![]() ファンタジー官能小説『セクスカリバー』 Shyrock 作 |
グッチ山脈からの雪解け水が、ゆっくりとコッペの泉に流れ込んでいる。
コッペの泉を豊かにする恵みの雪解け水。
冷たい雪解け水は、泉の底に沈み、貴重な酸素をもたらしてくれる。
このコッペの泉には多くの生物たちがその酸素の恩恵を被って生息している。
そんな争いのない穏やかなオアシス・コッペの泉にさえも、魔の手が忍び寄っていた。
最近、水を汲みに行った女性が襲われて惨殺されるという事件が相次いでいる。
周囲の村人たちは怖れおののき、次第に泉から足が遠退いて行った。
目撃したものの証言から、泉の魔物はゾンビの一種で、『レイクグール』と考えられた。
レイクグールは、生前、異常なほどに女性に未練を残して水死した男性の生きる屍と言われている。
並外れた性欲は生前の5倍以上にもおよび、女性が絶命するまで激しく犯し続けるという。
まさに残虐非道な魔物と言えるだろう。
そんな危険な場所であるとは露ほども知らない一人の美しい乙女が懸命に何かを探していた。
「ないなあ……この辺だと聞いていたんだけどなあ……」
乙女は天空の女性騎士団ワルキューレの一員で、名前をキューという。
ワルキューレと言っても、まだ天空騎士団に入隊したばかりで、剣士としての腕がいささか不足していたため、格付けはまだ見習いの『ワルキュー』ということになっていた。
もしかしたら、キューと言う名前はそこから生まれたのかもしれない。
ふだんのキューは羽根兜を冠り、白い服、赤マントを身に着け、ロングソードを腰に携えるという勇ましい姿であった。
まだ『ワルキュー』という格付けの新米ではあるが、その辺の半端な剣士より断然強い。
ただしそれは装備を身に付け剣を握ったときの話である。
キューは今、水に浸かって探し物をする必要があるため、衣服や武具を全て岸に脱ぎ捨て、見事に引き締まった美しい裸体を太陽の下で晒していた。
「あっ、あった~! これだ~! ついに見つけた~! これでゴーレムが作れるよ! やった~!」
キューは手の中に『ブラッドストーン』という真っ赤な石を握りしめている。
ようやく目的のアイテムを見つけることができて、歓喜のあまり小躍りして喜んだ。
雪解け水はかなり冷たいが、歓喜に咽ぶキューにとっては気にもならなかった。
「嬉しいな~。このブラッドストーンさえあれば造りかけのゴーレムがいよいよ動くぞ~! わ~い!」
キューはまるで子供が新しい玩具を与えられたときのようにのようにはしゃいだ。
そのため背後に迫りくる危険を察知することができなかった。
水中でキューの様子をじっと覗っていた黒い影は、水飛沫を立てることなくゆっくりと移動する。
まもなくキューの背後でブクブクと泡が立った。
ブラッドストーンに見入っているキューは、まだ背後の異変に気づかない。
突然、キューの背後で水面が盛り上がった。
ザバッ!
背後から巻き起こった水飛沫の音にキューはただならぬ気配を感じ思わず振り返った。
「な、なにっ!?」
水音に、はっとして振り返ったときには、すでに遅かった。
両足にぬめりのある物体が絡み付いてきた。
「え~~~っ!?」
足に絡みついた物体がすごい力でキューを水中へと引きづり込む。
何が起きたのか分からないまま、水中に呑み込まれていくキュー。
「ううぐっ……!」
水中でもがき物体を振り払い、ようやく水面に顔を出したキューは目前に迫った魔物の正体を見て愕然とした。
「うわぁ~~~っ!」
さすがの誉れ高い戦乙女も、突然現れた醜怪な魔物を見て慌てふためいた。
古びた兜を冠り錆びついた鎧をまとってはいるが、明らかに人間ではない。
顔が腐り果て、頬辺りからは骨が飛び出しているではないか。
しかし目だけは爛々と輝き、キューを見据えている。
背が高く優に2メートルは超えているだろう。
とても素手で戦える相手ではなさそうだ。
キューは迷うことなく魔物を背に、岸辺に逃れようとした。
岸辺にはロングソードが置いてある。
(早く剣を取らなければ!)
