第31話「最奥の秘宝ポルチオ」
正常位でキスをすると一体感は味わえるが、その代わりに腰の動きが緩慢になってしまう。
チュッ……ムチュッ……
唇と唇が重なり合う。
もえもえの豊満な乳房が一平の胸板と密着する。
チュチュ、チュッチュ……
いだき合い、唇を重ね、さらに下半身は結合している。
動きはたおやかだが緊密さに新たな興奮が芽生える。
「もえもえ、好きだよ」
「一平ぇ……私も好き……」
一平は腰を前面に突き出す。
デリケートな箇所同士が擦れ合う快感に、もえもえは堪らず熱い吐息を漏らせる。
ゆっくりとした抽送だが、怒張した物体がもえもえの中でその存在を誇示する。
激しい興奮に見舞われ早くも射精を意識した一平は体位を変えてみることにした。
早くイキそうなときには、一旦抜いて体位変換することでわずかな休息が生まれ、なおも持ち堪えることができる。
遊び慣れた一平にとっては取るに足らない初歩的なテクニックであった。
(ふふふ、ご馳走はゆっくりと時間を掛けて味合わなきゃね)
「もえもえ、ちょっと体位を変えるよ」
一平はそうささやくと、仰向けに寝ているもえもえを起こし、ベッドの上に向かい合って座らせた。
対面座位の始まりだ。
一平はまだ知らないが、座位はもえもえの大好きな体位の一つである。
お互いに顔が見られて抱きしめ合えるのが長所だ。
興奮醒めやらず元気いっぱいの肉柱を濡れそぼった亀裂にあてがった。
一平の両手はもえもえの臀部を支え、もえもえは両腕を一平の首に絡めた。
ズニュッ……
結合を果たすとすぐに一平は強靭な突き上げを見せる。
「ああっ……!」
ズッチョズッチョズッチョ……
「あっ……あっ、あっ……ああっ……いいっ……」
激しい快感に襲われたもえもえはたまらず一平の首筋に顔を寄せる。
その瞬間、花弁がギュッと締め付けをみせた。
「くうっ~……ううっ、すごい! まるで吸盤に吸い寄せられているようだ……ううっ……もえもえ、こりゃいいよ~!」
「ああんっ……一平、私もいい! すごく気持ちがいい!」
狭い部屋に二人の嬌声が飛び交った。
冷房をかけてあるが、二人の運動量からすれば大して効果がないようだ。
二人はおびただしい汗にまみれている。
グッチョングチョングッチョン……
一平が動くたびに結合箇所から卑猥な粘着音が漏れる。
だけど今のふたりには、悠長に聞き耳を立てている余裕など更々なかった。
もえもえは突き上げられる度に眉間に皺を寄せ歓喜の表情を浮かべている。
口はプカプカと開閉を繰り返しているだけで、うめき以外言葉は聞こえてこない。
数分間対面座位がつづいたが、まもなく一平が上体を後方に倒した。
自然に騎乗位へと移行する。
勘のよいもえもえはいち早く一平の意図を理解し、彼の腹上で騎乗位の体勢を整える。
しかしいまいち騎乗位の苦手なもえもえは結合がうまくいかない。
だけどそこは女性慣れした一平のこと、もえもえを上手くリードしてやりうまく肉柱を収めた。
再び二人はリズミカルに動き始める。
もえもえは一平の腹上でサンバダンスのように上下動を刻む。
ときおり高ぶりのせいで左右にふらつくもえもえの腰を、一平は支えながら下から鋭い串刺しを見舞う。
怒張した肉柱が狭い肉道をこすりつける。
もえもえが後方に反り返った体勢になるとちょうどGスポットが擦れ、もえもえは泣き出しそうな甘い声を奏でる。
それほど汗かきではないもえもえの額に汗の水滴が浮かんでいる。
もえもえが騎乗位が不得手であることを悟った一平は体位を変えようと提案した。
四つん這いにさせ、すぐに後方から攻める一平。
ズンズンズン!
「あうっ……すっ、すごい……あああっ……」
バックは騎乗位より手応えがよい。
もえもえにとって好みの体位なのか、もえもえの嬌声が一段と高らかになった。
好感触に上機嫌の一平が腰を躍動させる。
パンパンパンパンパン!
部屋に響き渡る肌と肌とがぶつかり合う音。
バックでがんがん突かれて乱れまくるもえもえ。
セックスに不慣れなカップルであれば、バック独特の滑稽ともとれる音に吹き出すかもしれない。
だが二人とも過去の経験から特に珍しくもなく気にも留める様子もなかった。
一平は肉柱を挿し込んだまま、一旦律動を止め、亀頭部で奥ををこねくり回した。
「ああっ! そんなぁ!」
膣最奥部のポルチオを擦られたもえもえは思わず悲鳴をあげた。
「きゃっ! 一平! ああっ……そこ……すごっ……! くわっっっ……ひぇえええ~~~!」
一平はもえもえを抱くのは今日が初めてだったが、過去の経験もあって容易に彼女の奥にひそむ性感帯を探り当ててしまった。