![]() ファンタジー官能小説『セクスカリバー』 Shyrock 作 |
<メンバーの現在の体力>
シャム 勇者 HP 430/430 MP 0/0
イヴ 神官 HP 350/350 MP 350/350
アリサ 猫耳 HP 370/370 MP 0/0
モエモエ 魔導師 HP 290/290 MP 380/380
エリカ ウンディーネ女王 HP 290/290 MP 400/400
シシ・フリューゲル 女海賊 HP 410/410 MP 0/0
チルチル 街少女 HP 220/220 MP 0/0
シャルル 漁師・レジスタンス運動指導者 HP 460/460 MP 0/0
ジュリアーノ 水夫 HP 470/470 MP 0/0
⚔⚔⚔
エリカとシャルルは城内のカフェを出て宿屋まで戻る途中海辺に寄った。
エリカが急に水を見たいと言い出したのだ。
水の聖霊であるエリカが水を恋しくなったとしても全く不思議はない。
2人は砂浜の流木に腰を掛けて行き交う船もない暗い海を眺めていた。
夜空には満天の星が輝き、2人をやさしく照らしている。
シャルル「海を見て気分がすっきりしたか?」
エリカ「そうですね。半分だけ回復しました」
シャルル「どうして半分だけなんだ?」
エリカ「だって海水は塩水じゃないですか。私は泉に住んでいたからやっぱり真水が合ってますわ」
シャルル「同じ水でも泉と海では全然違うからな」
エリカ「あなたは漁師だから海の方がお好きでしょう?」
シャルル「はっはっは~、まあそう言うことになるかな。俺は海を見て育ったから俺にとっては海がおふくろみたいなものだな」
エリカ「ねえ、シャルルのご両親はジャノバに住んでらっしゃるの?」
シャルル「いや、両親は俺が5歳のとき、船の事故で死んじまったよ……」
エリカ「そうでしたか。ごめんなさいね。つらいことを思い出させてしまって」
シャルル「気にするな。もう昔のことだし。そんなことよりさ」
エリカ「はい」
シャルル「回復していない残りの半分、俺なら補えるかな?」
エリカ「え……? どんな方法で補ってくれるのですか?」
シャルルがエリカを引き寄せ耳元でささやく。
シャルル「このように」
急にきつく抱きしめられ、唇を奪われるエリカ。
突然のことにエリカの胸の鼓動は早くなる。
元来シャルルはシャムやジュリアーノほど弁が立つ方ではない。
少年の頃から言葉よりも行動で示すタイプだった。
その持ち前の行動力はレジスタンス運動でも発揮され、大きな信望を集めることとなり、やがて民衆を束ねる指導者への道を掛け上がっていった。
エリカ(わぁ、キスされている……)
突然のことに頭が追いつかない。
荒々しく押し付けられた唇。
ディープキスはエリカの酸素と思考を奪っていく。
息苦しくて耐え切れなくて、口元が緩んだ瞬間、シャルルの舌がぬるりと進入してきた。
生温かく柔らかな感触。
突然のキスにエリカは戸惑いを隠しきれなかった。
荒々しく情熱的なキス。
流されそうになる。身を委ねそうになる。
それがとても怖いのに逆らえない。
力が抜けそうになった身体をシャルルはそのがっちりとした腕で抱き上げ、エリカの顎に手を添える。
キスの最中、磯の香りがエリカの鼻腔をくすぐった。
エリカ(海辺だから? それともシャルルが海の男だから潮の香が染みついているのかしら……?)
そう思ったのはほんの一瞬であった。
まもなくシャルルの唇がエリカの細いうなじを這い始めたとき、エリカの声にならない声が、口の端から溢れた。
エリカ「シャ……シャルル……やめ……やめ……てっ……」
キスだけにはとどまらなかった。
エリカの胸元に指を忍び込ませようとするシャルル。
エリカ「あっ……いけないですわ……」
シャルル「エリカ、1つ聞くが、おまえはシャムが好きか?」
エリカ「どうしてそんなことを聞くのですか?」
シャルル「俺の質問に答えてくれ。シャムが好きか?」
エリカ「もちろん大好きです。シャムは世界にふたたび光をもたらすことのできる唯一の人です」
シャルル「では俺とどっちが好きだ?」
エリカ「……」
シャルル「どっちだ?」
エリカ「人間的にはシャムが好きです。でも男性としては……」
シャルル「おっと、その先はもう言うな。おまえの気持ちがよく分かった」
シャルルはエリカを砂浜に押し倒した。
胸元からこぼれ出た豊満な乳房をに唇を這わせる。
エリカ「あぁ……シャルルさん……ダメです……」
焦った声でエリカが拒否する。
だが、その唇を無理やり塞ぎ、舌を絡める。
「んむぅっ、あぅっ……」
シャルルは両の乳首を抓り上げた。
「乱暴にしないでください……」
乳房を吸いながら片手を下半身に持って行くシャルル。
下着の上から下腹部をまさぐる。
ふくよかな恥丘がシャルルの指に触れた。
丘を下るとまもなく泉があるはずだ。
指は丘を下り下着の上から窪んだ部分を探り当てるとグイッと押し込んだ。
エリカ「あぁっ、困りますっ……」
亀裂に沿って指が忙しく蠢いた。
同時に乳房への愛撫も絶え間なくつづく。
声を押し殺すエリカだが、身体が敏感に反応しているのが分かる。
布の奥から次第に増してくる湿りっ気が何よりの証拠だ。
指は下着の中に潜り込んでいった。
エリカ「ああっ……!」
クチュ……
エリカ「いやぁ……」
クチュクチュクチュ……
エリカ「ダメですぅ……」
エリカの下着にシャルルの指がかかった。
エリカの下着をつかむと間髪入れずに引き下ろしていく。
シャルルはちらっとエリカの股間を眺めた。
秘所があらわになっているはずだが、星の明かりだけなのでよく見えない。
シャルルは淡い繁みを数回撫でた後、陰裂を指で探った。
指がゆっくりと食込んで行く。
エリカ「あぁ、そこは……シャ、シャルルさん……」
シャルル「エリカ、おまえが好きだ」
エリカ「シャルルさん……あぁ……」
クチュクチュと淫靡な音が聞こえてくる。
シャルル「ほら、エリカのいい音、聞こえるだろう?」
エリカ「波の音でよく聞こえませんわ」
本当はエリカの耳にもその音は届いていた。
だけど羞恥心がエリカに否定の言葉を選択させた。
にじり寄ってきたシャルルの手が太ももの裏を滑り下着を剥ぎとる。
おもむろに押し当てられた熱い肉柱にあごが突き上がった。
奥まで入れられる想像に下腹部は疼き、エリカは上体を支えられず、砂浜の上に倒れ込んだ。
「す、すごいですわ……」
腰を抱え上げ、近寄ってきたシャルルの肉柱がずるっと全体を押しつけてから、ぬるっと中に入ってくる。
熱くて大きい、それに太ももがびくっと跳ね、周囲に誰もいないのにエリカは思わず手で口を覆った。
硬い。
込み上がる愉悦に自然とつま先を丸くするエリカ。
「ぁ、あ……、シャルルさん、ぁ、……おお、きぃ」
「だろう? エリカがかわいいから、こんなになったのさ。奥まで入れるぞっ」
「あぁ、シャルルさん、ふぁ、あっ、入れて、入れてください……は、ぁ!」
つま先まで満ちた愉悦に思わずもがくが、すぐにシャルルの手が太ももを掴み、脚を大きく開かせた。
奥までゆっくりと挿し込んでいく剛直にどうしても腰が揺れてしまう。
激しく動いてほしいのに、シャルルは荒い息を吐きながら顔と額にやさしいキスを落とした。
「おまえが好きだ、エリカ……」
「あぁ、シャルルさん、私も大好きです……」