水を掻き分け懸命に岸辺を目指すキュー。
だが水中では思うように進まない。
相手は水辺に生息する魔物『レイクグール』である。
あっという間にキューに追いついてしまった。
レイクグールはふたたびキューの脚をつかんだ。
「は、放せっ! くそおっ!」
猛烈な力で足を引っ張られ水中に引きづり込まれる。
「うっぷ! ううぐっ……!」
キューは水中で手足をばたつかせ、必死に抵抗を試みる。
(うぐ、く、苦しい……息ができないよぉ……水中ではとても敵わない! 何とか陸上へ出なければ!)
魔物と揉み合っているうちに、一瞬だけ水面に出ることができた。
キューはその瞬間を逃さなかった。
渾身の力を込めて放った手刀がレイクグールの頭上に炸裂した。
ウグッ!
「効果があったかな……!? よし、今のうちだ!」
キューは岸辺に向かって懸命に泳いだ。
泳ぎには自信がある。
(岸辺には置いてあるロングソードさえあれば……)
岸辺は目前だ。ロングソードが見えてきた。
やっとの思いで浅瀬にたどりつき、ソードに手を伸ばそうとしたとき、不幸にもふたたびレイクグールに足首を掴まれた。
(く、くそっ! もう少しなのに! 負けてたまるか~!)
キューは歯を食い縛って懸命に手を伸ばした。
(よし! もう少しだ!)
足首が千切れてしまうそうなくらいに痛い。
(ううっ……ああっ、もうダメだ……力では敵わない……く、くそ……)
ズルズルズル……
またしても下半身が水中に引きずりこまれた。
(ううっぷ! もう水は飲みたくない~!)
「ガオ~~~ッ!」
レイクグールはキューの脚をつかむと徐々に自分のほうにたぐりよせていく。
まだ浅瀬なので何とか顔を出し呼吸はできるが、レイクグールキューを一体どうしようと言うのか。
必死の抵抗にもかかわらず、レイクグールはキューの身体を反転させると真正面から抱きついてきた。
「おぇえ~! 気持ちわるい~! それにすごい悪臭だ!」
レイクグールはキューの背中に腕を回すと強烈な力で締め上げてきた。
「うう……苦しい……せ、背骨を折られてしまうよ……」
キューは幾度となくレイクグールの頭部めがけて手刀を振るった。
しかし締め付けられているため思うように力が出ない。
「ううう……背中が痛い……」
「ガオ~~~ッ!」
レイクグールは奇声を発して、キューの首に手を回した。
すさまじい力で首を締めてくる。
(うう……苦しい……息が詰まりそうだ……)
その力は明らかに人間の比ではない。
いくら日頃鍛錬しているワルキューレとは言っても魔物の力には敵わない。
(だめだ! 早く逃げなくては……うう、苦しい……)
「ギャオ~~~!」
レイクグールはキューの首を絞められたまま、身体を吊り上げていく。
爪先が地面から離れ、身体を宙吊りにされてしまった。
これではまるで絞首刑だ。
手足をばたつかせて暴れてみるが、レイクグールにはまったく歯が立たない。
(ううぐ……)
呼吸ができないキューは苦しみに表情を歪ませ身体を痙攣させている。
次第に意識が遠のき、抵抗する気力も薄れていく。
(うう……もうだめ……)
そう思った次の瞬間、レイクグールはキューの腰を持ち軽々と抱きかかえた。
身長差もあってキューは完全に宙に浮いている。
呼吸が可能となりふと我に戻ったキューは、下方に異様な物を目撃し思わず絶叫してしまった。
「きゃあ~~~! やめて~~~!」
キューの眼下には、30センチは優に超えるであろう巨大で醜怪なレイクグールの肉柱がそそり立っていた。
腐敗した肉体にはあまりにも不釣合いな隆々とした物体であった。
今まさにキューの秘めやかな箇所に押し込もうとしている。
(ひぃっ! 冗談じゃないわ~! そんなもの挿し込まれたら私のものが壊れちゃうよ~!)
