サラバンダ 作





見知らぬ人に触れられるのが怖いのか
店の奥からひっそりと
喧騒な通りを眺めやる


道行く男たちは そんな君に渇きを覚え
生唾を飲む
君はそれを 幾日愉しめば気が済むのか


傷つきやすい薄衣が
何の役に立つものか
君もそれを 百も承知のはず
熟して紅差す豊かな体が
すっかり透けている


街の埃と 好奇の目で汚された
そのベールを剥いであげよう
つるりと丸く 滑り落ちそうな裸身
掌てのひらに包むだけで 痕が残る繊細な肌
芯まで冷えてもなお
なぜか浮かぶ愛の汗に
絹の産毛が輝く


慎ましい谷の落ち窪みへ
ぐいと指を突き立てれば
高貴な香りを放って
じゅくっと染み出す芳醇な露


一滴もこぼさず啜すすり上げると
ぷるると柔肌を震わす君
私は構わず白い果肉に齧かぶり付く

ああ 夏の至福















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