ファンタジー官能小説『セクスカリバー』

Shyrock 作



<第36章「アリサとアリス」目次>

第36章「アリサとアリス」 第1話
第36章「アリサとアリス」 第2話
第36章「アリサとアリス」 第3話
第36章「アリサとアリス」 第4話
第36章「アリサとアリス」 第5話
第36章「アリサとアリス」 第6話
第36章「アリサとアリス」 第7話
第36章「アリサとアリス」 第8話
第36章「アリサとアリス」 第9話
第36章「アリサとアリス」 第10話

『セクスカリバー世界地図』
『ピエトラ・ブルの地図』




<登場人物の現在の体力・魔力>

~シャム隊~

シャム 勇者 HP 1020/1020 MP 0/0
イヴ 神官 HP 800/800 MP 860/860
アリサ 猫耳 HP 830/830 MP 0/0
キュー ワルキューレ HP920/920 M510/510
エリカ ウンディーネ女王 HP 690/690 MP 950/950
マリア 聖女 HP 680/680 MP 980/980
チルチル 街少女 HP 640/640 MP 0/0
ウチャギーナ 魔導師 HP 720/720 MP 920/920
リョマ 竜騎士 HP 1130/1130 MP 0/0

~ピエトラ村(自警団)~

メグメグ 武術家 自警団団長
ルッソ 村人 自警団副団長
マルツィオ 剣士 ピエトラ公国王子
ジェーロ 神官 マルツィオ配下
アウジリオ 村長
ブルネッタ 狩人 村長の娘 
アリーチェ 街人

~ロマンチーノ城に向かった仲間たち~

シャルル 漁師・レジスタンス運動指導者 HP 1090/090 MP 0/0
ユマ 姫剣士 960/960 MP 0/0
エンポリオ アーチャー HP 820/820 MP 0/0



⚔⚔⚔



第36章「アリサとアリス」 第1話

ジェーロ「通常城を攻める場合は、攻撃する側は守備側の3倍以上の兵力が必要だと言われています。ところがシャム様は城兵400人に対してわずか37人で攻めるという驚くべき提案をされています。でもそれは無謀ではないでしょうか。私は賛同しかねます」
アウジリオ「確かに村人たちを訓練しても所詮はにわか仕込みの兵士に過ぎないかもしれません。だけど村人たちは自分たちの手で自分たちの村を守りたいのです。彼らの心情を分かってもらえないでしょうか」

 だけどシャムはジェーロとアウジリオの意見を一蹴した。

シャム「心情だけで勝てると思ってるの!? 村長さん、神官さん、はっきり言うよ。桑の代わりに慣れない剣を握り数日付け焼刃の訓練をしただけの村人が魔物たちに勝てると思ってるの? 魔物たちは殺しの専門家だよ。運よくゾンビを1人ぐらいは倒せるかもしれないけど、次々襲ってくる敵に耐えられるの? 戦いに行った村人のほとんどが屍になって帰ってくるのではないのか? それでいいの? 1人でも死者を減らすためここは力のある者だけに絞り込んで攻めるべきだと思うが、どうかな?」
メグメグ「私もシャムさんの意見に賛成です! たとえ勇敢に戦っても死んでしまったらおしまいです。村の男たちが死んだら残された奥さんや子供たちはどうなるの? むざむざと討ち死にしてはなりません! 幸いマルツィオ王子が隠し通路を教えてくれました。隠し通路を利用すればむしろ少数精鋭の方が戦いやすいはずです。1人の犠牲者も出さず敵に勝つ! これが私の願いです!」
リョマ「竜騎士のリョマと申します。攻め手が少人数なので真正面から城を攻めるのは厳しいと思います。ここは奇襲戦法を用いるべきです。メグメグ団長が言うように抜け道を利用するのが得策だと思います。ただし抜け道を魔物たちに見つかっている場合も考慮しておかなければなりません」

 リョマの発言が終わると、マルツィオが前方を見据えて一同に陳謝した。

マルツィオ「ピエトラ城を魔物に乗っ取られ不甲斐ない気持ちでいっぱいです。亡父王に代わって陳謝いたします」

 王子に謝られては誰一人返す言葉もなく、会議場はにわかに静まり返った。
 しかしマルツィオの態度からピエトラ城奪回の意欲が垣間見えた。

マルツィオ「魔物退治に向けて様々なご意見があって当然だと思います。相手が魔物なので激戦は覚悟しなければなりません。私はシャムさんが言ったように部隊を少数精鋭に絞りこむ方策に賛成です。また団長やリョマさんが言う隠し通路作戦を支持します。それら作戦実行のあかつきには必ず勝利の女神が微笑むと信じています」
ジェーロ「王子様のお考えがよく分かりました。勇者殿のご意見に異を唱えた自身を恥ずかしく思います。さきほどの私の発言は撤回します」
ジェーロ「王子のお考えがよく分かりました。さきほど異を唱えた自身を恥ずかしく思い思います。さきほどの私の意見は撤回します」
アウジリオ「村人をおもんばかるシャム様と団長の深慮に心打たれました。具体策は皆様にお任せします」