キューは渾身の力を込めて頭上に手刀の雨を降り注いだが、レイクグールは微動だにしない。
キューの手刀を嘲笑うかのようにニヤリと笑うと、肉柱を近づけてきた。
「いやっ! や、やめてよっ! そんなモノ入る訳ないじゃないっ!」
「ガオ~ッ!」
キューは秘部に触れる何ともいえない不快感に苛まれながらも、身をよじって懸命に逃れようとした。
「グフグフグフ……」
レイクグールは不気味に笑う。
それは天空の女性騎士団ワルキューレにまもなく勝利する歓びか、それとも一人の美しき乙女を征服する歓びか。
彼の股間にそびえる肉柱は恐ろしいほど怒張している。
30センチを優に超える肉柱はキューの腕ほどはあるだろうか。
長さ、太さ、固さが最高に達した魔物の生殖器は一種の凶器といっても過言ではないだろう。
そんな恐ろしき肉柱を挿入されたらキューはいったいどうなるのだろう。
「や、やめて! いやあ~~~~~~!!」
「ギャオオオ~~~!!」
レイクグールは地獄の雄叫びをあげると、すぐにキューの秘裂に怒張したイチブツをあてがった。
今まさに貫かれようとしている。
「ひい~~~!! やめて~~~~~~っ!!」
キューはまたしても手刀を繰り出したが、レイクグールはものともせず力任せに腰を突きだす。
「ぎゃぁぁぁぁぁ~~~~~~!!」
激痛が身体を突き抜けた。
両手でレイクグールを殴り脚をばたつかせてみるが、レイクグールに担ぎ上げられ宙に浮いた状態なのでうまく力が入らない。
強引に奥へ奥へと押し込もうとするレイクグール。
濡れていないのですんなり入る訳がない。
それでも強引に押し込み、カリの部分が埋没してしまっている。
キューはポロポロと涙をこぼしそれでも無駄な抵抗を試みる。
膣の半ば辺りまで捻じ込んだところで、レイクグールは肉柱を激しく律動させた。
「ガオ~ッ! ガア~ッ!」
「うううっ……いたい……や、やめ……!」
あまりの痛みに耐えきれず、キューは爪でレイクグールの顔を引っかいた。
だが相手はアンデッドだ。応えるはずもなく、にやりと笑っているだけだ。
~シャムたちの現在の体力&魔力~
シャム 勇者 HP 190/200 MP 0/0
イヴ 神官 HP 140/150 MP 140/150
モエモエ 魔導師 HP 120/130 MP 160/170
◇
キュー ワルキューレ HP50/200 MP 0/0
⚔⚔⚔
「ガオオーッ! ガア、ガアアアッ!」
「く、くるしい……」
このまま巨大な肉柱で責めつづけられるとかなり危険だ。
一刻も早くレイクグールから離れなければならないが、丸太のような腕で押さえつけられ、キューの力では逃げ出すことも困難であった。
「ううぐっ……くるしい……うぐっ……」
ところが不思議なことに、太くて長い肉塊を挿入され苦しいはずなのに、微かではあるが花芯から蜜が浸み出していた。
次第にキューが漏らす吐息が変化していた。
苦痛の中に、ほんのわずかだが快感が混在している。
レイクグールは数分間に及ぶ激しい律動の後、まるで雄叫びのような唸り声をあげた。
「グワオ~~~~~~~~ッ!」
何とキューの胎内に大量の液体を注ぎ込んだのだ。
身体の奥に感じる熱い液体。
「や、やめ……てぇ……」
キューは朦朧とする意識の中で、魔物に精液を注がれることに戦慄した。
だが拒むことができない。
射精する瞬間、レイクグールのキューを締め付ける力がわずかに緩んだ。
(今だ! 逃げなければ!)
