それはほの暗い密室だった

俺は柱に後手で縛りつけられ
身動きできないまま
口惜しさを噛み締めていた
叫ぼうとしても
どういうわけか
まったく声が出ないのだ

俺の目前では信じがたいような
忌まわしい惨劇が繰り広げられていた
背後から男の看護師がお前を押さえつけ
前方からは陰気な医師がお前を犯していた

「いやぁ……許してぇ……」

M字に広げられ辱めを受けるお前は
懸命に抵抗をしめし
わなわなと唇を震わせ
瞼からは大粒の涙を零していた

陰気な医師は手術用のメスを使い
お前の下半身を覆う唯一の薄衣を切り裂いていく
なだらかな丘に申し訳程度に茂る
草原が現れた

陰気な医師は懐中電灯でお前の陰部を照らし
お前の耳元で淫語をささやきながら
ふっくらと膨らんだ蕾に
指を沿わせた

「あぁぁ……だめぇぇぇ……」

上から下へ
下から上へ 
一筋の罫線に沿って
緩やかに撫でられると
密やかに包み覆していた
微妙な重なりの花びらが
恥ずかしげに顔を覗かせた

陵辱の様子を
陰気な医師はわざと俺に見えるように陣取り
嬲りつづけた

お前の頬には次第に赤みが差し
拘束された肉体をうねうねとくねらせた

「あぁ、許してぇ……堪忍してぇ……」

俺は声にならない声で叫び
お前の名前を呼びつづけた
俺は絶望と失意の淵で
己の意思とは裏腹にマグマが煮えたぎるのを
抑えることができなかった

苦悶する俺を陰気な医師と看護師が嘲笑うかのように
お前を心行くまで蹂躙した



その時だった
俺はやっとのことで夢から覚めた
全身汗びっしょりだった
枕元を見るとお前からメールが届いていた
俺はため息をつきながら流れる汗を拭った

あの夢は一体何だったのか……
どうしてあんな嫌な夢を見たのだろうか……
あの陰気な医師は誰だったのか?
彼は俺に一体何を告げようとしたのか



















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