
審判A「ユマさんの勝利!」
審判B「サラーナさんの勝利!」
残る審判の判定に注目が集まる。
審判C「ユマさんの勝利!」
地鳴りにも似た大歓声が湧き上がった。
司会者「優勝はユマさんに確定しました! おめでとうございます! ユマさんには伝説の剣『エンハンスソード』を審判長から贈呈いたします! 会場の皆様、ユマさんに温かい拍手をお送りください!」
審判長「ユマさん、優勝おめでとうございます!」
審判長がユマに『エンハンスソード』を贈呈しようと差し出したその瞬間、黒い人影が現れ『エンハンスソード』を奪い取ってしまった。
呆然として立ち尽くす審判長と、怒り心頭のユマ。
ユマ「泥棒~~~っ! その剣は私がもらったものよ! 返して~!」
追いかけるユマだが、黒い人影はかなり足が速く容易に追い付けない。
観衆が途切れて人気のない方向に逃げていく黒い人影。
仲間たちが追いかけ始めたが、最も早く反応したのがシャムだった。
防具を預かり所に預けて見物していたので、なにしろ身が軽い。
逃げる黒い影。
追いかけるシャム。身軽なシャムは驚くほど足が速い。
黒い影が柵に繋いでいた馬に手がかかった瞬間を、シャムは逃がさなかった。
シャム「待てっ! この泥棒野郎が!」
黒い影の足首を掴み、馬から引きずり下ろす。
黒い影は馬からずり落ち、地面に倒れ込んだ瞬間を狙って飛び乗るシャム。
一発、二発と顔面にパンチを浴びせる。
黒い影も負けじと必死に抵抗する。
取っ組み合いの最中、黒い影の顔を間近で見たシャムは一瞬驚いた。
それもそのはず、黒い影は若い男性で、驚くべき美丈夫だったのだ。
シャム「へ~、かなりのイケメンじゃないか。そんなきれいな顔して泥棒とはなあ、世の中分からないものだな~」
若い男「ふん、おまえに私の何が分かる!? ええい、放せ!」
シャム「放さないよ、せっかくおいらの仲間が優勝して剣をいただいたというのに、それを横取りするとはあんまりじゃないか。えっ、分かってるのか!?」
またもや殴り始めたので、背後からリョマとエンポリオが止めに入った。
リョマ「シャムさん、もうそのくらいでいいでしょう。捕らえられた瞬間、剣を抜くことができたにもかかわらず剣を抜きませんでしたし」
エンポリオ「でも泥棒は許せないよ。地元の警察隊に突き出しましょう」
その時、先程競技を終えたばかりのサラーナが泣きながら飛び込んできた。
サラーナ「お願いです! どうか兄を許してやってください!」
若い男「サラーナ……」
シャム「なに? 2人は兄妹だったのか……?」
サラーナ「はい、この者は私の兄でドルジと申します。事情があってどうしても『エンハンスソード』が必要だったのです」
ユマ「どんな事情か、もし許せるなら話してくれますか?」
サラーナ「はい、もちろんお話しますが、その前に兄がユマ様から大切な剣を奪ったこと、深く陳謝いたします。司会者の方、観客の皆様、お騒がせして申し訳ございませんでした」
ドルジ「私からもお詫びいたします。ユマさん、シャムさん、剣を奪ったことどうか許してください。ここでは何ですし、もしよろしければ、この会場の外に設営されているカフェに行ってお話しませんか?」
シャム「そういえば取っ組み合いをしたので喉が渇いたなあ」
ドルジ「私もです。よい運動をさせてもらいました。ははははは~」
シャム「殴られたのによく笑ってられるなあ。あんた、器が大きいなあ」
ドルジ「いいえ、悪いのは私の方ですから」
シャムたちがドルジ兄妹とカフェに向かう途中、笑顔のアルノーが現れた。
アルノー「皆さん、おめでとう! すごいね! 全イベント優勝とは驚いたよ! 大いに興奮させてもらったよ!」
ウチャギーナ「アルノーさん、応援してくれてありがとう! でも興奮って……私の駅弁競争も見たのね? やだ~、恥ずかしい……」
ウチャギーノは顔を赤らめた。
道具屋で一言二言会話を交わしただけだが、顔見知りの男性にあられもない姿を見られるのは恥ずかしいものだ。
アルノー「そんなに照れなくてもいいよ。あくまで競技だからね。それにしても皆さんのすばらしい能力にはぶったまげたよ! 今からお茶するのであればぜひご馳走させてよ」
ウチャギーナ「うちの上司にちょっと聞いてみるね。イヴさ~ん、アルノーさんがお茶を奢りたいって。いっしょにいいかな?」