混濁した意識が急に鮮明になったキューは素早く行動した。
レイクグールの腕からスルリと抜け出し、すぐにレイクグールから離れた。
幸いここは浅瀬だ。水に溺れることはない。
岸辺に向かって逃げ出そうとしたキューであったが、突然腹部に激痛が走った。
レイクグールの肉柱で犯されつづけたため、大事な場所が裂傷を負ったのかもしれない。
キューは痛みをこらえながら逃走を試みたが、身体が思うように動かない。
「く、くそっ……!」
逃げ損なった獲物にレイクグールが襲いかかる。
両脚をつかみ手元へとたぐりよせる。
ズルズルズル……
「ガオ~~~~~ッ!」
掴んだ両脚を大きく割り開いて、ふたたび肉の凶器が急襲する。
無防備なキューの亀裂にまたしても巨大な肉柱が食いこむ。
「きゃぁ~~~っ! もういや~~~! ひぃ~~~っ!」
先ほど射精したばかりなのに、早くも猛々しくそそり立っているではないか。
恐るべき精力、旺然たる性欲。
今度は背面立位でキューを犯しながら首を絞めてきたのだ。
もしやキュー殺めようというのか。
「ううう……く、苦しい……」
キューは苦しさから身体を痙攣させ始めた。
(うう……もうダメ……)
意識が次第に遠ざかっていく。
⚔⚔⚔
「雑魚ばかりといっても、あれだけ沢山の敵が現れるとちょっと疲れたわ」
「イヴもかなりがんばったものな。おおっ、コッペの泉がもうすぐだ。冷たい水が飲めるぞ!」
「そうね。喉が乾いたね」
「あの~、イヴとモエモエ……、二人ともかなり体力を消耗したんじゃないか? 泉で休憩してついでに『チンヒール』を注入してあげようか?」
「まあ、なんと昼間っから不謹慎な。私、そんなに怪我をしていないし大丈夫だよ~」
「え?『チンヒール』? いや~ん、シャムのエッチ~」
「エッチって……!? モエモエ、そういう風に言ってもらっちゃ困るなあ。これはエッチとかじゃなくて体力回復のおまじないのようなものだよ~」
会話中、モエモエが突然怪訝な表情をした。
「モエモエ、どうしたんだ?」
「何か聞こえなかった? 今、泉の方で変な声がしたの」
「変な声? いや、おいらには聞こえなかったよ」
「私も聞こえなかったわ」
ガオ~~~!
「ほら、あの声よ! 泉に何かいるよ!」
「泉へ行ってみよう!」
「ええ、行きましょう!」
シャムたちは木立を抜けて、泉へと駆けていった。
まもなく泉が視界に入ってきたとき、信じられない光景が目に飛び込んできた。
最初に声をあげたのはモエモエであった。
「わっ! 大変よ! 裸の女の子が魔物に首を絞められてる!」
「キャッ! 魔物のアレが女のコのアソコに突き刺さってるわ!」
「これはやばいぞ! みんな! あの女の子を助けに行くぞ!」
「早く助けてあげないと!」
「急ぎましょう!」
「よし! おいらが魔物の正面から切りかかる! イヴは魔物の後ろに廻り込んでくれ! それから、モエモエは後方から魔法で援護してくれ!」
戦闘隊形はすぐに決まった。
少女は意識を失くしているのか、それともすでに絶命しているのか、ピクリとも動かない。
「おい、そこの腐った化け物! 女の子を放せ!」
「女の子をいじめるヤツは絶対に許さないわ~!」
少女に凌辱を繰り返すレイクグールはシャムたちの姿を見て腰の動きを止めた。
「……!?」
レイクグールに向かってシャムが銀の剣を振りかざした。
イヴも神官の剣を構える。
レイクグールは抱きかかえていたキューを水の中に放り投げ、シャムたちに向かって雄叫びをあげた。
「ガオ~~~ッ!」
「しめた! 魔物が女の子を放り投げたぞ! イヴ、女の子をすぐに助けてやってくれ!」
「うん、分かった!」
救出の邪魔をされないよう、シャムはイヴとキューを前に立ち、レイクグールに剣を向けた。
レイクグールがシャムに襲い掛かってきた。
「ガオォォォッ!」
次の刹那、銀の剣がキラリときらめいた。
レイクグールのパンチがシャムに命中するよりも早く、剣がレイクグールの胸板に突き刺さった。
「ギャオオオ~~~~~!」
「よしっ! 手応えがあったぞ!」
ところが深い傷を負ったはずなのに、不敵にニヤリと笑うレイクグール。
「なんだと? 剣で突かれても平気なのか!?」
次の瞬間、レイクグールのパンチがシャムの顔面を捉えた。
バシッン!