圧迫感を覚えるほどの大きな肉柱は身体の中で今すぐにも達しそうなほどに震えている。
それは熱くて硬く、締め付ければ締め付けるほど、嬉しげに大きさを増す。
奥に突き当たる寸前、いきなりずるっと抜け、背を駆けた愉悦にエリカはもがく。
「あっ……ひぅ、ぁ、あっ……い、いきなり、はげ、し、すぎ……はぁ、あっ、シャルルさん……も、イく、だめ、はぁ、ぁっ、シャルルさん……っ!」
抱え上げられた腰を激しく突かれて大きく腰を揺すられた。
全身をぞわぞわと巡る真っ白い愉悦に呼吸が引き攣って、ぐちゃぐちゃと淫らな音が立ち、奥まで幾度も突かれてあっという間に絶頂がやって来る。
襲いかかってきた心地よさにぶるっと震え、もがきながらも上げてしまった腰を膝に抱え上げ、シャルルは陶然と目を細めながら、何度でも、とうめいた。
「ぁ、ふぁ、あっ、んぅ、……ぁ、あっ!」
「あぁ、すごい、しめ、つけ……、エリカ、エリカ、愛して、る、もっと締めつけ、て、くれ、奥に出す、から……!」
「はぁ、あっ、ゃ、う、うごかな、ぃ、で、……んぁ、あっ、シャルル! すご、ぃ、大きく、震え、て……、ひぁ、あっ!」
「出る、も、エリカ……、ぁ、イク……!」
エリカの衣服を引っ張りつつ抱き寄せ、シャルルが胸を甘噛みした。
絶頂し、敏感になった身体はそれだけでわなないて奥まで入り込んだ熱い肉柱をきつく締めつける。
シャルルは苦しげな声をあげ、胸に顔を押しつけながらぶるっと震えた。
中がじわっと濡れる感触に耐えながら、エリカは身体の中でびくびくと卑猥に跳ねる肉柱を感じようと目を閉じる。
はぁと満足そうにシャルルが大きく息を吐く。
「愛してる、エリカ……、大好きだ」
「私もです……」
「やっと俺を呼び捨てにしたな」
シャルルが笑った。
「あら、そうでしたか? 覚えていませんわ」
「これから呼び捨てでいいぞ」
「あなただけをそうするわけにはいきません」
「素に戻ると相変わらずきっちり几帳面屋さんだなあ」
「あは、そうですか?」
⚔⚔⚔
シャルルとエリカより一足早くカフェを出たシシは宿屋へと向かっていた。
市中には国王偽者疑惑の噂が乱れ飛んではいたが、道行く人々に色めく気配はなく、ひしひしと迫りくる革命のことなど『どこ吹く風』と言った様子がうかがえた。
そんな中、1つの看板がシシの目に止まった。
『サロン・ディ・ベレッツァ』
店名から察するにおそらく美容室だろう。
店名の横に小さく『あなたを美しく変身させる』というキャッチフレーズがシシの心をくすぐった。
義賊とはいっても所詮は海賊、男顔負けの荒々しい稼業だったので海上ではお洒落など気にも留めなかったが、陸に上がるとやはり年頃の女性、当然ながら『美』への憧れは人一倍強いものがあった。
素顔であっても抜群の美貌を誇っていたが、いくら高価な宝石でも磨かなければ光沢が出ないものだ。
長い海上生活を経て、今ようやく自身の美に目覚めたようだ。
シシは窓から店内を覗いてみた。
自分と同年代の若い娘たちが髪の毛のカットや手入れをしてもらっている。
シシ「ふ~む、私もあんな風にきれいになりたいなあ」
窓から覗くシシの姿をとらえた男性美容師が扉を開けてシシに声を掛けてきた。
爽やかで甘いマスクの美青年だが、かなり華奢な印象だ。
海賊時ごつい体型の男性を見慣れているせいもあって、シシとすれば滅多に見かけない類といえた。
美容師「よかったらお入りください」
美容師はにこやかに声をかけてきた。
シシ「ん? いや、ちょっと覗いていただけだから」
海賊船の男たちは無骨だが、中には手先の器用な者がいて、髪を整える場合はいつも彼に任せていた。
そんなわけでシシとしてはいまだかつて美容室に入店したことがなく、照れもあって、心とは裏腹な言葉を返してしまった。
美容師「こんなことを言うと失礼ですが、普段あなたはあまりご自身を構っておられないようですね。あなたは大変美しい方です。髪の手入れをしないのはもったいないと思いますよ」
シシ「え? 美しい? この私が……?」
美容師「もちろんあなたのことですよ。少し髪の手入れをするだけで街を行く娘たちなど翳んでしまうほど美しく変身されると思います」
美容師の言葉はシシの心をわしづかみにした。
シシ(ふ~ん、何もしてなくても私って美しいんだ。髪の手入れをすればもっときれいになれるのね? じゃあ、いっそのこと思い切って変身しちゃおうかな? うふふ、大胆に変身してシャムたちを驚かせるのも楽しそう)
シシ「それじゃやってくれるか?」
美容師「ありがとうございます! では中へお入りください」
生まれて初めて入店する美容室。
自然由来の芳香がシシの鼻腔をくすぐった。
シシ(これは何の香りだろう。心を和ませるいい香りだわ)
案内されながら店内に目を凝らした。
壁はアイボリーカラーで統一し、落ち着いた深いブラウンの床との調和が心地よい。
店内にはシシ以外に4人の女性客が訪れていた。
シシは一番奥の席に案内された。
豪華な鏡の前に座り自身を見つめるシシ。
戦いに明け暮れる日々だが、本来の自分を取り戻したような気がした。
美容師「只今から始めさせていただきますが、何かご希望はありますか?」
美容師の呼びかけが耳に届いていないようだ。
シシ(この格好はどう見ても行商人だなあ……)
シシ「ちょっと聞きたいんだけど、私の仕事は分かるか?」
美容師「ご職業ですか?」
髪型等の希望が返って来るとばかり思っていた美容師は、意外な問いに少し面食らった様子だ。
美容師「ん~、そうですね。さしずめ女戦士ってところでしょうか」
シシ「えっ!? 私が女戦士に見えるのか?」
美容師「外見は行商人を装っておられますが、商人にはない素早い身のこなしからかなり腕利きの女戦士ではないかと」
シシ「まだ若いのに、人をよく観察しているねえ」
美容師「大変失礼しました。仕事柄多くの女性とこうして接する機会がありますもので、つい」
シシ「ふむ、なるほどねえ。当たってないが、そう感じたならそういうことにしておこう」
美容師「お気を悪くされませんように。あくまで僕の勝手な憶測なので」
シシ「別にいいよ、気にしていないから」
感じたとおり正直に述べた美容師だったが、余計な一言だったと反省しシシに謝罪するのだった。
ところがまったく意に介さないシシから思いがけない言葉が飛び出してきた。
シシ「美容師さん、私をもっと女っぽく見えるようにしてくれる?」
美容師「女っぽくですか?」
シシ「無理か?」
美容師「いえいえ、あなたなら十分に可能かと思います。どんな雰囲気がお好みですか?」
シシ「そうね、女近衛兵風にしてもらおうかな?」
美容師「女近衛兵ですか? 気高く凛とした美しさ、と言ったところでしょうか?」
シシ「そう、それそれ」
美容師「髪はショートにされますか? それとも長いままで?」
シシ「髪はあまり切らないで」
美容師「それじゃレイヤーを入れてみましょうか?」
シシ「レイヤーってなに?」
美容師「一言で言うと段を入れることです。つまり髪の毛に段を作り、顔まわりや毛先に動きをつけ、軽やかに見せてくれる髪型です」
シシ「あまりしっくりこないなあ」
美容師「じゃあ、後ろで束ねて三つ編みにしましょうか?」
シシ「三つ編み? うん、それはいいかも。やってみて」
美容師「分かりました! じゃあ始めます!」
美容師は早速シシを屈ませて洗髪を始めた。