 村長の一言で多数決を採るまでもなく方針は決定した。

(1)抜け道を利用し城内部に攻め入る
(2)攻撃兵は自警団、ピエトラ城兵士、シャム隊から選出するものとし、基本的に村人は除く

シャム「それと皆に伝えておきたいんだけど。おいらたちにはロマンチーノ城に行ってる仲間が3人いるんだけど、もうすぐこっちに戻って来るんだ。早ければ明日ぐらい着くかな? 彼ら3人が到着してから城攻めをしようと思うんだけど、どうかな?」
メグメグ「シャムさんの仲間ならきっとすごい人たちなんでしょうね? 戦闘に加わってくれたら戦力アップするので喜んで待ちますわ」
アウジリオ「どんな人たちなんだろう? 楽しみしかないな」
イヴ「名前は、シャルル、ユマ、エンポリオです。期待に応えると思いますわ~」
メグメグ「職種を教えてくれますか? え~と、メモしなければ!」

 メグメグは几帳面な女性であり常に備忘録を持ち歩き閃いたことや大切なことを記録している。

イヴ「シャルルは戦士で剣を武器にしすごい怪力の持ち主です。ユマはムーンサルト城のお姫様で剣士です。すごい美女で……」
メグメグ「そういう情報は要らないから」
イヴ「あぁ、ごめんなさい。エンポリオはエルフ族で弓の名人なんです」
メグメグ「ありがとう、イヴさん。じゃあシャムさん、後から来る3人も考慮に入れて、攻撃隊員、陣形、隊列を打合せしましょうか?」
シャム{え? 2人だけで? (シメシメ……)」
イヴ「メグメグさん、シャムと2人だけというのは避けた方が良いかと」
メグメグ「もちろん他の人も入ってもらうわ。イヴさんも入ってくれる?」

 城攻めに関する会議と名付けられ、引き続き打合せが始まった。
 顔ぶれは9名で、
 シャム隊から、シャム、イヴ、アリサ、リョマ。
 自警団から、メグメグ、ルッソ、ブルネッタ。
 ピエトラ城から、マルツィオ、ジェーロ。

⚔⚔⚔

 その頃、ポリュラスを出発したシャルルたち3人はピエトラ・ブルに向かって夜道を進んでいた。



第36章「アリサとアリス」 第2話

 シャルルたちはイヴが放った伝書鳩の手紙を受け取っていた。
 手紙にはシャムたちの現在地と近況が記されている。
 シャムたちは現在ピエトラ村にいて、ピエトラ城を占拠した魔物との戦いに向けて準備を進めているという。そしてシャルルたちが到着したら魔物攻めを行なうのでよろしく、と締め括られていた。

シャルル「ふん、何が『よろしく』だ。ロマンチーノ城にバリキンソン一味を護送した帰りなんだから、少しは休ませてやろうとか労う気持ちはないのか。まったく人使いが粗いんだから、シャムたちは」
ユマ「とか何とか言ってるけど、本当は早く骨のある敵と戦いたくてうずうずしてるんでしょう? 旅の途中に出くわしたのは雑魚魔物ばかりだったから」
シャルル「ユマ、おまえいつから俺の気持ちが読めるようになったんだ?」
ユマ「だってシャルルさんって嘘を付けない人だからすぐに分かるもの」
エンポリオ「ユマってお姫様なのにしっかりとした目が持っているね」
ユマ「姫じゃなくても誰でも分かるよ。シャルルさんほど分かりやすい人はいないもの」

 鬱蒼とした森の中を進むシャルルは周囲を見渡しながらつぶやいた。

シャルル「それにしてもこんなに遠回りしなければいけないのか?」
ユマ「だってピエトラ城は魔物に占領されているらしいから、迂回した方がよいとイヴさんが手紙に書いていたもの」
シャルル「そりゃそうだけど、こんな夜中に真っ暗な森を歩くのってあんまり気分のいいものじゃないからなあ」
ユマ「シャルルさん、もしかしたら怖いの?」
シャルル「冗談を言ってもらったら困るな。魔物の10匹や20匹出たって全然平気だぞ」

 その時だった。

「うわぁっ!」

 森の奥から叫び声が聞こえてきた。
 シャルルたちが声のする方に向かってみると、荷馬車の男がごろつき風の男たち5,6人に取り囲まれていた。
 男たちは不潔な無精髭を伸ばし、安っぽい皮鎧を身に着け、刀で武装している。風体から明らかに盗賊だ。