「うぐっ!」
シャムはそのまま水面に転倒してしまった。
「く、くそ……何という馬鹿力だ……いて~な~……」
レイクグールがシャムに追撃を加えようとしたとき、モエモエがファイアボールの呪文を唱えた。
炎の玉がレイクグール目掛けて一直線に飛んでいく。
そして見事にレイクグールの身体に炸裂した。
「ウギャ~~~~~!」
レイクグールのようなアンデッドに対して武器攻撃はあまり効かないが、魔法攻撃はかなり効果があるようだ。
レイクグールの身体はメラメラと炎に包まれ、かなり苦しんでいるようだ。
しかしまだ倒れない。
「すごい体力だわ……苦しんでいるけどまだ生きている。じゃあファイアストームはいかが!?」
モエモエはワンランク上の火の魔法『ファイアストーム』の呪文を唱えた。
「セクツシヤモヲクア~ヨラシハノオノホ!」
ところが残念ながら、膝から下が水中なので火柱が起こらない。
「あっ、しまった……火の魔法は水中じゃダメだったわ。弱ったな……」
レイクグールは炎を叩き消すと、今度はモエモエに猛然と襲いかかった。
「ガオ~~~ッ!」
「きゃあ~~~!」
逃げるいとまもなく一瞬にしてモエモエは捕らえられ、高々と担ぎ上げられてしまった。
さらに導師服に手を伸ばし、衣服をいとも簡単に引き千切ってしまった。
「きゃ~~~! やめて~! 気持ちわるいよ~! 変なことしないで~~~!」
キューに続いてモエモエにまで、淫靡な牙を剥こうというのか。
「ううう、痛かったなあ……んっ! モエモエが危ない!」
ようやく立ち上がったシャムはふたたにレイクグールに戦いを挑んだ。
動きの速さに勝るシャムなので容易にソードを突き刺すことができたが、先ほどと同様の攻撃を加えても効果は望めないだろう。
「ちぇっ、こいつ剣で死なないのか、こりゃ参ったぞ」
ちょうどその頃、キューの傷の手当てをしていたイヴが、モエモエたちの窮地を察し、剣を天にかざして何やら呪文を唱え始めた。
「天界の神よ! 汝の聖なる力を我に与え給わん! ホーリーウィンドよ~吹け~♪ 醜き悪の化身を葬り給え~~~!」
するとどこからか白い渦巻状の風が巻き起こり、レイクグールを取り囲んだ。
レイクグールは苦しみながら、抱きかかえていたモエモエを水面に放り投げてしまった。
「グ、ググ、グワアアアア~~~~~ッ!!」
もがき苦しむレイクグールの身体はきりきりと舞いながら、次第に白い灰のように薄くなっていく。
その恐るべき光景を呆然と見つめるシャムたち。
白い灰はくるくると回転しながら少しずつ天に昇って行った。
やがてレイクグールの身体は跡形もなく消えてしまった。
シャムたちは100Gを手に入れた!
シャムたちは緑キノコを手に入れた!
剣をソードベルトに収めながら、シャムはイヴの魔法を絶賛した。
「イヴよくやったぞ! その魔法はなんていうんだ? すごいパワーだなあ」
「この魔法はアンデッドに対して効果がある白魔法で『ホーリーウィンド』と言うの。アンデッド以外の魔物や人間にはあまり効果がないの」
「さすが神官さんだね~。ゾンビやグールなどアンデッド系が相手だと私の黒魔法よりも聖なる力を秘めた白魔法の方が効くみたいだね。ふ~ん、勉強になったよ~」
「そんなことないわ。モエモエちゃんの魔法のパワーは凄いわ」
「あっ、それより、レイクグールにやられた女の子の手当てをしなければ」
「だいじょうぶ。先ほどヒールの魔法を掛けておいたの。でもかなり重傷のようなので、まだ完全には治ってないと思う。シャム、ここはあなたの力の発揮しどころよ。ちょっと妬けるけど例のチンヒールを使ってあげて?」
「え? チンヒールを?」
「わ~いわ~い! 私も見たい~!」
「そんなあ。見世物じゃないんだからさ。そばで見られたらやりにくいよ」
「それもそうだね。じゃあ私とモエモエちゃんは木陰に隠れているから、その間にあの子の怪我を治してあげてね」
「うん、分かった。(しめしめ)」
「シャム、何か言った?」
「いや、別に。じゃあ治療するね」
シャムは水辺に横たわっているキューのそばに行った。
キューは全裸だったが、そこは気配りのあるイヴのこと、事前にキューの腰に布をかぶせ隠してやっていた。
イヴが1、2回ヒール魔法をかかけていたこともあって、キューの怪我は少しだけ回復していた。
しかしキューの傷は思ったよりも深く、イヴのヒール魔法だとMPが足らなくなる。