今や美容業界では、洗髪するとき仰向けになって洗うのが常識だが、この時代は客をうつむかせて洗髪するのがまだ一般的だった。
美容師の指が髪に触れる。
シシの鼓動が速くなった。
男性に洗髪されるのは初めての経験なのだ。
そんなことなど知るはずもない美容師はてきぱきと髪を洗う。
液体石鹸を髪につけると、ふわっと花のいい香りがした。
「いい香りね」
「はい、ジャスミンの香りの液体石鹸なんですよ」
程よい力加減に心身が解きほぐされる気がする。
洗髪を終えてタオルで拭きとる。
美容師「もし差支えがなければお名前を聞かせてもらえますか?」
シシ「シシです」
美容師「珍しいお名前ですね。一度聞くと忘れないお名前ではないでしょうか」
シシ「あは、忘れてくれていいのよ」
美容師「どうしてですか? 僕はニコラです」
シシ「ニコラさん? いい名前ね」
ニコラ「ありがとうございます。『ニッコリニコラ』と覚えておいてくださいね」
シシ「あは、覚えておくわ」
ニコラ「ところで、行商のお仕事って大変でしょう? 出掛けることも多いと思いますし」
シシ「そうね、行商は大変だけど、旅は好きなの」
髪の水分を拭きとると、あとは自然乾燥させるのがこの時代の常。
時間がかかるため美容師と客が会話をしながらのんびりと待つのだ。
ニコラ「旅が好きなら行商向きかも知れませんね。それで明日はどちらへ?」
まさかニセ国王打倒を画策しているなどとは口が裂けても言えない。
咄嗟に思いついたのは、近いうち登ることなるだろうペルセ山だった。
シシ「ペルセ山に行こうと思っているの」
ニコラ「えっ!? ペルセ山に登るのですか?」
シシ「そのつもりだけど、何か……?」
ニコラ「あの山は地元の人たちも滅多に登ろうとはしません。病気に効くキノコが沢山生えているので登りたいのはやまやまなのですが……」
シシ「どうして登らないの?」
ニコラ「ご存じないようなのでお話します。山頂には祠があってその入口には怪物が待ち構えていると言われています」
シシ「怪物がいるの? どんな怪物かしら?」
ニコラ「見たわけではないのでうまく説明できませんが、何でも鳥のような怪物がいるそうです。なのでペルセ山には近寄らないほうがよいと思いますよ」
シシ「怪鳥? この目でぜひ一度見てみたいわ」
ニコラ「何と大胆なことを!」
シシ「あは、ちょっと言ってみただけよ」
ニコラ「それなら安心しましたが、祠には真実を写しだす鏡があると言います。怪物はおっかないけど鏡には興味がありますね」
シシ「そりゃあ美容師さんだものね」
ニコラはクロスをかけて頭皮のマッサージを始めた。
力加減がちょうどよく、シシが心地よさそうに目を細めている。
ニコラ「いかがですか?」
シシ「お上手だわ。すごく気持ちがいい」
お世辞ではなかった。シシは本音しか語らない。
シシ「あなたはお客様に人気でしょう?」
ニコラ「いいえ、そんなことはありません」
ニコラは腕が良いうえに人当たりがよくしかもハンサムときているので、実のところ彼を指名する女性客は多かった。
しかし自分が人気の美容師であることをおくびにも出さない。
謙虚な一面も彼の魅力といえた。
ニコラ「ではカットを始めます」
ハサミを持つ手が器用に動き、髪の毛が少しずつ切り落とされていく。
徐々に変貌を遂げていく自身の姿を、シシは鏡越しに見つめていた。
ニコラ「毛先が結構傷んでますね」
シシ「やっぱりね」
海上での生活が長く、常に潮風に当たっていたこともあって髪が傷むのは当然だろう。
だがシシはその理由を言わなかった。
いや、海賊であることなど言えるはずもなかった。
それからカットが終わるまでは瞬く間だった。
ニコラ「いかがでしょうか?」
シシ「すごくいい感じ! 三つ編みポニーテールって初めてだわ! ニコラさん、ありがとう!」
ニコラ「ご満足いただけて何よりです」
ニコラがトレイにティーカップを乗せて運んできた。
フローラルな甘い香りが漂っている。
ニコラ「お疲れでしょう? カモミールのハーブティーをどうぞ。気持ちが落ち着きますよ」
シシ「ありがとう、いい香りね」
シシは「じゃあ」とカップを手に持つ。
そのままそっと口づけて、琥珀色の暖かなハーブティーを、ゆっくりと飲む。
口の中に入った瞬間、カモミール特有の薫風が喉を抜けて、ふわりと華やがせる。
そのまま喉を鳴らしてこくりと通すと、じんわりと、身体の中から温かさが広がった。
シシ「美味しい。ほどよい甘さがちょうどいい」
ニコラ「そう言ってもらえると嬉しいです。そうそう、ペルセ山のことで1つ言い忘れてました。先程は山頂に鳥の怪物がいるとお話しましたが、もう1匹、麓にやっかいな山の番人がいるんですよ」
シシ「へ~、どんな?」
ニコラ「何でも人間の2倍はあるという単眼巨人で『サイクロプス』と呼ばれているそうで恐ろしく強いそうです」
シシ「サイクロプス? 単眼なの? 教えてくれてありがとう」
怪物の話をしてもさほど動じることのないシシを見て、ニコラは彼女を一介の行商人ではないと感じとっていた。
ニコラ「サイクロプスは決して悪い怪物ではないのですが、神様の言いつけで頑として山門を離れないらしいのです。通過するためには彼を倒さなければなりません。ただし『ペルセのエンブレム』という通行証を見せるとすんなり通してくれるとのことですが、そんな通行証が果たしてどこにあるのやら……」
シシ「ふうむ、『ペルセのエンブレム』か……」
美容師「ご存知なのですか?」
シシ「いや、まったく知らないわ」
自分たちパーティーが持っている『ペルセのエンブレム』について、知らないふりをすることに心が痛むシシであったが、ここは沈黙することが最善と考え口を堅く閉ざすシシであった。
シシ(うかつにしゃべったらとんでもないことになるものね。ふう~)
ニコラ「本日はありがとうございました。またのお越しをお待ちしています」
シシ「今度来るときは友人を連れてくるよ」
ニコラ「それは嬉しいですね! シシさんのお友達ってどんな人だろう? さて、最後にもう1つだけ耳寄りなお話を」
シシ「なになに?」
ニコラ「美容室『サロン・ディ・ベレッツァ』はたくさんのお客様にご利用いただいておりますので情報の宝庫と言えます。もし行き詰ったりしたときは『困ったときのニコラ』を思い出してください。何かのお役に立てるかもしれませんので」
シシ「まあ、それは便利ね! よろしくね~!」
シシが代金を払って店を出ようとしたとき、ニコラは笑みを浮かべながら励ましの言葉を述べた。
ニコラ「どうかご無事で。シシさんのご武運をお祈りしています」
シシ「ご武運って……行商人なのに……? ああ、そういうことか…… ありがとう! じゃあね、ニコラさん!」
シシは店を出た後、ふと思った。
シシ(ニコラさんは、私が行商人でなく戦士系の職業であることを直感的に感じとっていたんだわ。海賊ということまでは分からなかったと思うけど。すごい人……)
⚔⚔⚔
シシ「美容室に寄ったのでかなり遅くなってしまったわ。エリカさんとシャルルさんはもう帰っているかな? 私の変身振りを見てどんな反応を見せるかしら? あは、楽しみだわ」
夜が更けても寝静まらないジャノバの街は煌々としていて、もうすぐこの街に革命の嵐が吹き荒れるであろうことなどまったく感じさせない。