荷馬車の男「頼みます、金を払うから見逃してください。この先の村に品物を届ける約束をしてるんです」
盗賊「この先の村ってピエトラ村のことか? 何を届けるんだ?」
荷馬車の男「剣です。私は武器屋で剣を届ける約束をしているんだ」
盗賊「ほほう、剣か? じゃあ俺たちが代わりにもらっといてやるぜ。おとなしく荷馬車ごと品物をここに置いていきやがれ。そうすれば命だけは助けてやるぜ」
荷馬車の男「そんなあ……荷馬車も品物も置いて行ったら明日から食べていけません」
盗賊「そんなことは知るか。殺されたくなければ俺たちに従うんだな」
荷馬車の男「分かりました……従います。従うので命だけは助けてください」
盗賊「おとなしく渡したら殺さないよ。安心しな」

シャルル「荷馬車も品物も渡すな」
荷馬車の男「……?」
盗賊「だれだ!?」

 シャルルたちが男たちの前に現れた。
 エンポリオが手に持っていたランプを掲げた。その刹那、周囲に光が広がる。

シャルル「どいつもこいつもきたねえ顔をしやがって!」
盗賊「何だと! 俺たちを誰だと思ってやがる!?」
シャルル「知るか! どうせ人の物を盗んで食ってる糞みたいな野郎たちだろう!?」
盗賊「この野郎! おい、みんな、こいつらをやっちまえ!」

 盗賊はシャルルたちに一斉に切りかかってきた。

(カキンッ!)

 剣が合わさったのはほんの一瞬だった。
 次の瞬間、盗賊の1人はうめき声をあげ地面に伏してしまった。
 
盗賊「そこの姉さん、可哀そうだけどあの世に行ってもらうよ!」
ユマ「あの世に行くのはどちらかしら?」

 ユマは盗賊の剣をあっさりとかわし、瞬く間に盗賊の腹部を突き刺した。
 うめき声もあげず絶命する盗賊。
 3人目の盗賊を倒したのはエンポリオであった。
 接近戦の場合は弓よりも短剣が効果的。短剣が盗賊の喉を貫く。

 3人の盗賊が一撃で倒されたことで、恐れをなした残りの盗賊たちが慌てて逃走していった。

アントーニオ「危ないところを助けていただき感謝いたします。皆様のお陰様で命拾いいたしました」
シャルル「こんな暗くて危ない森を一人旅だなんて、ちょっと無茶だよ」
アントーニオ「ピエトラ村に住む弟にどうしても武器を届けてやりたくて、無茶を承知で村に向かっていました。最近魔物の出現で村を守るためどうしても欲しいというので。でも私が死んでいたらそれも叶いませんからね」
ユマ「村に武器屋はないのですか?」
アントーニオ「村にはありません。隣の街にはあるのですが、魔物のせいで街もすっかり廃れてしまってるみたいで……」
エンポリオ「実は俺たちも村に向かってたので、よかったらいっしょに行きますか?」
アントーニオ「それは心強いです。よろしくお願いします。あっ、そうだ、お礼に武器を差し上げます。皆様はすでに良い剣をお持ちのようですが、もし必要なければ売ってください」

 シャルルは『ミスリルの剣』をゲットした! シャルルは『ミスリルの剣』を装備した!
 エンポリオは『ミスリルの短剣』をゲットした! エンポリオは『ミスリルの短剣』を装備した!

アントーニオ「お嬢様はすごく珍しい剣をお持ちですね。残念ながらその剣を超える剣を持ち合わせておりませんので、お嬢様には亡き妻の形見でもあるこの指輪を差し上げます」
ユマ「そんな大切な物をいただくわけにはいきません」
アントーニオ「私が持っていても何の役にも立ちません。ここでお会いしたのも何かのご縁です。ぜひもらってやってください、お願いします」
ユマ「分かりました。ではありがたく頂戴します!」

 ユマは『命の指輪』をゲットした! ユマは『命の指輪』を装備した! ユマのHPが50アップした!



第36章「アリサとアリス」 第3話

 偶然武器屋アントーニオを救うことになったシャルルたちは、ピエトラ村までの道中を同行することになった。

アントーニオ「皆さんといっしょだと心強いし楽しいですね、本当にありがたいです」
エンポリオ「これを『旅は道連れ 世は情け』と言うのかな?」
ユマ「「連れのいる旅が心強く感じられるように、世の中を渡るときは助け合うことが大切だよ、という意味らしいね」
エンポリオ「さすが聡明なユマ姫、よく知ってるね」
ユマ「姫はやめてよ。ユマでいいよ」
シャルル「俺の故郷では『楽しい道連れは馬車と同じ』という諺があるんだ」
ユマ「そういえばよく似た諺で『良い道連れは一番の近道』というのもあるわ」
アントーニオ「いずれの諺も、一人旅より連れのある旅の方が良いみたいですね。それはそうとようやくピエトラ市街地が見えてきましたね。でも明りがほとんど灯らず暗いですね」
ユマ「少しだけお茶したかったのに残念ね」
シャルル「いや、少しだけ休んで行こう」
エンポリオ「店が全部閉まってるかもしれないよ」
シャルル「その時はその時だ。どこかの軒先を借りて休んで行こう」