もしも今、キューが敵に襲われるようなことがあれば、おそらく助からないだろう。
シャムはチンヒールを急ぐことにした。
シャムがそばに座りそっと肌に触れても、キューはまだ気が付かない。
シャムはキューの上に覆い被さり、ゆっくりと唇を近づけた。
キューの美しい肉体からはまるでリラの花のような甘美な香りが漂っている。
甘い香りのせいか、それともキューの魅力のせいか、シャムは早くも下半身に男らしさがみなぎっていた。
シャムはキューに唇を唇を重ね乳房を揉んでみたが、依然起きる気配がない。
乳房を揉んでいた手はゆっくりと下半身へと向かった。
小高く盛り上がったデルタ地帯には黄金色に草むらが茂っている。
草むら指でかき分けるとくっきりと縦に走った亀裂が見つかった。
レイクグールの肉凶器のせいで重傷をおそれていたが、イヴの治癒魔法の効果もあって見違えるように回復を見せていた。
あとは体力の回復を図るだけだ。
シャムはあらかじめ入念に愛撫を施した。
「うう……ううう……ああん……」
「お? 意識が回復したようだな。心配するな、体力を回復してやるからな」
キューが治療される様子を、大きな樹木の陰からチラチラと覗いている二人の女性の姿があった。
樹木の右側からはイヴで、左側からはモエモエが覗いていた。
二人はチンヒールの光景を絶対に覗かないとシャムに約束をしていたが、シャムたちの様子が気になって仕方がなかった。
モエモエは見ているだけで気持ちが昂ぶってきたようで、ほんのりと頬が紅くなっている。
「うわあ……すごいやぁ……私、何か変になって来たあ……」
二人の濡れ場を目撃したイヴは、ゴクリと生唾を飲みこんだ。
「きゃ~、ついにシャムのチンヒールが始まった。他人のエッチシーンっ見るって何か興奮するわ~。それにしてもあのキューという子、とても可愛い子ね~」
キューはまだ意識が朦朧としているが、シャムの丹念な愛撫により花芯には十分な潤いを見せていた。
「さあて、それじゃそろそろチンヒールをかけるとするか。 それにしてもおいらにこんな特技があったとはな~。くくくくく」
しまりなく笑うシャム。
それでも立派な肉柱は隆々とそそり立ち、おもむろに狭い渓谷にあてがった。
ズニュッ!
「んっ……? や、やめて~~~っ!」
シャムが挿入したその瞬間、目を覚ましたキューであったが、まだ魔物に犯されているとばかり思い、辺り構わず手を振り回した。
その手がシャムの顔面を捉える。
「いたいっ!」
「やめてよ~! 魔物は大嫌いなのっ!」
「おいらは魔物じゃないよ! おまえの怪我の治療をしてやってるんだよ~」
「うそっ! 魔物のくせに人間に姿を変えていやらしいことをしてるんでしょ~!?」
依然抵抗をやめないキュー。そのうちの数発がシャムの顔面を捉える。
「いてててっ! おいらは魔物じゃないよ! 信じてくれよ、おまえの治療をしてるんだって!」
「こんなエロい怪我の治療なんて聞いたことないよ~!」
「それがあるんだよな~!」
性交中に揉み合うと通常の男は多少なりとも萎えるもの。
だけどシャムは一向に萎える気配がない。
これもまた『チンヒール』という特殊能力を持つ勇者の証なのか?
キューに打たれながらも、シャムの肉柱はきっちりとその役目を果たそうとしていた。
キューがいくら暴れても、結合部分はピタリと填まって抜けることはない。
もちろん腰の律動は規則正しいリズムを刻んでいる。
「うそ、うそ……ああん……いやなんだけど……ひもひいいかもぉ~……ああん……」
キューの声が少し上擦っている。
グッチョグッチョグッチョ!
「ああん、ああん……や~ん、ああん、あああ~~~」
木陰からシャムたちの様子をそっと覗いていたモエモエが、激しく興奮してしまいショーツの中に指を忍ばせていた。
「やだぁ……あんなすごいのを見せつけられたらもう堪らないよぉ……」
ともってしまった肉体の炎を鎮火しようと無意識に指を動かし始めている。
頬は紅潮しときおり悩ましい声まで漏らしていた。
一方イヴもまた、あまりの淫らな光景に言葉を失ってしまい、いつしか乳房をまさぐっていた。
うごめく指は次第に下の方へと下りていく。
いつしかキューは抵抗するのをやめその身をシャムに委ねていた。
「あああああ……だめぇ……やだぁ……私、おかしくなっちゃう……いやあ~~~~~!」
「おお、おおお、おいらももう限界だ!うぉ~~~~~~!」
ドピュ~ン!