シシはゆっくりとした足取りで宿屋へと向かっていた。
ジャノバは交易の拠点ということもあって、行交う人々も多いことから、宿屋は街中に数軒ある。
9人全員がひとところに宿泊すると何かと目立つので、シャムたちはあえて分散して宿泊することとしている。
城に最も近い宿屋には、シャム、イヴ、アリサ、少し離れた宿屋にシャルル、エリカ、シシ、そして、港に近い宿屋には、ジュリアーノ、モエモエ、チルチルの3人がそれぞれ宿泊していた。
お互いの連絡は毎朝8時に班の中の1人が雑貨屋で落ち合うことになっている。
緊急の際には伝書鳩を飛ばして連絡を取ることになっているが、幸いなことに今のところ伝書鳩の利用は皆無であった。
⚔⚔⚔
モエモエ「むにゃむにゃ……ふわぁ~、あぁ、魔導書を読むとどうしてこう眠くなるのかな? この分ではなかなか上達できないなあ。まあいいか、今夜は寝るとしよう♪」
モエモエは魔導書を閉じてベッドに向かった。
左側のベッドではチルチルがスヤスヤと寝息を立てている。
もう夢の中なのだろう。
右側のベッドにはジュリアーノが寝ているが、昼間の火傷がまだ疼くのか時折寝返りを打っている。
モエモエ「ジュリアーノ、大丈夫かなあ。私がファイア魔法の加減を間違えたせいで火傷を負わせてしまった……ごめんね」
モエモエは眠っているジュリアーノの背中に向かって蚊の鳴くような声で謝った。
モエモエ「薬を塗りなおしてあげようかな。私もヒール魔法が使えたら便利なのにね♪」
切り傷など戦闘で負った怪我のほとんどは薬草で治すことができた。
ところが火傷の場合、治せるのだが切り傷と違って少し時間を要した。
モエモエ「火傷専門の薬草ってあったらいいのになあ♪」
モエモエは薬草の塗り薬と取替用の包帯を持ってジュリアーノに接近する。
ジュリアーノ「ううっ……」
モエモエ「ジュリアーノ、まだ痛むの? ごめんね、私のせいで……」
包帯を取り替えようと考えそっとシーツをめくった。
モエモエ「まあ、やだぁ……」
ジュリアーノは就寝時確かパジャマを着ていたはずなのに、いつの間にか脱いでしまっており、全裸に近い状態だった。
わずかに身体を覆っているのは小さめのパンツだけだ。
うっすらとローソクが揺らめくだけの暗い部屋であっても、こんもりと丘をなす男の形状はいやがおうでも計り知ることができた。
モエモエの胸の振り子が急に速度を増した。
シャムに処女を捧げて以来、チンヒールという治療目的の性行為ではあったが、幾度となく性を積み重ねてきた。
治療を受けるたびに急速に感度が磨かれていった。
ところが最近は女性の仲間が以前より増えたことと、手軽な青キノコの利用もあって、チンヒールの頻度がかなり減っていた。
性の悦びを知った若き肉体に男日照り的な日々は少々つらいものがある。
仲間にばれないようにこっそり自身を慰めたこともあった。
そんな状態のもえもえの横に、若くて逞しいジュリアーノが就寝している。
戦いで鍛え抜かれた男の肉体はまるで古代のブロンズ像のように美しい。
今彼に接近しても「包帯取替え」という口実があり誰も咎める者はいないだろう。
まして今夜は仲間が分散しており、この部屋にいるのはモエモエとジュリアーノ、そしてチルチルの3人だけだ。
そのチルチルも現在グッスリと眠っている。
モエモエの手は無意識のうちに伸びていた。
パンツの盛り上がった部分に指が触れた。
モエモエ(わぁ……逞しいなあ……♪)
モエモエはジュリアーノが眼を覚まさないようにそっと撫でる。
モエモエ(あぁん……ひさしぶりに触れるなあ……♪)
初めはフェザータッチのつもりだったが、いつしか撫でる指が熱を帯びてきた。
それはすでに『愛撫』の領域に進入していた。
もっこりと盛り上がった部分の形状を確かめるかのように、そして慈しむかのように、モエモエはジュリアーノを撫でた。
モエモエ(ん……? あれ……?♪)
指はジュリアーノの異変を感じとっていた。。
布の奥にあるものが急激に硬くなっているではないか。
モエモエ(うわぁ、硬くなって来た!♪)
この時点でモエモエが燃え滾る欲望を抑えていたならば、おそらくこの先何事もなかったろう。
ところが後先を考えずにがむしゃらに行動を起こす、いわば猪突猛進するのがモエモエの性格であった。
硬くなってきたことに気をよくして、さらに擦るピッチを速めるモエモエ。
ジュリアーノのそれは一段と大きく膨らんでいった。
敏感な部分を愛撫されて眠りから醒まさない男はまずいないだろう。
ジュリアーノ「うううっ……ん……? なんだ……!?」
モエモエ「あっ、拙い! ジュリアーノを起こしてしまった♪」
あわててジュリアーノから逃げ出そうとするモエモエ。
電光石火のごとく、ジュリアーノの手がモエモエの腕はがっちりと捕らえた。
ジュリアーノ「逃がさないものね~」
モエモエ「ごめん! そんなつもりじゃなかったんだけど……つい♪」
ジュリアーノ「何を言ってるんだよ。こんなに大きくしておいて逃げるなんてずるいよ」
ジュリアーノは逃げようとするモエモエの腕を引き寄せベッドの中に引きずり込んだ。
モエモエ「本当なの。そんなつもりじゃなかったの。包帯を取替えようと思って……♪」
ジュリアーノ「ぶつくさ言っているとチルチルちゃんが起きるよ。それより、大きくしたのだから責任を取ってくれないと」
モエモエ「責任ってどんな風に……?♪」
ジュリアーノ「こんな風に」
モエモエ「きゃっ!♪」
モエモエを抱き寄せて強引に唇を奪うジュリアーノ。
モエモエ「んぐうんぐ……ううぐっ……あ……っ♪」
唇を奪いながらもモエモエの胸元に手を伸びた。
モエモエが着用していたのはキャミソールのようなものだったので、侵入を妨げる役目などまったく果たさない。
ジュリアーノ「へえ~、モエモエって身体は細いのにオッパイはでかいんだな~」
戦闘で鍛え抜かれたごつい手がふくよかな乳房を揉みほぐす。
ごつい手に似合わず羽根のようにやさしい指の動き。
モエモエ「あ~ん……だめぇ……♪」
性交時の女性の『イヤ』や『ダメ』は拒絶ではなく『歓迎』を意味する場合が多い。
男性はそのときの場の空気を読めばよい。
拒む言葉を何度も発してはいるが、ほとんどジュリアーノにされるがままなので、答えはすでに出ている。
唇が乳房を這う。
乳首に到達したとき、モエモエはピクリと強い反応を示した。
モエモエ「ああっ、そこは……♪」
モエモエの乳首は、愛撫だけで達してしまいそうになるほど敏感なのだ。
モエモエ「ああ~……♪」
ジュリアーノ「ねえ、モエモエ?」
モエモエ「あぁん……なに?♪」
ジュリアーノ「ずばり聞くけど、君はシャムの恋人なの?」
モエモエ「違うよ♪」
ジュリアーノ「でも彼とセックスしたことはあるんだろう?」
モエモエ「あるけど、厳密に言うとあれはセックスじゃなくて、おまじないみたいなものなの♪」
ジュリアーノ「チンヒールとか言ってたね?」
モエモエ「そうだよ♪」
ジュリアーノ「でも彼のこと好きなんだろう?」
モエモエ「好きだよ。だけどシャムを1人占めはできないもの。他の子もシャムのことが好きみたいだし♪」
ジュリアーノ「シャムは誰が好きなの?」
モエモエ「ん? 改めて考えてみるとよく分かんない。シャムは仲間の女の子たちを分け隔てなく扱ってくれてるから♪」