 シャルルはいつも楽観的だ。
 楽観的な人間は常に行動的であるため周りを明るい気持ちにしてくれる。

 シャルルの読みは当たった。街は戦禍にまみれすっかり荒れ果てていたがひっそりと営業を再開している酒場があった。
 自警団やシャムたちが教会の魔物を駆逐した噂を聞き、暗々のうちに店の看板を掲げ直したのだろう。
 店は意外にも大勢の客で賑わっていた。
 空いている席に座ると中年の女店員がやってきた。

女店員「何になさいますか?」
シャルル「ウィスキー」
ユマ「もうすぐ皆と会うのでお酒は控えた方がいいと思うよ」
シャルル「そうだな……ヤギのミルクをくれるかな」
ユマ「私は紅茶にします」
エンポリオ「俺はコーヒー」
アントーニオ「私もヤギのミルクをください」
女店員「うけたまわりました。皆さんは旅の方ですか?」
ユマ「そうだですが?」
女店員「この街によく来られましたね。実はこの街は少し前まで魔物に荒らされていたのですが、やっと落ち着いたところなんですよ」
シャルル「魔物はどこに行ったんだ?」
女店員「何でも勇者とかいうめっぽう強い人と村の自警団が魔物を退治してくれました。勇者と自警団さまさまですね」

 シャムたちの活躍を女店員から聞き、シャルルたち3人はさりげなく目配せをした。

シャルル「なるほど、魔物がいなくなって良かったな」
女店員「ありがとうございます。ところで今夜皆さんはどこにお泊りですか? この街には宿屋が2軒あるのですが建物が無事なのか心配です……」
ユマ「私たちはこのあと村にまいります」
女店員「えっ、こんな夜遅くにですか?」
ユマ「はい、今夜中に到着したいのです」
女店員「何かわけがあるようですね。立ち入ったことを聞いてすみません」

 シャルルたちが女店員と会話中、隣のテーブルでは2人の酔いどれがガヤガヤと騒いでいる。
 女店員が注文を取り去っていったのをみてシャルルたちに話しかけてきた。

酔いどれA「ういっ……あんたたち聞いたか? 勇者とやらが魔物を追い払ってくれたのはありがたいんだけどさ……やつらに城を乗っ取られているので、いつこの街に攻め込んでくるか分からないよ……」
酔った男B「ボスのナーガという蛇魔神は恐ろしく強いという噂だから気を付けろよ。といっても、あんたたち市民は戦わないから心配ないと思うけど。とにかく早めに逃げることだ」
酔いどれA「ナーガが吐く紫色の煙を喰らうとウサギにされてしまうんだって。恐ろしや恐ろしや~」
エンポリオ「ウサギにされるって? 冗談は休み休みにしてくれよ」
酔いどれB「冗談じゃないぞ」
ユマ「ウサギ化を防ぐ手立てはないの?」
シャルル「酔っ払いの話を真に受けてどうするんだ。大ボラを吹いているのに決まってるだろう」
ユマ「真偽のほどは定かではないけど、一応聞いておいてもいいんじゃないの」
酔いどれA「何だったかなあ……ある宝石を持ってるとウサギにならないと聞いたことがあるけど、どんな宝石だったかなあ?」
ユマ「思い出してよ。一杯奢ってあげるから」
酔いどれA「奢ってくれるの? じゃあ、必死に思い出してみる。う~ん……」

 酔いどれ男は腕を組んで唸り出した。
 だけどなかなか思い出せないようだ。

酔いどれA「ダメだ……思い出せない……」
ユマ「それじゃね、思い出したらピエトラ村にいるシャムという男性まで連絡してくれる? 褒美に何かあげるから」
酔いどれA「おねえさん、名前は何というの? 俺はヤコスだ」
ユマ「ヤコスさんね、私はユマ。よろしくね」
ヤコス「今日は思い出せなかったから今日の奢りはなしだよな?」
ユマ「いいえ、色々話を聞かせてくれたから、今の一杯は私の奢りよ」
ヤコス「ありがとう、おねえさん、じゃなくてユマさん、ごちそうさま~」