白い液体がキューの奥深くに発射された。
ぐったりとしてうな垂れているが、どこか満足気な表情がうかがえた。
そして萎えた肉柱を収めようとしたシャムは、キューの秘部に不思議な輝きを発見した。
そう、イヴやアリサと同様にクリトリスがキラキラと光り輝いているではないか。
「あれれ? おいらが旅先で出会った3人の女の子のクリトリスがいずれも光ってる。城の女の子たちは全然光っていなかったのに、一体どうなってるんだ……?」
「なにをぶつぶつ言っているの?」
シャムは奇妙な符合に首を傾げたが、今はクリトリスの輝きのことよりも、キューに対して強引に性交した理由を説明することが先決だと考えた。
「目を覚ましたらエロいことをされてたからびっくりしただろう? でもこれってマジで治療なんだ。怪我も治っているだろう?」
「あっ、本当だ! 怪我が治ってる! そう言えばあの魔物にいやらしいことをされて死にそうだったけど、元気になってる。あなたはいったい誰なの!?」
「おいらはシャムっていうんだ。邪悪な魔物を倒して平和を取り戻すため旅をしているんだ。偶然この泉を通りかかったとき、おまえが襲われているのに出くわしたんだ」
「それで魔物を倒して私を救ってくれたのね?」
「うん、そうだ」
「ありがとう。感謝するわ。あなたが助けてくれなかったら今ごろ私はどうなっていたか……」
「危ないところだったよ。でもおいらよりもあの子たちが活躍してくれて……あれれ?」
「どうしたの?」
「二人はどこに行ったんだろう?」
「そばにいたの?」
「うん、おいらたちがズッコンバッコンしている最中、顔がちらりと見えていたんだけどなあ……」
「そうなの? じゃあ探しに行こうよ」
「うん」
シャムとキューが木陰に近づいたとき、悩ましげな声が聞こえてきた。
「ああ、はふ~ん……いやん……ああん……」
「……?」
「えっ……?」
シャムとキューは顔を見合わせ、忍び足で大木へと進みそっと覗き込んだ。
何とそこには木の根元に座り込んだモエモエが導師服をまくりあげて、杖の持ち手の部分で股間をスリスリしているではないか。
「きゃっ……見てはいけないシーンを見てしまった……」
「うわあ、すげえことしてる……」
自慰行為に耽っていたモエモエはシャムたちが覗きこんでいるとは夢にも思わなかったが、彼らのひそひそ話が聞こえてようやくその存在に気がついた。
「きゃぁ~~~~~~~! 見ないで~~~~~~~!」
モエモエは急いで服装のみだれを直そうとした。
「モエモエ、おまえ……」
シャムがモエモエにささやきかけようとしたとき、キューがそれを制止した。
「こんなときは、見ないふりをするのが紳士というものよ。さあ、向こうに行って向こうに行って」
そこにイヴがやってきて、モエモエに聞いた。
「モエモエちゃん、何をしていたの? パンツがずれてるじゃないの」
「もう、イヴさん、見ないでよ~。恥ずかしい……」
もえもえは顔を赤らめてうつむいてしまった。
その恥らう仕草がとても初々しく愛らしかった。
シャムがキューにたずねた。
「ところで、おまえは名前なんていうんだ?」
「私はキュー。天空騎士団ワルキューレの一員なの。でもまだ新人なもので、称号は“ワルキュー”なの」
「ふうん、そうか。おいらはシャムだ」
「私はイヴ。よろしくね」
「私はモエモエっていうの。はじめまして~」
イヴはモエモエに衣服の乱れを指摘した。
「それはそうとモエモエちゃん、パンツが導師服からはみ出てるじゃないの。早く直して」
「わっ、いけない! 忘れてた」
「そんなこと子供でも忘れないよ、まったく」
「は~い、イヴお姉さま~、これからは気を付けるね~」
シャムがキューにたずねた。
「ところで、キューはどうしてあんな魔物に襲われたんだ?」