ジュリアーノ「若いのにすごいんだな~。そんな人だから神様から勇者を託宣されたのかも知れないね」
モエモエ「託宣のことはよく知らないけど、シャムが選ばれし人なのはそういった一面も大きいと思う。話は戻るけど、シャムもきっと好きな人がいると思うんだけど、そんな素振りは絶対に見せないの。というか、今とても大事な旅の途中だから、特定の恋人を持たないようにしているのかも知れないわ。みんなとバランスよく接することで『和』を保っていこうとしているのかも知れないわ♪」
ジュリアーノ「なるほどね。ってことは僕がモエモエにこんなことをしたって、誰からも咎められないってことだよね?」
モエモエ「まあ、私が咎めるわ♪」
ジュリアーノ「え~~~!? モエモエに咎められるの~~~!? それって悲しいよ」
モエモエ「嘘だよ。咎めたりしないよ。私もジュリアーノのこと嫌いじゃないから♪」
ジュリアーノ「じゃあ、お言葉に甘えて、いただきます~!」
モエモエ「きゃっ! ちょっと待って、ちょっと待って♪」
ジュリアーノ「大きな声を出すと拙いよ」
ジュリアーノはそうつぶやくと、すぐにモエモエの下半身に指を滑らせた。
ショーツの上から敏感な箇所を撫でてみる。
ふっくらと肉厚な大陰唇の形状が指に伝わってくる。
肉厚な部分を指でギュッと摘み上げる動作を見せた。
モエモエ「あぁ……そんなことしたら……♪」
ジュリアーノ「女の子って不思議だね。身体はスリムなのにここは肉厚ではポッテリとしてとてもかわいいね」
モエモエ「や~ん、そんな恥ずかしいこと言わないでよぉ……♪」
モエモエは恥ずかしそうに顔を背ける。
そして羞恥に染まった表情を隠すため、ジュリアーノの厚い胸に顔を埋めた。
ジュリアーノの胸に頬ずりをしながら甘えてみせるモエモエ。
甘えられて悪い気がする男なんてそうそういない。
ジュリアーノはいきなり積極的な行動に出た。
わざとショーツを脱がさずに、クロッチの隙間から指を入れてまさぐってみる。
直に肉厚な大陰唇の感触を愉しみながら、さらにその奥にひそむ未知の花芯に期待を膨らませた。
花芯はすでに潤沢に潤っておりジュリアーノに歓喜させた。
ジュリアーノ「へ~、もうこんなに濡らして。モエモエって意外とエッチな子なんだね」
モエモエ「やだあ、そんなこと言ったら♪」
グチョグチョグチョ……
モエモエ「そんなにされたら……あ、あ、い、いやあ……♪」
言葉では拒みながらも、いつしかモエモエの花芯からとろとろと熱い愛液が溢れ出る。
チルチルが起きると困るので、声は抑えているつもりだがそれでも抑えきれず漏れてしまう。
モエモエ「はぁはぁはぁ……あぁ~ん……♪」
太い指は、敏感な突起をぐりぐりと擦りまわし、モエモエは次第に快感のうずに呑み込まれていった。
ジュリアーノは花の扉をかき分けて花芯に指を挿し込んだ。
モエモエ「ああっ……そこはっ、だ、だめっ……♪」
ジュリアーノ「つまりここがいいというころだね。じゃあ、もっとここを攻めてあげよう」
水分たっぷりの好感触がジュリアーノを歓喜へといざなっていく。
モエモエ「あぁっ、ジュリアーノ、だ、だめっ……感じちゃうっ♪」
ジュリアーノは指を深く挿し込み、せわしく動かせる。
指攻めを一旦止めて、足に引っかかったままのショーツを一気に脱がせてしまった。
モエモエの両足を強引に開かせると上から覆い被さる。
二回りも三回りも大きなジュリアーノの身体が小柄なモエモエを包みこんだ。
股間に太いモノが触れる。
モエモエ(うわぁ、ついに入って来る~。シャムとしか経験がないけど、他の男性だとどう違うんだろう? 興味津々~♪)
これ以上ないくらいに鼓動が高鳴っている。
シャムからチンヒール治療を受ける際にもあれだけ興奮したのだから、ちゃんとセックスをしたならどんな気持ちになるのだろう、とモエモエの胸が痛いほど切なくなっていた。
シャムに初めて抱かれた後、急速に性に目覚めたモエモエ。
彼女にとってそれぞれの男性の相違点は実に興味深いことであった。
まもなくジュリアーノの反り返った肉柱が、土手の狭間を走る亀裂に進入を開始した。
進入の際、グリュンと魚が跳ねるような気がした。
モエモエ「あぁっ……♪」
グッチョグッチョグッチョグッチョ……
モエモエの太股を抱きこみ高速で律動を繰り出すジュリアーノ。
モエモエ「あああ……す、すごい……♪」
ジュリアーノ「せ、狭い! でもやたら気持ちがいいぞ~」
グッチョグッチョグッチョグッチョ!
モエモエ「ひゃあ……ふゎあ……あっ、あ、あつい……♪」
抑えようとはしているが、それでも漏れてしまうなまめかしい声。
しかしジュリアーノはモエモエの声など気にする様子もなく、ただ抽送のみに気を注いでいた。
モエモエ「そ、そんなに突いたら壊れちゃうよぉ……あ、あ、あ、あっ……で、でも、気持ちが良すぎるよぉ♪」
グッチョングッチョングッチョングッチョン……
すでにジュリアーノの肉体からは滝のような汗が流れている。
ローソクの薄明りに見えるジュリアーノのシルエットは、まるで美しきブロンズ像のようであった。
ジュリアーノの動きが止まると、モエモエは俯きになった。
よく引締まってモエモエの双臀を軽く持ち上げ、反り返った肉柱をズブリと突き刺した。
モエモエ「あああっ……♪」
ズリュンズリュンズリュン……
同じ性行為であっても、正常位と後背位では男女とも感覚が全く変わる。
俯瞰的に観ても、まるで白桃に太い串を突き刺したような卑猥な光景は、エロティシズムの極地といえるだろう。
しかも粘着性のある水音という効果音までが演出されている。
チルチルが途中で起きないかというスリルが、2人を異様な快感へと駆り立てる。
モエモエは顔面をベッドに押しつけ、後方からの激しい攻めに懸命に堪えている。
時折、夢中でシーツを掻きむしる所作は何ともエロティックであった。
モエモエ「ふはあ……うわあ……もうダメだよぉ……イキそう……イキそう……私イッチャいそう……♪」
ジュリアーノ「ううう……ぼ、僕ももう限界かも……」
モエモエ「あっ、あっ、あっ、ふあっ、あっ、あっ、ああああああああ~~~♪」
ジュリアーノ「おおっ……で、出そうだ、おおお……で、出るっ……うううっ……」
モエモエ「イクうぅぅぅぅ~~~……♪」
ジュリアーノ「うううううっ……!」
次の瞬間、大量の精液がドクンドクンと音を立てながらモエモエの胎内へと流し込まれていく。
モエモエ「あああああ……っ……ジュ、ジュリアーノ……!♪」
ジュリアーノ「すごくよかったよ……モエモエの身体最高……」
モエモエ「すごく気持ち良かったよ♪」
ジュリアーノ「感激したなあ、モエモエとのセックス」
モエモエ「まあ、嬉しい♪」
ジュリアーノ「今夜は熟睡しそう」
モエモエ「ねえ、チルチルちゃん、起こさなかったかしら♪」
ジュリアーノ「大丈夫だと思うよ。グッスリ眠っているようだし」
モエモエ「それなら安心だわ。昼間の活動で疲れたんだと思う♪」
ジュリアーノ「それじゃ僕たちも寝るとするか」
モエモエ「私のベッドに戻らないと♪」
モエモエはそろりとショーツを穿くと、キャミソールの乱れを直した。
ジュリアーノ「モエモエ?」
モエモエ「なに?♪」
ジュリアーノ「ごめんね、こんなことしてしまって」
モエモエ「いいよ♪」
ジュリアーノ「僕のこと好きか?」
モエモエ「好きだよ」
ジュリアーノ「僕も好きになってしまったよ」