第36章「アリサとアリス」 第4話

 ここはピエトラ城の台所。
 魔物たちの料理番を受け持つキャットバットたちが料理長アリスの指示の下あわただしく行き交っている。
 魔物の食事はゲテモノが大半であるうえに、種族によって嗜好が異なるため準備が大変なのだ。
 と、そこまでは表の顔。
 密かにアリスは従妹のアリサと通じ、アリサたちの城突撃に呼応して城内で反乱を起こす準備を整えていた。
 とりわけ反乱を起こす直前、魔物たちに提供する料理に睡眠薬を盛る作戦はうまく行けば大きく有利に傾くだろう。
 ただし睡眠薬作戦は魔物のみであって、食事をとらないアンデッドには睡眠薬を使うすべがなかった。
 もしアリサたちの突入が予定よりも遅延した場合、反乱を企てたアリスやキャットバットたちは魔物たちの猛攻に遭いたちまち危機に瀕してしまうだろう。
 これは大きな賭けであった。

クロエ(キャットバット隊長)「従妹のアリサさんから突入日時の連絡はあったの?」
アリス「まだなの。でもアリサは必ず連絡をくれるから心配ないよ」
クロエ「ところで睡眠薬を使えないアンデッドは例外として、それ以外の連中にどれだけ効果があるのかしら」
アリス「この前、蛇兵の食事に少しだけ入れてみたらぐっすり眠っていたわ」
クロエ「あはははは~、それなら楽しみね~」

アリス「リザードマンと蛇兵への効果は間違いないと思うんだけど、問題は体力のあるナーガとデルピュネよ。効けばいいんだけど……」

 わずかだがクロエに不安がよぎった。
 クロエはキャットバットたちを束ねるリーダーだ。現在はアリスと同様に料理を担当している。身長1メートルぐらいの猫系種族で非力だが、背中に羽根があり飛行が可能で動きが俊敏であるうえに攻撃魔法も使える。
 それなりの戦力を有しているが、もしアリサたちが突入するまでに魔物の食事に睡眠薬を盛ったことが早々とばれてしまった場合、窮地に陥ることになるだろう。
 アリスとクロエは種族こそ違うが、魔物から迫害を受け奴隷として連行されてきた境遇は似通っており、いつしか強い連帯感が生まれていた。
 同じ料理担当になったのも何かの縁といえるだろう。
 2人は魔物たちに隙があれば反乱を起こそうとその機会をうかがっていた。
 今回たまたま降って湧いたような好機が訪れた。
 従妹のアリサを一員とした勇者隊と自警団の連合軍が密かに城突入を企てているという。
 この機会を逃せば魔物の奴隷として一生を送らなければならないだろう。
 少々危険性があってもこの機に乗じない手はない。2人の決意は固かった。

⚔⚔⚔

 その日の深夜、シャルルたちは無事ピエトラ村に到着しシャムたちと再会を果たした。
 夜も遅かったので自警団からはメグメグとブルネッタだけが彼らを迎えるに留まった。

ユマ「こんな遅くにごめんなさい」

 ユマたちはメグメグとブルネッタに挨拶をした。

メグメグ「長旅お疲れ様でした。皆さんのことはシャムさんから聞いています。私どもにお力添えいただけるそうでとても嬉しく思います。夜も更けましたので今夜はゆっくりとお休みください」
シャルル「ありがとう! 到着したらすぐに戦いだと書いてあったので覚悟をしていたんだけど、今夜は休めそうだね、いやあ、本音をいうとベッドが恋しかったよ」
ブルネッタ「あは、正直な方ですね。お風呂とベッドの用意ができていますので、いつでもどうぞ」
ユマ「シャム、久しぶりにお父様にお会いしたけど、お元気そうだったわ。いっぱいご馳走になっちゃった」
エンポリオ「改めてシャムが王子様だってこと再認識したよ」
メグメグ「えっ!? シャムさんって王子様なの!?」
シャム「エンポリオ、そのことはべらべらしゃべるなって言ってるだろう?」
エンポリオ「すまない」
シャム「ばれてしまったので白状するけど、おいらはロマンチーノの王子だよ。でも旅をしている間は1人の旅人だし、1人の戦士だから」
メグメグ「はい、分かりました。王子様、じゃなくてシャムさん」
ブルネッタ「ところで、そちらの方は?」