イヴ「誰が上司やねん! って声を荒げるのも大人げないか。アルノーさんは私たちを応援してくれてたしね。うん、いいよ」
⚔⚔⚔
ドルジはシャムたちが席に着くのを見届けると、申し訳なさそうに話を切り出した。
ドルジ「優勝賞品の『エンハンスソード』を奪ったことを、改めてお詫びします」
ユマ「もう謝らないで。それより、なぜ『エンハンスソード』が必要だったのかを教えて」
ドルジ「デスワームを倒すために必要なのです」
ユマ「デスワーム? もしかしたら砂漠に生息しているといわれているあの伝説の怪物のこと!?」
サラーナ「そうです。このベルデン砂漠に棲んでいます」
メグメグ「聞いたことがあるわ。滅多に出現しないけど、運悪く遭遇してしまったら最期だと……」
シャム「でもどうしてそんな危険なヤツをわざわざ倒したいのだ?」
ドルジ「『デスワームの角』が必要だからです」
リョマ「それは意外ですね」
ドルジの奇妙な解答にリョマは驚いた様子だ。
リョマ「ちなみに『エンハンスソード』以外だとデスワームを倒せないのですか?」
ドルジ「デスワームの皮膚は岩のように硬いといわれています。そのため他の剣だと、いくら達人でも4~5回のダメージを与えなければなりません。その分、デスワームから反撃を受ける確率が上がることになります。また、魔法で多少のダメージを与えることができるようですが、時間がかかる分リスクも高まります。つまり、一発で仕留めることのできる『エンハンスソード』が最適だということになるのです」
イヴ「そこまでは分かりました。では『デスワームの角』は何のために必要なのですか?」
イヴが核心を突いてきた。
ドルジは射抜くような鋭い瞳をイヴに返した。
ドルジ「よくぞ聞いてくれました。話は遠い昔にさかのぼります」
ドルジが語ったことは恐るべき騎馬民族の伝説であった。
ちなみにドルジとサラーナは騎馬民族の末裔にあたるという。
かつて彼らの祖先がマルセル国のシモーヌ将軍を処刑したことから忌まわしい歴史が始まった。
小心者のマルセル国王3世は領土内で遊牧を生業とする騎馬民族を快く思っていなかった。
騎馬民族は道徳心が強くとても大人しい民であった。
そんな彼らに対してマルセル国王は、配下のシモーヌ将軍に命じて、「騎馬民族は盗賊である」と吹聴するよう指示を行なった。
シモーヌ将軍は国王に指示されたとおり街中に悪い噂を流布した。
街人から白い眼で見られるようになったため、騎馬民族の隊長は国王に「私たちは盗賊ではない。悪いことは絶対にしていない」と弁明を行なったが聞き入れてもらえず、そればかりか、騎馬民族隊長を投獄しすぐに処刑してしまった。
これに怒った騎馬民族族長(ドルジたちの祖先)は兵力の差は圧倒的に不利だが、城攻めを行なうことを決意した。
騎馬民族の不穏な空気を察知したシモーヌ将軍は先手を打った。
騎馬民族が攻めてくる前に大軍勢を差し向け彼らを殲滅しようと企てたのだった。
だが騎馬民族も一策を講じ、これがまんまと成功をおさめた。
大軍勢が途中の谷に差し掛かった時、間道に雨のように矢が降り注がれた。
多くの兵が命を落としたものの、シモーヌ将軍は命からがら流矢を潜り抜け騎馬民族の駐屯地にたどり着いたが、木の上から網が投下され将軍は生け捕りにされてしまった。
その後、騎馬民族の駐屯地においてシモーヌ将軍は処刑されたが、埋葬されることなく山野に放置された。彼の肉体は朽ち果てたが、地獄に落ちることはなく、現世で不死者(リッチ)として生き永らえたという。リッチと化した彼は地上界に復讐することを誓い、魔界に君臨する魔王ルシファーをも凌駕する力で無数のアンデッドを率い、地上界を征服したのち魔界に攻め入ることを画策する。
以上がドルジの語った経緯であった。
ドルジ「そんな事情があって、私たちはリッチを倒さなければならないのです。リッチには最悪の魔法『呪い』があります。呪いを回避するためには『デスワームの角』が必要なのです」
シャム「最悪の魔法『呪い』をかけられたらどうなるの?」
ドルジ「50%の確率で即死します」
シャム「ぞ~っ……」
シャム「『デスワームの角』を持っていれば、リッチの最悪魔法『呪い』を絶対に回避できるのか?」