モエモエはニッコリ笑ってうなずいた。
ジュリアーノ「じゃあ、おやすみ」
モエモエ「おやすみ♪」
モエモエは自分のベッドに戻ったが、なかなか興奮が冷めやらない。
(ついにシャム以外の男性としちゃったなあ。そもそもあのブロンズ像のような蠱惑的な肉体がいけないのよ。あんなすてきな肉体を見せつけられたらどんな女の子だって誘惑されちゃうはずよ……)
モエモエは瞼を閉じて心の中でつぶやいた。
しびれるような悦楽の余韻を身体に残したまま、いつしか深い眠りに落ちていた。
(わあ……どうしよう……♫ すごいものを見ちゃったでピョン……ジュリアーノとモエモエちゃんのすごい場面……♫)
すでに夢路をさまよっていると思われていたチルチルであったが、妖しい気配に目を醒ましてしまい、眠った振りをしてそっとシーツ越しに2人の様子をうかがっていた。
チルチルとしては先日シャムから『クリポイゾナ』の解毒を施された経験はあるものの、目前の生々しい場面に絶句してしまった。
2人の残像が脳裏をかすめてとても眠れそうになかった。
⚔⚔⚔
ジャノバにおける2日目の朝が訪れた。
シャム、シャルル、ジュリアーノの3人は約束の集合場所に集まった。
どういう訳か3人とも揃って眠そうな顔をしている。
シャム「みんな眠そうな顔をしているな~」
シャルル「そういうシャムも目が腫れてるじゃないか。夜遊びし過ぎじゃないか?」
シャム「ふん、夜遊びなんかしてないぞ。そういうシャルルこそ、エリカとシシに挟まれてハーレム天国じゃなかったのか?」
シャルル「ははは~、バカ言え。オレがそんなことをすると思うか」
ジュリーアノ「僕もかなり遅くまで酒を飲んでいたもので眠くて……」
シャム「ジュリアーノは酒が強いからな。そう言えばモエモエも女だてらにかなりの酒豪だからな」
ジュリアーノ「ん……? ええ、そうですね。モエモエさんはかなり酒が強いですね」
ジュリアーノの場合、シャムが自分より年下にもかかわらずいつも言葉遣いが丁寧であった。
シャムが仲間のリーダーだからか、それとも勇者に選ばれし者ということで一目置いているのか、詳しい理由は分からなかった。
3人は昨日集めた情報をお互いに交換をすることになった。
ニセ国王の噂を民衆に広める計略『流言の計』の効果はかなりのもので、不確かな情報ではあるが明日にも革命が起きるという。
シャム「革命軍がレッドシェイドを攻めるのは何時頃になるのだろう? おいらたちも応援しないといけないからな」
シャルル「いや、今回はシャムたちは参加しないほうがいいと思うぞ」
シャム「どうしてだ?」
シャルル「革命はその国の民衆が自分たちの考えと力で起こすものだ。外部の者が手を貸すのは筋違いだ」
シャム「なるほど。じゃあ今回は高見の見物と行くか」
ジュリアーノ「シャムさんや仲間の皆さんはそうしていてください。でもシャルルさんと僕は民衆の1人なので参加しなければなりません」
シャルル「ジュリアーノの言うとおりだ。今回は俺たち2人が参加する。だからシャムたちは陰で俺たちの成功を祈っててくれないか」
シャム「そんなの嫌だよ! おまえたち2人が戦うならばおいらも行くから」
シャルル「いや、ダメだ。今回シャムは大人しくしててくれないか」
シャムは悲しみをたたえた眼差しでじっとシャルルを見つめた。
シャム「どうしてもと言うなら仕方がないけど……しかし」
ジュリアーノ「お願いです。シャムさんの熱いお気持ちはとても嬉しいですが、今回だけは僕たちに任せてくれませんか?」
シャム「分かった。そこまでいうならおまえたちに任せるよ。でも絶対に死ぬなよ」
シャルル「バカ言え! 俺たちがそんな簡単に死ぬと思ってるのか?」
シャム「いや煮ても焼いても死なないやつだと思っている」
ジュリアーノ「それもいうなら煮ても焼いても食えないでしょう?」
シャルル「はっはっは! そうだったか? ここで長話をしていると怪しまれるからそろそろ退散するか」
シャム「じゃあ、また明日この場所でな」
ジュリアーノ「はい、必ず集まりましょう」
シャルル「じゃあな!」
もし革命でシャムが命を落とすことになれば、魔界の敵を倒すという勇者としての大義が果たせなくなってしまう。
それを案じたシャルルとジュリアーノはシャムの革命参加を頑なに拒んだのであった。
シャムはそんな2人の気持ちを痛いほど分かっていた。分かっていたから余計につらかった。
3人はそれぞれの仲間が待つ宿屋へと帰っていった。
ジュリアーノの帰りを待つチルチルが大きな欠伸をしている。
チルチル「ふあぁ~♫」
モエモエ「どうしたの? すごく眠そうだよ。昨夜眠れなかったの……?♪」
チルチル「え? いやいや、そんなことないよ。ぐっすりと眠ったから今日も快調だピョン~♫」
チルチルの言葉を聞いてホッと安堵のため息をつくモエモエ。
モエモエ「しっかり眠れてよかったねえ。さあ、今日もがんばらなくては~♫」
チルチル「今日もファイア魔法の寸劇をやるの?」
モエモエ「う~ん、今日は難しいかな。昨日ジュリアーノに火傷を負わせてしまったからね。今日は別の出し物をやろうと思うの♪」
チルチル「そうだね。今日はチルチルもがんばるでピョン♪ ふあぁ~♫」
モエモエ「チルチルちゃん、よほど眠いみたいだね、もう少しだけ眠れば?♪」
チルチル「大丈夫ピョン♫」
ぐっすり眠ったと言っているが、チルチルの眠そうな素振りから、もしかしたら昨夜自分たちのせいで眠れなかったのかもしれない、とモエモエは不安になっていた。
もしもジュリアーノとの件が仲間にばれてしまうと、今後、仲間たちとやりにくくなることは明白であった。
厳しい戦いに明け暮れる毎日ではあるが、モエモエとしては母親の仇を見つけ出すことをを含めこの旅に生きる意義を見つけ出そうとしていたから仲間から外れたくはなかった。
⚔⚔⚔
美容室で変貌を遂げたシシを見たエリカは驚きを隠しきれなかった。
エリカ「わっ! シシさん、どうしたのですか!? 元々美人さんだったけど、一段と美しくなったじゃないですか!」
シシ「似合ってるかな? ちょっとイメージチェンジしようと思ってね。だって、あのままだと女海賊ってことがすぐにばれちゃうじゃないの。旅の途中はいいんだけど、街を歩くときはちょっと拙いからね」
エリカ「どこかのお城の女騎士といった凛々しさが漂っていますね。美しいうえにすごく大人っぽいです」
シシ「べた褒めね、ありがとう! エリカさんにそう言ってもらえるとすごく自信が湧いてきたよ!」
2人がそんな会話を交しているところに、扉の外から男の声が聞こえて来た。
あきらかにシャルルの声とは異なる。
男「おくつろぎのところ失礼します。こちらにシャルルさんがお泊りだとお聞きしておじゃましたのですが」
エリカとシシの和やかな会話が止まり、一瞬空気が凍りつく。
シシ「むっ! もしかしたら敵かもしれない!」
エリカ「はい、ジャノバの兵士がシャルルさんを捕えに来たのかもしれませんね。シシさん、気をつけましょう」
シシは柄に手をかけいつでもソードを抜くよう身構え、エリカは杖を握り魔法を唱える体勢をとった。
戦闘の準備を整えた2人は扉の向こうの人物に問いかけた。
エリカ「どちらさまでしょうか?」
男「先に名乗らず大変失礼しました。私はジャノバ国騎兵隊長のアントニーと申します。シャルル様にぜひともお会いしたくてまいりました」