 会話中ずっと無言だったアントーニオにブルネッタの視線が注がれた。

アントーニオ「私は武器屋のアントーニオと申します。この村に住む弟に武器を届けたくてポリュラスを立ったのですが、途中の森でで盗賊に襲われてしまい、偶然窮地をシャルルさんたちに助けていただきました。弟にはのちほど会うつもりです。それから、僅かですが剣をお持ちしておりますので、村でお使いいただけたら幸いです」
メグメグ「それはとても助かります! 街の武器屋も閉めてしまっているので困っていたところです。代金は明日お支払いします」
アントーニオ「いいえ、代金は要りません。弟がいつもお世話になっておりますでせめてものお礼です」
メグメグ「そうですか、ではお言葉に甘えさせていただきます。実を言うととても助かります……」
ブルネッタ「この村の周辺に魔物が出没してからというもの、まともに農作物を耕すことができないし、外から品物も入ってこなくなって経済的にかなり逼迫しているんです。この状態が続けばかなり厳しくなります」
エリカ「そんな事情もあって魔物殲滅が急がれるわけですね」
メグメグ「はい、そのとおりです。シャムさんたちがこの村に来てくれたことで、ようやく戦力が整いました」
アリサ「だけど、敵が300人でこちらは40人とまだまだ厳しいよ。アリスの協力が絶対に必要だよおおおお」
イヴ「アリスさんとの連携が大切だね。明日作戦を練ろうね」

⚔⚔⚔

 久しぶりにシャムに会えたことがユマにとってはよほど嬉しかったのだろう。
 薄めで上品な形の唇から眠るのも惜しんでよどみなく言葉がつむがれる。

ユマ「ロマンチーノ城の女官や召使いの女の子たちから『シャム王子様の恋人は今誰ですか?』って聞かれたわ。城に居た頃どれだけ女の子たちと遊んでいたのよ」
シャム「大して遊んでないぞ。たまに大浴場でじゃれ合ったり、ちょっとエロい王様ゲームをやったりしたぐらいかな。で、ユマは彼女たちにどう答えたんだ?」
ユマ「今、王子様は魔物退治に夢中よ、と無難に答えておいたわ。実際にはかなりエロいけど」
シャム「ユマ、今夜旅の疲れを癒すため久しぶりにチンヒールかけてやろうか?」
ユマ「何を言ってるのよ。魔物と戦う直前だというのに」
シャム「直前だから余計にしたいんだよな」
ユマ「どうして? 私たち何か別れみたいな……」
シャム「人間って明日どうなるか分からないんだから。なあユマ、東洋の『朝には紅顔あって夕べには白骨となれる身なれ』って言葉を知ってるか?」
ユマ「知らないわ。どんな意味?」
シャム「朝には元気な顔をしていても、夕方には死んで白骨となってしまうかもしれないのが人の身だよということ」
ユマ「何故か胸に響くなあ」
シャム「人は儚いものだからな。ムーンサルト城だって……」
ユマ「ううう……」
シャム「ごめん。悲しいことを思い出させて悪かった」

 涙ぐむユマを抱き寄せるシャム。
 チンヒールムードかと思われたが、それをかき消すように……

ユマ「あっ、シャムに大切な伝言があったのを思い出した!」
シャム「何でこのタイミングで……全くもう」



第36章「アリサとアリス」 第5話

 ユマは蛇魔神ナーガが吐きだす紫色の煙を喰らうとウサギにされてしまう、という酒場で酔っ払いが語っていたとりとめもない話をシャムに聞かせた。

シャム「面白そうな話だな~、もっと聞かせてくれ」
ユマ「でも酔った人の話なんて話半分で聞かないと」
シャム「それならなんでおいらに話をするんだ?」
ユマ「とにかく話のつづきを聞いて」
シャム「うん、ウサギにされてしまうというところまでは分かった」
ユマ「ウサギにされない方法があると言うのよ。何でもとある宝石を持っているとウサギ化を防げるんだって」
シャム「どんな宝石だ?」
ユマ「それが思い出せないらしいのよ」
シャム「なんだそりゃ、一番肝心なところなのに」
ユマ「宝石の種類を思い出したら、シャムに連絡が入ることになってるの」
シャム「へ~、男の名前は?」
ユマ「男の名前はヤコス。思い出したら来ると言ってたわ」
シャム「でもいつ来るか分からないんだろう? 城攻撃がもうすぐなのに」
ユマ「シャムはいつ攻撃を仕掛けるつもりなの? もちろん自警団の人たちの考えも聞かなければならないけど」
シャム「大きな声では言えないけど」

 シャムはユマの耳元でささやいた。

シャム「明日準備をして、あさっての1時頃に突入しようと思ってるんだ。アリサの従姉が城内で待機してくいるのであまり先に延ばせないんだ。ばれたら従姉が危険だからな。詳しくことは明日の会議で話すから」

⚔⚔⚔

シャルル「エリカ、寂しい思いをさせてすまなかったな」
エリカ「長旅おつかれさま。早く会いたかったわ」
シャルル「俺も会いたかったよ」
エリカ「ロマンチーノ城にはきれいな官女や侍女がいっぱいいたんでしょう? 浮気はしなかった?」
シャルル「う、う、浮気なんかするか」
エリカ「怪しいわね。声が上擦ってるわ。シャルルならきっと持てるし」
シャルル「俺はエリカ一筋だ。見損なうな」
エリカ「まあ、嬉しいわ。その言葉を信じるわ」
シャルル「エリカ、愛してる」

