ロフト
「ぼちぼち夏物に入れ替えなくちゃ」
ロフトの梯子をのぼる君
デニムのショートパンツ
はみ出した足が眩しくて
「いい眺めだなあ」
「エッチ 見ちゃだめだよ」
「目の保養になるなあ」
「見ないで」
「一枚撮るから そのまま梯子につかまってて」
「撮っちゃダメだって」
パチリ
パチリ
君をデジカメに収めていく
「そんなことするとあなたも春物といっしょにしまっちゃうぞ」
「やめてくれ」
「じゃああっち向いてて」
「はい」
デジカメは床に置いたけど
瞳という名の一眼レフのシャッター切って
記憶の引き出しに大切にしまっておくよ
夏はすぐそこに