シシ「で、一体どのようなご用で?」
男「ここではちょっと……」
エリカとシシは互いに目配せをした。
もしかしたら敵の罠かも知れない。
エリカが扉を開ける瞬間、 緊張が最高潮に達した。
そっとドアのノブを回す。
扉が鈍い音を立てながらゆっくりと開いた。
扉の前にいたのはジャノバ国の騎士服に身を包んだ2人の男たちであった。
騎兵隊長アントニーと名乗る男は高齢のようだが眼光鋭く矍鑠としている。
エリカ「あいにくシャルルは出かけております」
アントニー「お出掛けですか。それは残念です」
エリカ「とにかくに中にお入りください」
アントニーたちは再び丁重な挨拶を済ませ、エリカたちに促され部屋に入った。
エリカ「私はとある目的のためシャルルとともに旅をしている仲間のエリカです。隣におりますのが同じくシシです。もし差し支えがなければ、私たちが代わりにご用件をお聞きし、彼が戻り次第伝えたいと思います」
アントニー「ありがとうございます。取り急ぎシャルル様にお伝えいただきたいことがあります」
エリカとシシはアントニーの礼儀正しく律儀な態度に接しているうちに、さきほどまでの警戒心は薄れていた。
アントニー「もうお聞きかも知れませんが、この国の王はすでに殺害されており、王の肉体を魔物が取り入っています。そして魔物はこの国を支配し、さらにジャノバ城を拠点とし各地を侵略しようと企んでいます。このまま放置しておくと世界は魔物たちに乗っ取られてしまいます。そこで我々有志は明日クーデターを起こそうと準備をしております。ところが、ひとつだけ困ったことあるのです……」
シシ「困ったこととは何ですか?」
アントニー「はい、我々に指導者がいないのです」
エリカ「騎士隊長であるあなたがなられたらよいではありませんか?」
アントニー「いいえ、それはできません」
エリカ「どうしてですか? 騎士隊といえばジャノバの軍団の中でも特に秀でた部隊と聴いています。そんな部隊を率いておられるあなた様ならきっと適任だと思うのですが」
アントニー「とんでもありません。確かに私は騎士隊長ではありますが、だからといって民衆を導くことなどできません」
エリカ「そうなのですか……」
アントニー「民衆を導くためには最も必要なものはカリスマです。偉大な指導者には不可欠なものといえます。カリスマを持たない者が国の頂点に立っても民衆の支持を得ることはできないでしょう。再び戦乱の世を招くかもしれません。自分のことは自分が一番よく分かっています。私にはカリスマがありません」
エリカ「カリスマ……つまり『人々の心を惹きつける強い魅力』が必要だということですね?」
アントニー「そのとおりです。この難局を乗り切るには、高いカリスマ性を持った人物を必要とします」
エリカ「その人物こそがシャルルだとおっしゃるのですね?」
アントニー「はい、おっしゃるとおりです。シャルル様は以前からレジスタンス運動の指導者として活躍されていますし、多くの民衆からも支持を集めています。今回シャルル様が民衆や我々反乱兵士を率いて革命を起こせば必ずや成功すると思いますし、その後も平穏に国を治めることができるはずです」
シシ「へ~? あのシャルルにそんな人望があったとはね。ねえ? エリカさん?」
エリカ「ごほん。いいえ、私は以前から、シャルルさんには天賦の才能や超人間的な素養が備わっていると感じておりました」
シシ「ふ~ん、そうなんだ。あのシャルルがね~」
エリカ「シャルルさんに何か不服でもあるのですか?」
シシ「いえいえ、決して不服だなんて、まったくありませんわ。(今日のエリカさん、何かムキになってる感じだわ)」
⚔⚔⚔
シャルル「ただいま」
ちょうどそこにシャムたちとの打ち合わせを終えたシャルルが帰ってきた。
シャルルの帰りを待ちわびていたアントニーは軍人らしく機敏な挨拶を済ませたのち、早速シャルルに説得を始めた。
その間シャルルは真剣な眼差しでアントニーの熱弁に聞き入っていた。
眉間に深い皺を寄せてしばらく考え込んだ後、はっきりと彼の所信を述べた。
シャルル「このままではジャノバはダメだし革命は絶対にしないといけない。でも俺……いや、僕のような青二才が反乱軍を率いるなんて到底無理な話だよ。僕はあんたたちが期待しているほど出来た人間じゃないよ」
アントニー「いえいえ、決してそのようなことはありません。シャルル様の献身的なレジスタンス運動指導者としての実績は何人にも及びません。民衆があなた様に寄せる信頼、それに兵を束ねる統率力は群を抜いています。私どもはあなたを置いて他に適任はいないと思っています。なにとぞお引き受け願えないでしょうか」
シャルル「う~ん、弱ったなあ……」
シャルルは頭を抱えて困り果てている。
エリカ「シャルルさん、お引き受けなさったらいかがですか? 騎士隊長さんにここまで言ってもらえるなんて光栄だと思いますわ」
シシ「そうよ、私もエリカさんの意見に賛成よ。国の存亡の危機にある今、人々がシャルルを救世主として求めているのよ。ここは受けるべきだと思うわ」
シャルル「う~ん……よし分かった! 俺なんかでいいなら引き受けるとしよう!」
アントニー「引き受けてもらえますか? これはありがたい! では急で申し訳ありませんが私たちのアジトにご同行願えますか? 今から作戦会議を行ないたいと思いますので」
シャルル「うん、分かった。じゃあ、みんな、ちょっと行って来るよ」
エリカ「私たちにも何かお手伝いできることが言ってくださいね」
シシ「こんな細腕だけどよかったらいつでも使って」
シャルル「じゃあな」
アントニーはエリカとシシに丁重に挨拶を述べた後、シャルルとともに部屋を出ていった。
シシ「さすがシャルル、さすがだわ」
エリカ「本当にすごい人ですね。私たちにも手伝えることがあればいいですね」
シシ「さあ、シャルルはいないけど2人でまた活動再開といこうか?」
エリカ「そうですね。今は1人でも多くの人々にニセ国王の実情を伝えて、革命軍を支援していくことが大切ですね」
シシ「じゃあでかけようか?」
エリカ「ちょっと待ってください。私、まだお化粧してないので」
シシ「エリカさんはすっぴんでも十分にきれいだわ」
エリカ「まあ。でもシシさんには負けますわ」
シシ「うふ」
エリカ「おほほ」
シシ「あ、そうだわ。今回のシャルルの件をシャムに知らせないと」
エリカ「そうですね。伝書バトだと説明しにくいのでシャムたちのホテルに行きましょうか。この時間であればまだいると思うので」
⚔⚔⚔
イヴ「剣はしっかりと研がないとね。うん、これでよし。ピカピカになったわ」
その頃、シャムたちは出掛ける前の準備を整えていた。
イヴは砥石で剣を研ぎ、アリサは爪を研いでいた。
2人とも昨夜は久しぶりに身も心も満たされたせいか、すっきりとした表情をしている。
一方、シャムは昨夜の度重なる精の放出で疲れ果てたのか、太陽が高く昇ってもいまだ高いびきをかいて爆睡していた。
ズィ~ズィ~ズィ~~~
アリサ「シャムったらまだグーグー眠っているよお、もう起こそうかああああ?」
イヴ「もう少し寝かせてあげてらいいんじゃない? 昨夜、美女2人に囲まれて奮戦したからかなり疲れているのよ、きっと」
アリサ「にゃにゃにゃああああん。昨夜は楽しかったねええええ」