 シャルルはエリカを押し倒し唇を奪った。
 2人で身を寄せ合うには少し小さいサイズのベッドであったが、気にも留めず2人は愛し合った。

⚔⚔⚔

 ピエトラ公国を滅亡に追い込み新しい城主となった蛇魔神ナーガは、先王が使用していた玉座を除去しギャッベ絨毯に直に鎮座していた。
 ナーガは人間のような上半身と蛇のような下半身を持つ。上半身の長い髪、美しい顔立ちはまるで人間の女性のようであるが、実は男性器と女性器の両性を併せ持ち男女どちらとも交尾が可能であるが、彼女は主として女性との交尾を好んだ。
 腕は4本あり多関節であるため蛇のようにクネクネと動かすことができる。上半身の体色は青灰色で下半身の蛇の部分は茶色だ。
 ナーガは蛇と人間の長所を持ち合わせており多彩な能力を保持している。例えば、彼女の蛇の部分はしなやかで迅速な動きを可能にし獲物を捕らえることができる。さらに彼女は独自の言語を有しているが人間の言葉も理解している。
 強靭な肉体を誇り攻撃力にも優れ毒攻撃も可能だ。また数種の攻撃魔法を使えるうえに自己治癒能力も持っており、実に厄介な敵といえるだろう。
 ちなみにナーガの食性は、肉食の捕食者であり主に人間や地上の動物を捕食する。強靭な肉体と蛇のような素早い動きを生かして獲物を捕らえてしまう。また性の嗜好は、同種のナーガの他にネコミミ族やネコマータ族などの半猫系に向けられることがある。そのため人身御供としてやってきたアリスは格好の獲物として魔手が伸びた。アリスの抵抗空しくいつしかナーガの性奴隷となり果てていた。

 今夜もまたナーガの欲望はアリスに向けられた。

ナーガ「満月の夜は私たち魔物の力が最も増す時。1週間後の満月の夜にピエトラ村を攻撃する。自警団を1人残らず倒してしまえばこの国に反対勢力は消え失せる。無力な民衆は私たちの奴隷となって日夜働く。あはははは~、ピエトラの地に理想の国が作れそうね! アリスも魔物たちによく協力してくれているからもっと昇格させてあげるからね」
アリス「閣下、ありがとうございます」

 アリスはナーガのことを閣下と呼んでいる。もちろんナーガからの指示によるものだ。
 あくまで従順を装うアリス。今は特に間違ってもナーガを怒らせてはならない。

ナーガ「可愛がってあげよう。さあ、そばに来て」

 端正な顔立ちのナーガとキスを交わすとまるで女性と交わっているような錯覚に陥るアリス。
 いや、厳密にいうとナーガは男性であり女性でもあるのだ。
 ナーガが抱く相手が男性だと自身のヴァギナが濡れ、相手が女性だと自身のペニスが勃起する。実に巧妙にできた肉体といえる。
 ナーガの4本の腕が器用にアリスを身体を這い回る。愛撫箇所が増えるとまるで複数の男性と致しているような錯覚に陥る。

アリス「ああ……閣下……すごいです……感じます……そこ、感じます……」
ナーガ「『そこ』と言ってもどこなのか分からないわ。乳首、背中、首筋、太股……具体的に言ってくれないと」
アリス「ち、乳首です……」
ナーガ「そうかい? じゃあ、乳首を吸ってあげるわ」
アリス「あああっ! そんなっ!」



第36章「アリサとアリス」 第6話

 ナーガは先割れした長い舌を乳首にそっと絡ませ丹念に愛撫する。

アリス「あうっ…あん……閣下……っ!」

 先割れした長い舌は人間やネコマータの舌とは異なり実に冷ややかだ。
 火照った肌快感につい我を忘れ、敵であるナーガの巧妙な攻めに溺れそうになる。
 感じている素振りではなく実際に感じてしまうほうが自然体だしナーガの油断を誘うことができるだろう。
 まもなく叛乱を起こすことになるわけだから、今はできるだけ波風を立てないことが肝要だ。

 ナーガは2本のペニスと1つのヴァギナを持っている。
 相手の性別によって器用に使い分けることができる。
 今日は女性が相手なので使用するのはペニスだ。

 股間に顔を近づけ指でクリトリスと花芯を擦りあげると、アリスは腰をひくつかせる。
 先割れした長い舌は蜜が溢れる秘裂をゆるゆると舐め、さらにピンク色に染まったクリトリスを愛撫する。