キューは『ブラッドストーン』を見せながら、事のいきさつをシャムたちに説明した。
天空女騎士団ワルキューレ部隊も、近頃、地上に蔓延(はびこ)る悪の化身たちを退治しなければ世界が滅亡すると考え戦うことを決意したという。
魔物たちとの戦いは一進一退の攻防を繰り広げた。
ワルキューレたちの剣の腕は確かなものであったが、力や体格に勝る魔物たちに幾度となく苦汁を飲まされることがあった。
とりわけ魔物の中でも色好みの“淫獣”に遭遇した場合、戦いに敗れると散々陵辱されるという災難が待ち受けており、若い戦乙女たちにとっては耐えがたい屈辱であった。
そこでワルキューレたちは知恵を絞った。
淫獣よりも実力・体力に勝る者は何かと……
最強は神獣ドラゴンだが、彼を召還することは相当高度な召還術が必要とされ、魔力の少ない彼女たちは諦めざるを得なかった。
そこで考えたのが、実力・体力ともに優れた『ゴーレム』を召喚することであった。
『ゴーレム』は土や粘土で作られるが、石や金属で作られる場合もある。
ギリシャ神話の鍛冶の神、ヘパイストスが作った青銅の巨人タロスも『ゴーレム』の一種と見ることができる。
ワルキューレたちは特に知力に優れたキューに『ゴーレム』造りを任せた。
キューは剣の練習を休んで、人形造りに精を出した。
その成果はまもなく現れた。
何とキューは10日の間に3体もの『ゴーレム』を造ったのであった。
ただし『ゴーレム』を動かすにはその魂ともいえる『ブラッドストーン』が必要だ。
ワルキューレたちは『ブラッドストーン』を2個持っていた。
2体の『ゴーレム』は命を吹き込まれ、彼女たちと共に戦い、大いに戦果をあげた。
しかしあと1体分の『ブラッドストーン』が足らない。
そこでキューは『ブラッドストーン』を見つけるための旅に出た。
「なるほど。それで『ブラッドストーン』があるという噂を聞いてコッペの泉に来たという訳か。そこをレイクグールに襲われたんだな」
「そう、そのとおりよ。でもシャムたちのお陰で助かったわ。本当にありがとう! おまけに体力まで回復してくれて、どうお礼を言えばいいやら(ポッ……)」
「いやあ、お礼だなんて。えへへへへ」
シャムは照れて頭をかいた。
「そうよね? お礼を言うのはシャムの方かもね。こんな可愛い子といいことができたんだから」
「イヴ、余計なことは言わない」
モエモエがキューに話しかけた。
「ねえ、キューちゃん。1人じゃ危ないから私たちといっしょに旅をしない? もちろん、ワルキューレ部隊と合流するまでの間だけでもいいんだけど」
「モエモエちゃん、ありがとう! それじゃお言葉に甘えて旅の仲間に入れてもらおうかな。剣の腕も磨きたいし」
イヴもキューの仲間入りを歓迎する。
「うん、私もその方がいいと思う。魔物をたくさん倒すと経験値も上がるしね。ここにも一匹エロい魔物がいるけど彼は倒さないであげてね」
「イヴ、そんな言い方はないだろう。こんな紳士をつかまえて魔物なんて」
「あ~ら、ごめんなさいね~」
「エロいけど頼れる魔物だからね~。ねえ? キューちゃん」
「ええ、とても(ポッ)」
「魔物魔物って……誉められているのかどうか、何か微妙だなあ」
「ほっほっほ~」
「うふふふふ」
「あはははは~」
緊迫した場面から始まったコッペの泉も、いつしか笑い声に包まれ平和が蘇ったのだった。
シャムたちは岸辺に宝箱を見つけた。
シャムたちは青銅のブラジャーを3つゲットした!
イヴは青銅のブラジャーを装備した! 守備力が5上がった!
モエモエは青銅のブラジャーを装備した! 守備力が5上がった!
キューは青銅のブラジャーを装備した! 守備力が5上がった!
1,000ゴールドゲットした!
シャムたちはコッペの泉を後にして、トスカの森に向かった。
今夜1泊すれば、明日の夕方には聖者ムッヒの住むトスカの森に着くだろう。