ドルジ「厳密にいうと回避率98%と聞いています。たとえ『デスワームの角』の欠片でも持っていれば『呪い』をほぼ回避できるらしいのです」
シャム「98%……? なんか微妙な数字だなあ。運が悪ければ死ぬ可能性はあるということか? まあ通常の戦闘でも絶対ってないからなあ」
ドルジ「はい、危険性は百も承知です。危険を恐れていてはリッチを倒せませんからね。そもそもリッチを生み出すことになってしまった責任は、我が一族にあります。だから我らの力で必ず彼を冥界に送り届けなければなりません」
メグメグ「地上界だけでなく魔界まで征服を目論むとはかなりの欲張りね」
サラーナ「執念深さに加えて、欲深さも相当なようです」
イヴ「リッチって生きてた頃は騎士だったと言ってたけど、今は魔法も使えるのね?」
ドルジ「はい、彼は生前騎士でしたが、死後は高等な魔法も習得し、魔法剣士になったようです。でも最強魔法の『呪い』さえ防げば、何とかなると思っています」
リョマ「勝算はあるのですね」
サラーナ「手前味噌ですが、兄は国の剣術大会で2度優勝をしていますし、私も赤魔導を習得しておりますので、勝てると思っています」
リョマ「ほほう、赤魔導師ですか。白魔法と黒魔法の両方を使えるし剣術もされるのですね」
サラーナ「よくご存じですね。おっしゃるとおりです」
ドルジがユマに頭を下げた。
ドルジ「ユマさん、そんな事情なので、どうか『エンハンスソード』をお貸しください。デスワーム退治が終わったらちゃんとお返ししますので」
ユマ「いいわ。『エンハンスソード』を持って行って。デスワームだけでなく、リッチを退治してから返してくださったらいいわ」
サラーナ「ありがとうございます! 何と温かいお言葉を……」
シャムはポツリとつぶやいた。
シャム「なあ、もしよかったらデスワームとリッチ退治を、おいらたちにも手伝わせてくれないか?」
ドルジ「なんという嬉しいことを! 勇者殿の助太刀があれば百人力です!」
シャム「その代わりと言っちゃなんだけど、おいらたちの魔物退治を手伝ってくれない?」
ドルジ「構いませんが、どんな魔物ですか?」
シャム「一応最終目標はメドゥサオールな。場合によれば魔王ルシファーと戦うことになるかも知れないけど……まあ、こっちの敵は状況次第で戦わないで済むかもしれないけど」
ドルジ「メドゥサオールとルシファー!?」
ドルジとサラーナの顔色が変わった。
かなり高揚しているのが分かる。
サラーナ「あなた方はもしや、噂の勇者様ですか!?」
シャム「そう呼ぶ人もいるけど。だけど、様をつけるのはやめてくれ。神様じゃないんだから」
ドルジ「これは驚いた……」
サラーナ「はい、びっくりしました……」
ドルジたちは唖然としてシャムを見つめていたが、まもなくドルージが口を開いた。
ドルジ「ここで出会えたのも何かのご縁です! ぜひ私たちを仲間に加えてください!」
サラーナ「お願いします! いっしょにリッチやメドゥサオールを打倒しましょう!」
シャム「うん、いいよ。だけどおいらたちに安住の住まいはなくずっと旅が続くぞ。いいのか?」
ドルジ「はい、全然平気です!」
サラーナ「ぜに私たちも連れて行ってください!」
イヴ「大いに歓迎するわ!」
アリサ「シャム軍団がどんどん強くなるぅ~! 嬉しいにゃあ!」
ドルジとサラーナ兄妹が仲間に加わった!
アルノーが拍手をしながら、声高らかに申し出た。
アルノー「これは二重におめでたい! シャムさんたちの祝勝会と新しいお仲間加入を祝して、私の屋敷で宴席を行ないたいと思いますので、ぜひお越しください。皆さんには、ここベルデンヴァーレの名物料理や地酒をご堪能いただきながら、武勇伝をお聞かせいただけたらと思っています」
シャム「武勇伝だなんて、そんなの……いや~、ぜひご馳走になります! はらぺこだし!」
ユマ「シャムったら」
アルノー「わははははは~、正直でいいですね!」
キュー「私たち大勢ですが、いいのですか?」
アルノー「妻も賑やかなことが大好きなので、皆さんが来てくれたら大喜びしますので」
チルチル「私もお腹空いたでピョン♫」
シャムたちはアルノーが準備していた馬車数台に分乗して、彼の邸宅へと向かっていった。