イヴ「そうね。初めて経験したけど3Pって妙な気分がしたわ。アリサちゃんは2人でエッチするより3人の方がいいの?」
アリサ「にゃん、アリサはやっぱり2人の方がいいなああああ。でもたまには3人でするって刺激があるかもおおおお」
イヴ「3人でエッチという非日常的なことがお祭り気分を呼び起こすのかもしれないね。でも私も2人の方が好きよ」
アリサ「初めて全裸を見たけどイヴさんってすごくきれいな身体をしてるんだねええええ。憧れちゃうよおおおお」
イヴ「そんなことないわ。アリサちゃんこそスベスベとしたツルツルのお肌をしてるじゃないの」
シャム「むにゃむにゃむにゃ……イ、イヴ、それ以上吸うとおいらイッてしまうぞ~! ア、アリサ、腰をもっと振って! そう、ギュッと締め付けて……おおっ~、すごくいいぞ~~~!」
寝ぼけているのだろう。突然大声をあげるシャム。
昨夜散々2人の美女と睦み合い熱い夜を過ごしたというのに、まだ足りないというのだろうか。
アリサ「にゃっ……?」
イヴ「はぁ……?」
イヴとアリサはお互いに顔を見合わせてくすくすと笑った。
イヴ「シャムは夢の中で夕べの続きをやっているみたいね」
アリサ「にゃんにゃん、それほど私たちがよかったんだああああ」
イヴ「あれ?」
アリサ「どうしたの?」
イヴ「あれを見て……」
イヴが指し示した先には、パジャマズボンの股間をテントを張ったように大きく膨らませているシャムの寝姿があった。
昨夜イヴとアリサ2人を相手に激しい奮闘を繰り返し少なくとも数回は果てたはずなのに、早くも元気さを取り戻しているではないか。
恐るべし回復力。
シャムに『肉柱の疲労』と言う言葉は皆無なのかもしれない。
アリサがにやりと微笑むとシャムの掛け布団をめくろうとした。
まるで悪戯を企てる悪童のような表情をしている。
イヴ「アリサちゃん、ダメよ。今シャムを起こすと、また朝から1回やらなきゃならないわ」
アリサ「アリサ、朝からしたいよおおおお」
イヴ「ダメダメ、今日も大事な仕事があるんだから。さあ、早く準備しようよ」
イヴとアリサが出かける準備を始めると、突然エリカとシシがやって来た。
シシ「おはよう!」
エリカ「おはようございます」
イヴ「おはよう。どうしたの? 2人とも深刻な顔をして。シャルルはいっしょじゃないようだけど」
シシ「うん、実はね、大変なことが起きたの」
アリサ「あっ! もしかしたら2人はシャルルとあんなことやこんなことをしたんでしょおおおお?」
シシ「ん、もう~。何で私たちが3Pやらなきゃならないのよ! もしかして、あなたたちはそんなことしたの?」
イヴ「まさかねえ、私たちがそんなはしたないことをする訳がないでしょう?」
アリサ「にゃう~ん、あのねええええ」
イヴ「あっ、アリサちゃん! テーブルに置いている薬草の数を確認しておいてくれないかな? もうすぐ出かけなくてはいけないから」
アリサ「にゃう? 薬草の数? うん、いいよおおおお」
イヴ「で、シャルルがどうしたというの?」
エリカ「実はね……」
エリカは、今朝ジャノバ城の兵士がやって来て、シャルルが革命の指導者として招聘されたことを告げた。
イヴ「そうなの!? すごいじゃない~!」
アリサ「シャルルってえらいんだねええええ」
シシ「彼は一介の漁師ではないと思ってたけど、それほどすごいとはねえ」
エリカ「いいえ、私は彼が傑出した人物だと睨んでいましたわ」
エリカはきっぱりと語った。
毅然とした態度でシャルルを賞賛するエリカの姿を見て、イヴは彼女の心がシャルルに強く傾いていることを感じとった。
イヴ「じゃあ、私たちも応援しなくては」
エリカ「ところがシャルルさんが言うには、革命は民衆が行なうものであって、外部の私たちの助力は無用だと」
シシ「私たちの任務はできるだけ多くの人々にニセ国王の悪事を広めることなのね。彼の意向を尊重すべきかもしれないね」
イヴ「そうだね。それが一番かもね」
アリサ「じゃあ、私たちは早速街にでかけようよおおおお」
シシ「ところでシャムはどうしたの?」
イヴ「あのとおりよ」
女性たちは、すでに陽が高く昇っているのに、いまだベッドで高いびきをかいて眠っているシャムに視線を送った。
ズィ~ズィ~ズィ~~~
シャム「ムニャムニャムニャ……アリサぁ、もっと腰を廻して、そうそう、その調子だ……ムニャムニャムニャ……イヴぅ、もっと上手に舌を使わなくては……うひ~っ! 気持ちいいぞ~……ムニャムニャムニャ……」
エリカ「あらまあ、寝言? 夢の中で2人と愛し合ってるのですね? まったくしょうがない勇者さんですねえ。欲求不満なのかもしれませんね」
イヴ「あはは……そうかもね……」
シシ「アリサちゃん、シャムを起こしておいでよ」
アリサ「にゃんにゃん~、アリサに任せてええええ」
ベッドで気持ちよさそうに眠っているシャムを揺り起こそうとするアリサ。
アリサ「シャム、出掛けるよおおおお、早く起きてええええ!」
シャム「ムニャムニャムニャ……ん? もう1回したいって?」
アリサ「何を言ってるのよおおおお。早く起きてええええ」
シシ「もう1回……? ってことは……?」
エリカ「へえ、そのようですね……」
イヴ「え? いやいや、アリサちゃんは別に何もしてないわ。もちろん私もだけど」
シシ「やけにアリサちゃんをかばうのね」
エリカ「う~ん、何か怪しいですね……」
シャム「ムニャムニャムニャ……アリサぁ、でかくなったものを小さくしてくれよ~? ムニャムニャ……その可愛いお口でムニャムニャムニャ……」
アリサ「にゃんにゃん~、みんなが見ているけどこうすれば早く起きると思うのおおおお。シャム、パックリジュポジュポしちゃうよおおおお!」
アリサの横にシシがやって来て、掛け布団をまくりあげ朝から元気な肉柱を指でギュッとつねった。
シャム「ぎゃお~~~! いてえ~~~~~!!」
シシ「アリサちゃんの代わりに私がフェラしてあげるよ」
視線がぼやけているのか目をこするシャム。
シャム「ん? 誰だ? うひょ~! すげえ美人! 初めて見る顔だな~。誰でもいいや。フェラしてくれる?」
シシ「バカ、調子に乗るんじゃないよ! 私だよ! シシだよ! この顔を忘れたの!?」
シャム「えっ? おまえはシシか? どうなってるの? 違う子に見えるんだけど……」
シシ「美容室に行ってちょっとイメチェンしただけよ」
シャム「そうなんだ。新入りの女の子が仲間に加わって、挨拶替わりにオイラにフェラしに来たのかと思ったよ」
イヴ「バ~カ! もう、何を言ってるのよ~! つべこべ言ってないで早く起きて!」
シャム「ブツブツブツ……でもこの大きくなったものは誰が小さくしてくれるのかな?」
イヴ「誰もしない、しない。自家発電してないさい~」
シャム「何と、冷酷な言葉……しょぼん……まあ、仕方がないや。起きるとするか」
シャムは大きな欠伸をしながら、のそっとベッドから下りた。
さすがのシャムも美女たちの前では多少照れがあるのか、股間の膨らみを手で覆いながら洗面所へと向かっていった。
シャルルが抜けたこともあり急遽5人で行動する話にもなったが、目立つことは避けるという理由から、結局、元通りの班で行動することに決まった。
シャムたちは煎りたてのコーヒーを飲むため、城内のカフェでひとときを過ごすことにした。