アリス「んあぁ……っ…あ、ぁあん…、……んっ、ん~っ……」

 媚薬効果もあるナーガの唾液と溢れる愛液を絡ませた舌でクリトリスを丹念に舐め回され、蛇の鎌首のようなペニスがそっと秘裂をくすぐり、やがてペニスの先端がやさしく蜜にぬめる奥へ侵入した。

アリス「あっ……! あ、やだっ…ぁあっ……ふうあっ……」

 ペニスは隘路をほぐすように少しずつ入っていき、ぐちぐちと水音を鳴らす。
 吐息が乱れてアリスの足が引き攣る。
 ペニスはずっ、ずっ、とほぐすようにゆっくりと中を突き進み、舌で舐められ、時折微かにクリトリスを掠められる花芽は充血しきって今にも弾けそうなくらいぷっくりしていた。

アリス「ひっ……、ぅあ…か、かっか、あぁん~~~~~っ……」

 何度も達してグズグズに蕩ける蜜壺の奥、子宮口をペニスの先が優しくくすぐる。

アリス「んっ……ふ、ぁあ……あ……っ……」

 ぐちゅん、ぐちゅん、と蕩ける隘路をペニスを抜き差しされる度、ひくひくと腹の下に熱がこもって震える。
 敵に犯されているというのに、唇から零れるのは快楽に浸かる唾液と浅ましい嬌声だけ。

アリス「あっ……は、か、閣下ぁ、あぁんっ…!」

 アリスは次第に自身が演じているのか、本気で気をやろうとしているのか分からなくなってくる。
 ナーガは不意にアリスの菊門に触れてきた。不快な感触にぴくりと波打つ。

アリス「あ……そこは……」

 菊門をこねまわす巧妙な指先。
 まもなく柔らかくほぐれた菊門に、満を持して登場のもう1本のペニスが侵入する。

アリス「んんっ……!」

 前後の秘孔に2本挿し。どちらもかなり太めだ。
 ナーガの身長が人間の1.5倍あるのだから至極当然のことだろう。
 普通ならば痛くて堪らないはずだが、催淫効果のあるカウパー液が挿入前に濡らしているのでアリスに痛みはない。

 2本のペニスが力強く律動する。

アリス「ふぁあああ……っ!」

 前後二穴に太いペニスを咥えこんだ下腹部はパンパンになっている。

アリス「あぁあっ……!」

 火花が飛び散るように頭の中が白くなった。
 何度目かの絶頂に、脳がクラクラする。
 呼吸困難になりそうなくらい酸素が欲しくて堪らない。

アリス「はっ…はっ…はっ…はっ……」
ナーガ「気持ちがいいのかい?」
アリス「は、はい……すごく良いです……」

 呼吸が苦しくても嘘を付く。それが懸命だから。
 快感は性器と菊門だけではない。
 胸の頂にも長い舌が這い回り性感をくすぐってくる。
 胸、花芯、菊門の3か所を同時に攻められてはひとたまりもない。

アリス「ふゃ……あぁっ…、あぁあっ……!」

 眼も眩むような快感に貫かれ、ビクビクと痙攣しながらまた達したアリスの全身はすっかり敏感になり過ぎて、些細な刺激でも官能の種になる。
 ナーガは抽送を止めず、アリスは何度も達した。
 まもなく2本のペニスからドクドクと精液が放出された。おびただしい量の精液は膣や直腸に収まりきらず逆流を始めた。

ナーガ「もしおまえが私の子供を身ごもったら4人目の妃にしてあげるわ。ネコマータがナーガの子を身ごもることは滅多にないけどね」
アリス「身に余るお言葉ありがとうございます。そう言っていただけるだけで私は幸せ者です」
ナーガ「そうかそうか、おまえは健気だね。さて、そろそろ寝所で眠るとするか。おまえもゆっくりとお休み」

⚔⚔⚔

 ナーガとの目も眩むようなまぐわいを終えたアリスは自室に戻り窓を見た。
 今夜は星がなく曇り空のようだ。

アリス「ん……?」

 アリスは窓辺に留まっている伝書鳩を見つけた。
 月明りでは読めそうもないので、ランプの下に行き手紙を拡げた。

💌💌💌

『あさって午後1時』

💌💌💌

 アリサからだ。
 万が一敵に見つかった場合を考えて要点のみが記載されている。
 短い文章でもアリサたちの意図が十分に理解できる。
 昼食に眠り薬を混入する計画なので、午後1時突入というのは多くの敵が眠り始める絶妙の時間帯なのだ。
 アリスはすぐにクロエに伝えた。

クロエ「いよいよね、仲間たちには私から連絡しておくわ。ついに決行ね」
アリス「絶対に成功させなくては」



つづく


第35章へ






ネコミミ・アリサ


ネコマータ・アリス


蛇魔神・ナーガ











セクスカリバー表紙
自作小説トップ
トップページ




inserted by FC2 system